キス釣りなどの投げ釣りでは、様々な仕掛けが販売されており、どの天秤やオモリがいいのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、代表的な4種類のオモリの中でどれが一番遠投可能なのか?実験してみました。
実験結果を交えて、どれが一番おすすめかを見ていきましょう。
目次
キス釣りのオモリの種類
投げ釣りのオモリにもさまざまな種類があります。ここでは代表的な4つの形のオモリを使用して、飛距離の測定を行いました。
L型天秤
ちょい投げ釣りなどでもよく使われる形のL型天秤です。
ステンレス棒がL型になっていることで仕掛けと道糸との距離を作り、糸絡みを防止します。
L型に固定されているので魚がかかった時にバネのように反発し、しっかりとフッキングすることが可能です。
初心者の人にとっては扱いやすいオモリの一つです。
天秤は折り曲げることができるので、好きな角度に折り曲げて使用します。
結局のところ90度に曲げたL型が一番絡みにくいのですが、例えば穴釣りにも使いたくてアーム部分は短いほうがいいといった場合には下向きにして使うことも可能です。
平型オモリ
平型のオモリは、海中で底に沈むと潮や海流の影響を受けにくく、流れに強いオモリです。
小判型のオモリなども同様です。
ゴム管がついているものもあり、道糸を傷つけにくくなっています。
主にはブッコミ釣りなどで使用されることが多く、川などの流れのある場所での使用が好まれます。
比較的安価で、オモリならなんでもいいというときに使われることも多いオモリです。
タル型(ナツメ型)オモリ
縦長のオモリで、円柱になっているため底についてから転がりやすいオモリの形状をしています。
底を転がるのは必ずしも悪いわけではなく、むしろ釣り場が砂地などの根がかりが少ない釣り場では、横に転がしながら広範囲を探ることもできるので好都合なオモリです。
遠投ではなく、堤防や磯場など足元の際を攻めるのにもよく使われます。
石鯛の南方宙釣りや穴釣りなどでも使用され、円柱だけでなく、丸形のオモリもあります。
ブラクリの釣りに近いとも言えます。
ブラクリの釣りに関してはこちらの記事もご参照ください。
ジェット天秤
ジェット天秤は初心者から上級者まで使いやすい投げ釣り専用のオモリです。
最大の特徴としては、赤色のプラスチック部分のウイング(羽)がついていることです。
このウイングは飛ばすための羽ではなく、水中に入って着底し巻き始めたときに底から浮き上がって障害物を回避するためについています。
ジェット天秤はアームの部分が折れ曲がる仕様になっているので、遠投した時にも空気抵抗を減らし、水中ではオモリと仕掛けの距離を作ることで糸絡みを防止してくれます。
投げ釣り専用のオモリだけあって、様々な仕掛けが施されています。
ちなみにオモリ部分は中心のステンレス棒(アーム部分)を基軸に回転します。
回転することによって、潮や流れの影響を受けて転がりながら広範囲を探ることができるようになっています。
有名どころですと第一精工のキング天秤があります。
オモリの遠投実験
使用したのは私が普段、ちょい投げなどで使用するシーバスロッド+3000番のスピニングリールで、PEライン1号を200m巻いたものになります。
オモリの号数は5号に統一し、飛距離は同行者にアイリスのゴルフ用のレーザー計測器で測定してもらいました。
下の画像ではヤード表示ですが、m表示も可能です。
普段、ゴルフ場でも計測をしますが、誤差は大きくても±1mぐらいですので、かなりの精度で測定できたと思います。
距離系の価格はこちら
一番飛んだオモリの結果
それぞれの遠投結果は以下のようになりました。
最もよく飛んだのはタル型のオモリでした。
その次に飛んだのは平型のオモリになります。
どちらにも共通して言えるのは、天秤がついていないことです。
糸がらみを防止するための天秤が付属することで、空気抵抗が大きくなり、飛距離が落ちたと考えられます。
天秤のステンレス棒が数十センチついているだけで、ここまで飛距離に差が出るとは思いませんでした。
次に飛んだのがジェット天秤でした。
L型天秤とジェット天秤の違いは天秤部分が折れ曲がるかどうかと、オモリ自体の体積が異なります。
L型天秤のほうが体積が小さくよく飛びそうにも思いますが、今回の実験では、多少の追い風であったのでジェット天秤のウイングの部分がうまく風を受けて飛距離を伸ばしたものと考えられます。
そのため向かい風であれば、体積の小さいL型天秤が飛んでいたと思われます。
飛ぶオモリはデメリットもある
今回、遠投をしてみて感じたのですが、非常によく飛んだタル型と平型のオモリにはデメリットがあるということです。
それは仕掛けが絡みやすいということです。
当然のことですが、オモリが仕掛けを追い越して飛んでいくため、道糸と仕掛けが絡む可能性があります。
仕掛けが1本針であればそこまで絡むこともないのですが、キス釣りのように多くの針を付けると糸絡みが多くなってしまいます。
タル型、平型、丸形、などの中通しオモリを使うと遠投が可能ですが、仕掛けは1本針にするのが得策です。
逆に夜釣りやブッコミ釣りなどでは1本針を使うことも多いので、天秤付きのオモリではなく、中通しオモリが遠投可能でコスパに優れていると言えそうです。
結果からキス釣りおすすめのオモリは?
結果からよく飛ぶのはタル型のような中通しオモリということでしたが、キス釣りなどの投げ釣りにおいてはジェット天秤をおすすめいたします。
釣りの目的はあくまでも魚を釣ることですので、よく飛べばいいというものでもなく、仕掛けが絡んでしまえば当然魚が釣れることもありません。
仕掛けの絡みは一投分を無駄にすることを意味しますので、それならば飛距離は短くても2投キャストして広範囲に探ったほうが魚と出会える確率はあがります。
飛距離の差の平均も2mほどですので、そこまで大きな差はないかと思います。
また、根がかりの回避性能においてもジェット天秤は優秀で、障害物を回避するように水中で浮き上がってくれます。仕掛けをなくさないという意味でも優れているように思います。
どうしても沖合のポイントまで飛ばしたいというときには長型やタル型のオモリが有効でしょう。
ただしその場合にも針をたくさんつけるのでなく、一本針で仕掛けの絡みがないようにすることをおすすめします。
まとめ
ここではキス釣りに使えるオモリの紹介と遠投時の飛距離の比較を行いました。
どのオモリにも最適な使い道があり、使う場所や使い方に応じてその特徴をいかすことができます。
初心者の方はまずはジェット天秤を使ってみて、次にL型や他の天秤付きのオモリを使うとよいでしょう。
様々な仕掛けやオモリを試してみることで、面白い使い方が見つかるかもしれません。
固定観念にとらわれずに、釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか。