フカセ釣りのマキエを作るとき、集魚剤だけで済めば、オキアミを解凍する手間も費用も減らせます。グレやチヌは、オキアミなしでも釣れるのでしょうか。
結論からいうと、マキエにオキアミを混ぜなくても釣ることはできます。ただし、釣り場や魚の食い方によって難しさは変わります。私自身はオキアミなしで釣れた経験もありますが、釣果を優先する日はオキアミを入れたい、というのが正直なところです。
ここでは、集魚剤だけで狙う場合の考え方と、グレ・チヌそれぞれのエサ選びを紹介します。

集魚剤だけで釣れる。ただし付けエサは別に必要
まず、「集魚剤だけ」が何を指すかを分けておきます。この記事でいう集魚剤は、フカセ釣り用の袋入りの配合エサです。液体の添加剤などを、単独でマキエとして使う話ではありません。
マキエは集魚剤と海水で作り、ハリには別のエサを付ける。これが基本になります。マキエにオキアミを混ぜなくても、付けエサとしてオキアミを使うことはできます。
チヌであればコーンや練りエサなども選択肢になるので、付けエサまでオキアミなしにする釣りも可能です。グレを初めて集魚剤だけのマキエで狙うなら、付けエサのオキアミは用意しておく方が試しやすいと思います。
「オキアミなし」の範囲
- マキエにオキアミを混ぜない:集魚剤と海水で作る。
- 付けエサにも使わない:魚種に合う別の付けエサを用意する。
- オキアミ由来の成分も避ける:集魚剤の原材料も確認する。
例えば爆寄せグレや爆寄せチヌには、オキアミ・アミエビ由来のエキスが配合されています。冷凍オキアミを追加しないことと、オキアミ成分を一切使わないことは別です。
オキアミ入りと何が違うのか
集魚剤には、魚を寄せるための素材のほか、濁りを出したり、狙う場所へマキエを届けやすくしたりする役割があります。麦やコーンなどを含むものもあり、単にニオイだけで魚を呼ぶ粉ではありません。
オキアミを混ぜると、マキエの中に付けエサと同じような粒を流せます。魚を寄せることに加えて、付けエサをマキエになじませる狙いがあります。
私の経験では、オキアミを入れた釣りの方が釣果もサイズもよかったことが多いです。ただ、同じ日に同じ条件で比べ続けた結果ではありません。「入れれば必ず大型が釣れる」とは考えず、釣果を求めるときに自分が選ぶ組み合わせとして捉えています。
グレを集魚剤だけで狙うときに見ること
グレ釣りでは、長時間の釣行になるとオキアミの持ち込み量も増えます。だからこそ、短時間だけ竿を出したいときや予備のマキエとして、配合エサだけで釣る方法を知っておくと便利です。
ただ、オキアミを抜いたからといって、エサ取りがいなくなるわけではありません。集魚剤にも小魚は反応するので、足元に寄る魚と、仕掛けを入れる場所を分けて見る必要があります。
濁りの真ん中へ入れるだけではうまくいかない
秋の堤防で、足元の小魚が見える日に集魚剤だけのマキエを試したことがあります。最初は魚が集まっている場所へそのまま仕掛けを入れていましたが、付けエサのオキアミがすぐなくなり、ウキにははっきりしたアタリが出ませんでした。
そこで足元へマキエを打って小魚を寄せておき、仕掛けは少し離した潮下へ入れました。本命側のマキエは少量にして、見える粒が流れる先と付けエサの位置を合わせるつもりで流します。
すぐに状況が変わったわけではありませんが、付けエサが残る流しが出てきて、その後に小型のグレが釣れました。うれしかった一方で、これだけで良型まで釣り分けられるほど簡単ではない、とも感じました。
集魚剤だけでグレを狙うなら、魚が集まったかだけでなく、付けエサが届いているかを見る。エサがすぐ取られるなら投入点やタイミングをずらし、残り続けるならタナや流す筋を見直します。
濁りと粒、付けエサが同じ速さで沈むとは限りません。水面の濁りだけを追いかけず、見える粒の沈み方と回収した付けエサを手掛かりにしたいところです。
グレに使う集魚剤とブレンドの考え方
爆寄せグレは粒の動きを見ながら使う
オキアミを混ぜずに試すときの候補は、爆寄せグレです。粗い粒子が沈みながらアピールし、オキアミとアミエビ由来の集魚エキスも配合されています。
私が気になるのは、魚を寄せる成分の多さだけでなく、自分の狙う距離まで、まとまった状態で届けられるかです。粒の粗いマキエは、乾いた部分が残るとヒシャクでまとめにくくなるので、水をなじませてから状態を見ます。
以前、少量だけ作って近い距離へ打ったときは問題なかったのに、少し沖を狙うと途中でばらけてしまいました。そこで一気に水を足さず、バッカンの片側だけを湿らせて混ぜ直したところ、同じ場所へ落としやすくなりました。
このときは、まとまりが改善してもグレのサイズまでは変わりませんでした。エサの扱いやすさと魚の食い方は、分けて考える必要があります。
「爆寄せグレは遠投できない」と決めるより、まず水加減と練り方を確認する。それでも距離が足りないなら、まとまりを補える配合を考えます。
まとまりと拡散を補うならグレパワーVSP
ブレンドの候補がグレパワーVSPです。グレパワーVSPの商品説明では、適度な粘りとヒシャク離れ、着水後の拡散が特徴として挙げられています。
オキアミを模したペレットのM.S.Pも入っています。ただし、ペレットが入っていれば生のオキアミと同じ釣果になる、という意味ではありません。粒の見え方や沈み方を利用するための素材と考えると分かりやすいです。
爆寄せグレに混ぜる場合も、最初から全部を合わせるより、必要な分でまとまりとばらけ方を見て調整する方が失敗を減らせます。浮かせて釣りたいときは、粘りを出すことだけに集中して練り固めすぎないようにします。
チヌは集魚剤だけのマキエでも狙える
チヌも、マキエへオキアミを混ぜずに狙うことができます。麦やコーン、さなぎなどを含む配合エサを使い、付けエサもコーンや練りエサへ替えられるのが、グレとの違いです。
まずは底付近を基準に組み立てます。ただしチヌはいつも底にいるわけではなく、マキエや潮の状態で浮くこともあります。濁りを出しただけで満足せず、狙うタナへ粒と付けエサを届けることを優先します。
エサ取りが多い日は付けエサの残り方で判断する
夏の終わり、流れが緩い堤防でチヌを狙ったときは、オキアミを付けると仕掛けがなじむ前に取られていました。集魚剤だけのマキエにしていても、付けエサまで守れるわけではないと感じた場面です。
コーンへ替えると、今度は形を残して戻るようになりました。ただ、残ることとチヌが食うことは別で、しばらくアタリは出ません。底付近を流せているかタナを取り直し、同じ筋へ繰り返し流しましたが、その時間帯はチヌの顔を見られませんでした。
実釣で分かったこと
コーンで付けエサを残すところまでは改善できても、それだけで釣れるわけではありません。私には「集魚剤が弱い」と決めつける前に、付けエサの持ちとタナを別々に確認するきっかけになりました。
さなぎやコーンを足す方法は「オキアミなし」の別案
粉エサに粒を追加するなら、ニュー活さなぎミンチ激荒も候補です。
ニュー活さなぎミンチ激荒は、粗く加工したさなぎとカットコーンが入ったブレンド材です。使える粒を付けエサにすれば、マキエと同じ素材をハリにも使えます。
ただし、これを混ぜたら「集魚剤一袋と海水だけ」ではなく、オキアミを使わないブレンドになります。手軽さを求めるのか、粒を増やしてチヌを狙いたいのかで選ぶとよいでしょう。
チヌに使う集魚剤の選び方
麦とコーンを使いたいならチヌパワームギスペシャル
チヌ狙いで候補にしたいのが、チヌパワームギスペシャルです。
チヌパワームギスペシャルには、5種類の麦と大粒のコーン、MP酵母などが配合されています。足元から沖、宙層から底までを対象にした配合エサです。
私がこのタイプを選ぶ理由は、オキアミを追加しなくても、マキエに粒を持たせられることです。ただ、粒が多ければ狙う一点へ全部沈むわけではありません。潮が動けば流されるので、仕掛けを流す筋と撒く位置を合わせます。
配合成分には、さなぎエキスを濃縮した「チヌにこれだ!!」も使われています。
この商品を別に追加することが必須、という意味ではありません。まずは一袋で作ったときのまとまりと魚の反応を見てから考えれば十分です。
粗い粒を含む爆寄せチヌも候補
爆寄せチヌも、チヌのフカセ釣りで使う配合エサです。
爆寄せチヌには、集魚エキスやMP酵母のほか、赤・緑のタブレット、麦、コーンなどが配合されています。
浮いたチヌだけに使うエサと考えず、狙うタナと距離に合わせて作るのがよいと思います。単品でまとまりに不満があれば、水分のなじみ方や練り具合を確かめ、それからブレンドを検討します。
チヌ用の集魚剤は、商品名の集魚力だけでなく、狙う場所まで届けられるかで選びます。足元を釣る日と、沖へマキエを打ち続ける日では、必要な扱いやすさが違います。
速釣ダンゴはフカセ用の粉エサと分けて考える
オキアミを混ぜずに使えるエサとして、速釣ダンゴもあります。
速釣ダンゴは海水を加えずに使えるウエットタイプで、付けエサを包んで投入するダンゴエサです。筏・カセのかかり釣りや、波止のウキダンゴ釣りで使います。
ヒシャクで撒くフカセ用の集魚剤とは使い方が違います。ハリに付けるくわせエサは別に必要ですし、原材料にはオキアミエキスも含まれています。
集魚剤だけでマキエを作るときの手順
オキアミを抜くと、そこから出る水分もなくなります。普段のオキアミ入り配合から、単純にオキアミだけを取り除いても同じ仕上がりにはなりません。
- 袋の作り方を確認する。単品使用の水量があれば、その目安を基準にします。オキアミ入りの配合例とは区別します。
- 使う分から作る。海水を段階的に加え、底や角の乾いた粉まで混ぜます。調整用に乾いたエサを少し残しておきます。
- 吸水後の状態を見る。混ぜた直後だけで判断せず、水分がなじんでからヒシャクでまとめます。
- 近い距離へ試し打ちする。途中で崩れるか、着水してどうばらけるかを見て、使う部分だけ調整します。
水量を全商品共通の数字にせず、袋の説明と実際のまとまりを基準にする。水を一度に入れすぎると戻しにくいので、最初の調整は少量ずつが無難です。
マキエを増やし続ける前に、付けエサが残るのか、取られるのかも確認します。無反応ならタナ、投入点、仕掛けがなじむまでの流れを一つずつ見直す方が、次に何を変えるか分かりやすくなります。
それでも私がオキアミを用意する理由
集魚剤だけで釣れると分かっていても、私は釣果を優先する日にはオキアミを用意したいです。これまでの経験では、オキアミ入りの方が魚の反応を得やすく、サイズにも満足できたことが多いからです。
ただし、オキアミを入れるとエサ取りも反応します。小魚が集まれば必ず大型魚の警戒心が薄れる、とは言い切れません。付けエサを先に取られるなら、量を増やすより撒く場所やタイミングの見直しが先です。
隣でオキアミを使う人が釣れていても、エサだけで差がついたとは限りません。流す筋やタナが違っていないかを見て、自分の仕掛けとマキエの位置を確かめたいところです。
手軽さを優先するなら集魚剤だけ、慣れた釣りで釣果を求めるならオキアミ入り。私の場合は、このくらいの分け方がしっくりきます。
節約が目的なら、オキアミ代だけでなく集魚剤と付けエサを含めた総額で比べます。オキアミを抜いた分だけ配合エサを何袋も追加すると、必ずしも安くはなりません。
まとめ
グレもチヌも、マキエにオキアミを混ぜずに狙えます。ただし、付けエサは別に用意し、狙う魚に合った配合エサを使います。
最初は短時間の釣りで、マキエの届き方と付けエサの残り方を確かめる。そこで不満があれば、タナや撒き方を調整し、必要に応じてオキアミ入りへ戻すのでよいと思います。
私は釣果を求めるならオキアミを入れたいですが、集魚剤だけで試す釣りにも、準備の手軽さと工夫する面白さがあります。
チヌ用の集魚剤を一つ選びたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
チヌの集魚剤のおすすめランキング3選。単品で釣るためのマキエ選別
あとがき
集魚剤だけで釣ってみたいと思ったきっかけは、やはりエサ代でした。フカセ釣りを始めて間もない頃は、釣具店でオキアミと集魚剤を並べて見ながら、毎回これだけ必要なのか、と考えていました。店員さんに相談したこともありますが、オキアミがよいと聞くほど、一度抜いて試してみたくなったのを覚えています。
実際に試したときも、魚がまったく釣れなかったわけではありません。ただ、小さな魚が中心で、帰る頃には、やはりオキアミを混ぜればよかったかなと思いました。この部分は今も印象に残っています。準備を減らせたことより、目の前の釣果の方が気になってしまったんですね。
そのときの自分を振り返ると、少し都合のよい期待をしていました。エサ代も準備の手間も減らして、釣果は普段と同じであってほしい。集魚剤だけで釣れたら得をした気分になれるし、釣れなければオキアミがないせいにできる。試すつもりで出かけたのに、途中から結果だけを求めていたように思います。
特に覚えているのが、アタリが遠のいてからのマキエの使い方です。反応がないと、つい追加で撒いてしまいました。バッカンの中身は減っていくのに、仕掛けをどの筋へ流したか、付けエサがどのくらい残っていたかは、帰ってからうまく思い出せませんでした。釣れなかった理由を考える材料まで、自分で見落としていたのだと思います。
試したいことを一つ決めて出かけるようになったのは、そういう釣りがあったからです。マキエからオキアミを抜く日は、付けエサまで同時に変えない。まとまりを見たいなら、最初から何種類も混ぜない。それで明確な答えが出るとは限りませんが、少なくとも何を試していたのかは見失いにくくなります。
もっとも、釣り場へ行くと予定どおりにはいきません。小魚ばかり釣れていると、もう少し大きいのが欲しくなりますし、近くで竿が曲がると落ち着かなくなります。今日は試す日だと決めていても、いつものエサを持ってくればよかったと思うことはあります。その気持ちまで無理に抑える必要はないのでしょう。
今は、釣果を求める日と、少し気になることを試す日があってよいと思っています。遠征して一日しっかり釣るなら、自分が信頼しているオキアミ入りのマキエを選びたいです。一方で、近くで短時間だけ竿を出せる日なら、集魚剤だけでどこまでできるかを試す余裕もあります。同じ釣りでも、その日に何を楽しみたいかで準備は変わります。
次に集魚剤だけで竿を出すなら、釣れた魚の大きさだけで終わらせず、エサが残った流しをもう少し覚えて帰りたいです。どこへ入れるとすぐ取られ、どこなら残るのか。その違いが分かれば、釣果がいまひとつでも、次に試すことは残ります。
オキアミなしを試したから、オキアミを使わなくなるわけではありません。むしろ、自分がなぜ普段それを混ぜているのかを考える機会になりました。いつもの配合に戻ったとしても、以前より納得してエサを選べる。私にとっては、それも試してみてよかったと思える理由です。











