待てるグルテンエサで寒期から春先まで攻略するためのポイントをまとめました。
2025年2月に発売された「もちグル」。ここでは、その特徴や使い方、実釣の感触を詳しくご紹介します。
目次
1. 「もちグル」とは?
「もちグル」は、グルテンエサが本来持つ“柔らかくバラけやすい”性質を維持しながらも、粘りと繊維の強さを兼ね備えたニュータイプのグルテンエサです。
粘度が高く、
ハリにしっかりと残りやすいことが最大の特徴で、寒期や流れのある釣り場での“待ちの釣り”に最適です。
従来のグルテンエサは、アタリが出るまでにエサが崩れ落ちてしまう、あるいは手にベトベトとくっついてしまうといった悩みがありました。
しかし「もちグル」は、粘りがありながらも手にまとわりつきにくいという、相反する性質を両立しています。
これによって河川の流れやジャミの突きなどに負けることなく、長時間ハリについたまま本命のアタリを待つことができるようになりました。
まさに「待てるグルテンエサ」をコンセプトに誕生したのが、この「もちグル」です。
2. 主原材料と栄養成分
「もちグル」の主原材料と栄養成分は下記のとおりです。粘りや強度を引き出すために、複数の素材がバランス良く配合されています。
主原材料
- マッシュポテト
- グルテン
- 香料
- 増粘剤
栄養成分
- 粗タンパク:14.5%以上
- 粗脂肪:0.5%以下
- 粗灰分:3.4%以下
- 炭水化物:85.5%以下
マッシュポテトを使用しているため、自然な旨みや食いやすさも併せ持っています。
さらに、グルテン特有の強靭な繊維感を活かし、芯残りしやすい仕上がりに。ハリ持ちのよさが格段に向上しています。
3. しっかり「待てる」粘りと重さ
最大の魅力は、「エサがハリについたまま長時間待てる」という点です。
寒い季節になると、水中で活性が下がるヘラブナのアタリは遅くなりがち。
それでも「もちグル」ならば、流れや小魚の突きにも負けずにしっかり残り、本命が口を使うまで待ち続けられます。
また、従来のグルテンエサにはやや軽量なイメージがあり、水中で“浮きすぎる”という欠点があることも。
一方で「もちグル」は“しっかりとした重さ”があるので、水中で安定しやすいのです。ハリスが程よく張り、ウキの馴染み幅や当たりを見やすくなるというメリットも多くの実釣で報告されています。
4. 単品使用とブレンド活用
単品使用でじっくり待つ
寒期やアタリが遠い状況であれば、まずは「もちグル」を単品で使ってみるのがセオリーです。
比重と粘度を活かせる単品使いなら、抜群のエサ持ちを実感できるはず。河川でも管理釣り場でも、長時間待ちの釣りが有効な季節には大きな武器になります。
他のグルテンとのブレンドでさらに応用
もし食いアタリが早い釣り場であれば、「グルテン四季」や「新べらグルテン」などマッシュフレークが多めのエサとブレンドするのも手です。
ブレンドによってアピール力が高まるだけでなく、
当たりの出方や釣りのテンポに合わせたエサの調整がしやすくなります。
たとえば、「もちグル」:50cc +「グルテン四季」:50cc → 水:100cc のように1:1で配合すると、ほどよい粘りと軽さが両立し、活性がやや上がり始めたシーズンでも対応しやすいブレンドになります。
5. 実釣で感じるメリット
実際に「もちグル」を使ったアングラーたちの声をまとめると、次のようなメリットが挙げられています。
- エサが残る安心感
「エサがすでに取れているかも…」という不安がなく、本命が口を使うまでじっくり待てる。 - 流れ・ジャミにも負けない粘り
ロケーションを選ばず安定した釣りができ、誘いやすい。 - 手返しのしやすさ
手にベタつかずエサ付けがスムーズだから、短時間での投入がしやすい。 - 芯残り効果
スレあたりや触りが出ても、ハリに“芯”が残るので、食いアタリに結びつきやすい。
6. 寒期&春先への使いどころ
2025年2月上旬に発売される「もちグル」ですが、まだまだ水温の低い時期からのスタートになります。
まさに“待ちの釣り”が有効なシーズンだからこそ、このエサの粘り強さが活きてきます。
また、もう少し暖かくなってくると、活性が高い中でのエサ持ちが課題になる場面も出てくるでしょう。
ジャミや小魚が増える頃でも、「もちグル」の繊維は強力なので、短時間でエサがボロボロになるリスクを下げられます。
底釣り・ドボン釣りなど安定感を重視するシチュエーションでも大いに活躍してくれるはずです。
7. 保存方法と注意点
保存方法は、高温多湿を避け、直射日光を避けて涼しい場所に保管するのが基本です。
開封後はできるだけ早めに使い切りましょう。また、水の分量を間違えると、エサがベタベタになったり、逆にパサパサになったりしがちです。
特に寒期は水温が低いことも考慮して、適量を守りながら小まめに調整してください。
万が一固くなりすぎた場合は、手水で微調整するのがコツ。徐々に水を足していけば、理想的な粘度に近づけられます。
8. まとめ:寒期こそ「もちグル」で釣りを快適に
従来のグルテンエサでは、待ちの釣りを展開するのが難しい場面がありました。
しかし「もちグル」は、“粘り”と“強い繊維”の組み合わせによって、長時間エサを保持しながら本命のアタリを待ちきることができるようになったのです。
「まだエサは残っているだろうか?」という不安がないため、当たりが少ない冬場や渋い状況でも、安心してアタリを待つことが可能。さらに水中で安定しているので、ウキに出る情報も見極めやすく、釣りがより戦略的になります。
2025年2月上旬発売の「もちグル」で、ぜひ冬~春先の待ちの釣りを楽しんでください。
流れのある川や管理釣り場など、あらゆるフィールドで活躍すること間違いなし。
本命のヘラブナとの出会いを、この粘り強いエサでぜひ勝ち取ってみてはいかがでしょうか。
「待てるグルテンエサ」の新常識を打ち立てる「もちグル」。冬の渋いヘラブナ釣りだからこそ、このエサの真価を発揮する絶好のシーズンです。ぜひ一度、お試しください!
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この記事を書き終えた今、改めて「もちグル」という新しいグルテンエサの可能性を振り返ると、寒い季節だからこそ活きる“待てるエサ”の面白さを強く実感します。ヘラブナ釣りにおいて、水中での安定感とエサ持ちの良さは意外と見落とされがちですが、寒期にこそその重要性が際立つと再認識しました。特に、本命がなかなか口を使わない状況であっても、エサがハリについたまま待ち続けられる安心感は釣り人にとって大きなアドバンテージです。自分自身がヘラブナ釣りで重視している「粘り」と「芯残り」の要素が一段と強化されている点が、この記事でいちばん強調したかったポイントでもあります。では、ここに至るまでの執筆背景やエピソードを、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。
今回、記事執筆に取りかかろうと思った最初のきっかけは、釣り餌メーカー「マルキユー」の研究員からフィッシングショーで「もちグルがいよいよ発売される」という話を聞いたことでした。彼らの研究所では、グルテンエサの配合や繊維の強度を変えて、長時間待ちでもハリにしっかり残るか、あるいはベタベタしすぎないかといった点を入念にテストしていたそうです。実際に試験池や実釣フィールドで細かく試験を行い、水温や魚の活性の変化ごとに粘度を分析しては調整を重ねたという裏話を聞かされて、私も発売後の実釣テストが待ちきれない気持ちでした。
この新製品を実際に手に入れたのは、2月で、まだ寒い日が続き、風が吹くと手先がかじかむような気候でしたが、ビン沼での試し釣りを敢行しました。私がビン沼を選んだ理由は、比較的流れがあり、冬場はアタリが取りにくいことも多いエリアだとわかっていたからです。もしここで「もちグル」のエサ持ちが実証されれば、少なくとも私が期待する“長時間エサを残す能力”には太鼓判を押せるのではないかと考えました。
実際に使ってみると、まずエサ付けがとても楽でした。従来のグルテンエサだと、手にべったりくっついてしまい、付け終わったころには指先がグルテンまみれになっていることもしばしば。しかし「もちグル」は、不思議と粘度がありながら指離れが良く、ほんの短時間で効率よく投入できる印象です。ハリへのなじみが良いので、手返しが速い釣りにも向いていると感じました。結局、その日はヘラが2枚ほど釣れてくれましたが、数が伸びなかったのは活性が低めだったせいかもしれません。とはいえ、エサそのものに悪い印象はなく、むしろ弱点だった「エサが途中で崩れやすい」というリスクが軽減されていたことに驚きました。
印象的だったのは、エサを一度打ち込んだ後、ウキの動きから「ひょっとしてエサがもうないかもしれない」と思わせられる時間帯があったのですが、回収してみるとエサはまだしっかりハリについたままだったという場面が何度もあったことです。ビン沼はジャミ(小魚)のいたずらも多いため、冬でもエサがつつかれてしまうことが珍しくありません。それでも「もちグル」の粘りと繊維の強さが効いたのか、芯が簡単に崩れたりハリから抜け落ちるようなことはありませんでした。これには隣の釣り人も興味をそそられたようで、「その新しいエサ、何が違うんですか?」と声をかけられたのをよく覚えています。
ちょうどそのタイミングで、私は以前から使っている水中カメラの映像も思い出しました。ヘラブナやフナ、金魚がエサにアプローチする際の姿勢や口の使い方をじっくり見ていると、グルテンエサは一口でガバッと食われるよりも、「口に含んでは吐き出す」を数回繰り返すケースが多いのです。そこであまりにもエサが弱いと、一度吐き出された段階でハリだけが残され、エサはボロボロになるなんてことも。しかし「もちグル」に関しては、エサがいきなり崩れ落ちるリスクが少なく、一連の食いアクションの途中で芯が保たれやすい点が大きなメリットだろうと考えています。
また、執筆中には釣具店の店員さんやプロスタッフとも意見交換をする機会がありました。彼らは口をそろえて「粘りが強いのにベタ付きが少ないのが一番ありがたい」と評価していました。特に最近は、ウキのトップや仕掛け全体のセッティングを繊細にしていく傾向が強く、些細なエサの変化がアタリの出方に大きく影響すると言われています。その点、「もちグル」は寒期だけでなく、春先に活性が上がり始めたタイミングや、ジャミが多くなる季節でも活躍の幅が広いと期待できるのではないでしょうか。やはりハリにエサが残ってこそ、丁寧なアタリの取り合いができるというものです。
私としては、今後さらに気温が上がり、水温が不安定になる時期にも「もちグル」がどのような働きをしてくれるのか楽しみでなりません。実釣では、単品使いとブレンド使いの両方で工夫しながら、水中カメラの映像を参照しつつ魚の反応を確認していきたいところです。マッシュポテトが持つ自然な旨みと、グルテンの強い繊維感が一緒になっているので、単に“待ちの釣り専用”というよりは、やり方次第でオールシーズン応用可能な多様性があるのではと期待しています。
最後になりますが、新しく登場した「もちグル」が、これからの寒期から春先のヘラブナ釣りに新たな風を吹き込んでくれることを願っています。この記事が、少しでも皆さんの実釣に役立つ情報としてお役に立てれば幸いです。次回はもう少し暖かくなってきたシーズンの釣行記や、さらなるブレンド活用法なども書いてみたいと思います。