マルキユーのグレエサの中でも、今日は渋いなーといったときに使いたいエサがイワシパワーグレスペシャルではないでしょうか。
イワシパワーの集魚力の魅力についてみていきましょう。
イワシパワーグレスペシャル
このエサに含まれている大量配合の粉末イワシがグレを強力に集魚します。
グレ・メジナは、脳の視覚中枢である視葉と運動の中枢である小脳がとくによく発達しており、ニオイを感じ取る臭葉もかなり大きくなっています。
そのため、イワシのニオイという動物性のニオイに反応しやすく、高タンパクなエサを好んで捕食することもあります。
集魚性能はイワシだけでなく、新MP酵母も配合しており、半島周りのスレたグレや沖磯の尾長グレにも威力を発揮します。
シマアジやイサキにも効果を発揮します。
比較的まとまりのある餌ですので沖合を狙うことも可能です。
基本的な作り方
オキアミ3kg + イワシパワーグレスペシャル一袋 +海水1200cc
これが標準的な作り方になります。このままであれば、足元や竿2、3本分の距離であれば問題なく撒くことができますが、遠投しようとするとエサが割れてしまったりします。
遠投する際は、粘りを少し加えるため、バッカンのエサを上から押して圧を加えて、空気を抜いてまとまり感を出してあげるとよいでしょう。
トーナメント対応や短時間での釣果を望むのであれば
オキアミ3kg +グレパワーVSP 一袋 +イワシパワーグレスペシャル一袋 海水
このブレンドでは、コマセワークが重要になってきます。
自分の意図する場所や棚にうまく合わせることが大切になってきます。
グレパワーVSPのMSPというシンクロペレットが、イワシパワーとの相性抜群です。
潮の流れを読みたい場合
オキアミ3kg +グレパワーV10SP 一袋 + イワシパワーグレスペシャル一袋 +海水
グレパワーV10の白い濁りでマキエサの投入地点を逃しません。
さらし場では、白色は目立たないためグレパワーV10SPではなくグレパワーV9をブレンドすることをお勧めします。
まとめ
イワシパワーグレスペシャルは、イワシの集魚性能で摂食力を高めてくれる渋い釣りには必須のアイテムです。ただし単品での使用は少し使いづらいため、V9 やV10とのブレンドをお勧めします。
また、高集魚ゆえに、エサ取りも多く寄ってしまいがちとなります。
暖かい時期の釣り場では使いづらいかもしれません。どちらかというと寒グレの渋い時期に使うと効果を発揮するでしょう。
シマアジやイサキを狙う際にも使えるため、カゴ釣りのオキアミに加えるのもよいでしょう。
様々な使い方を試してみてはいかがでしょうか。
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【あとがき】
この記事を書き終えた今、改めてイワシパワーグレスペシャルの存在感の大きさを実感しています。フカセ釣りにおいて「渋い状況」とは、魚がなかなか浮いてこなかったり、潮の流れや水温の変化で活性が下がっているときに頻繁に訪れます。そのような時にこそイワシが放つ強烈なニオイと高タンパクの要素が功を奏し、口を使わない魚にスイッチを入れてくれるのです。この記事では、そんなイワシパワーグレスペシャルの魅力にフォーカスしましたが、書き進めるうちに、過去の釣行で「どうしても渋いグレを釣りたい」と試行錯誤を繰り返した自分自身の思い出が次々と蘇ってきました。記事の狙いとしては、私がこれまでに培ってきたイワシパワー活用のノウハウを皆さんと共有することで、同じように厳しい釣り場で悩んでいる方の一助になれば、という気持ちが根底にあります。特に、V9やV10、VSPといった他の集魚剤と組み合わせることでこそ活かされるイワシパワーの特性について、私が感じてきたポイントを思う存分語ることができました。
そもそも私がイワシパワーグレスペシャルを使うようになったのは、ある冬の釣行がきっかけでした。当時は南伊豆の磯場に出かけたのですが、あいにくその日は北東風が強く、海面もかなりザワザワしていて、エサ取りも少ない代わりに肝心のグレがまったく浮いてこない、いわゆる「超渋い日」でした。周囲を見渡してもまったく釣果が伸びておらず、時折ウキが沈んでも雑魚ばかり。「今日の釣りは厳しいかな」と諦めかけていた時に、ふと道具袋に入っていた予備の集魚剤を思い出したんです。それが、イワシパワーグレスペシャルでした。
最初は使い慣れたV9や爆寄せグレだけで押し通そうと思っていたのですが、「こういうときほど何か変化をつけるべきだ」と感じ、半ばダメ元でイワシパワーグレスペシャルを投入してみました。すると、ひとまずマキエを打った瞬間からそれまでの魚の反応が明らかに変わり始めたのを感じました。ほどなくしてウキがチョンチョンと動いたかと思うと、アタリはあっても空振り、という状況が続いたのですが、それでも全く動かなかった海中が「イワシのニオイ」で少しずつ活性化していく感覚に、手応えを覚えたんです。
そしてその日は、結局グレを1匹仕留めることに成功しました。数こそ伸びませんでしたが、あの渋い中で1匹上げられたという事実は、私にとっては大きな勝利でしたし、何より「イワシの動物性のニオイって、想像以上に魚を引き寄せるんだな」と再認識する機会になりました。それ以来、私の釣り道具のバッカンには常にイワシパワーグレスペシャルを1袋入れておくようになり、「あ、今日は厳しそうだな」と思った時にはためらわずに投入するようにしています。
この集魚剤についてさらに理解を深めたのは、横浜の釣りフェスでマルキューの開発担当者の方から直接話を伺えたことが大きかったですね。研究所では、イワシパウダーの品質やにおいの粒子の大きさを徹底的に分析し、魚にどれだけアピールできるかを数値化して検証しているそうです。それを聞いたとき、「なるほど、単にイワシを粉末にして混ぜているだけじゃないのか」と目からウロコが落ちる思いでした。また、新MP酵母の存在も大きく、腐敗を防いだり、魚が吸い込みやすい状態を作り出す工夫がされているとのこと。私たちがフィールドで「ただ混ぜて使っている」ように見えて、実はかなりの研究とノウハウが詰まっているんだなと納得しました。
また、私が地元の釣具店でイワシパワーグレスペシャルをカゴ釣りに応用している話をした時には、店員さんが「実はシマアジの寄りがすごくいいんですよ。まさに『高タンパクな動物性のニオイ』を狙っている魚なので、カゴ釣りのマキエに混ぜると効果抜群だと思います」と教えてくれたことがあります。早速、別の日に伊豆方面でカゴ釣りを試したところ、期待どおりシマアジが回遊してきたタイミングで見事にヒットすることができました。その際は、オキアミとともにイワシパワーグレスペシャルをひとつかみ分だけカゴに足して投入していたのですが、シマアジ特有の突っ込みの強い引きでドラグが鳴る瞬間の興奮は今でも忘れられません。こうした“応用の効く集魚剤”という点が、イワシパワーの隠れた強みなのではないかと感じています。
その一方で、記事中にも触れたように、イワシパワーグレスペシャルは使い方を誤るとエサ取りを寄せすぎるリスクもあります。特に、水温の高い時期や魚の活性が高いフィールドだと、アジや小サバなどのエサ取りが集まってくることもしばしばです。私の経験上、夏場の磯や堤防ではあっという間にエサ取りだらけになってしまい、グレのタナまでエサが届かないこともありました。そのため、どちらかというと水温が下がってくる寒グレのシーズンにこそイワシパワーの真価を発揮させやすいと感じています。また、V9やV10、VSPとブレンドすることで、エサの比重や粘り、濁り具合をコントロールし、狙いたいレンジに上手くアプローチしやすくなります。このあたりの“コマセワーク”はフカセ釣りの醍醐味でもあり、最初は難しく感じるかもしれませんが、使い込むほどに「次はこう混ぜてみよう」「ここにはもう少し遠投力を強化してみよう」といった発想が自然に湧いてくるようになります。
さらに私にとって印象深いのは、釣り仲間同士で集魚剤の効果を検証し合った合宿のような釣行です。以前、南伊豆の磯泊まりで数名の仲間と夜釣りをしつつ朝マズメに備えるという計画を立てた際、あえてイワシパワーグレスペシャルをメインにブレンドしたコマセを作る人と、V9やV10を中心に作ったコマセを使う人に分かれて、その違いを観察したことがあります。結果としては、やはり渋いタイミングにはイワシパワーグレスペシャルを混ぜたコマセのほうが反応が早かったという声が多く、「同じ釣り座でも、ちょっと距離を変えてマキエを打つだけでこれだけ差が出るのか」とみんなで驚きました。同時に、「渋い時は匂いの強い動物性成分が効くね」という共通認識を得られたのも収穫の一つでした。
このように振り返ると、イワシパワーグレスペシャルという集魚剤を使ったからこそ得られた発見やドラマが本当にたくさんあります。磯釣りは自然との駆け引きであり、魚が全く口を使わない日だってありますが、そういった中で「ちょっとした工夫」の積み重ねが釣果につながるのは間違いありません。その“工夫”のひとつに、このイワシパワーが強い味方になってくれるのだと私は確信しています。
最後に、この記事を読んでくださった皆さんへ、私からのメッセージをお伝えしたいと思います。もし皆さんが「今の釣りではなかなか釣果が伸びない」「どの集魚剤を使っても反応が悪くて困っている」という状況に直面しているのであれば、ぜひイワシパワーグレスペシャルを試してみてください。単品ではなく、V9やV10、VSPなど、お気に入りの集魚剤とブレンドすることで、思わぬ釣果アップが見込めるかもしれません。確かに扱いづらさやエサ取りの懸念もありますが、それを越えるだけの集魚力は十分に持ち合わせています。この記事をきっかけに新しい組み合わせを試してみたり、渋い状況にチャレンジするモチベーションが高まったりしたら嬉しいです。釣りは試行錯誤の連続ですが、そのプロセスこそが最大の醍醐味。ぜひ皆さんも、自分なりのイワシパワー活用術を見つけて、さらなる釣りの奥深さを楽しんでいただければと思います。