サビキ釣りのアミエビが水っぽいとき、粉末の「よせアミ」を混ぜると、コマセの状態を調整しやすくなります。ただ、たくさん入れれば釣れるというものでもありません。
私がおすすめするのは、アミエビを基本にして、よせアミを少しずつ加える使い方です。最初から決まった割合で混ぜ切らず、使うカゴからエサが出るかまで確認します。
勝浦湾や本牧海づり施設で使った経験を交えながら、混ぜ方、カゴの中にエサが残るときの直し方、単独で使う場合の注意点を紹介します。

よせアミはどんな集魚剤?基本情報と役割
よせアミは、マルキユーの粉末タイプの寄せエサです。メーカーでは川・小物釣り用として掲載されていますが、海水・淡水の両方で使える製品と説明されています。
| 項目 | メーカー公表内容 |
|---|---|
| 内容量 | 500g |
| 主原材料 | 魚粉加工品、オキアミ粉末 |
| 粗タンパク | 34.4%以上 |
| 形状・用途 | 粉末タイプの寄せエサ。配合エサへのブレンドにも使用 |
仕様の出典:マルキユー「よせアミ」公式製品情報。
ここで押さえておきたいのは、粒のアミエビと、粉末のよせアミは別のエサだということです。粗タンパクの数値だけで、アジの釣れる数や集魚力の強さを比較することもできません。
サビキ釣りでは、アミエビに加えて使う補助のエサと考えると扱いやすいでしょう。粒を残しながら余分な汁気を調整できる一方、入れすぎるとカゴから出にくくなることがあります。
価格は販売店や送料によって変わるため、購入時の表示で確認してください。少量ずつ使うなら、一袋をその日に使い切る必要はありません。
アミエビとの混ぜ方|配合比率よりカゴからの出方を見る
最初はアミエビの一部を別容器に取り分け、そこへよせアミを加えてみてください。全量を一度に混ぜず、試せる量から作ると、固さを外したときも戻しやすくなります。
準備するものと混ぜる手順
用意するのは、解凍したアミエビ、よせアミ、深めの配合容器、スプーン、調整用の海水です。粉を混ぜる段階では、まずアミエビが持っている水分を使います。
- アミエビをほぐし、最初に使う分だけ容器へ移します。
- よせアミを少し振り入れ、底にたまった汁も一緒に混ぜます。
- 粉が水分を吸ってから、スプーンですくったときのまとまりを見ます。
- カゴに入れ、足元で安全に確認できる範囲で水中での出方を試します。
- 出にくければ少量の海水かアミエビを足し、流れ出すのが早すぎれば粉を少量追加します。
目安は、汁だけが流れ落ちにくくなり、アミエビの粒はほぐれている状態です。汁気を完全になくすことが目的ではありません。容器の中で扱いやすくても、水中で固まりのまま残るようではサビキのコマセとして使いにくくなります。
吸い込み式のバケツを使う場合は、さらにカゴへ入りやすい柔らかさが必要です。第一精工の吸い込みバケツなど、使っている道具に合わせて調整してください。
「アミエビ1:よせアミ0.5〜1」で固定しない
同じ一パックでもアミエビの重量や解凍後の汁の量は違います。重量比なのか容積比なのかも決まっていない割合を、そのまま再現するのは難しいです。
私も勝浦湾で使い始めたときは、アミエビ一パックによせアミを半パック加えました。ただ、これはそのとき試した量で、誰にでもすすめられる標準配合ではありません。
実釣で感じたこと:勝浦湾での使い始め
当時は周りでアジが釣れているのに、自分にはアタリがなく、釣具店で相談したのをきっかけによせアミを使いました。アミエビに混ぜて水分を調整し、釣りを再開するとアタリが出始め、最終的に20cm前後を中心に29匹のアジが釣れました。
初めてまとまった数を釣れたので印象に残っています。ただ、回遊や時合いもある釣りです。今振り返ると、釣れた理由をよせアミだけに決めつけるより、コマセの作り方を見直すきっかけになった釣行だったと思います。
同じ量を再現するより、今のアミエビとカゴで、狙うタナまでエサを運べる状態にすることを優先してください。
コマセカゴでの使い方と水加減の直し方
よせアミを混ぜたら、次はカゴからの出方です。水面で全部こぼれても、回収するまで固まりで残っても、狙った場所へコマセを出せていません。
最初は少なめに詰めて、回収時にも確認する
カゴには最初から押し固めて満杯にせず、余裕を残して入れます。投入してタナまで沈め、竿を動かしてコマセを出し、その周りにサビキのハリがなじむ時間を取ります。
回収したら、魚が掛かったかだけでなくカゴの中に何が残っているかを見てください。アミエビの粒がほぐれて減っているのか、粉と一緒に固まっているのかで、次に直すところが変わります。
なお、回収時に空でも、狙ったタナで出たとは限りません。投入直後のこぼれ方と、回収時の残り方をセットで見るのが判断のコツです。
固い・柔らかいときは、一度に両方を変えない
| 見えた状態 | まず疑うこと | 最初に試す修正 |
|---|---|---|
| 回収しても塊が残る | 粉の入れすぎ、練りすぎ、詰めすぎ | 詰め方を緩める。まだ出なければ少量の海水かアミエビを足す |
| 着水直後に大量に抜ける | 水分が多い、カゴの開口が大きい | 開口を調整できるカゴなら狭める。必要なら粉を少量足す |
| 吸い込みバケツからカゴへ入らない | 混合エサが固い、量が少ない | 容器内の量を確認し、必要に応じて少量ずつ水分を加える |
| エサは出ているのに釣れない | タナやハリの大きさ、回遊の有無 | 粉の追加を止め、周囲の釣れている深さや魚のサイズを確認する |
柔らかくしようと海水を入れすぎ、今度は粉を足しすぎる。この繰り返しでは、コマセの量ばかり増えてしまいます。取り分けた少量で一つずつ直す方が、何が変わったか分かりやすいです。
潮が速いから必ず固く、夏だから必ず固く、と決める必要はありません。カゴの形、沈める深さ、竿の動かし方でも出方は変わります。季節より、目の前のエサの状態を基準にしましょう。
よせアミは単独でも使える?サビキでは補助として考える
水で湿らせて寄せエサとして試すことはできます。ただし、アミエビと同じようにカゴで使えるとは限りません。粉がすぐ抜けるカゴもあれば、練った塊がなかなか崩れないこともあります。
メーカーは粉末の寄せエサとして案内しており、サビキ用として共通に使える単独配合や水量は、確認できた製品ページの文章には示されていません。ここでは「握って形が残れば完成」とは考えず、水中での崩れ方まで確認してください。
初めてのサビキ釣りなら、単独使用を前提にせず、アミエビかサビキ用の常温エサを用意する方が扱いやすいです。よせアミはその補助として持っていくと、使い道を絞れます。
すでに配合エサを使っている場合は、元の製品の作り方を基本にして少量ずつ加えます。「10%足せば大きく釣果が伸びる」といった決まった効果を見込むより、混ぜた後のまとまりと崩れ方を確認しましょう。
元の記事で紹介していた配合エサはこちらです。ブレンドするときも、混ぜる前の使い心地を基準にすると違いを見つけやすくなります。
勝浦湾と本牧の経験から考える、釣れないときの確認順
よせアミを使う前提で場所を選ぶより、まずアジ・イワシ・サバが回っている場所を探します。魚の回遊とタナが合っているかを先に見て、エサの配合はその後で調整するという順番です。
本牧では「湾内だから潮が緩い」と決めない
本牧海づり施設では、アミエビだけで始め、周囲が釣れているのに自分の反応が乏しく、途中からよせアミを足したことがあります。その後、短時間でアジを10匹ほど追加できました。
この経験も、よせアミを混ぜる選択肢が増えた釣行です。一方で、同じ群れがいつ自分の前を通ったかまでは分かりません。混ぜた前後で釣果が変わったことと、商品の効果を証明できたことは分けて考えています。
本牧には護岸と沖へ延びる桟橋があり、潮通しと水深が特徴の釣り場です。湾内だからいつも潮が緩い、とは言えません。沖桟橋のような深さのある場所を狙うときは、途中でコマセが抜け切っていないかも確認したいところです。釣り場の特徴はダイワの本牧海づり施設案内も参考になります。
釣行前には本牧海づり施設の公式案内で、利用できる釣り場や当日の制限を確認してください。
勝浦湾で釣れた配合を、そのまま正解にしない
勝浦湾の経験で私が気にしたのは、周りではアジが釣れていたという点でした。少なくとも魚がいる手掛かりがあり、エサの扱いを見直して試す意味があったわけです。
ただ、勝浦湾という地名だけでは、港内のどこで竿を出したか、どのくらい潮が動いたかまでは決まりません。私の過去の釣果を、勝浦なら同じ配合で釣れるという目安にはしないでください。ここでは過去の体験として紹介しており、現在の立入可能な釣り座を案内するものではありません。
釣れないときの確認順
- 周囲に本命の釣果があるか、魚が見えるかを確かめる。
- 釣れている深さを参考に、サビキを入れるタナを変える。
- 狙う魚にハリが大きすぎないかを見る。
- カゴの残り方を確認して、必要なときだけ水分や粉の量を直す。
アジを狙っているのに小魚ばかり掛かるときも、すぐに粉を増やす必要はありません。まず掛かっている魚と深さを見ます。根魚やチヌまで一律に同じ効果があると考えず、狙う魚に合った仕掛けとエサを基本にしてください。
保存と片付け|濡らす分だけ取り分けて使う
メーカー指定の保存方法は、直射日光と高温多湿を避けることです。開封後は袋の口をしっかり閉じ、必要なら密閉容器に入れます。
乾いた粉と、海水やアミエビを混ぜたエサは分けて扱うのが基本です。使う分を小分けにし、濡れたスプーンを残りの粉へ入れないようにします。混合したエサを乾いた粉の袋へ戻すことも避けてください。
私も使い始めの頃は、アミエビを周りへ飛び散らせてしまいました。汁を抑えたくて粉を増やすだけでは、混ぜるときやカゴへ入れるときの汚れまでは防げません。深い容器の中で作業することも、配合と同じくらい大事だと感じています。
⚠ 注意:こぼれたコマセとサビキのハリ
足元に落ちたコマセは滑る原因になります。汚れはその場の清掃ルールに従って落とし、ハリの付いた仕掛けは通路へ置かないようにしてください。容器や袋、残ったエサは持ち帰り、片付けのために余りをまとめて海へ捨てないようにしましょう。
まとめ|よせアミは少量から、カゴの出方で調整する
よせアミは、アミエビの汁気や扱いやすさを調整したいときに試せる粉末の寄せエサです。まず使う分だけ取り分け、少し混ぜてからカゴで確認してみてください。
粉を何割入れたかより、狙ったタナでコマセが出ているか。ここを基準にすると、足すべきときと、配合以外を見直すときが分かりやすくなります。
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あとがき
よせアミのことを考えると、やはり最初に思い出すのは勝浦湾でアジを釣った日のことです。周りでは竿が曲がっているのに、自分にはアタリがない。サビキ釣りにまだ慣れていなかった私は、何が違うのか分からず、エサが悪いのか、仕掛けが悪いのかと気持ちばかり焦っていました。
そのとき釣具店で相談して、よせアミを混ぜる方法を知りました。今なら、まずタナやハリの大きさも含めて考えますが、当時は目の前に試せることが一つできただけで、ずいぶん気持ちが楽になったのを覚えています。どうにもならないと思っていた釣りが、少し自分で直せるものに感じられたんです。
最終的に29匹釣れたことは、もちろん嬉しかったです。20cm前後のアジがまとまって釣れた経験がまだ少なかったので、よせアミに強い印象を持ったのも自然だったと思います。あの日を境に、ほかの場所でも使ってみたいと考えるようになり、千葉県内だけでなく神奈川県でも試すようになりました。
ただ、最初にうまくいった方法ほど、手放しにくいところがあります。一パックに半パック加えて釣れたら、その量に意味があると思いたくなります。釣れたときはエサのおかげだと納得し、釣れなければ今日は潮が悪かったと考えてしまう。そういう見方では、いつまでも自分に都合のいい答えしか残りません。
本牧で途中から混ぜてアジが釣れたときも、当時は前後の差ばかりを強く感じていました。けれど、振り返ってみると、海の中の魚の数まで同じ条件にそろえて試したわけではありません。自分がエサを混ぜている間にも群れは動きます。釣れた経験は大事にしたいですが、それをそのまま誰にでも起こる結果として伝えるのは違うと思うようになりました。
むしろ今、記事に残しておきたいのは、釣れずに困ったときに人へ相談したことです。店員さんに教えてもらわなければ、私はアミエビの状態を変えるという発想さえ持たなかったかもしれません。本牧でも、少しずつ混ぜて様子を見るという助言が印象に残っています。商品名を知ることと、その場でどう扱えばいいかを知ることは、やはり別でした。
一方で、教えてもらったことを何でも同時に試すと、何が良かったのか分からなくなります。配合を変え、タナを変え、仕掛けまで交換して一匹釣れても、次に同じ迷い方をしてしまう。今後、自分で確かめるなら、混ぜる前後のエサの出方を見ながら、できるだけ変更を一つに絞りたいです。釣果だけでなく、扱いやすさも含めて比べてみたいと思っています。
サビキ釣りを始めた頃は、周りと同じくらい釣れればそれで十分でした。今でも隣で釣れ続いていれば気になりますし、自分だけ反応がなければ落ち着きません。ただ、その焦りを粉の量にぶつける前に、自分のカゴを一度見てみる。それくらいの余裕は持っていたいです。
釣れた数と同じくらい、自分が何を見て釣り方を変えたかを残したい。今回、昔の釣行を振り返って、そう感じました。よせアミは私にとって、アジを釣った記憶と、分からないことを人に聞きながら少しずつ釣りを覚えた記憶が一緒になっているエサです。次に使うときも、その日のアミエビを混ぜながら、前と何が違うかを見てみようと思います。



