グレ・メジナ釣りをしていると、マキエには魚が寄っているように見えるのに、ウキが沈まない日があります。
刺しエサは取られる。ウキの頭を少し押さえるような変化もある。それなのに、待っていてもウキを持っていかず、合わせるタイミングが分かりません。
こうした食い渋りの日は、仕掛けを一度に大きく変えるよりも、ウキの変化と刺しエサの残り方を見ながら、タナ、仕掛けの重さ、ハリス、ハリ、刺しエサの順に見直す方が原因を絞りやすくなります。
私も真鶴半島の赤壁で、ウキが思うように沈まず、仕掛けをどう変えればよいのか迷ったことがあります。その日はタナを見直し、1.5号のハリスを1.2号へ落とし、ハリと刺しエサまで小さくして、ようやくアタリを出せました。
大切だったのは、細い仕掛けへ交換したことだけではありません。魚が出している小さな反応を見逃さず、なぜアタリがウキに出ないのかを一つずつ考えたことです。
グレが釣れないときは、最初にウキと刺しエサを見る
グレが釣れないとき、いきなり「今日は魚がいない」と決めてしまうのは早いです。ウキがわずかに押さえ込まれ、回収したオキアミの頭だけがなくなるようなら、魚が触っている可能性があります。ただし、相手がグレとは限りません。エサ取りや、投入時のエサ落ちも候補に入れて見ます。
まずは、仕掛けを回収するたびに次の3点を確認します。
- オキアミが丸ごと残っているか
- 頭や身の一部だけ取られているか
- ウキが止まる、傾く、少し沈むといった変化があったか
刺しエサが毎回そのまま残る場合は、グレのいるタナへ届いていない、マキエと違うコースを流れている、仕掛けがなじむ前にポイントを外れているといった原因を考えます。
反対に、刺しエサが取られているのにウキが沈まない場合は、エサ取りの有無、道糸のふけ、ウキ下の設定を確認します。食い渋りと決めて、すぐに細ハリスへ替える必要はありません。私の場合は、まずウキ下を見直し、それでも変わらなければ仕掛けを少しずつ細く、小さくしていきます。
エサが残るなら、タナ、投入位置、仕掛けのなじみを確認します。エサが取られても、グレと決めつけない。小さなウキの変化も続くなら、エサ取りを疑いながらタナと仕掛けを見直します。
ウキが沈まないときは、ウキ下のタナから見直す
ウキに出るアタリが小さいときは、最初にウキ下が深すぎないかを確認します。
ここでいうウキ下は、ウキ止めで決めるウキからハリまでの長さです。潮に仕掛けが斜めに引かれれば、設定した長さと刺しエサの実際の深さは一致しません。まずはウキ止めでタナを決め、ウキを浮かせる仕掛けを前提に説明します。
設定したタナへ仕掛けがなじむ前にエサを取られていると、ハリスのたるみなどで変化が伝わりにくいことがあります。魚がエサをくわえて大きく動かなければ、ウキもはっきり沈みません。ウキ下を浅くするのは、こうした状態を確かめる一つの方法です。
ハリスを長くして自然に落とせば釣れそうな気もしますが、長く深くすれば必ず食い込むわけではありません。エサだけ取られるのにウキへ変化が出ないときは、設定したウキ下より浅いところでエサを取られていないかを疑います。
真鶴・赤壁でタナを浅くしたときの変化
真鶴半島の赤壁へ釣行した日は、朝から思うようなアタリが出ませんでした。赤壁は切り立った磯で、足元から水深のある場所です。深い場所を意識するあまり、最初はウキ下を深く取りすぎていました。
ウキがはっきり沈まないまま刺しエサだけが取られるので、魚がいないわけではありません。ただ、どのタナでくわえているのかが分からず、しばらく同じ仕掛けを流してしまいました。
そのとき、釣り場で会ったマルキユーのインストラクターに仕掛けを見てもらい、「ウキ下が少し深すぎるのではないか」と言われました。そこで、魚が下から刺しエサへ近づいて反転する形を意識し、ウキ下を少し浅く調整しました。
私はそれまで、足元が深い赤壁なら魚も深いところで食うはずだ、と考えていました。浅くするのは少し落ち着きませんでしたが、同じコースへ入れ直し、まずはウキの動きだけを比べることにしました。
変更してすぐにウキが勢いよく消し込んだわけではありません。最初に出たのは、今までより分かりやすい小さな押さえ込みでした。水中での食い方までは見えませんが、待つだけだったときより、合わせる目印が増えたのは分かりました。
ここで大切なのは、大幅に浅くすることではありません。エサを取られているのにアタリが出ないなら、ウキ下を少しずつ浅くし、ウキの変化が大きくなるタナを探すことです。
調整幅に迷うなら、まずは20〜30cmほど浅くして比べると変化を追いやすくなります。反対に、刺しエサがきれいなまま戻る状態へ変わったら、直前の設定との間を探ります。浅くするだけでなく、必要なら深く戻します。タナを変えたあとは、ウキだけでなく刺しエサの残り方も必ず確認します。
ウキの余浮力とオモリを分けて考える
タナを調整しても食い込まない場合は、ウキの浮力とオモリを見直します。食い渋るグレに対しては、刺しエサをくわえたときの抵抗を小さくし、わずかなアタリでもウキへ出る仕掛けにした方が釣りやすくなります。
ただし、オモリを外すことと、ウキを沈みやすくすることは別です。同じウキでガン玉だけを減らすと、浮き上がろうとする余力が増え、かえって沈みにくくなることがあります。
赤壁のように足元から水深があり、狙うタナまで距離がある場所では、仕掛けがなじまないほど軽くすると刺しエサがグレのいる層へ届きません。風や表層の流れに道糸を取られているときも、見た目ではウキが流れていても、ハリスと刺しエサは狙った位置へ入っていないことがあります。
私が見るのは、ウキの浮き方だけではありません。
- 投入後に仕掛けが落ち着くまでの時間
- 見える範囲のマキエの流れに対し、ウキだけが先走っていないか
- 回収した刺しエサが残っているか
- 道糸が風で大きくふけていないか
ウキが高く浮きすぎているなら、まずは小さなガン玉で浮き方を調整します。仕掛け全体の負荷を減らしたいときは、低浮力のウキと、それに見合うガン玉を組み合わせます。ウキの表示だけで決めず、刺しエサまで付けた状態の浮き方を見ます。
ウキの余浮力を抑えつつ、狙うタナへ仕掛けがなじむ重さを残す。軽くしてエサが入らなくなったなら、ガン玉の重さや位置を戻します。
食い渋りには軽い仕掛けが有効ですが、刺しエサが狙いのタナへ届かなければアタリは出ません。抵抗を減らすことと、仕掛けをなじませることの両方を見て決めます。
ハリスは1.5号から1.2号へ一段階ずつ細くする
タナと仕掛けのなじみを見直しても、ウキの押さえ込みだけで終わるなら、次はハリスを細くします。
私が普段使うことの多い1.5号からなら、いきなり極端に落とさず1.2号へ変更します。一段階ずつ細くすれば、アタリの出方が変わったのかを比較しやすく、良型が掛かったときの不安も抑えられます。
細ハリスへ変える判断をした理由
赤壁へ釣行した日は、小田原マリンの店員さんとも話をする機会がありました。そのときに勧められたのが、シーガー グランドマックスFXの細ハリスです。
それまでは1.5号を使っていましたが、タナを直してウキの変化が出始めたことで、グレは刺しエサの近くまで来ていると判断しました。そこで、食い込みを妨げる要素をもう一つ減らすため、1.2号へ変更しました。
ハリスを替えるときに迷ったのは、食わせやすさよりも掛けたあとのことでした。赤壁の足元を見ながら、これ以上細くする前に、今出ている押さえ込みを拾おうと考えました。
交換後は、同じように仕掛けを入れても、それまで曖昧だったウキの動きを取りやすくなりました。ハリスを細くしたことだけが理由とは言い切れませんが、タナを直したあとに一段階細くしたことで、魚の反応をアタリとして拾いやすくなったのは確かです。
シーガー グランドマックスFXは、強度としなやかさを特徴とするフロロカーボンハリスです。私には価格が少し高く感じられますが、食い込みを探るときの選択肢にしています。ただし、同じ製品でも細くすれば強度の余裕は減ります。
⚠ 注意|根が近い場所では、細さより取り込める強度を優先します。必要以上に細くすると、良型を止めきれず根へ入られる心配が増えます。1.2号はこの日の選択で、どの磯でも使う基準ではありません。
タナと流し方を確かめてから、必要ならハリスを一段階細くする。これが私の基準です。刺しエサがまったく取られないなら、先にタナや投入位置を見直します。
ハリを小さくし、刺しエサをマキエへ近づける
ハリスを細くしても掛からないときは、ハリと刺しエサの大きさを見直します。
5号のハリを使っているなら、まず4号へ落として様子を見ます。それでもウキを押さえるだけなら、3号の小バリも試します。ハリだけ小さくして、オキアミを1匹丸ごと付けたままでは、バランスが悪くなることがあります。ハリに合わせて刺しエサも小さくします。
3号の小バリと半分のオキアミで出たアタリ
実際に、3号の小バリへオキアミを半分にして付け、仕掛けを入れたところ、変更直後にヒットしたことがあります。
このときに効いたのは、ハリとエサを一緒に小さくしたことだったと思います。ただ、両方を変えたので、どちらがどれだけ効いたかは切り分けられません。マキエに使っていたオキアミは砕かれた状態で海中へ落ちていました。その中へ頭付きのきれいなオキアミを1匹だけ入れれば、刺しエサだけが大きく目立つことがあります。
庶民の居酒屋にタキシードで現れた人のようなものです。目立つことが良い日もありますが、食い渋っているグレには、その目立ち方が違和感になることがあります。
そこで、ハリを小さくすると同時に、オキアミを半分に切ってマキエの粒へ近づけました。仕掛けを入れたあと、今度はウキの頭を押さえるだけで終わらず、そのまま合わせられる変化へつながりました。
オキアミの刺し方を固定しない
オキアミは尻尾から刺すものだと決めてしまうと、食い渋りの日に試せることが少なくなります。
私は、オキアミを半分にするほか、頭だけを2つハリへ刺す方法も試します。頭は外れやすいので、付けた形が保てているかも見ます。赤壁でウキが沈まなかった日も、刺しエサの付け方を変えることで、それまでよりはっきりウキが入り、合わせるタイミングが分かるようになりました。
場合によっては、形の整ったオキアミを丁寧に付けることも大切です。しかし、マキエの中へ砕いたオキアミが多く入っているなら、刺しエサもその大きさや形へ近づけます。
5号から3号の小バリへ落とし、オキアミも1匹掛けから半分へ変更しました。ハリの大きさと、刺しエサの付け方をセットで見直す。この日はマキエの粒へ近づけたところ、ウキへ明確な変化が出ました。
「ムズッ」とした小さなアタリにも合わせる
食い渋る日は、ウキが一気に消し込むまで待っていると、合わせる機会がほとんどありません。
ウキの頭が少し押さえられた、流れていたウキが一瞬止まった、わずかに沈んですぐ戻った。こうした普段の流れと違う変化が続くなら、小さく合わせて反応を確かめます。波の上下動すべてに合わせるのではなく、同じ流し方で繰り返し出る変化を拾います。
空振りになっても無駄ではありません。回収した仕掛けから、オキアミが丸ごと残っているのか、頭だけないのか、身がかじられているのかを確認できます。
一度目の空振りでエサが残っていれば、魚が触ったのではなく、潮や波でウキが動いただけかもしれません。エサが残っていても、魚が一度くわえて離した可能性は残ります。同じタナでもう一度流し、再現する変化とエサの状態を比べます。
反対に、空振りでエサがなくなることが続けば、魚が触っている可能性を考えます。柔らかいエサは投入や回収でも外れるので、付け方も確かめます。ウキ下を少し浅くする、ハリを小さくする、刺しエサを小さくするなど、アタリを出し切るための調整へ進みます。
小さなアタリへ合わせる目的は、魚を掛けることだけではなく、水中で何が起きているかを確かめることです。
手返しとマキエのリズムを止めない
小さなアタリへ合わせると、仕掛けを入れ直す回数が増えます。再投入が面倒に感じることもありますが、食い渋りの日ほど、この手返しが大切になります。
初心者の方に多いのが、最初にウキの周りへマキエを2、3杯打ち、そのまま長く待ってしまう釣り方です。これでは、マキエの帯が切れたあとに刺しエサだけが残りやすくなります。
釣り友達と話していたときにも、「今日はエサがなかなか取れないから、もう少しマキエを多めにしてみたらどうだ」と言われたことがあります。その言葉で、仕掛けのことばかり考え、マキエを打つ間隔が長くなっていたことに気付きました。
そこからは、仕掛けを回収したらマキエを入れ、次の仕掛けを同じ流れへ入れ直すことを繰り返しました。量を一度に増やすというより、マキエが途切れない状態を作る意識です。
マキエを打っても、見えている小魚の下に必ずグレがいるとは限りません。見るのはマキエを入れたあと、エサが取られるまでの時間やウキの変化がどう変わるかです。
ただし、足元へ大量に撒けばよいわけではありません。エサ取りばかり増えるなら、エサ取り用のマキエを手前へ打ち、本命用は少し離したコースへ入れるといった分け方も必要になります。
マキエの量だけでなく、投入の間隔と刺しエサを流すコースをそろえる。ウキの真上へ撒くだけでなく、マキエが沈みながら流される先で仕掛けと合うように投入位置を考えます。
色付きハリの傷は、エサ取りを疑う補助材料にする
アタリはあるのに掛からず、刺しエサだけが取られる場合は、グレではなくフグ、カワハギ、キタマクラなどのエサ取りが触っていることもあります。
刺しエサの残り方に加えて、色付きハリの表面も確認できます。
がまかつ 競技口太 5号 ケイムラピンク
色付きのハリを使うときは、投入前に表面の状態を見ておきます。むき身を使うならエサ落ちしやすい点も考え、同じタナ、同じコースで比較します。掛からなかったときは刺しエサとハリを一緒に確認します。
フグやカワハギ、キタマクラのように歯の強いエサ取りが触っていれば、ハリの塗装へ傷が付いていることがあります。エサだけがきれいになくなり、塗装にも傷が続けて付くなら、エサ取りが多いと考える材料になります。
競技口太の製品説明にもあるように、ケイムラピンクは薄い塗膜です。傷には岩との接触なども考えられます。傷があるから特定のエサ取り、傷がないからグレ、とは判定できません。
ウキの動き、刺しエサの取られ方、塗装の傷、同じ場所で反応が続くか。この4つを合わせて判断します。
塗装の傷はエサ取りを疑う手掛かりになりますが、傷がないからグレだと断定はできません。仕掛けを変更する理由の一つとして使います。
赤壁で釣れない状況から組み立て直した流れ
赤壁では、ウキ下を浅くして押さえ込みが見え始め、ハリスを1.5号から1.2号へ変更しました。さらにハリを5号から4号、3号へ落とし、半分のオキアミや頭だけを2つ付ける方法を試しました。
途中は空振りも続きました。それでもエサの状態を見ながら組み直し、マキエの間隔も立て直したことで、最後は満足できる釣果へつながりました。
この日の変化は、タナ、ハリス、ハリ、エサを組み合わせた結果です。1.2号や3号という数字だけを、次の釣行の正解にはしません。
次に持ち帰りたいのは仕掛けの数字より、「何を見て変えたか」という判断です。
グレが釣れないときの見直し手順
釣れないからといって、タナ、ハリス、ハリ、エサを一度に全部変えると、どの変更で反応が出たのか分かりません。私は次の順番で、一つずつ確認します。
| 見えた変化 | 最初に疑うこと | 次に試すこと |
|---|---|---|
| エサが丸ごと残る | タナ・投入位置・なじみ | マキエと同じコースへ入れ、タナを探り直す |
| エサは取られるがウキが動かない | 浅い層でのエサ取り・糸のたるみ | 道糸を整え、ウキ下を少し浅くして比較する |
| ウキを押さえるだけで戻る | 余浮力・糸の張り・エサ取り | 浮き方を調整し、なじむ重さを残す |
| 反応は続くが食い込まない | ハリス・ハリ・刺しエサ | 1.5号から1.2号、5号から4号のように一段階ずつ落とす |
| 空振り後、塗装に傷がある | エサ取り・岩などへの接触 | エサの取られ方と反応するタナも合わせて確認する |
一度に全部変えず、変更前後のウキと刺しエサを比べる。表の順番は絶対ではありません。そこから原因を一つずつ絞れば、仕掛けを細くしすぎたり、魚のいないタナで待ち続けたりする失敗を減らせます。
まとめ
グレが釣れず、ウキが沈まないときも、回収したエサや糸の状態が次の一手を教えてくれます。
刺しエサの残り方を見て、ウキ下を調整する。ウキの余浮力と仕掛けのなじみを確かめる。ハリスを一段階細くし、ハリと刺しエサを小さくする。そして、小さなアタリにも合わせて仕掛けを確認する。
一度に全部変えるのではなく、変更前と変更後のウキ、刺しエサ、ハリの状態を比べてください。釣れない時間も、次の一手を決めるための情報になります。
グレが食いやすい時間帯も含めて考えたい場合は、チヌ・グレ釣りの時合いを紹介。いつ、どんな時に釣れるのか?も参考になります。
あとがき
赤壁でウキを見ていたときのことを振り返ると、釣れない時間そのものより、何を直せばいいか分からない時間が長く感じられました。エサがなくなるので、魚はいるだろうと思う。けれども、ウキは気持ちよく入らない。次こそはと待っているうちに、同じ流し方を繰り返していました。
今思うと、私はウキが沈むところばかり見たがっていたのです。海へ来たのだから魚を掛けたい。その気持ちは当然なのですが、回収したエサを見る作業が、次の投入までの用事になっていました。ハリに少し残った身を外し、新しいオキアミを付ける。それだけで済ませて、さっきと何が違ったかを考えていませんでした。
深い磯に立つと、深いところへ仕掛けを届けたくなります。赤壁では特に、足元の海を見ているだけで、その下に良い魚がいるように思えました。道具を替えることには前向きなのに、最初に自分で決めたタナを疑うのは後回しだったのです。ウキ下を浅くする助言を受けたとき、自分の見方がずいぶん狭くなっていたと感じました。
ただ、タナを変えたら全部分かった、という話でもありません。押さえ込みが見えるようになっても、合わせれば空振りになる。今のは早かったのか、エサ取りなのか。魚が掛かるまで分からないことは残りました。それでも、それまでの「何も起きない」とは違い、次に見るものが一つできたのはありがたかったです。
私は釣れたとき、どうしても最後に替えた道具を覚えてしまいます。小バリにした直後に掛かれば、今日は小バリが正解だった、と言いたくなります。しかし、その前にタナを直し、ハリスも替えています。流している間に潮や魚の様子も変わります。最後の一手だけを褒めると、その手前で考えたことが抜け落ちてしまいます。
釣行を思い返しても、魚が掛かった瞬間は覚えているのに、直前の空振りでエサがどう残っていたかは曖昧です。あのときもう少し見ておけばよかった、と思います。釣果の写真は残せても、こういう小さな違いは意識しないと残りません。自分の記事を書くときにも、結果へ急いで説明をつなげないようにしたいところです。
もう一つ気になっているのは、人から聞いた助言の受け取り方です。その場では、タナを浅くする、ハリスを細くするという操作だけを覚えがちです。でも本当に知りたかったのは、相手が何を見てその操作を選んだかでした。同じ道具を使っても、見るものが違えば次の判断は変わります。教わった方法を自分の釣りにするには、そこを確かめる必要があると感じています。
今でも、反応がない時間が続けば仕掛けをまとめて替えたくなります。落ち着いて一つずつ、と記事に書くほど現場では簡単ではありません。だからこそ、回収したときにエサを見る短い時間を、焦りを止めるきっかけにしたいと思っています。残ったか、取られたか。それだけでも言葉にしてから次を決めると、闇雲に道具へ手を伸ばさずに済みます。
次に赤壁へ行くときは、以前釣れた仕掛けを用意しつつ、その数字に頼りすぎずに始めたいです。そして一匹掛かったら、嬉しさの勢いで投げ直す前に、直前のウキの動きとエサの付け方を少しだけ覚えておく。帰ってから「あれが良かった」と言うだけでなく、釣り場でもう一度試せるようにしたい。それが今の私の小さな宿題です。









