ヘラブナ釣りの針は、エサを付けて魚を掛けるだけの道具ではありません。同じエサでも、針の号数や重さを変えることで、エサ持ちや沈下の仕方、ウキに出るアタリが変わります。
私がよく使うのは、ダンゴとバラケにはバラサ、クワセには玉鈎と軽玉鈎です。さらに重さが欲しいときのプロストがあると、釣りの途中で調整しやすくなります。
まずはバラサ6号、クワセは玉鈎2〜3号をひとつの基準にして、エサの大きさとウキの動きを見ながら前後の号数へ変えていく。ここでは、そんな私なりの使い分けと、ヘラ針の重さについて見ていきましょう。

ヘラ針のおすすめメーカーはオーナー
ここでは誠に勝手ながら、私個人の使用感を優先して針を選んでいます。いろいろ使ったなかで、自分の釣りを組み立てやすかったのがオーナーのヘラ針です。
がまかつやハヤブサも試しましたが、形状や重量の選択肢を考えると、私にはオーナーで揃える方が分かりやすかったです。
基準にする針を決めておくと、「今より少し持たせたい」「クワセをもう少しゆっくり落としたい」というときに、次の一本を選びやすくなります。種類を増やすより、使い慣れた針からの違いが分かることを重視しています。
ちなみに、チヌ針は金龍、グレ針はがまかつ、石鯛針はハヤブサ、トラウトはバンフックと、魚種ごとに好みのメーカーは違います。ヘラ針でオーナーを使っているのも、あくまでも自分の釣りとの相性です。
ダンゴ・バラケにおすすめのヘラ針
バラサは6号を基準にエサ持ちで調整する
両ダンゴで最も使用頻度が高いのはバラサです。私の場合は6号を基準に、魚の寄りが強く、狙ったタナまでエサが持たなくなったら7号、さらに大きなエサを抱かせたいときは8号も使います。
針のフトコロにダンゴを収めやすく、エサを持たせる調整がしやすいところが気に入っています。エサの練り方や付け方を変えても持ちが足りないときに、号数をひとつ上げる選択肢があるのは助かります。
ただし、ウキが動くからといって、すぐに針を大きくするわけではありません。まず見たいのは、エサの重さでウキが沈み込む「なじみ」が、いつもと比べてどう変わったかです。
実釣で感じたこと
夏の両ダンゴで、打ち始めは素直になじんでいたウキが、魚が寄るにつれて途中で止まるようになったことがありました。待ってもなじまず、打ち返そうとするとエサの重みもほとんど感じません。
最初はエサを強く押さえて付けましたが、今度はなじんでも、食わせたいところでアタリにつながりにくくなりました。そこで取り分けたエサを元のタッチで付け、バラサを6号から7号へ変更しました。
すべての投入でうまくいったわけではありませんが、なじみが出る回数は増えました。その日はエサを硬くし続けるより、針で持ちを補う方が釣りを続けやすかったです。
エサが持たないときは、硬くする以外に針をひとつ大きくする方法もある。この選択肢は覚えておくと役立ちます。
反対に、小さなエサを使うときや、両グルテンで針の重さを抑えたいときは4〜5号も使います。まず4〜7号を中心に揃え、必要になったら8号を足すぐらいでいいと思います。
セットの上針はバラケを持たせる時間で選ぶ
バラサは、セット釣りのバラケ用としても使っています。こちらも私の基準は6号です。
バラケをタナまで運びたいのに、なじむ前に落ちてしまうときは7号を試します。逆に、小さなバラケを使い、早めに針から抜きたい冬のセットでは5号や4号へ落とすことがあります。
ただし、小さい針にすれば狙いどおりの位置で抜ける、というほど単純ではありません。バラケのまとまり、付ける大きさ、指で押さえる場所でも抜け方は変わります。
上針を選ぶときは、バラケを持たせたいのか、早めに抜きたいのかを先に決める。そのうえで、なじみ幅とウキが戻るタイミングを見て号数を調整してみてください。
スズと金は、まず色より号数とエサ持ちを合わせる
バラサにはスズと金があります。私も金針を使っていて、エサが落ちたと思った後に食ってくるように感じたことがあり、例会などでは金を選ぶことがあります。
ただ、水中で針だけを吸い込んだところまで見えているわけではありません。わずかなエサが残っていたことも考えられるので、金針なら空針でもよく釣れる、とまでは言い切れないです。
色で迷ったときも、先に合わせたいのは号数とエサ持ちです。スズでも金でも、自分の狙うタイミングまでエサを持たせられることを優先した方が、使い分けを考えやすいと思います。
クワセにおすすめのヘラ針と使い分け
クワセ針は、玉鈎を中心に、ゆっくり落としたいときは軽玉鈎、重さを加えて落ち着かせたいときはプロスト、という使い分けです。
軽い針だけで揃えず、重くする方向も用意しておくと、同じクワセを使いながら違いを見られます。
玉鈎は力玉や感嘆を使うときの基準
力玉や感嘆をクワセにするとき、私がよく使うのは玉鈎の2号か3号です。特に冬のセット釣りでは、ここから様子を見ることが多いです。
OHへら玉鈎は、三角軸と表面の加工でエサを保持する設計です。私も、縦誘いをした後にクワセが抜けにくいところを気に入っています。
釣ったヘラを玉網に収めてからも、針を外しやすいと感じます。エサを持たせることと、掛けた後の扱いやすさの両方で、使う機会が多い針です。
号数は冬だから小さくする、と決めず、付けるクワセの大きさも見て選びます。小さなクワセで沈下を抑えたいなら2号を軸に、もう少し重さや大きさが欲しければ3号へ変える、と考えると迷いにくいでしょう。
軽玉鈎はクワセが落ちる途中の間を作りたいとき
玉鈎よりクワセをゆっくり落としたいときには、軽玉鈎を使います。OHへら軽玉鈎の2号は8.3mg。同じ2号の玉鈎は12.7mgなので、針だけで4.4mgの差があります。
冬の風が弱い日に、バラケが抜けた後、ウキがなじみ切る直前だけ小さく動き、その後は静かになることがありました。クワセは残っていて、誘い直しても同じような動きしか出ません。
このときは、クワセが落ちている間をもう少し長く取ってみようと考え、玉鈎2号から軽玉鈎2号へ替えました。ハリスの長さとクワセの大きさは変えず、エサ落ち目盛りを確認して打ち直しました。
軽くしただけで急に釣れ続くようにはなりませんでしたが、誘った後にゆっくり待つと、それまで見逃していたような小さいアタリで掛けられる場面がありました。私には、誘いを増やすより落ちる間を待ちやすくなったことが大きかったです。
ただ、軽くすると魚のあおりや水の動きも受けやすくなります。ウキの動きが落ち着かず、どこで待てばよいか分からなくなったら、軽くする方向にこだわらず玉鈎へ戻してみます。
プロストはクワセを落ち着かせたいとき
軽玉鈎とは反対に、クワセ側へ重さを足したいときに使うのがプロストです。私の場合は2号を基準にし、サナギ玉などクワセの大きさも考えて号数を選びます。
魚が寄ってサワリは続いているのに、クワセが落ち着く前にウキが動かされ、合わせる動きを絞れなかったことがありました。回収してもクワセは残っています。
そこで、下ハリスの長さはそのままに、軽玉鈎2号からプロスト2号へ替えてみました。エサ落ち目盛りを合わせ直すと、途中のふわふわした動きが減り、待った後の短く入る動きを取りやすくなりました。
その日は、軽さを求めるよりも、クワセを落ち着かせる方が合っていたという感触です。サワリがあるのに食いアタリを絞れないときは、重くする方向も試す価値があります。
宙釣りでは、針が重くなることで下ハリスが張るまでの動きが変わり、アタリを捉えやすくなる場合があります。ただし、サワリがあるだけでは、魚がクワセを食っているとは限りません。「軽い針だからアタリが伝わっていない」と決めつけず、変更後のなじみ方と実際の掛かり方を見て判断します。
なお、ここで紹介しているのはへらプロストです。S-プロストとは別製品なので、買い足すときは商品名も確認しておくと安心です。
ヘラ針の重さ一覧と比較の仕方
ヘラ針は、同じ号数でも種類が違えば重さが変わります。逆に、重さが近くても針の大きさやフトコロの形状まで同じになるわけではありません。
号数だけでなく、mgで表示された重さも一緒に比べると、次に試す針を選びやすくなります。
よく使う号数は、文字でも見比べられるようにまとめました。下の数値はオーナーの各製品にある標準ウェイト・自重で、単位はmgです。1mgは0.001gになります。
バラサの重さ
| 号数 | バラサの重さ |
|---|---|
| 4号 | 17.7mg |
| 5号 | 21.3mg |
| 6号 | 26.1mg |
| 7号 | 28.6mg |
| 8号 | 33.6mg |
6号から7号では2.5mg、7号から8号では5.0mg重くなります。同じ「1号上げる」でも増える重さは一定ではないので、号数の刻みだけで判断しないようにしています。
軽玉鈎・玉鈎・プロストの重さ
| 号数 | 軽玉鈎 | 玉鈎 | プロスト |
|---|---|---|---|
| 2号 | 8.3mg | 12.7mg | 16.0mg |
| 3号 | 10.3mg | 15.2mg | 18.3mg |
| 4号 | 12.4mg | 18.5mg | 22.5mg |
| 5号 | 16.9mg | 22.2mg | 25.5mg |
重量の詳細は、軽玉鈎、玉鈎、茶へらプロストの製品ページでも見られます。
例えば玉鈎2号の12.7mgに対して、軽玉鈎4号は12.4mgです。重さは近くても号数と形状が違うため、クワセの保持や掛かりまで同じ感覚とは限りません。
また、表の重さから沈下速度をそのまま計算することはできません。実際にはクワセの大きさや比重、ハリスの長さ・太さ、水の動きも関わります。数字は針を選ぶ目安にし、最後はウキの動きで合わせていきます。
ヘラ針の特性表は形状と重さを分けて見る
重さの違いが分かったら、次は針の形状も見てみましょう。エサを抱えるフトコロや針先の形が違えば、エサ持ちや掛かり方の感触も変わります。
プロストやセッサは、重さを使ってエサを安定させたいときの候補になります。バラサやアクトは軽めの候補として考えられますが、種類だけで軽い・重いを決めず、使う号数で比較することが必要です。
例えば6号なら、アクトは25.0mg、バラサは26.1mg、セッサは30.5mg、プロストは32.5mg。一方、7号ではアクトが34.3mg、バラサが28.6mgと、両者の重さの順序が入れ替わります。
私がまず分けて考えるのは、エサ持ちを変えたいのか、沈下やハリスの張りを変えたいのか、という点です。
ダンゴが持たないならエサを抱える大きさや形を見ますし、クワセが落ちる途中を長く使いたいなら重さも比べます。ウキが立った後の早いアタリを狙う場合も、単に軽い針を選ぶだけでなく、そのタイミングでエサが残り、掛けられる組み合わせを探します。
すべての針を揃える必要はありません。ひとつの針で基準を作り、変えたい動きに合わせて別の形や重さを足していく方が、それぞれの違いを覚えやすいと思います。
針を替えるときに確認したいこと
針の種類・号数・ハリス長を一度に変えない
針を替えるときは、一度に変更する項目をひとつに絞ると、違いをつかみやすくなります。
バラサ6号から7号にするなら、まずエサの大きさやタッチはなるべく揃えてみる。クワセ針の種類を替えるなら、ハリスの長さはそのままで比べる。この順番なら、良くなったときも悪くなったときも、元の状態へ戻しやすいです。
ただし、号数を変えると針の重さだけでなく大きさも変わります。種類を替えれば形状も違うので、実釣では「重さだけを比べた試験」にはならないことも頭に置いておきます。
針を替えるときの手順
- エサが早く落ちているのか、クワセが残ったままアタリが出ないのかを見る。
- 上針を調整するのか、下針を調整するのかを決める。
- 号数か種類をひとつ変え、エサ落ち目盛りを確認する。
- なじみ方、アタリの出るタイミング、掛かり方を比べる。悪くなったら元へ戻す。
クワセ針を重くしても変化がなければ、ハリスを少し短くしてみる方法もあります。その場合も、先に針の比較を終えてから長さを変えた方が、判断しやすいでしょう。
交換後はエサ落ち目盛り、底釣りではタナも確認する
針の重量を変えると、仕掛け全体のバランスが変わります。交換したらエサ落ち目盛りを確かめ、必要に応じてオモリを調整してから、エサを付けた動きを見ます。
セット釣りでクワセを付けた状態を基準にしているなら、その状態で確認します。交換前後で確認条件が違うと、針の違いとウキの設定の違いを混同しやすくなります。
また、底釣りでは針とエサが底に着くので、宙釣りと同じように「重くすればハリスが張る」とは考えられません。タナと底への着き方、ハリスのたるみも含めて見直します。
まず自分が使っている針の名前と重さを知り、次の釣行で一段だけ変えてみる。それだけでも、エサの調整とは違う変化が見えてくると思います。
針を替えても改善しないときは、エサやタナ、魚の寄せ方も見直してみてください。以下の記事では、ヘラブナが釣れないときの対策をまとめています。
ヘラブナが釣れない時の対策と対処法。釣れる人との違いやその理由を解説
あとがき
ヘラ針について書いていると、釣り場で針を替える時間より、家で針を結んでいる時間のことを思い出します。小さな針を並べていると、どれもそれなりに釣れそうに見えるのですが、いざ池に座ると、いつもの針ばかり使ってしまうものです。
以前は、釣れそうだと思って買った針を、袋のまま道具箱へ入れていました。違う針を使ってみようと思っても、魚が寄り始めると結ぶのが面倒になり、結局そのまま釣りを続けてしまいます。帰ってから道具を片付けて、今日もこれを使わなかったな、と思うことがありました。
反対に、釣れない日はやたらと交換したくなります。針を替え、ハリスを詰め、その間にバラケも練り直す。ようやく魚が掛かると、そのとき付いていた針がよかったと思いたくなるのですが、家へ帰って振り返ると、何が効いたのか自分でも説明できませんでした。
一度、そうやってあちこち触った日に、最後は最初と同じバラサへ戻していたことがあります。戻した後に釣れたので、やはりバラサが合っていたと思いましたが、朝と比べれば魚の寄り方もエサの状態も違います。最初の針が悪かったのか、自分が待てていなかったのか、その日は結局分からないままでした。
そのとき、釣れた針の名前だけ覚えて帰っても、次にはあまり役立たないと感じました。覚えておきたいのは、どの針で釣れたかに加えて、替える前に何に困っていたかです。エサが持たなかったのか、クワセが残っていたのか、ウキは動くのに合わせるところがなかったのか。そこが抜けると、次の釣行でも同じところから迷うことになります。
今は違いを見たい針だけ、なるべく同じ長さのハリスで用意しておくようにしています。全部の号数を大量に結ぶわけではなく、いつもの針と、その日試したい前後の候補ぐらいです。釣り場で迷ってから結び始めるより、替えること自体が楽になり、試した後に元へ戻すのも苦になりません。
とはいえ、準備したとおりに使い分けられる日ばかりではないです。少し釣れ始めると、それまで何を比べようとしていたのか忘れて、同じ針で最後まで通してしまうこともあります。そんな日は無理に比較を続ける必要もなく、気持ちよく釣れているならそれでいいと思っています。
困るのは、少し悪くなっただけで道具を疑いすぎることです。針を替えたくなったら、まず何を変えたいのかを自分の中ではっきりさせる。すぐ答えが出ないなら、次の一投は仕掛けを触らず、ウキがどこで止まり、どう戻るかを見るようにしています。
小さな針の違いが分かった日はうれしいですが、使わずに終わった針があっても、最近はそれほど気にならなくなりました。道具箱の種類が増えることより、手元の針でできることがひとつ分かる方が、自分の釣りには役立つ気がします。次に針を結ぶときも、試したいことがはっきりした分だけ、少しずつ用意していこうと思っています。









