ヘラブナのセット釣りで、クワセ針を何号にするか。私は3号を基準に始めることが多いです。
ただし、どの銘柄でも3号なら同じ、という意味ではありません。針によって大きさも重さも違います。まず使い慣れた銘柄で基準を作り、クワセの落ち方とウキの反応を見て前後の号数を試す。これが、針を箱買いしてあれこれ試してきた私の考え方です。
この記事では、セット釣りの下針を中心に、季節やエサによる選び方、釣れないときに見直す順番、おすすめのクワセ針3種類を紹介します。
クワセ針は号数・重さ・エサの収まりで選ぶ
クワセ針で最初に見たいのは、エサを付けたときの収まりと針の自重です。小さい針がいつも食わせやすいわけでも、大きい針ならいつもアタリが明確になるわけでもありません。
同じ3号でも、銘柄が変われば重さが違う
例えばオーナーの公式重量表では、へら玉鈎3号は15.2mg、へらサスケ3号は金・茶とも10.0mgです。同じメーカーの同じ号数でも、これだけ違います。
さらに、へら玉鈎2号は12.7mgなので、へらサスケ3号より重い計算です。銘柄をまたいで比べるときは、号数の大小だけで軽い・重いを判断しないようにします。
出典:オーナー「OHへら玉鈎」公式仕様、「OH 金へらサスケ」公式仕様、「OH 茶へらサスケ」公式仕様。
軽くする目的と、重くする目的を分ける
同じ銘柄で小さく軽くするのは、主にクワセの落下をゆっくりにしたいときです。反対に大きく重くするのは、クワセが落ち着かないときや、下ハリスが張るまでの動きを変えたいときに試します。
針を軽くしても、下ハリスがたるんだ状態では魚の動きがウキへ伝わりにくいことがあります。重くすると仕掛けが落ち着いても、落下中に食わせる時間が短くなることがあります。どちらも利点だけではありません。
針の大きさは、クワセの付けやすさにも関わります。固形エサを刺したときに割れないか、針先が適切に出せるか、回収まで保持できるかを見ます。エサ持ちは号数だけでなく、軸の形や表面処理、刺し方でも変わります。
季節別の号数は「最初に試す目安」にする
私の目安は春と秋が3〜4号、夏が4〜5号、冬が2号前後です。ただし、これは使う銘柄やクワセをある程度そろえたうえでの出発点。季節よりも、その日の食い方と狙うタナで修正することを優先します。
【季節別まとめ】
春:3〜4号を目安に、冷え込みが残る日は軽い側も比較する。
夏:4〜5号を目安に、クワセの落ち着き方を見る。食い渋れば小さくする選択も残す。
秋:3〜4号を目安に、残暑のある日と水温が下がった日を分けて考える。
冬:2号前後から比較する。ただし、軽くしすぎてアタリが伝わりにくいなら戻す。
春・秋は3号から、その日の動きに合わせる
春だから活性が高い、秋だから落ち着いている、と決めると外すことがあります。朝の冷え込み、魚の寄り、釣り人の入り方でもウキの動きは変わります。
椎の木湖の春先の大会では、アタリがあるのに掛けられず、入選まであと1匹を逃したことがありました。当時は少し大きめの針を選んでいて、食い方に合っていなかったのではないか、と振り返っています。
椎の木湖で残った反省
椎の木湖では大型を意識すると、掛けたあとの安心感から針を大きくしたくなります。ただ、その日は掛けるまでに苦労しました。ウキが動いたことと、クワセを十分に吸い込んだことは同じではありません。今なら、エサの収まりを確認したうえで、同じ銘柄のひとつ小さい号数も比較します。
もちろん、当時の原因を針だけと断定はできません。だからこそ、エサやハリスを一度に変えず、まず針の違いを見ることが大事だと思っています。
夏は張りを出す、冬は落下を遅くする意識
夏場に4〜5号を使うのは、私の場合、針の重さを使って下ハリスを張る方向へ持っていきたいからです。魚が寄ってウキがよく動くのに掛からない場面では、軽い針のまま追いかけず、重くする方向も試します。
冬は逆に、2号前後でクワセをゆっくり落とすところから考えます。ただ、針を小さくしてウキの動きまで消えたなら、その変更が合っているとは限りません。待ち時間を長くする前に、元の針へ戻して比べることも必要です。
ここでいう軽重の比較は、主にクワセが宙にあるセット釣りの話です。段差の底釣りではクワセの底への着き方が関わるので、冬だから一律に小さくするのではなく、底取りや下ハリスの状態も合わせて確認します。
ウドン・グルテンは、種類だけで針を決めない
「ウドンは軽いから小針、グルテンは重いから大針」と分けると、実際のエサと合わないことがあります。エサの種類に加え、一粒の大きさ・硬さ・付け方までそろえて判断すると、針の違いが見えやすくなります。
ウドン系は保持と針先の出方を見る
小さなウドン系クワセなら2〜3号は候補になりますが、ウドンにも種類があり、作り方や大きさによって使い心地が変わります。針を小さくした結果、エサを十分に保持できないなら、小ささを優先する必要はありません。
振り込んだ直後からエサが外れていないかを、まず確認します。軽く振り込んで早めに回収し、付けたときの状態と比べると判断しやすいです。釣り込む前から外れるなら、刺す位置やエサの大きさ、硬さを先に見直します。
ウキが動くのに釣れないと、針を変えたくなります。でも、クワセが付いていない時間が長いのであれば、号数を比較する前提が崩れてしまいます。
グルテン系はエサ付けの大きさもそろえる
グルテンをクワセにするときは、3〜4号をひとつの目安にしながら、付ける量とまとまり方に合わせます。製品や吸水、練り方で状態が変わるので、ウドンより必ず重いとはいえません。
小さく付けているのに針だけが大きい、逆にエサが大きすぎて針との収まりが悪い。どちらも避けたいところです。針を比較する間は、一回ごとのエサ付けをできるだけそろえます。
以前、釣具店でエサとの相性も見るように助言をもらいました。針の袋に書かれた号数へ目が行きがちですが、水中へ入るのは針とクワセが一緒になったものです。ここは忘れないようにしています。
【エサ別まとめ】
ウドン系:小粒なら2〜3号も候補。刺したときの割れ、針先の出方、回収時のエサ残りを確認。
グルテン系:3〜4号を目安に、エサ付け量と保持を比較。エサの重さを種類名だけで決めつけない。
釣れないときは、ウキの動きと回収したクワセを見る
針を交換する前に、ウキがどの段階で動いているかを見ます。バラケが付いている間か、抜けた直後か、クワセが落ち着いてからか。同じ「アタリがあるのに掛からない」でも、見るべきところが違います。
カラツンが続くときは、小さくする方向だけに絞らない
鋭い動きがあっても掛からないとき、クワセが大きすぎるのか、針が合わないのか、ハリスの状態なのかを切り分けます。まずはクワセの残り方と、同じタイミングの動きが続くかを確認します。
そのうえで、吸い込みや落下時間を変えたいなら軽い側、クワセを落ち着かせたいなら重い側を比較します。カラツン=針が大きい、と決めずに、変更前後の動きを比べるのがポイントです。
武蔵の池で号数を試していたときも、私が気になったのは、大きさだけでなく形や軸の太さの違いでした。同じ号数に替えたつもりでも、銘柄が違えば同じ条件の比較にはなりません。
そこを整理するなら、まず同じ銘柄の前後の号数で比べる。その後で別の銘柄へ替える。比較の順番を決めておくと、違いを追いやすくなります。
サワリも少ないなら、針以外の原因を先に考える
ウキがほとんど動かず、クワセもそのまま残るなら、針の号数だけを替え続けても判断材料が増えません。魚の寄り、タナ、バラケの持たせ方を先に見ます。
武蔵の池のセット釣りでも、タナや下ハリス、バラケの大きさを変えて対応した実釣例が報告されています。針を細かく選ぶことは大事ですが、仕掛け全体の中で考える必要があります。参考:東レのフィールドテスターによる武蔵の池・セット釣りレポート。
水深と流れは、針だけで解決しようとしない
池が深くても浅ダナを釣るなら、池底までの水深だけで下針を重くする必要はありません。見るのは実際に狙っているタナまでのクワセの動きです。
また、重い針でクワセの動きを落ち着かせることは狙えますが、流れそのものを止められるわけではありません。道糸が引かれて仕掛け全体が流れるなら、ウキやオモリ、竿の操作も見直します。
浅いから必ず軽い針、流れがあるから必ず大きい針、と機械的に決めないほうが、修正の方向を間違えにくいです。
【クワセ針選びの基本】
- クワセが付いているかを、回収して確かめる。
- どの段階でウキが動くかを見る。
- 同じ銘柄で前後の号数を比較する。ハリスの長さやエサ付けはできるだけそろえる。
- 針を替えたらエサ落ち目盛りを再確認する。変化が悪ければ元に戻す。
- サワリがないなら、タナや魚の寄せ方へ戻って考える。
おすすめのヘラブナ用クワセ針3選
元記事から紹介しているのは、へら玉鈎、へらサスケ、T1クワセマスターの3種類です。エサを保持したいのか、軽さを見たいのか、扱いやすさを優先するのかで選ぶと、試す目的がはっきりします。
以下の仕様は2026年9月25日に確認したメーカー公式掲載情報です。販売価格や在庫は購入先でご確認ください。
オーナー へら玉鈎|固形エサの保持を重視するなら
オーナーの「OHへら玉鈎」は、三角軸と表面の特殊コーティングで固形エサの保持を狙った針です。乳白色は固形エサになじませるための仕様で、「透明な池なら魚が警戒しない」とまで言い切るものではありません。
サイズは2〜6号。3号の標準自重は15.2mgです。小さいクワセをゆっくり落としたい場面では、同じ号数の軽い針と比較してから選びます。公式仕様:OHへら玉鈎。
このような方におすすめ
向いているのは、固形クワセの保持を見直したい方。エサの刺し方をそろえたうえで、外れ方の違いを見ると使う意味が分かりやすいです。
オーナー へらサスケ|号数を細かく比べたいなら
「へらサスケ」は、長めの軸と深いフトコロが特徴のクワセ専用鈎です。金と茶があり、どちらも1〜8号が公式に掲載されています。
3号は10.0mg、4号は13.6mg。ひとつの銘柄の中で号数を変え、エサの収まりや落ち方を比べる候補にできます。公式仕様:金へらサスケ、茶へらサスケ。
金針の場合、空針になっても食ってくることがたまにあります。たまにですが。それを理由に、濁りなら金、澄んでいれば茶、と決めているわけではありません。色より先に、重さとエサの収まりを合わせたいです。
このような方におすすめ
向いているのは、同じ銘柄で前後の号数を比較したい方。最初から全号数をそろえず、基準の号数とその前後から始めると整理しやすいです。
がまかつ T1クワセマスター|細軸・軽量のクワセ針を試すなら
「T1クワセマスター」は、ハイカーボン素材T1とナノスムースコートを採用したクワセ専用鈎です。関東スレを基にした形状で、内向きの針先も特徴です。
メーカーは軽さ、強度、刺さりを特徴としており、冬場だけでなく通年のセット釣りに対応する製品としています。サイズは1〜5号。公式仕様:T1クワセマスター。
軽いクワセ針を比較したいときの候補ですが、銘柄が変わるので、それまでの針と同じ号数をそのまま同じ重さとして扱わないようにします。エサの収まりと、ウキの動きの変化を見て選びます。
⚠ 注意:高強度でも変形しない保証ではありません。魚の重さだけで針への負荷は決まりません。無理に引き抜かず玉網を使い、針先の傷みや開きがあれば交換します。
このような方におすすめ
向いているのは、細軸・軽量の針で食わせ方を比較したい方。小さくするだけでなく、クワセを保持できる形かどうかも合わせて見ます。
針を箱買いすると、今度は収納に困ります
さて、余談ですが、いろいろな針を箱買いして試していると、針のケースに困ります。
私はマルキューのライトポーチPAシリーズのSサイズを、針のパッケージ類の収納に使っています。やや高いですが、まとめて持ち運べるのは助かります。
収納するときは、銘柄と号数が分かるパッケージごとまとめておくと、釣り場で迷いにくいです。基準にする針と比較用の針をすぐ取り出せるようにしておくと、交換も億劫になりません。
まとめ|まずは基準の3号と、その前後から
クワセ針選びで迷ったら、私のように3号を出発点にしてもよいと思います。ただし、覚えておきたいのは「何号が釣れるか」より「何を変えたくて、その針にするか」です。
クワセをゆっくり落としたいのか、落ち着かせたいのか、エサ持ちを改善したいのか。目的をひとつ決め、同じ銘柄の前後の号数から試すと、次の一手が見えてきます。
バラケを付ける上針については、こちらの記事で紹介しています。
ヘラブナ用の針のおすすめ3選【ダンゴ針】号数の使い分けや色の選び方
あとがき|あと1匹を逃してから、針を見る目が変わった
針を箱買いするようになった話をすると、そんなに必要なのかと思われるかもしれません。実際、私も最初から針の形や重さを細かく比べていたわけではありませんでした。エサの配合やウキには気を遣っていても、針は使い慣れたものを選んでおけば大丈夫、という気持ちがどこかにあったと思います。
その考えが変わるきっかけになったのが、椎の木湖での大会でした。春先で、思っていたほど素直には食ってくれない日。準備はしたつもりだったのに、アタリが出ても掛けられず、あと1匹というところで入選を逃しました。釣れなかった時間の長さより、ウキが動いているのに答えを出せなかったことが、今でも印象に残っています。
当時は、大きめの針が合っていなかったのだと考えました。ただ、今振り返ると、それだけで片づけてよかったのかとも思います。魚がエサをどう吸い込んでいたかは、水の上から直接見えていたわけではありません。見えていたのはウキの動きと、合わせたあとの結果です。そこから原因を考えるのが釣りの面白さですが、自分に都合よく理由を決めてしまう怖さもあります。
大会のあと、武蔵の池へ通って、いろいろな号数を試しました。エサ持ちを見ようと大きい針を選んだり、食わせやすさを考えて小さくしたり。そのうち、袋に書かれた数字だけを追っていても分からないことが出てきました。同じ号数でも形が違う。軸の太さも違う。針先の向きや表面の仕上げまで見始めると、単純に大きい、小さいでは済まなくなります。
そこからは、針をたくさん持つことと、使い分けられることは別だと感じるようになりました。種類が増えれば選択肢は増えます。でも、どれを基準にしているのか分からなくなれば、交換するたびに迷うだけです。箱の中身が増えるほど、自分が何を確かめたいのかを整理しないといけない。これは少し遠回りして分かったことでした。
釣り場で一緒になった方や、釣具店で話を聞いた方の言葉も参考になりました。自分が針の号数ばかり気にしているときに、エサとの相性を見るという視点をもらえたのは大きかったです。ただ、教えてもらった針を使えば、いつも同じように釣れるわけではありません。使った人のエサ付けやハリス、狙っているアタリまで違えば、こちらの仕掛けでは違う反応になります。
だから、うまくいった話と同じくらい、替えても変わらなかったときのことを残しておきたいと思っています。針を小さくしても改善しなかったなら、それも次の判断材料です。元に戻して別の部分を考えればよい。せっかく替えたのだからと、その選択にこだわりすぎないようにしたいです。
今も、帰ってから「あの針を試しておけばよかった」と思うことはあります。逆に、あれこれ替えずに、もう少し同じ仕掛けを見ていればよかったと思うこともあります。試すことと、見続けること。その加減は、針の種類を増やしただけでは身につかないのだと思います。
次の釣行では、釣れた号数だけでなく、替える前に何が気になったのかも覚えて帰りたいです。落ち方だったのか、エサの残り方だったのか、それとも掛からないことへの焦りだったのか。あの大会で逃した1匹を取り戻すことはできませんが、そこで考え始めたことは、今も針を選ぶ時間につながっています。








