クロダイ・チヌ メジナ・グレ

【フグしか釣れない時の対策】フグが多い日の釣り方とおすすめのエサ・ルアー

堤防やサーフなどの海釣りを楽しんでいると、「フグしか釣れない……」という状況に陥ってしまうことが少なくありません。いくら本命を狙ってエサを工夫しても、釣れるのはクサフグやショウサイフグばかり。しかもフグは群れで行動することが多く、一度寄ってしまうと一気にエサを食い荒らされたり、仕掛けを噛み切られてしまったりと、ストレスがたまるばかりです。

フグが多いことで最も困るのは、なんといってもエサ取りや仕掛けへのダメージです。フグは硬い歯を持ち、ハリスや針も平気で噛み切ってしまいます。さらにエサを素早く横取りするので、「狙いたい魚(クロダイ、アジ、メバル、スズキなど)が口にする前にエサがなくなる」という事態が頻発し、「フグしか釣れない状態」に陥りがちです。実際に、昼間の堤防に小型のクサフグが大量に回遊していて、投入のたびに素バリにされる……という経験をしたことのある釣り人も多いのではないでしょうか。

こうしたフグ地獄から抜け出すには、「いかに本命を釣るか」を意識した対策が求められます。硬いエサを使うのか、仕掛けを工夫するのか、あるいはポイントや時間帯を変えるのか──あらゆる方法を複合的に組み合わせることで、フグの被害を抑えながら本命を掛ける確率を上げることができるのです。

本記事では、これから釣りを始めたばかりの初心者から中級者の方に向けて、フグの生態を踏まえた上での具体的な対策を紹介します。エサ釣りのコツ、ルアー釣りのテクニック、そして潮や時間帯に応じたフグ回避法など、幅広く解説していきます。特に「フグ対策」や「本命を釣る」ための秘訣を中心にまとめていますので、フグが多い日の釣行計画にも役立ててください。

2. エサ釣りのコツ

2-1. エサの工夫

フグ対策としてまず念頭に置きたいのは、「やわらかいエサはフグにとって最高の獲物になりやすい」という点です。オキアミやエビ類のように身が柔らかく、匂いも強いエサはフグを惹きつけやすく、簡単にかじられてしまいます。そこで、「フグしか釣れない」状況を回避し、本命を釣るためには、耐久性の高いエサを選択するのが有効です。

  • イカの短冊(イカタン)
    身が硬く、多少フグにかじられても針に残りやすいため、長時間エサが持ちます。塩イカを使うとさらに硬さが増すので、フグ対策には最適です。クロダイやスズキなどもイカの短冊にヒットする可能性が高く、エサ取りをかわしながら本命を誘えるのがメリット。エサ付けの際は縫い刺しにする、何重にも巻き付けるなど、取れにくい工夫をしておくと安心です。
  • 塩締めアサリ・貝類・カニ
    フグの歯でもそう簡単にかじり取れない身持ちの良さが魅力です。貝類は下処理として塩で締めておくとさらに硬さが増し、エサ取りを防ぎやすくなります。小さいカニも効果的で、クロダイやチヌなど底を意識する魚が好んで食べるため、フグだけを寄せにくいという利点があります。
  • 練りエサ(ダンゴエサ)
    市販の練りエサを硬めに仕上げる、あるいは淡い色合いのものを使うことでフグに気づかれにくくする方法もあります。濃いニオイや派手な色はフグにもアピールしやすいので、そこをあえて抑えて投入するのがポイント。形状を丸めるだけでなく扁平(へんぺい)状に伸ばすなど、少し変わった付け方をすると、フグが食べにくくなり効果を実感しやすくなります。
  • 他にも、紀州釣りのようなダンゴ材でクワセ餌を包んでしまうことも有効です。ダンゴをエサ取りにつつかせて、食わせ餌を本命に届けます。
  • コーンやマッシュポテト系エサ
    フグの嗜好には合わず、かつ比較的硬さがあるため、噛まれてもすぐにはボロボロになりにくい傾向があります。アピール力が弱い面はありますが、頻繁に付け直す手間が減るため、粘り強く本命の寄りを待つことが可能です。

2-2. 仕掛けの工夫

  1. 針のサイズアップ
    フグは小さな口で鋭い歯を持っています。小針だとエサを一口で飲まれてしまいがちですが、大きめの針(例:チヌ針5号など)を使うことでフグが丸のみしにくくなります。また、大きめの針に合わせてエサをやや大きく付ければ、フグが一気に奪い切ることも難しくなるため、エサが長持ちするでしょう。
  2. 黒い針やスイベルを採用する
    目立つ色の金属パーツはフグの興味を引く恐れがあります。黒い針や黒スイベル、あるいは仕掛け全体をシンプルな色味に抑えるだけでも、フグのアタックを減らせる場合があります。視認性は若干落ちますが、その分フグが集まりにくく、本命を釣る確率が高まるというメリットがあるのです。
  3. ハリスを太め、もしくはフロロカーボンにする
    フグはハリスを噛み切ることも少なくありません。普段1.5号のハリスを使っている場合、2号や2.5号に上げるだけでも切断被害が大幅に軽減することがあります。特にフロロカーボン製ハリスは耐摩耗性が高いため、フグの歯にも強いとされています。
  1. 仕掛けを動かす(誘いをかける)
    投入した後、ずっと仕掛けを同じ場所に停滞させていると、フグがじっくり齧るチャンスを与えてしまいます。小まめに誘いを入れたり、回収して付けエサの状態を確認して再投入したりするだけでも、フグ被害が減ることがあるので意識してみましょう。
    フグはそこまで俊敏に動くわけではないので、本命が動きの速い魚の場合は特に有効です。

2-3. 撒き餌(コマセ)の活用とポイント移動

  • 粒の多いコマセで足止めを狙う
    フグは小粒のエサを好んでついばんで回る習性があり、足元に大量のコマセを撒いてフグをそこに集めてしまう戦法も有効です。そのうえで仕掛けは少し離れたポイント(5〜10メートル以上沖など)に投入し、本命だけがエサを追うように誘導するわけです。
    潮通しが良い場所ほどフグが足元に溜まりやすくなる一方、本命が外側で回遊する可能性も高まります。
    フカセ釣りなどはその典型的な釣り方のひとつでしょう。
  • ポイント移動(10メートル程度~大幅な移動)
    フグがどこにでもいるわけではありません。もし同じ場所で投入のたびにフグが釣れるようなら、思い切って10メートル以上離れた場所に移動して再度エサを落としてみてください。
    堤防の先端側や水深が変わるエリアに行くだけでも、フグが少ない状況に遭遇する場合があります。たとえ短い移動でも水深や海底の地形が変われば、フグの群れから外れられる可能性があるのです。
    特に潮の流れが速い場所にはフグが集まりにくいので、潮に乗せて釣りをするのもいいでしょう。

3. ルアー釣りのテクニック

3-1. ルアーの選択

エサ釣りよりはフグに強いと言われるルアーフィッシングですが、ソフトルアー(ワーム)を使う場合は、やはりフグの噛みちぎりに悩まされることがあります。ライトゲームやアジング・メバリングでは、柔らかいワームを使用するため、「フグしか釣れないうえにワームのテールが毎回切られて消耗が激しい……」という声も多いでしょう。そんなときこそ、ルアー選びに「フグ対策」を取り入れてみてください。

  1. エラストマー素材のワーム
    普通の塩ビ製ワームよりも硬く、弾力があるエラストマー素材はフグの歯でも簡単に切られにくいのが特長です。ダイワやその他各社からフグ対策を意識したエラストマーワームが販売されており、「ブニブニ」とした独特の噛みごたえによって、フグ被害をぐっと減らせます。
    ただし100%被害ゼロにはならないため、フグが大量にいる場合は複数のワームを準備しておくと安心です。
  2. ハードルアー(メタルジグやスプーン)
    金属製ルアーならフグにかじられても破損するリスクは極めて低くなります。メタルジグやスプーンを使えば、ワームのように毎投ごとにかじられるストレスから解放されるでしょう。
    ただし、沈下速度が速いルアーは狙える層が限られるため、本命魚の活性やレンジを考慮する必要があります。日中の表層狙いがメインなら、トップウォーター系のプラグを試すのも一つの手です。フグが中層や底にいる場合は、水面を泳ぐルアーにはあまり手が出せません。
  3. 目立たないカラーを選ぶ
    蛍光色やラメ入りの明るいカラーは、フグを含め多くの小魚を惹きつけやすい側面があります。フグ対策としてはクリアやスモーク、地味なオリーブ系など、なるべく水中で溶け込みやすい色合いのルアーを使うことで、フグの警戒や興味を削ぎやすくなります。
    「派手なカラーでリアクションバイトを狙う」といった攻め方もありますが、フグだらけの状況下ではかえって逆効果になりやすい点に注意しましょう。

ダイワのリアルオキアミワーム タフなどは強度の高いエラストマーワームです。

 

3-2. リトリーブとアクションの工夫

フグを避けるための操作としては、「常にルアーを動かし続ける」「ダラダラと見せすぎない」ことが挙げられます。ワームをじっと漂わせたり、ゆっくりフォールさせて当たりを待つスタイルは、本命が口を使いやすい反面、フグにもゆっくり噛まれるリスクが増します。そこで、フグ対策として次のようなアクションを試してみてください。

  • スイミングやリフト&フォールのテンポを早める
    フグが追いつきにくいスピードでリトリーブしたり、リフト&フォールでもあまりフォール時間を長く取らず、小刻みに上下させるだけに留めるなど、素早く動かすことでフグが反応しにくい状況を作れます。
  • 表層~中層を意識する
    フグは底付近に溜まりがちです。夜間なら表層付近に上がってくる場合もありますが、日中であれば上層で漂うことは少ないため、できるだけ上のレンジを攻めるという手もあります。
    ただし本命魚のレンジとの兼ね合いもあり、魚種によってはボトム付近を狙わないと釣果に結びつかないこともあるので注意が必要です。

3-3. ポイント選びと時間帯

ルアー釣りでも、根本的なフグ対策は「フグが少ない場所や時間を狙うこと」です。たとえば夜釣りや早朝はフグの活性が低くなりやすく、特に深夜帯や潮止まり前後はフグが活動を休止しているケースもあるため、ワームが長持ちします。

その間にアジやメバル、シーバスといった本命を手早く探っていくことで、効率よく釣果を上げることが可能です。

また、フグは浅場を好む傾向があるとも言われるため、比較的水深のあるポイントを選べばフグの遭遇率が下がります。あるいは風や潮通しが良く、居心地が悪い場所はフグも長居しづらく、本命が優先的に回遊してくる可能性が高まるのです。とはいえ、完全にフグゼロのポイントはなかなか見つからないので、状況に応じて移動やルアーローテーションを駆使しながら釣りを組み立てていきましょう。


4. 状況別の具体的な対策

4-1. 潮の流れの活用

フグしか釣れない日を乗り切るには、潮の流れを意識したフグ対策が重要です。フグは遊泳力がそこまで強くないため、潮が動いているときはエサを追いにくく、ある程度散らばる傾向があります。逆に潮止まりや潮が緩い時間帯には、水中でフグが悠々とエサをついばんでしまい、猛攻を受けやすいのが特徴です。

  1. 当て潮の場合
    自分の正面から潮が当たる状況では、仕掛けを少し沖に投げてからラインを張っておくだけで自然に手前に流されてきます。そのドリフト(流れに任せる)中にフグから逃げられれば、本命が食ってくるチャンスが生まれます。
    仕掛けを止めっぱなしにしないよう、潮に合わせてラインメンディングしつつ、常に動きを与えることでフグのアタリを減らせます。
  2. 払い出しが強い場合
    港内や河口域で潮が一気に外へ流れているとき、フグは流れに逆らう力がそれほど強くないため、潮下に固まりやすくなります。
    そこで、流れの筋を読んでフグが留まりにくい位置を見極めると、エサ取りの被害が減るケースがあります。
    払い出しを利用して仕掛けを自然に送り込むことで、本命が違和感なく口を使う状況を作りやすい点もメリットです。

4-2. フグが多い時間帯・少ない時間帯

一般的に、フグは日中に活発に動き回り、水温が高い季節の昼間は特に遭遇率が高いです。初心者が堤防などでサビキ釣りやウキ釣りを楽しむ時間帯に、同じくフグが大量発生していることは珍しくありません。一方で、22時前後になるとフグは海底付近で休む習性があると言われるため、深夜帯はフグの活動がかなり鈍化します。

  • 昼間~夕方(特に正午前後): フグが最もエサ取りに精を出す時間帯。エサや仕掛けの工夫が欠かせない。
  • 夜間(22時以降): フグの活動が弱まるため、エサが残りやすくなる。ただし本命魚も活性が落ちることがあるので一長一短。
  • 早朝~朝マヅメ: フグがまだ十分に動き出していないタイミングで、本命が朝マヅメのチャンスを迎えることがある。最も狙い目とも言われ、準備をしっかり整えて挑みたい。

4-3. 釣り場の選び方(浅場・深場の切り替え)

クサフグは浅瀬を好むことが多く、堤防の際(きわ)や水深のないインサイドで活発に泳ぎ回っている姿が見られます。そのため、フグがうじゃうじゃ群れている場所から少し離れただけでも被害が減る場合があります。

一方で、本命を狙ううえでも深場や潮通しの良いポイントは有利に働くことが多く、大型魚が回遊する可能性も高まります。

  • 浅場: 春から初夏にかけては水温上昇とともにフグの活性が高まる。見える魚を手軽に狙える反面、フグの数が多い可能性も大。
  • 深場: フグの数が比較的少なく、本命魚(クロダイ、マダイ、青物など)が回遊してくる可能性が高い。フグを避けるためにあえて一段深いポイントを探るのも有効。

また、周囲の釣り人のコマセや仕掛けも影響します。混雑している場所では多くの撒き餌にフグが寄ってきてしまい、思うように釣りにならないこともあります。少し離れた空いているエリアに移動するだけでフグしか釣れない地獄から抜け出せることもあるので、迷ったらポイント移動も積極的に検討しましょう。


5. まとめ

ここまで、エサ釣り・ルアー釣りの両面からフグ対策を中心に、「フグしか釣れない」状況を打開するための方法を紹介してきました。最後に、要点を整理しながら締めくくります。

  1. 硬いエサでフグを寄せつけない
    イカの短冊や塩締めアサリ、練りエサを硬めに仕上げるなど、フグが簡単にかじり取れないエサ選びは基本中の基本です。柔らかいオキアミやエビを主力にしていた人ほど、硬いエサへの切り替えで釣果がガラリと変わる可能性があります。
  2. 仕掛けは地味に、針やハリスを強く
    フグはキラキラ光るものや派手な色に興味を示します。黒い針やスイベルなど目立ちにくいパーツを使うことで、フグのアタックを抑制する狙いがあります。さらにハリスをワンランク太くする、フロロカーボン製を使用するなど、噛み切られ対策を徹底しましょう。
  3. コマセワークを工夫する
    粒子の多いコマセを足元に撒く「足止め戦法」や、フグ専用の配合剤を活用してフグに嫌な思いをさせる方法など、コマセワーク一つで状況が大きく変わることがあります。あまりにもフグが多い場合は撒き餌を控えめにして、本命のみを呼ぶ作戦に切り替えることも有効です。
  4. ポイント移動と時間帯の見極め
    「ここにフグが集まっている!」と感じたら、思い切って数メートル~数十メートル離れた場所に移動してみてください。水深や地形が少し変わるだけでフグの数が激減することは珍しくありません。また、深夜や早朝などフグの活動が弱まるタイミングを狙うのも一つの手。逆に昼間や夕方にフグが増える場合は、エサや仕掛けをフグ対策仕様に特化させる必要があるでしょう。
  5. ルアー釣りならエラストマーやハードルアーで対応
    ワームを毎回かじられてしまうストレスを少しでも減らしたいなら、耐久性の高いエラストマーワームや、メタルジグ・スプーン・トップウォータープラグの使用を検討してみましょう。フグに破壊されるリスクが減ることで、精神的にも道具的にもロスが少なくなります。
  6. 釣りマナーを忘れずに
    いくらフグが邪魔だからといって、岸に投げ捨てたり放置するような行為は釣り場の環境悪化につながり、絶対に避けたい行為です。不要なフグはすみやかにリリースし、釣り場を汚さないことが基本。ゴミやエサ袋の持ち帰りはもちろん、周囲の人との距離感にも配慮しながら安全に楽しみましょう。

フグ対策を徹底すれば、「フグしか釣れない……」という最悪の事態から少しでも抜け出せるはずです。何より大切なのは、「試してみよう!」というポジティブな気持ちで様々な対策を取り入れること。実は、フグが多い釣り場でも工夫次第で思わぬ大物がヒットするケースもありますし、粘り強く挑戦していたからこそ大逆転の釣果につながったというエピソードも多々存在します。

最初から「どうせフグしか釣れない……」と諦めていては、得られる成果も限られてしまいます。ぜひ今回紹介したフグ対策をヒントに、次回以降の釣行で本命を釣るチャンスを広げてください。フグは確かに厄介な存在ですが、「フグをいかにかわすか」もまた釣りの腕の見せ所です。エサ選び、仕掛けづくり、ポイント探し、時間帯の設定など多角的にアプローチして、快適な釣りを楽しんでいただければ幸いです。

あとがき

今回のブログでは「フグしか釣れない!」という状況に陥ったときの対策やエサ・ルアーの選択肢について、私自身の経験と知見を交えながらまとめてみました。特に、堤防での釣りにおいてフグが大発生してしまうと、狙っているクロダイやアジ、メバル、シーバスなどに辿り着く前にエサが根こそぎ奪われてしまう……というのは、私もこれまで何度も悩まされてきた大きな課題でした。

実際、私が一番フグの猛攻に手を焼いたのは、真夏の昼下がりに堤防へ釣りに行ったときのことでした。海が穏やかで水温も高く、小魚の群れを目視できるほどクリアな海面。しかし、一見釣りやすそうに思えたその状況で、投入のたびに針先しか残らない……。釣り人仲間と顔を見合わせ、「こりゃフグ地獄だな……」とがっくり肩を落としたのを、今でもはっきり覚えています。

あのときはオキアミをエサにしていたのですが、ほんの数秒で素バリになるどころか、ハリスまで噛み切られる始末。のんびりとウキを眺めて本命が来るのを待ちたいところが、あまりにフグの活性が高すぎて、待つどころか付けエサすら存続できない状態でした。

もちろん、周囲には家族連れのサビキ釣りや、夏休みを利用した子供たちがいるわけです。みんながせっせと撒き餌を投げているので、その甘い匂いに誘われて大量のフグがわらわらと寄ってきているんですね。

そんなとき、隣で釣りをしていた常連らしき方が、塩イカを使っていたのを見つけたんです。エサバケツを覗かせてもらうと、塩でガッチリ締められていて、「おお、これならフグにも強そうだな」と思わず感心しました。

当時の私はオキアミ頼りだったので、さっそく試してみようと翌日、釣具店の店員さんに相談して同じようにイカの短冊を塩で締めたものを用意。すると、やっぱりフグの猛攻をすべて防げるわけではありませんでしたが、オキアミよりはずっと持ちが良く、釣りのリズムが狂わなくなったんです。

この経験をきっかけに、フグの対策について本格的に調べ始めました。釣り具店の店員さんに聞くと、「夏場はフグ対策で塩アサリとか、硬めの練りエサを使う人が多いですね。針もいつもよりワンサイズ大きくするのが定番ですよ」とアドバイスしてくれました。

確かに、小さい針だとフグの鋭い歯でパチンと切られたり、あっという間にエサを飲み込まれたりしてしまいます。実際に釣り場で試してみると、チヌ針5号以上を使うだけでエサ取りされる頻度がガクッと減り、少し針に余裕ができると、刺しエサを二重に巻き付けたりできるので、より一層フグをかわしやすく感じました。

また、別の日には、フグは光り物や派手なカラーに興味を示しやすいという話を聞き、「ならば仕掛け全体を地味にしよう」と思い立ったんですね。黒い針や黒いスイベル、さらにはライン自体もフロロカーボンで太めのクリアを使い、なるべく目立たないように徹底しました。

すると、まったくフグがいなくなるわけではないですが、今までのような集団による一斉攻撃がだいぶ落ち着いたんです。同じポイントでも、ちょっと色味を抑えるだけでこんなに違うのかと驚きました。

やはり堤防周りは潮通し次第でフグが集まったり散ったりするので、見た目に刺激的な仕掛けを使うとすぐに寄ってきてしまうんだな、と痛感しました。

しかしながら、いくらエサや仕掛けを工夫しても、堤防そのものにフグが群れを成している場合は、なかなか思うように本命を釣らせてもらえません。

そこで、ポイント移動の重要性も思い知らされました。たとえば、堤防の中ほどで釣っていたらフグが大発生しているけれど、先端や少し沖向きに移動したら急にフグの気配がなくなった、というケースは意外と多いんですよね。

地形がちょっと変わっていたり、水深が1~2メートルだけ違うだけで、フグの有無がはっきり分かれることがあります。私も最初は「そんな細かいことで変わるものなのか?」と半信半疑でしたが、移動後の一投目でフグのあたりがまったくなく、代わりにクロダイが釣れたときは「場所を変える勇気って大事だな」と実感しました。

さらに、私の仲間内ではルアー派も多いのですが、彼らもフグに苦労しています。特にアジングやメバリングでワームを駆使している人は、「テールを毎回かじられてしまう……」という嘆きが絶えません。

そんなとき、大手メーカーのエラストマー素材ワームは確かにフグ耐性が高く、消耗がかなり軽減されると教わりました。

以前、アジングでオレンジ系のソフトワームを使っていた友人が、フグに尻尾を切られまくっていたのを見て「こりゃつらいな……」と思ったんですが、同じ形状のエラストマー製ワームに切り替えたら、多少歯形は付くものの、一投ごとに交換する必要はなくなったそうです。

やはり道具の選び方ひとつでストレスの大きさが変わるので、ルアー釣りならではの工夫も必要なんだと痛感しました。

また、ルアーを動かしっぱなしにする表層~中層を素早く探る、といったアクション面の工夫も効果的でした。これは堤防づりの際、昼間でも表層に浮いている小魚を狙うときに役立ちます。フグは底付近をうろつくことが多いので、なるべく上の層をシャカシャカと手早く通してしまえば、フグにワームを噛まれるリスクが減るんです。

ただし、どうしても底付近を狙わないといけない魚種の場合は、速めのリフト&フォールを心がけたり、メタルジグを使って速く探るなどの対策が欠かせません。

こうした対策をいろいろ試してみた結果、「フグしか釣れない!」と嘆く回数は確実に減りましたし、実際に本命をキャッチできる率も上がりました。もちろん、どんなに万全のフグ対策をしても、完全にフグゼロという状況はなかなか得られません

それでもエサを硬くしたり、仕掛けを地味にしたり、ポイントを動いたり、あるいはフグの活性が下がる夜間や早朝を狙ったりと、複合的にアプローチすることで、「フグにやられてばかりで釣りにならない」という最悪の事態はかなり回避できるようになったんです。

実際、私がこのブログ記事を書こうと思ったのは、まさにこういったさまざまな経験を通して「フグ攻略のコツ」を見つけられた喜びを、同じように悩んでいる方々と共有したいと思ったからです。

特に、初心者の方や、これから夏~初秋にかけての暖かい時期に堤防釣りを楽しみたい方々に向けて、「フグ対策にこういう選択肢もあるんだ」「仕掛けの色や太さでこんなにも変わるんだ」ということを知っていただけたら嬉しいです。

フグの存在そのものは、釣り人にとって一筋縄ではいかない相手ではあるものの、逆に言えば「フグさえうまくかわすことができれば、他の魚が釣れるチャンスは大きく広がる」とも言えるわけです。

また、釣り具店のスタッフや、堤防で顔なじみになった常連アングラーの方々から直接聞いた生の声やアドバイスも、今回の記事執筆の大きな原動力になりました。

釣りはどうしても個人プレーになりがちですが、経験者のちょっとしたひと言が、ビギナーにとっては目からウロコのような大発見につながることも少なくありません。

私自身、これまで「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という気持ちで、人に教えを乞うことをためらわないようにしています。

フグ対策で言えば、場所によって効くエサや効かないエサがあったり時間帯によってフグの多い少ないが如実に違っていたり、地域の特性や潮周りにも細やかな差があるんですね。

そういう生情報をキャッチするのは、やはり地元の釣り具店や現場の常連さんから得られるものが一番正確。私の記事で紹介している対策も、そういった方々のヒントがなければたどり着けなかったものばかりです。

最後になりますが、このブログ記事を読んだ皆さんが「もうフグばかりでうんざりだ……」と嘆くことなく、自分なりの工夫を通じて本命の魚をしっかり釣れるようになっていただければ何よりです

私自身も、まだまだフグとの戦いは続いています。暖かい時期はフグの数も増えますし、ある日はエサを変えてもダメ、別の日は仕掛けを変えたらいけるかも……と、探求すべきポイントは山ほどあります。

そんな試行錯誤の先には、「ようやく狙いのクロダイを釣り上げた!」という歓喜の瞬間や、意外にも思わぬ大物に出会うドラマが待っているかもしれません。

フグが多い釣り場でも、あきらめずに取り組めば必ず攻略法は見つかります。硬いエサ、仕掛けの色・太さ、ポイント移動、時間帯の見極め……それらを組み合わせながら、これからもお互い釣果アップを目指していきましょう。

 

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