クロダイ・チヌ

見えチヌは釣れない?チヌ(黒鯛)を釣るための判断ポイント

堤防や岸壁をのぞくと、浅いところをゆったり泳ぐチヌが見えることがあります。あれだけ魚が見えていれば、どうにかして口を使わせたくなるものです。

フカセでも落とし込みでも、見えているチヌを狙う場面はあります。ただ、魚が見えていることと、釣れる状態に入っていることは別です。ここを一緒にしてしまうと、何度仕掛けを入れても答えが出ないまま終わりやすくなります。

先に結論

見えているチヌは、見えているだけで釣れる魚ではありません。

狙う価値があるのは、こちらの存在が伝わりにくく、魚が餌を意識していて、進行方向に自然に仕掛けを入れられる場面です。

見えているチヌは釣れないのか

結論からいえば、見えているチヌはいつも釣れないわけではありません。釣りにくいのは、こちらの存在や仕掛けの不自然さまで魚に伝わっている場面です。足元でお互いに見合っている状態になると、口を使わせる難易度は一気に上がります。

岸壁の真下にチヌが見えていると、ついその場でエサを落としたくなります。ところが、実際には着水の瞬間に少し体を振ってコースを外したり、近づきそうで近づかずに終わったりすることが多いです。食わないというより、まず違和感を拾われていると見たほうが早い場面です。

現場で見たいこと

  • 着水した瞬間にコースを外すか
  • 少しでも減速したり、体の向きを変えたりするか
  • 見に来るだけで終わるのか、それとも寄り切るのか

サイトで狙うにしても、魚の目前に落とせばいいわけではありません。向こうからはこちらが見えにくい距離があり、進行方向に対して自然に仕掛けを入れられて、はじめて勝負になります。見えている魚をただ追いかけるだけでは形になりにくい釣りです。

見えチヌが口を使いにくい理由

見えているのに食わないのは、魚がそこにいるからですぐ口を使うわけではないからです。 どこで差が出るかを分けて見ていくと、追う価値がある魚かどうかが見えやすくなります。

お互いに見えている距離だと警戒が先に立ちやすい

見えチヌがやっかいなのは、こちらが魚を見ているのと同じくらい、魚も周囲の変化を拾っていることです。足音、人影、竿の影、着水音。どれも小さなことですが、岸壁際のチヌはそういう違和感を思っている以上に見ています。

透明度の高い日ほど、この差は出やすくなります。魚はいるのに、仕掛けを入れるたびにコースがわずかにずれる。完全に逃げるわけではないのに寄り切らない。こういう反応が続くときは、エサや針以前に、まずこちらの見え方を疑ったほうが立て直しやすいです。

表層を泳いでいても、食う気があるとは限らない

水面近くを見えているチヌは、いかにも釣れそうに見えます。ですが、実際には表層を流しているだけで、底のエサを意識していない魚もかなり混ざります。目の前を通せば何かしら反応しそうでも、速度も向きも変わらないまま通り過ぎるなら、その魚は今の餌に気持ちが向いていません。

岸壁沿いをゆっくり流すチヌに何度かコースを合わせても、ワームでも差し餌でも追うそぶりが出ないことがあります。そういう魚は、見えていても今は相手にしないほうが早いです。見えていることより、何を意識して動いているかを見たほうが、次の一手を決めやすくなります。

注意

見えた魚に執着しすぎると、釣れる魚を探す時間が減ります。表層を流しているだけの魚を何投も追うのは、釣果全体ではマイナスになりやすいです。

魚の真上に入れると、それだけで見切られやすい

見えた魚に対してやりがちなのが、魚のすぐ頭の上にエサを落としてしまうことです。目の前に入れたほうが気づいてもらえそうですが、チヌ相手では逆に不自然さが先に出ることがあります。とくに足元の魚ほど、その差がはっきり出ます。

真上に落としたときは散るのに、少し先に入れたときだけ減速して見に来る。こういう差は実際によくあります。魚が食わないのではなく、入れ方が悪くて食うところまでいっていないだけ、ということは少なくありません。

狙う価値がある見えチヌ・見切るべき見えチヌ

見えているチヌは全部同じではありません。しつこく追うと時間だけが過ぎる魚もいれば、条件が合えば口を使う魚もいます。ここを分けて見られるようになると、見えチヌに振り回されにくくなります。

狙う価値があるのは、進行方向と餌場が読める魚

狙いやすいのは、壁際や底際を意識して動いている魚です。岸壁をなめるように泳いでいたり、頭の向きが下がっていたり、落ちてくるものに対して一瞬でも角度を変える魚は、何かを拾う気配があります。こういう魚は、進行方向の先に自然に入れられれば勝負になりやすいです。

満潮前後に壁際を丁寧に見ていると、ただ通過している魚と、壁に沿ってゆっくり差してくる魚では雰囲気が変わります。前者は何を入れてもそのまま抜けやすく、後者は落下物や際の変化に目を向ける場面があります。狙うなら後者です。

判断基準

  • 狙う価値がある魚:壁際や底際を意識している、進行方向が読める、落下物に少しでも反応する
  • 見切りたい魚:表層を流すだけ、着水で距離を取る、何度通しても向きも速度も変わらない

見切ったほうがいいのは、見えているだけの魚

逆に、見切ったほうがいいのは、水面直下を一定の速度で流しているだけの魚です。何度通しても角度が変わらず、着水に対して距離を取るだけなら、その場ではかなり厳しい相手です。追えば追うほどこちらだけが崩れやすくなります。

厄介なのは、魚が近い分だけ「もう一回入れれば食うかもしれない」と思いやすいことです。実際には、その一投ごとにプレッシャーを重ねていることもあります。見えチヌに固執して底の本命ラインを触る時間が減ると、釣果全体ではマイナスになりやすいです。

見えチヌを狙うなら真下ではなく進行方向に入れる

見えチヌで差が出やすいのは、エサの種類より先に投入点です。 魚のいる場所にそのまま落とすのではなく、魚が入ってくる先に置く。これだけでも見切られ方がかなり変わります。

真下打ちが崩れやすい理由

真下に落とすと、着水音も沈み方も魚の目の前で起きます。魚との距離が近いほど、その違和感を消しにくくなります。とくに堤防の真下や船着き場のロープ際に見えているチヌは、この失敗が出やすい相手です。

真上に差し餌を入れた瞬間に、魚が半身だけひるがえしてラインを外れることがあります。完全に逃げるわけではないので惜しく見えますが、その反応が出た時点で、もう口を使う流れには入りにくいです。魚が悪いのではなく、こちらが驚かせてしまっています。

先回りして、魚のコースに自然に重ねる

食わせやすいのは、魚の進行方向を読んで、その少し先に仕掛けを入れる形です。頭の上に落とすのではなく、魚が普通に泳いでいけば出会う位置に置く。これなら、魚に考える時間を与えすぎず、違和感も出しにくくなります。

ここで大事なのは、ただ前に投げることではありません。沈む速さ、潮に乗る角度、仕掛けが先行するか遅れるかまで見て、魚のコースと重なるように合わせる必要があります。着底まで速すぎると不自然ですし、逆に沈みきらないと魚のレンジと合いません。

コツ

見えチヌを追っていると魚ばかり見てしまいがちですが、実際には仕掛けの入り方も同じくらい大事です。魚が食わない理由が、エサではなく落ち方にあることはかなり多いです。

壁際・イガイ・潮位でチヌの食い方は変わる

見えチヌを見ていると、同じ岸壁でも日によって反応がまるで違うことがあります。その差を作りやすいのが、壁際に付いたエサと潮位です。魚の姿だけを見ていると外しやすいのですが、どこで何を拾いやすい水位なのかまで見ると、狙いどころが整理しやすくなります。

堤防であれば、際にイガイなどの貝類が付いているかは見ておきたいところです。チヌは潮位が上がると、そうした壁際のエサを意識して差してくることがあります。見えている魚でも、ただ浮いているのか、壁沿いの餌場を見ているのかで意味が変わります。

満潮では壁際を意識している魚が出やすい

潮が高い時間帯は、岸壁の上のほうまで水が入ります。すると、普段は届かない位置の付着物を拾いやすくなるので、壁際をゆっくり見て回るチヌが出やすくなります。こういう魚は、ただ表層を流している魚より、狙う理由がはっきりしています。

壁沿いをのぞいていると、際から離れずに差してくる魚がいます。頭が少し下がっていて、壁をなめるように進む魚は、何かを拾う前提で動いていることが多いです。こういうときは、魚の真上に落とすより、壁から離しすぎない位置にそっと入れたほうが反応が出やすくなります。

潮が下がると底を意識した釣りに戻しやすい

一方で、潮位が落ちてくると、同じ場所でも魚の見方は変わります。壁際の高い位置にあるエサを拾いにくくなるため、魚は自然と底寄りのラインを意識しやすくなります。見えていた魚が急に食わなくなったように見える日でも、実際には見ている場所が変わっただけということがあります。

満潮で壁際にいた魚を追い続けて反応が薄くなったら、底に戻す判断はかなり大事です。潮位が変わるのに合わせて、魚の通り道も食い方も変わります。見える魚だけを基準にすると、この切り替えが遅れやすくなります。

見直したい視点

  • 満潮で壁際の付着物を拾える水位か
  • 干潮で魚が底寄りに切り替わっていないか
  • 魚がどの高さを通っているか

チヌ釣りのコツは底での見せ方にある

チヌは底の魚です。見えている魚の印象が強い日でも、結局は底付近をどう見せるかで差が出る場面が多くなります。ただし、底を取ればそれで十分というほど単純でもありません。底を切りすぎても合いませんし、這わせすぎても形になりにくい日があります。

底に置きすぎると、かえって見つけてもらいにくい

底を意識しすぎると、仕掛けを這わせ気味にしすぎることがあります。もちろんそれでよい日もありますが、いつもそれが正解ではありません。底の荒れや汚れを拾いすぎると、差し餌の見え方が弱くなったり、回収したときに不自然な傷み方をしたりします。

釣れない時間が続くと、つい「もっと底まで入れよう」と考えがちです。けれど、回収した差し餌がザラついていたり、つぶれて戻ってくるだけなら、底に置きすぎていることがあります。そういう日は、底を外すのではなく、底付近で少し見せる方向に寄せたほうが変わりやすいです。

這わせるか、少し浮かせるかで反応が変わる

差が出やすいのは、ガン玉の位置や張り方を少し変えたときです。底を這う感じが強すぎるなら、仕掛けの馴染み方を見ながら、少しだけ持ち上がる余地を作る。逆に浮きすぎるなら、底付近に入る時間を増やす。この調整で、同じ場所でも反応の出方が変わることがあります。

底を釣るというと、ベタ底のイメージを持たれやすいですが、実際には底ぴったりに固定するだけではありません。魚が拾いやすい高さに入っているか、底の変化に対して仕掛けが不自然になっていないか、そのあたりまで見ていく必要があります。底取りは大事ですが、底でどう見せるかまで整っていないと、そこで狂いやすいです。

底取りは一回で終わらない

底取りは、最初に合わせて終わりではありません。同じ堤防でも、潮位や流れ方が変われば、仕掛けの入り方はかなり変わります。朝に合っていた設定が昼もそのまま通るとは限らず、昨日よかった長さが今日は噛み合わないことも普通にあります。

反応が消えたときは、まず底のズレを疑う

チヌが食わないとき、エサやポイントばかり気にしてしまいがちです。ですが、しばらく反応がなくなったときほど、底取りのズレを見直したほうが整理しやすいです。馴染みが急に早くなったり、逆に仕掛けが入っていく感じが鈍くなったりしたら、底の取り方が今の流れと合っていない可能性があります。

周りでたまに竿が曲がるのに、自分だけ差し餌が残って戻る。こういうときは、魚がいないと決める前に、まず仕掛けの角度や入り方を見直したいところです。タナが少し狂うだけで、チヌのいる層を外しやすい魚です。

取り直すだけで釣りが立ち直ることもある

底取りのやり直しは地味ですが、ここを面倒がると修正が遅れます。とくに潮位が大きく動く日や、風でラインが引かれる日は、見た目以上に仕掛けの角度が変わっています。浮き下を少し詰める、ガン玉位置を触る、投入点を変える。その程度でも、仕掛けの入り方ははっきり変わります。

チヌ釣りは、大きく何かを変える前に、小さなズレを順に詰めたほうが形になりやすい釣りです。底取りもそのひとつで、一回決めたら終わりではなく、その日の魚に合わせるための基準合わせと考えたほうが実戦向きです。

見えているチヌに固執しないほうが釣果は安定しやすい

見えチヌは魅力があります。魚が見えているぶん、何とか食わせたくなりますし、反応が出そうで出ない時間も釣りとしてはおもしろいです。ただ、そこに時間をかけすぎると、釣れる魚を逃すことがあります。

サイトで追っているうちに、底の時合いを外してしまうことは実際によくあります。見えている魚にばかり意識が向くと、今どこで魚が口を使いやすいかという全体の流れが見えにくくなります。反応が変わらない魚を延々と追うより、壁際か底か、今噛み合うラインに戻したほうが釣果は安定しやすいです。

見えチヌを狙うときに必要なのは、執念より見切りです。狙う価値がある魚か、今は相手にしないほうがいい魚か。この判断が早いほど、釣りが崩れにくくなります。見えている魚を全部釣るのではなく、口を使う魚を選んでいく感覚のほうが、実際の釣りには合っています。

見えているチヌを狙うときに押さえたいこと

見えているチヌは、見えたから釣れる魚ではありません。こちらの存在が伝わりにくく、魚が餌を意識していて、進行方向に自然に仕掛けを入れられる。その条件がそろって、ようやく勝負になります。

とくに差が出やすいのは、魚の状態を見分けることです。表層を流しているだけの魚なのか、壁際や底の餌を拾う気配がある魚なのか。そこを分けて見られるようになると、見えチヌに対する迷いが減ります。

魚が見えていると、ついその魚そのものに気を取られます。ですが、実際に見るべきなのは、魚の向き、通り道、水位、仕掛けの入り方です。見えているチヌが釣れないのではなく、食う条件に入っていない魚まで追ってしまうと結果が遠くなります。

チヌ・グレ釣りの時合いを紹介。いつ、どんな時に釣れるのか?

最後にひとこと

見えチヌは、見えているぶん簡単そうに見えて、実際にはかなり判断が問われる相手です。だからこそ、魚の反応をよく見て、小さな違和感を一つずつ修正していく釣りがそのまま面白さになります。

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