海水の釣り

ウツボの釣り方完全ガイド|仕掛け・最強クラスの餌・料理まで徹底解説

海のギャングともいわれるウツボですが、狙い方そのものはそこまで複雑ではありません。基本は、強めのタックルにワイヤー仕掛けを組み、岩場の近くへ魚の餌を入れるぶっこみ釣りです。

ただし、食わせるところまで簡単でも、その先は別です。根へ入られる、仕掛けを切られる、取り込んでから暴れられる。ウツボ釣りは、掛けた後まで準備しておくことで釣りやすさが変わります。

11月に南伊豆の横根や平根へ渡ったときも、石鯛を狙っていると先に底で反応してきたのはウツボでした。10月の西伊豆、9月のカツオ島でも、遠くへ投げるより根際へ入れた餌に反応が出る場面がありました。ここでは、その経験をもとに仕掛けと餌の選び方、取り込み、料理して食べた感想までまとめます。

この記事は、こんな方におすすめ

  • ウツボを狙えるタックルと仕掛けを知りたい方
  • 餌の選び方や、反応がないときの直し方を知りたい方
  • 釣った後の扱い方と食べ方まで準備したい方

ウツボの釣り方は、根際を狙うぶっこみ釣り

ぶっこみ釣りは、オモリで餌を海底へ届けて待つ釣りです。ウツボ狙いでは、岩の隙間の奥へ仕掛けを押し込む必要はありません。隠れ場所に近く、掛けた魚を引き出せる位置へ餌を置きます。

最初は、足場と取り込み場所を見渡せる日中に始めると手順を覚えやすいです。朝夕や夜に狙う方法もありますが、私が南伊豆で石鯛釣りをしていたときは、明るい時間にもウツボが反応していました。

釣り始める前に、竿掛け、タモ、長いプライヤー、ワイヤーを切れる道具を出しておきます。持ち帰るなら、氷を入れたクーラーも必要です。取り込む場所が決まっていないまま餌を入れると、掛けてから困ります。

投入から取り込みまでの流れ

  1. 岩場に近く、魚を寄せる道筋がある場所を選ぶ。
  2. 餌を投入し、着底したら余分な糸ふけだけを取る。
  3. 竿を固定し、すぐ手に取れる位置でアタリを待つ。
  4. 魚の重さが乗ったら合わせ、根から離すように寄せる。
  5. タモで取り込み、魚の口から距離を取って扱う。

穂先を見やすくしようと道糸を張りすぎると、せっかく置いたオモリまで手前へ引いてしまいます。まずは底を取った位置を保ち、小さな反応が出たらすぐ竿を持てる状態で待つのが基本です。

アタリが出たら、長く送り込まない

ウツボのアタリは、一気に竿を持っていくものだけではありません。穂先をトントンと押さえた後、じわっと重くなることもあります。ただし、穂先の動きだけでウツボと決めつけることはできません。

11月の平根では、小さな押さえ込みが続いたので竿を手に取りました。最初は餌をつついているだけのようで、竿先も戻ります。糸ふけを取って構えていると、今度は戻りきらずに重さが残りました。そこで竿を起こすと、底でぐっと止まるような抵抗があり、寄せてきたのはウツボでした。

このとき気になったのは、アタリの派手さより、竿先が戻った後にも重さが残るかどうかです。小さなアタリに毎回大合わせする必要はありませんが、食わせようとしていつまでも糸を出すと根に入られます。重さを感じたら合わせ、そのまま巻き始められるようにしておきます。

⚠ 注意:根に入られたとき

動かなくなった魚や根掛かりを、竿をあおって力任せに引き抜かないでください。竿の破損や、外れたオモリ・針の飛来につながります。安定した足場でいったん操作を止め、必要ならラインブレーカーなどを使って安全に対処します。糸を手に巻き付けるのも危険です。

ウツボ釣りのタックル

石鯛用のタックルを持っているなら、それを使うのが分かりやすいです。クエ用も強度面では候補になりますが、最初から大型底物用を一式そろえる必要はありません。堤防から始めるなら、使うオモリと太い道糸に対応したスピニングタックルで組めます。

ここで紹介する組み合わせは、取り込みやすい堤防で近い根周りを狙う目安です。沖磯の荒い根や大型魚まで、同じ道具で押し切れるという意味ではありません。釣り座の高さと、魚を寄せられる方向も含めて選んでください。

竿・ロッドは磯竿5号クラスが目安

磯竿なら5号クラスが候補です。ただ、「5号なら何でも同じ」ではなく、錘負荷を確かめることが先です。餌を付けた仕掛けを投げられ、掛けた後も無理なく魚へ圧力をかけられる竿を選びます。

候補の一つは、シマノのホリデー イソ5号です。ホリデー イソの製品仕様では、5-450PTSと5-530PTSの錘負荷は10〜25号です。25号はこの竿の上限側なので、大きな魚餌を付けて強く振り切る使い方は避けます。

サビキ釣りや軽いウキ釣り向けの細い竿では、根から離す場面で余裕がありません。手持ちのジギングロッドやタコ竿を使う場合も、硬さの印象だけで決めず、投げる仕掛けの重量とラインの適合を見ます。船用の竿なら、そもそもキャストを想定しているかも確認が必要です。

ウツボの抵抗で厄介なのは、海底付近で急に動かなくなることです。走る魚を追いかけるときとは違い、竿を曲げても距離が縮まらないことがあります。そこでさらに力を足すより、潜られる前に底を切る余裕を持たせたいところです。

⚠ 注意:竿の強さと抜き上げは別

柔らかく曲がる竿でも、重いウツボを空中へ持ち上げてよいとは限りません。取り込みはタモを基本にし、竿だけで抜き上げないようにします。魚体が長いので、枠の大きさと網の深さも必要です。

高さのある堤防ではタモの柄が海面へ届くかも確認してください。6mのタモを紹介した記事もありますが、長さだけで大型魚の重量に耐えられるかは決まりません。網に入った後は柄を横向きのまま持ち上げず、製品に合った取り込み方をします。

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リールは番手より、太い糸を巻ける量を見る

スピニングリールなら、シマノの4000〜6000番、ダイワのLT4000〜LT6000などが候補です。ただし、同じ番手でも浅溝スプールと深溝スプールでは巻ける糸が違います。使いたい道糸の太さから糸巻量を選ぶほうが迷いません。

セドナのC5000クラスも候補になります。仕様の例を挙げると、23セドナ C5000XGはナイロン6号を125m、PE3号を200m巻けます。同じセドナでも、購入するときは型番とモデル年を合わせて選んでください。

置き竿では、竿掛けと尻手ロープで落下を防ぎます。ドラグをゆるめる場合も、糸が際限なく出る状態で放置しません。根へ入る時間を与えないよう、竿のそばで待つことが前提です。

手持ちへ移ったら、合わせられるドラグ設定に戻します。ドラグを完全に締め切って解決しようとしないことも大切です。道糸や結び目、竿が耐えられる範囲で寄せ、リールが巻けないほどの負荷をハンドルだけで押し切らないようにします。

道糸はナイロン6号前後か、PE3号前後

近い根周りから始めるなら、私はナイロン6号前後を基準に考えます。PE3号前後も使えますが、PEは根に直接こすれる使い方を避ける必要があります。ワイヤーハリスを付けても、その上の道糸まで根ズレから守れるわけではありません。

道糸の選び方
道糸 使いやすい場面 気を付けたいこと
ナイロン6号前後 近距離から始める、扱いやすさを優先する 根に触れた部分や結び目の傷を点検する
PE3号前後 少し先の根を狙う、手元の反応を取りたい 太いナイロンなどの先糸を入れ、岩へ直接触れさせない

PEを使う場合は、ナイロンやフロロカーボンの先糸を介して仕掛けへつなぎます。先糸は、やり取り中に根へ当たりそうな範囲を覆う長さにし、竿の適合と結束部の強さもそろえます。必要な太さや長さを判断しにくいなら、まずは根が張り出していない場所でナイロンから始めるほうが扱いやすいです。

製品に書かれた強度は、魚をその重さまで吊り上げられるという意味ではありません。号数だけを太くして安心せず、回収するたびにザラつきや白い傷を確かめるほうが、実際のライン切れを防ぎやすくなります。

ウツボ釣りの仕掛けは、石鯛用ワイヤーを使う

ウツボ狙いで迷いたくない部分がハリスです。私は、石鯛用のワイヤーハリスと、太軸の石鯛針を組み合わせます。太いナイロンなどで狙う方法もありますが、歯が当たる部分を糸だけで受けるより、ワイヤーを使うほうが組み立てやすいです。

タチウオ用のワイヤー仕掛けでも釣れることはあります。ただ、商品によって針の太さや金具の強度が違うため、ワイヤーが付いているという理由だけで選びません。ウツボは掛かってから体をひねるので、針、接続金具、ワイヤーの傷まで見ておきます。

針は16号前後を基準に、餌と合わせる

市販品なら、キザクラの石師魂49本ヨリワイヤー仕掛けのような、ワイヤー付きの石鯛針が候補です。自分でワイヤーを圧着する工程がないので、仕掛け作りに慣れていない方も準備しやすいと思います。

針は石鯛針16号前後を一つの目安にし、餌の大きさに合わせます。号数だけでなく軸の太さや針先の状態も確認してください。ワイヤーが折れ曲がったまま戻らない、素線が傷んでいる、接続部が緩んでいるものは交換します。

以前、水中カメラを入れていたときには、10cmほどあるボラ掛け針をウツボが飲み込んできたこともありました。口の大きさには驚きます。ただ、それを見たからといって、針をいくら大きくしてもよいわけではありません。普段の釣りでは、餌を付けても針先が埋もれず、掛けてから曲がりにくいものを選ぶほうが実用的です。

中通しオモリを使う仕掛けのつなぎ順

ナイロン道糸なら、基本のつなぎ順は次のとおりです。PEを使う場合は、道糸とオモリの間に先糸を入れます。

基本の仕掛け

道糸 → 中通しオモリ → クッション玉 → 強度のあるサルカン → ワイヤーハリス → 石鯛針

餌は針に付けます。最初は一本針にすると、餌の交換と取り込み後の処理がしやすいです。

ワイヤー仕掛けの端が小さな輪になっている場合は、それに合う接続金具が必要です。石鯛用のスクリューサルカンなど、使用する仕掛けに対応する金具を選びます。スナップ付きサルカンを使うなら、軽いルアー用を流用せず、強度と開閉部の確実さを確認してください。

オモリは15〜25号程度を候補に、竿の錘負荷の範囲で底に落ち着く重さを選びます。軽すぎて仕掛けが転がり続けるなら重くしますが、重くしても流される場所では、投入点を変えるかタックルを見直します。

25号を固定の正解にせず、底を取れる重さと竿の負荷を合わせるのが基準です。とくに大きな魚餌を付けると、オモリだけで投げるときより竿へ負担がかかります。

根掛かりが多いなら、捨てオモリ式も選択肢

天秤などを使い、オモリだけを短い捨て糸でつなぐ方法もあります。オモリが挟まったときに、オモリ側から先に切れる組み合わせにして、針とワイヤーを回収しやすくする考え方です。針そのものが根に掛かった場合には、これだけで解決しません。

ただ、捨てオモリ式でも同じ所へ入れるたびに根掛かりするなら、仕掛けを変えるだけでは足りません。根の奥を外して投入し、回収も底を長く引きずらないようにします。オモリを残すことを前提に、引っ掛かる場所を攻め続ける使い方は避けたいところです。

⚠ 注意:捨て糸と投げ方

捨て糸を細くしすぎると、投入時にオモリが飛んでいくおそれがあります。投げる重さに耐える組み合わせにし、周囲を確認して投入すること。無理な遠投をしないでください。

ぶっこみ釣りに使う遊動式のパイプ天秤については、こちらで作り方を紹介しています。

【自作】一番簡単な誘導パイプ天秤の作り方。ブッコミ釣りや石鯛釣りに最適な天秤紹介

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ウツボ釣りのポイントは、隠れ場所の外側

狙うのは岩礁帯、堤防の基礎石、沈み根の際などです。砂地へ遠投する前に、近くにある根の縁と、魚を寄せられる空間を探します。

穴の真上へ落とせば近くには届きますが、掛けてもすぐ潜られるようでは取り込めません。餌を置ける場所と、掛けた魚を通す場所を一緒に見ると、狙いどころを絞りやすくなります。

横根で気になった、投入点と道糸の向き

11月の横根では、石鯛仕掛けを沖へ入れると、着底後も道糸が横へ持っていかれる場面がありました。待っているつもりでも、仕掛けが同じ場所にあるとは限りません。

そこで次の投入は飛距離を抑え、足元寄りの根の縁を狙いました。糸の向きが落ち着く位置で待っていると、穂先に小さな反応が出ました。寄せてみるとウツボです。石鯛を期待していたので少し拍子抜けしましたが、餌を止める場所を変えると、出てくる反応も変わるのが印象に残りました。

横根でのこの経験があるので、反応がないときは飛距離を伸ばす前に、着底後の糸の角度を見ます。潮に押されて動き続けているのか、根の縁で落ち着いているのか。底の様子を直接見られなくても、仕掛けを入れ直す判断には使えます。

9月のカツオ島や10月の西伊豆でも、近い根際で先に反応することがありました。ただ、足元ならどこでもよいわけではありません。反応がなければいったん回収し、餌が残っているかを確かめてから投入点を少しずらします。根掛かりばかりなら、近さより回収できる位置を優先します。

⚠ 注意:テトラや沖磯の足場

テトラの隙間はウツボの隠れ場所になっていても、釣り人が入り込む場所ではありません。安定した足場から届く範囲を狙い、身を乗り出さないようにしてください。救命具と滑りにくい靴を用意し、沖磯では渡船の判断、堤防では立入・釣りのルールに従います。

ウツボ釣りの餌は、イワシを基準に選ぶ

最初に用意するなら、私はイワシを選びます。切っても丸ごとでも付けられ、魚餌として手に入れやすいからです。ただし、匂いの出やすさと、針に残る時間の両方で考えます。「最強の餌」を一つに決めるより、回収した状態を見るほうが役に立ちます。

イワシ・サバ・イカの使い分け

生イワシは身が軟らかく、切り口を作りやすい反面、投げ方や餌取りによって崩れます。冷凍イワシも使えますが、解凍して軟らかくなりすぎたものを強く投げると、着水までに外れてしまいます。

餌の選び方
餌 選ぶ理由 付けるときの見方
イワシ 切り身と一匹掛けを試しやすい 身が崩れていないか。頭側など硬い所へ針を通す
サバ・アジの切り身 皮を残して針持ちを調整できる 皮側に針を通し、針先をしっかり出す
イカ 魚餌がすぐ崩れるときの候補 大きく付けすぎず、針先を覆わない

エビでも反応することはありますが、最初から餌の種類を増やしすぎなくても大丈夫です。イワシと、餌持ちを変えられる切り身かイカを用意すれば、釣り場で比較しやすくなります。

餌がなくなるときは、種類より先に掛け方を見る

10月の西伊豆では、イワシを半分に切って付けると細かなアタリは出るのに、その後が続かない時間がありました。回収すると軟らかい身が減り、針の周りだけ薄く残っています。食い込みが悪いと考える前に、待っている間に餌がなくなっているのでは、と気になりました。

次は頭側を残して、目の周りの硬い部分へ針を通し直しました。今度は回収したときにも餌が残っていましたが、それだけですぐウツボが釣れたわけではありません。それでも、餌を置いて待てているかどうかは確かめられました。アタリが増えたかだけで判断しないようになった場面です。

丸ごとのイワシなら、目の周りやあごの硬い部分を利用します。切り身は皮を残して刺し、針先を出しておくこと。餌が取れないように何度も縫い刺しして、針先まで埋めてしまうのは避けます。

逆に、餌がほとんど傷まず戻るなら、同じ場所へ餌だけ替えて投げ続けるより、根際の別の位置へ入れ直してみます。餌が残るのか、崩れるのかで、次に変えるものが違います。

撒き餌を使える釣り場なら、イワシのぶつ切りなどを少量ずつ入れる方法もあります。ただ、撒き餌は必須ではありません。小魚の餌取りが増えることもあるので、まずは付け餌が残るかを見るほうが先です。使用できる餌や撒き餌のルールにも合わせてください。

ウツボバサミと、取り込んだ後の扱い方

ウツボは釣り上げてからも体をひねって暴れます。タモへ入った後も、口へ手を近づけないことが大前提です。仕掛けが丈夫でも、この準備が抜けていると安全に釣りを終えられません。

ウナギバサミやハモバサミと呼ばれる、長物を押さえる道具は役に立ちます。ステンレス製で歯のあるものなど、滑りやすい魚体を保持するための道具です。ウツボ用として用意するなら、魚の大きさに対して十分な寸法と強度があるものを選びます。

ただし、挟めたら安全という道具ではありません。魚体がねじれたり、握りが緩んだりすれば外れます。軽いフィッシュグリップやプラスチックの魚バサミだけを頼りに、ぶら下げた魚の口元へ手を伸ばすのは避けてください。

道具を出してから餌を入れる

取り込み場所は、波をかぶらず、人の通り道にもならない平らな所を選びます。足元に針とワイヤーが広がると、ウツボだけでなく仕掛けにも気を取られます。タモ、保持具、長いプライヤー、ワイヤーカッターの順に手が届く配置にしておくと、慌てずに済みます。

取り込み後にすること

  • 魚の口の向きと、針・オモリの位置を確かめる。
  • 周囲の人を離し、保持具を使って安定した場所で扱う。
  • 安全に届く針だけ、長いプライヤーで外す。
  • 深く飲まれている場合は、口へ手や指を入れて探らない。

リリースする場合も、魚を安全に保持できてから作業します。針外しが難しい場合は、口元へ近づきすぎずに届く位置でワイヤーを切る判断が必要になることもあります。刃物やニッパーなら何でも切れるわけではないので、ワイヤーに対応したカッターを用意してください。

⚠ 危険:素手や軍手で口を押さえない

ウツボの歯は鋭く、軍手をしていても噛み傷を防げません。動きが止まって見えても口元へ手を入れず、保持できない魚は一人で無理に処理しないでください。針を外すために足で踏み付けるのも危険です。

持ち帰る場合の締め・血抜きも、暴れる魚を押さえながら見よう見まねで行う作業には向きません。慣れた人と同行し、安全に扱える状態で処理します。釣りを始める前に持ち帰るかどうかを決め、扱い方が分からなければ、その場で抱え込まない準備をしておきたいところです。

ウツボを料理して食べた感想

ウツボは、捌く手間まで含めて考えたい魚です。私は刺身、湯引き、蒲焼き、から揚げで食べましたが、個人的にはから揚げが一番おいしく、食感もまとまりやすいと感じました。

ただ、ウツボの仲間をひとまとめにして「釣れたら食べられる」と考えるのは避けてください。種類と採れた地域の食用上の注意を確かめることが先です。ドクウツボなどでは、シガテラ食中毒が問題になります。

⚠ 注意:加熱で取り除けない毒があります

シガテラ毒は、加熱や冷凍で無毒化できません。鮮度がよい、唐揚げにする、大きくない、といった理由だけでは安全を判断できません。魚種や地域の注意情報が分からない個体は、食用に持ち帰らないでください。

詳しくは厚生労働省のシガテラ毒の解説、沖縄県のシガテラ予防資料と冷凍保存に関する検証が参考になります。

下処理はヌメリと骨に手間がかかる

食用として持ち帰る魚は、安全に処理した後、氷の入ったクーラーで冷やします。食べる予定なら、釣れた後に氷を探すのでは遅いので、最初から用意しておきます。

体表のヌメリは強く、塩でもんで洗い流しても、一度ですっきり落ちないことがあります。調理用のたわしなどを使う方法もありますが、魚を安定させ、頭や歯に手を近づけないようにします。

私はこのヌメリ取りが思ったより手間に感じました。切り分けた後も骨を確かめる必要があり、釣れた魚を次々に捌くつもりで持ち帰ると大変です。肛門より頭側は比較的身を取りやすいものの、そこなら骨がないというわけではありません。骨を追う作業に慣れていなければ、ウツボを扱える鮮魚店などへ相談するほうが無理がありません。

刺身・湯引き・蒲焼きはどうだったか

刺身はかなり薄く切っても、むっちりした弾力がありました。甘みとうまみは感じますが、魚の味が強烈に濃いという印象ではありません。醤油を多く付けると、その味が先に来ます。

湯引きは皮目の食感が印象的でした。コリッとした弾力と、ゼラチン質のような感触があり、ポン酢との相性はよかったです。蒲焼きはタレと身がなじむ一方、皮の食感は少し好みが分かれると思いました。

⚠ 注意:自分で釣ったウツボの生食は勧めません。 ここで紹介したのは、そのとき食べた感想です。鮮度だけで生食の安全は決められず、表面を湯にくぐらせるだけでも中心まで火は通りません。家庭で調理するなら、まず食用にできる魚かを判断したうえで、中心まで十分に加熱する料理を選んでください。

もう一度食べるなら、から揚げにしたい

から揚げは、衣のサクサク感とウツボの身の弾力がよく合っていました。鶏肉に少し似ていますが、鶏もも肉のような脂の強さとは違います。さっぱりした身に、皮のゼラチン質が重なる感じです。

食べ比べる前は、薄く切ったほうが食べやすいだろうと考えていました。でも実際には、から揚げのほうが身と皮の違いを気にせず食べられました。ウツボらしい食感は残しつつ、料理としてまとまっている感じがします。

塩・胡椒を利かせても合いますし、甘酢を使った南蛮漬けのような味付けも候補になります。ただ、揚げれば骨も全部食べられるとは考えず、調理前に骨を確認して取り除くことが必要です。食べやすい料理にするための手間は、揚げる前にかかります。

ウツボ釣りは、取り込みまでそろえて始める

まずは足場のよい場所で、強めの竿、太い道糸、石鯛用ワイヤー仕掛け、イワシを準備します。そのうえで、根の外側へ餌を置き、掛けた魚を寄せる場所まで決めておく。ここがウツボ釣りの出発点です。

反応がなければ、回収した餌と着底後の道糸を見ます。餌が崩れているなら掛け方、傷まず残るなら投入点、流され続けるならオモリや狙う位置を見直します。一度に全部変えず、気になったところから直すと、何が違ったのかが分かりやすいです。

ウツボ以外の大物を狙う仕掛けについては、こちらにもまとめています。

堤防から狙う大物釣りの仕掛けの作り方。最強の仕掛けと餌

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あとがき

石鯛を狙っていてウツボが上がってきたときは、正直なところ、うれしいより先に「またウツボか」と思っていました。竿先が入ると期待するので、海面に長い体が見えた瞬間に気持ちが落ち着いてしまうんです。横根や平根まで渡っていると、余計に石鯛への期待が大きくなります。ウツボに悪気があるわけではないのに、こちらの都合で残念な魚にしていました。

ただ、実際に持ち帰って料理してみると、釣り場での印象だけでは決められない魚だと感じました。食べておいしかった、ということもありますが、それ以上に、口へ運ぶまでにずいぶん手間がかかったことを覚えています。

普通の魚と同じ調子で捌き始めようとしても、ヌメリが残っていると落ち着いて扱えません。まずそこを片付けないと先へ進めない。釣るときには気にしていなかった体の造りを、台所で改めて見ることになりました。

捌く前は、何種類か作れば好みがはっきりするだろう、くらいに考えていました。ところが、骨を気にしながら身を分け、料理ごとに切り方を変えていると、思ったより作業が増えます。食べ比べは面白いのですが、同じ日にあれもこれも作るのは結構大変です。食べてみたい気持ちと、丁寧に処理できる量は別だと思いました。

刺身を薄く切ったのも、あの弾力のある身を少しでも食べやすくしたかったからです。それでも、口に入れるとしっかり存在感がありました。湯引きは皮の感触が変わり、蒲焼きはタレの味で印象が変わる。同じ魚なのに、料理を替えると気になる部分まで違うのが面白かったです。もっとも、食べたときの好みと、家庭で安心して調理できるかは分けて考える必要があります。次に食べるなら、私は十分に火を通したから揚げを選びます。

から揚げを食べたときは、最初からこれを多めに作ればよかったと思いました。衣があるだけで、身と皮の食感がばらばらに感じにくくなります。何も知らずに食べれば鶏肉と思う、とまでは言いませんが、見た目から想像していた料理よりずっと身近でした。釣り場では外道という一言で済ませていた魚を、自分の好みの一皿として見られたのはよかったです。

それでも、次から釣れたウツボを全部持ち帰りたいかと言われると、そうではありません。釣りを終えてから帰宅し、道具を洗い、その後に下処理をするところまで考えると、気軽に増やせる魚ではないです。せっかく持ち帰ったのに、疲れて雑に扱うのは避けたい。おいしく食べ切れる分だけ持ち帰るという考えが、ウツボでは特にはっきりしました。

石鯛を待っている最中には、また同じように「ウツボか」と思うこともあるはずです。本命が違う以上、それは仕方ありません。ただ、以前より少し長く魚を見るようにはなりました。どんな餌に来たのか、どこへ入れた仕掛けだったのか。釣りの手掛かりとして見られますし、持ち帰る準備ができている日なら食卓まで考えられます。外道という呼び方は変わらなくても、そこで釣りの話を終わらせなくなった。そのくらいの変化が、自分にはちょうどよいと思っています。

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