ヘラブナ釣りの釣果を分ける重要な要素の一つが、針の選択です。
特にダンゴ釣りでは、季節や水深、エサの大きさなど、様々な要因に応じて適切な針を選ぶことが重要です。
実際ヘラ釣りをしていると本当に針の重要性がわかります。
しかし、初心者の方にとって、針選びは意外と難しいものです。
この記事では、誰でも実践できる針の選び方のポイントを、針を箱買いする筆者がわかりやすく解説していきます。
目次
ヘラブナ用の針の使い分け
季節による使い分け
ヘラブナの活性は季節によって大きく変化します。春になると水温の上昇とともにヘラブナの活性が高まってきます。
この時期は5~7号の中型針がおすすめです。
私はスタート6号基準が多いです。
エサの保持力と掛かり具合のバランスが取りやすく、安定した釣果が期待できます。
夏場になるとヘラブナの活性は最高潮に達します。
この時期は7~9号の大きめの針を使用します。
これぐらいの大きさでないとエサが持たないことも多いからです。
エサもしっかりと付けることができ、活発に動き回るヘラブナに対して効果的です。
秋になると、徐々に水温が下がり始め、ヘラブナの活性も落ち着いてきます。
この時期は春と同様、5~7号の中型針に戻すのがよいでしょう。
バランスの取れたサイズで、様々な状況に対応できます。
冬は最も難しい季節です。そもそもダンゴで釣るのはなかなか難しいです。
水温の低下によりヘラブナの活性が最も低くなるため、3号ぐらいの小さな針でゆっくりダンゴを落とすイメージです。
口の動きが鈍くなる冬場は、細めの針を使うことで、わずかな食いつきも逃さず釣果につながります。
【季節別まとめ】
春(3〜5月):5〜7号の中型針
夏(6〜8月):7〜9号の大きめの針
秋(9〜11月):5〜7号の中型針
冬(12〜2月):3~4号の小さめの針
水深による使い分け
水深によって針のサイズを調整することも、釣果を左右する重要なポイントです。
浅場(水深1~2m)では、4~5号の小さめの針を使用します。
この水深では、エサの落下速度をゆっくりにすることで、ヘラブナに見つけてもらいやすくなります。
また、メーター規定の池では水深1m未満の上ずったヘラブナを棚までエサを追わせることができます。
中層(水深2~4m)は最も一般的な釣り場です。
5~7号の中型針を使用することで、エサの落下速度と保持力のバランスが取れ、安定した釣りが可能になります。
深場(水深4m以上)では、7~9号の大きめの針を選択します。
深い場所では、エサを目的の水深まで確実に届ける必要があります。
大きめの針を使うことで、エサの保持力が高まり、狙った水深での釣りが可能になります。
【水深別まとめ】
浅場(1〜2m):4〜5号の小さめ針
中層(2〜4m):5〜7号の中型針
深場(4m以上):7〜9号の大きめ針
ヘラブナ用の針の色について
ダンゴ釣りの場合針の色は、何色であっても食ってきます。そもそもが、針をダンゴで覆ってしまうので何色でも見えないからです。
ダンゴが溶けて小さくなった時に目立たない色の方がいいですが、ダンゴが溶けて小さくなるまで待って釣りをするよりも、切って打ち返した方がいいので、あまり色は関係ありません。
個人的なヘラブナの針の色の使い分けとしては、ロンパリという長いハリスを使ったダンゴ、例えば18尺のチョーチン両ダンゴ 65㎝ 80㎝などの場合に上下の針の色を分けて使用します。
理由としては、ハリス切れをした際に上のハリスか下のハリスかどちらが切れたのか一目でわかるようにするためです。
自分なりのルールを作って、上針は金、下針は銀としておけば、なくなった針の方を交換すれば、何センチのハリスだったかがわかりやすいです。
釣果にはほとんど影響しないため、ダンゴ釣りの場合は針の色はそこまで気にしなくていいでしょう。
ヘラブナ用おすすめの針 3選
この3製品を選ぶべき理由
いずれも釣り針メーカーの代表的ブランドの定番商品
幅広いサイズ展開で様々な状況に対応可能
初心者から上級者まで使いやすい設計
信頼性の高い製品として市場で高評価
オーナー バラサ
ヘラブナ釣り初心者の方に特におすすめなのが、このバラサです。
うわずり(エサが針からずり落ちること)を防ぐ細地設計が特徴で、エサを付けやすく、外れにくい設計になっています。
針のフトコロ(針の内側の空間)が広めに設計されているため、ダンゴを付けやすく、エサ持ちも抜群です。
平打ち加工が施されているため、エサがフトコロにしっかりと留まり、長時間の釣りでも安定した釣果が期待できます。
丸型と角張型の中間のような形状を採用しており、エサのホールド性能と使いやすさを両立しています。
使用後のメンテナンスも簡単で、初心者でも扱いやすい製品となっています。
価格は290円(税込)からと、比較的お手頃な価格帯です。
1号から9号までのサイズ展開があり、両ダンゴにはもってこいの針です。
両ダンゴだけでなく、セット釣りなど、基本的な釣り方に幅広く対応できる万能な針です。
このような方におすすめ
ヘラブナ釣りを始めたばかりの方
長時間の釣りを楽しみたい方
コストパフォーマンスを重視する方
オーナー リグル
オーナー社のバラサの兄弟製品とも言えるリグルは、より繊細な釣りに対応できる設計が特徴です。
細軸設計により、魚が餌を吸い込みやすく、かつ掛かりやすい形状になっています。
素材・製法・形状にこだわって作られており、細身ながらも強度は十分に確保されています。
クワセ、ダンゴ、グルテンなど、様々なエサに対応できる汎用性の高さも魅力です。
スズ(シルバー)または金メッキから選べ、ヘラスレ(カエシなし)タイプで掛かりの良さも特徴です。
少し角張った形状を採用しており、より繊細な釣りに対応。浅場から深場まで幅広く使え、特に魚の活性が高い時期に効果を発揮します。
価格はバラサよりもやや高めです。
バラサはエサ持ちが良く、リグルは多様な餌に対応できるという特徴があります。
例えばとろろやグルテンなども使う人には汎用性の高いリグルの方がこの針だけで対応できます。
針の重さがリグルの方が重たいので、針の重さでダンゴを入れたい時などにも使えます。
ダンゴのサイズを変えずに重さだけを変えたいときには、バラサからリグルに変えるのもいいでしょう。
このような方におすすめ
少し経験を積んだ方
繊細な釣りを楽しみたい方
様々な釣り方に挑戦したい方
がまかつ ダンゴマスター
名前の通り、ダンゴ釣りに特化した設計が特徴のプレミアム針です。
丸い形状によるエサ持ちの良さに加え、二つの重要な技術革新が施されています。
一つ目は、腹部分(ダンゴを支える部分)にあるギザギザ加工です。
これにより、エサ持ちが向上し、エサが途中で落下するのを防ぎます。
二つ目は針先のヒネリ加工で、魚が掛かりやすく、かつバレ(魚が針から外れること)を防ぐ効果があります。
高炭素鋼を使用し、耐久性に優れています。
両ダンゴ釣り、クワセ釣りにも対応できるプロフェッショナル仕様の高品質設計です。
価格は300円(税込)からとやや高めですが、その分の価値は十分にあります。
このような方におすすめ
ダンゴ釣りを極めたい方
確実な釣果を求める方
耐久性を重視する方
まとめ
ヘラブナ釣りの針選びは、一見複雑に感じるかもしれません。
しかし、季節、水深、そして釣り場の状況という3つの要素を意識することで、適切な選択ができるようになります。
初心者の方は、まずは6号程度の針から始めることをおすすめします。
これは最も汎用性が高く、多くの状況で使える基本的な針です。
そこから徐々に、その日の状況に応じて針のサイズや色を変更していく練習をしていきましょう。
経験を重ねることで、その日の条件に合わせた最適な針を選べるようになり、より効果的な釣りが可能になっていきます。
針選びの基本を押さえ、実践を重ねることで、きっと素晴らしい釣果につながるはずです。
【総まとめ】
季節に応じたサイズ選択を基本にする
水深とエサの大きさで微調整を行う
天候と水質に合わせて色を選ぶ
まずは中型の針から始めて、徐々にバリエーションを増やしていく
ちなみにですが、針がたくさんになると入れるケースがあったほうがいいでしょう。
マルキューのライトポーチPA-シリーズSサイズがおすすめです。
やや高いですが、良かったら使ってみてはいかがでしょうか。
針の選択も重要ですが、それよりもハリスの選択はさらに重要と
言えます。
結局はトータルバランスなのですべてのバランスが整っていて最高の釣果が出せるのですが、まずは、ハリスの号数や選び方なども見直してみることおすすめします。
以下の記事ではハリスについてご紹介しています。
この記事を書き終えて感じるのは、やはりヘラブナ釣りという奥深い世界の中でも、「針の選択」という要素がいかに釣果に直結するかということです。基本的なセオリーを押さえればそれなりの釣果は得られる一方で、ちょっとした調整や工夫が驚くほど大きな結果をもたらす──そこにヘラブナ釣りならではの醍醐味があると再認識しました。今回の記事は、ダンゴ釣りの針の選び方を具体的に整理し、多くの方に「自分はどんな針を選ぶべきなのか」を見極めるためのヒントを提供したいという思いで執筆しました。初心者からベテランまで、読んだ方がすぐに実践できるように、なるべく専門用語をかみ砕きつつ書いたつもりです。少しでも皆さんの釣果アップにつながれば、書き手としてこれほど嬉しいことはありません。
この記事を書くにあたって、私自身の体験を振り返ると、隼人大池と清遊湖での釣行が大きなインスピレーションになりました。どちらの釣り場も比較的人気があり、いつ行っても多くの釣り人が竿を並べています。そのぶん、同じようにダンゴ釣りをする人が多く、ちょっとした工夫の差が釣果に大きく響くと感じることが度々ありました。
隼人大池は、私の感覚では水深がそこそこあるエリアと比較的浅めの棚が混在しており、シーズンによってヘラブナの居場所や回遊ルートが変わりやすい印象があります。例えば春先、まだ気温と水温が安定しない頃は深めの棚にいるときもあれば、日当たりの良い浅い場所に固まっているときもある。そんな状況で、私は「もしかしたら当たるかも」となるべく汎用性の高い6号あたりを中心に使うことが多かったのですが、実釣してみると活性の波が激しくて、あっという間に状況が変わってしまうことがありました。たとえば、午前中は小さめの針(5号)でゆっくりダンゴを落として食わせるのがハマったのに、昼を過ぎて水温が少し上がった途端、大きめの針(7号)でエサをしっかり維持しないと当たらなくなった──なんてこともあるのです。
この変化を肌で感じたのが、ある春の隼人大池での出来事でした。午前中は曇りがちで、水面がやや冷たく、私は5号の針に小さめのダンゴを付けて棚を探っていました。すると、繊細なアタリがポンポンと出て面白いように釣れました。ところが昼頃から日差しが差し込み始め、暖かくなると同時に、徐々にアタリが出にくくなってきたのです。最初は「もう魚が散ったのかな」と思ったのですが、隣で竿を出していた釣り人が7号の針にそこそこ大きいダンゴを付けて、テンポ良く打ち返すやり方で爆釣しているのを見て衝撃を受けました。「こんなに急激にパターンが変わるものなのか」と痛感し、それからはこまめに針を変え、エサのサイズや比重を変える練習を繰り返しています。
一方、清遊湖ではまた違った発見がありました。清遊湖は浅めのポイントから深めのポイントまで揃っていて、「メーター規定」があるエリアも存在します。いわゆるメーター釣りを楽しむ際、棚が浅ければ浅いほど、「ダンゴの落ち込み」をいかに自然に見せるかがカギになりました。私は浅場でダンゴを打つとき、最初は6号の針で釣っていたのですが、強めに振りかぶってキャストすると、着水した瞬間にダンゴがバラけてしまうことが何度かありました。そこで、ダンゴを少し硬めに調整し、かつ針を5号にサイズダウンしてみたところ、無理なくキャストできて、エサが着水時に形を保ちやすくなったのです。その結果、浅い棚にいるヘラブナをしっかり寄せて釣ることができ、一時的にラッシュに入った経験があります。
釣り仲間との会話も、この記事を書くうえで大きなヒントになりました。清遊湖で隣同士になった方がプロスタッフ経験をお持ちのベテラン釣り人で、「ダンゴ釣りでは、まずは“釣り場のタナ”を見極めることが大事だよ」とアドバイスしてくださいました。さらに「タナが浅いならエサの落ち込み重視、深いならエサの維持力重視」といったお話をしているうちに、自然と「じゃあ針はどう選ぶんですか?」という話題になったのです。その方いわく、「大きな針はエサ持ちが良く、かつ落下速度が早いから深場攻略に便利。一方、小さな針はエサの動きを繊細に見せられる反面、保持力はやや落ちる。どちらを優先するか、その日の魚の活性や水深で決まることが多い」とのことでした。実際に隼人大池でも清遊湖でも、この“活性”と“水深”の組み合わせによって針を変えると、不思議なくらいアタリが増えたり減ったりするんですよね。このちょっとしたさじ加減を見つけるのが、ダンゴ釣りを含むヘラブナ釣りの面白さだと改めて感じます。
また、釣具店の店員さんからは「針の色や形状だけに注目しがちだけれど、実はハリスの素材や長さとの兼ね合いで釣果が激変するケースもある。全体のトータルバランスが大切なんですよ」と言われたことも印象に残っています。隼人大池でも清遊湖でも、私がハリスを長めに取ったうえで大きめの針(例えば7号)を使ったときと、短めのハリスに小さい針(例えば5号)を組み合わせたときでは、当たり方が全く違っていました。ダンゴが水中でどう動き、ヘラブナがどの段階で食いつくかというタイミングも変わってきます。こうした細かな調整を自分なりに試しながら、釣行記録をつけていくと、「同じ釣り場なのに、状況でここまで変わるのか」と驚くことが本当に多いです。
実際には、天候や季節、釣り場の混雑具合などの要素も絡んでくるため、一度見つけたパターンがすべての条件で通用するわけではありません。ですが、今回の記事で紹介した「季節ごとの針のサイズ選択」や「水深別のセレクト」は、どの釣り場においても一つの指針となるはずです。まずは基本を押さえ、その上で実際の釣行を重ねながら微調整をしていく──この積み重ねが、いずれ自分だけの“勝ちパターン”を築き上げる大きな財産になると確信しています。
私が記事内で強調したいのは、針のサイズや色といった単発の要素だけを見るのではなく、トータルのバランスを意識することです。ダンゴの硬さや粒子、ハリスの素材・長さ、竿の硬さなど、すべてが連動して“釣果”という結果を生むわけですから。その意味で、たくさんの針を箱買いして試している私としては、「少し面倒くさくてもこまめに針を変えてみてほしい」という思いがあります。特に隼人大池のように水深の違うポイントが混在している場所や、清遊湖のようにメーター釣りが有効な浅場が存在する場所では、状況に応じた針の切り替えがより顕著に釣果を左右します。
ダンゴ釣りは、バラケの仕方やダンゴのタッチ(柔らかさ・硬さ)といった要素も大きいですが、「針を変えるだけでこんなに違うものか!」と驚く場面が必ず訪れるはずです。私も最初は「どうせ色もサイズもそんなに変わらないだろう」と軽視していましたが、実際に大会やプライベートの釣行を通じて、針の違いを痛感させられました。隼人大池で、「先週はよく釣れたのに今日はまったく当たらない……」と頭を抱えていたところ、少し小さめの針に変えたらたちまちアタリが出たという場面もありましたし、清遊湖で大きめの針に持ち替えて一気にサイズアップした魚を数枚釣り上げたこともあります。
そうした成功と失敗を積み重ねながら、自分の中に「こういう条件のときはこの号数」「こういうタナのときはあの号数」といった経験則が少しずつ蓄積されていくのが、ヘラブナ釣りの面白さでもあり、一人ひとりのスタイルを形作る大切な要素だと思います。本記事が、読者の皆さんがその“自分スタイル”を見つける一助となれば幸いです。ぜひ、隼人大池や清遊湖へ足を運んだ際には試行錯誤しながら、針選びを楽しんでみてください。もしかすると「こんなサイズのヘラブナが釣れるなんて!」という感動を味わうチャンスが広がるかもしれません。
この記事が、皆さんのヘラブナ釣り人生を充実させるきっかけになれば嬉しいです。次に竿を握るときは、ぜひ針のサイズや形状、エサとの相性などを今一度見直してみてください。状況に合わせて最適な組み合わせを探す作業こそが、釣りの醍醐味であり、思いがけない一尾との出会いを生むものだと信じています。