エリアトラウトでは、魚のサイズや活性、プレッシャー状況に合わせたルアーローテーションが釣果を左右します。そんな中でも、マイクロスプーンは小粒ながらも強力な武器。活性が低い状況やプレッシャーが高まった場面でこそ本領を発揮し、自然な動きで口を使わせることができるのが魅力です。
また、マイクロスプーンを使う際はラインを極力細くするのが鉄則。0.2号~0.3号のPEライン(リーダー1.5lb~2lb)や、ナイロン・フロロカーボンの1.5lb~2lb程度を推奨します。細いラインほどスプーンが動きやすくなり、狙ったレンジをキープしやすくなるので釣果アップにつながります。
今回は、私自身もエリアで幾度となく試してきた「実績の高いマイクロスプーン5選」を詳しく紹介し、さらに使い方やアクションのコツも解説します。渋い時間帯でもあと1匹をひねり出すために、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1. 最強のマイクロスプーンおすすめ5選
1) ダイワ プレッソ マイクロルミオン
製品概要
- 製品名: ダイワ プレッソ マイクロルミオン (Daiwa Presso Micro Lumion)
- ウェイトバリエーション: 0.6g / 0.8g / 1.0g
- 全長: 18mm
- 特徴: 「遠投可能なマイクロスプーン」というコンセプトで開発。厚みあるボディのおかげで0.6gでもしっかり飛距離を稼げるのが最大の強み。約300度の大きなロールアクションで表裏の明滅がはっきり起こり、アピール力も高水準。カラーバリエーションは22色と豊富。フックはプレッソシングルフックSSスピード #8を標準装備。
購入者評価・筆者の感想
- 飛距離性能: 「18mmとは思えないほどよく飛ぶ」という声が多く、沖の散った魚を攻略するのにうってつけ。強めの向かい風が止んだ瞬間に0.6gをキャストしても、他の同ウェイトスプーンより数メートル遠くに飛ばせた経験あり。
- アクション: 大きなロールと明滅効果で集魚力が高く、特にナイター(夜間)や曇天など光量の少ないときでも「黒っぽい艶消しカラー」でしっかりヒットが得られる印象。夜釣りで0.6gのブラック系を試した際、立て続けにバイトがあった。
- 扱いやすさ: 板厚がある分、沈下速度がやや速め。スローに誘うならレンジキープに注意が必要だが、フォールを活かしてボトム付近を探りやすい面も。初心者には少しコツがいるものの、遠投性能重視ならぜひ手に取ってほしい一品。
こんな人におすすめ
- 遠投で沖の魚を攻略したい方
- 中級者以上で、「もう一匹」を追加したい状況の秘密兵器を探している人
- 大会などでプレッシャーがかかった時間帯に、小さいスプーンでも広範囲をサーチしたい人
2) ロデオクラフト ノアJr (NOA Jr.)
製品概要
- 製品名: ロデオクラフト ノアJr (Rodio Craft NOA Jr.)
- ウェイトバリエーション: 0.6g / 0.9g / 1.2g / 1.4g
- 全長: 約19mm前後
- 特徴: 定番スプーン「ノア」のダウンサイジング版。小さくても安定したウォブンロールを継承し、0.9gモデルは扱いやすさとアピール力のバランスが絶妙。1.2gや1.4gモデルを使えばボトム付近まで攻められ、超軽量スプーンにはないスイムの安定感が得られる。
購入者評価・筆者の感想
- 安定感・汎用性: 「困ったときのノアJr」というフレーズがあるほど信頼度が高い。初心者でも一定のアクションが出せるので扱いやすく、中級者以上のトーナメント志向アングラーにも愛用者が多い。
- サイズとアピールの両立: ノアJrは小粒ながらもしっかりしたアピール力が魅力。魚が見切り始めた時間帯にサイズダウンすることで口を使わせる作戦が成功しやすい。ノア(1.8g)からノアJr 0.9gに替えて再び連発した経験も。
- 注意点: 極端に軽いモデル(0.6gなど)は浮き上がりやすいので、巻き速度やロッド角度でレンジコントロールを意識。ただ、慣れれば問題なし。
こんな人におすすめ
- 初心者~上級者まで幅広く。特に「釣れなくなる時間帯」に強いパターンを探したい人
- ウェイト違いで表層から中層・ボトムまでまんべんなく攻めたい人
- ノアシリーズで朝と放流直後を攻め、ノアJrで渋くなってから粘る王道ローテを確立したい人
3) ベルベットアーツ フォルテ 0.9グラム
製品概要
- 製品名: ベルベットアーツ フォルテ 0.9g (VELVET ARTS Forte 0.9g)
- ウェイトバリエーション: 0.9g(他に0.6g、1.8g、2.1gなどシリーズ展開あり)
- 全長: 20.2mm
- 特徴: 小型ながら「強波動アピール」を追求したマイクロスプーン。深いカップ形状とショートフラットノーズの組み合わせで水噛みが良く、ブルブルした振動をはっきり感じられるうえ、飛距離にも優れる。スロー~ファストまで巻き速度の許容範囲が広く、初心者でも操作のイメージがつかみやすい。
購入者評価・筆者の感想
- 使いやすさ: 初めてマイクロスプーンを使う人が「フォルテを投げたら簡単に釣れた」と言うほど操作性が高い。巻き心地が手元にしっかり伝わり、“適当に巻いてもそこそこ釣れる”という頼もしさがある。
- アピール力: 小型スプーンはアピール不足になりがちだが、フォルテは力強い波動で魚を寄せられる。朝の放流直後〜中活性くらいまで幅広く使える万能型。
- レンジキープ力: ロッド角度を変えるだけで表層から中層まで調整しやすく、0.9gでも投げやすい。マイクロスプーンの中では遠投性能もトップクラス。
こんな人におすすめ
- 「マイクロスプーンは沈みが遅くて操作が分からない…」と苦手意識がある方
- 小粒でも十分な集魚力を確保したい人
- 1つのルアーで表層~中層を幅広く探りたい人
4) ティモン チビティアロ
製品概要
- 製品名: ティモン チビティアロ (TIMON Chibi Tearo)
- ウェイトバリエーション: 0.8g / 1.0g / 1.2g
- 全長: 19.4mm
- 特徴: ティアロをコンパクトにした「チビティアロ」。小さくしてもティアロ譲りの大きめウォブリングアクションを維持。適度な水押しと存在感があるので、シルエットを小さくしただけでは物足りない場面でもしっかりアピールできる。ウェイト3段階で表層~中層、ボトム付近までカバー可能。
購入者評価・筆者の感想
- 「定番」の安心感: チビティアロはどんなシーンでも平均点以上の力を発揮。スローとミディアムの中間くらいの巻き速度でヒットを量産しやすい。
- 汎用性と価格: 手頃な価格で複数色や重さ違いを揃えやすい。放流セカンド(魚が落ち着き始めるタイミング)でややスローに引くとよく釣れるなど、幅広いシチュエーションで活躍。
- 注意点: 放流直後の超高活性や極度にスレきった魚にはやや物足りないこともあるが、中間的なシーンでは抜群の安定感。
こんな人におすすめ
- マイクロスプーンの基礎を押さえたい初心者
- 「中途半端な活性」のときに使える定番スプーンを探している人
- 大きいティアロと組み合わせ、サイズダウンで口を使わせるローテを組みたい人
5) ノリーズ 鱒玄人ティーチ(Teach)
製品概要
- 製品名: ノリーズ 鱒玄人ティーチ (Nories Masu-Kurouto Teach)
- ウェイトバリエーション: 0.5g / 0.8g
- 全長: 20mm
- 特徴: トーナメントで「どうしても一匹を出したい」際の切り札として開発されたスプーン。極薄ボディによるタイトロールで、水押しを極限まで抑え、明滅で口を使わせるコンセプト。着水音が非常に小さく、サイトで警戒心の強い魚にも有効。
購入者評価・筆者の感想
- 究極の喰わせ特化: 「ティーチでしか釣れない魚がいる」と言われるほど。他スプーンが効かない超低活性時に活躍。デッドスローで巻いてもレンジをキープしやすく、鼻先をフラつかせるように通すと突然喰ってくる。
- 飛距離の限界: 0.5gはやはり飛距離が出ないため近距離戦向き。0.8gなら1g級スプーン並みに飛ぶという声も。
- 状況を選ぶ: 高活性の朝イチや放流時には出番が少ないが、真昼の無反応時間帯や大会終盤など「誰も釣れていない」時に威力を発揮。最後の頼みの綱として役立つ。
こんな人におすすめ
- エリアトーナメントなど、本気で「無の時間帯」を打開したい上級者
- 超プレッシャー下の管釣りで、ボウズを回避したい人
- サイトフィッシングで神経質な大物を狙いたい中・上級者
2. マイクロスプーンの重要な使い方
マイクロスプーンの性能を最大限に引き出すためには、ただ投げて巻くだけでなく
細やかなポイントを押さえておく必要があります。以下では、私が実際に釣行を重ねてきて感じた
「重要な使い方」をまとめます。
① ラインを細くする
PEライン:0.2号~0.3号(リーダー1.5lb~2lb)
ナイロン or フロロ:1.5lb~2lb
太いラインは水抵抗が増えてスプーンの動きが抑制されがち。特に表層や水面直下をデッドスローで引きたい場面では細めラインが有利です。PE使用時はリーダーも極細で自然な動きと沈下スピードを確保しましょう。
② レンジを意識する
マイクロスプーンは軽量ゆえ、狙いたいレンジをコントロールするのが大切。
・カウントダウン法で目的の深さまで沈めてから巻き始める。
・製品によって沈下速度が違うので、何秒でどのくらい沈むかを把握しておく。
・魚の反応レンジを見極めたら、同じ深さを正確に攻めることが重要。
③ 巻き速度の調整
・デッドスロー: スレた魚やクリアウォーターで見切られやすいときに有効。
・ミディアムリトリーブ: 放流セカンドなど、まだ多少活性があるタイミングの定番速度。
・ストップ&ゴー: スプーンを止める“間”で喰わせるテクニック。フォールや姿勢変化でリアクションバイトを誘う。
④ アクションの変化をつける
小刻みなトゥイッチやリフト&フォールを織り交ぜると、単調な動きを避けられる。特に活性が落ちた魚には、軽いジャークでフラつきを演出し“食わせの間”を与えると効果的。
まとめ
マイクロスプーンは管理釣り場で非常に頼れるアイテムですが、適切なライン選択やレンジコントロール、巻き速度などの細やかな調整が釣果に直結します。今回紹介した5種類のスプーンは、それぞれ遠投性能に優れたもの、喰わせ性能に特化したもの、万能型など個性が異なるので、状況に合わせてローテーションしてみましょう。
- ダイワ プレッソ マイクロルミオン
遠投性能&明滅アクションが魅力。沖を狙うならこれ。 - ロデオクラフト ノアJr
「渋い時間帯の救世主」。困ったときにも安心の定番ダウンサイジング。 - ベルベットアーツ フォルテ 0.9g
小粒でも強いアピールと飛距離の両立。初心者にも扱いやすい万能型。 - ティモン チビティアロ
「オールラウンドな定番」。バランスの良いウォブリングで幅広い状況に対応。 - ノリーズ 鱒玄人ティーチ
超低活性を攻略する切り札。完全にスレきったときこそ投入。
「全然反応がない…」と感じたら、ラインをもう一段階細くしてみる、レンジや巻き速度を変えるなど、試行錯誤が大切。マイクロスプーンのサイズ感はプレッシャーを抑えつつ自然なアクションで誘える強みがあります。
これらの使い分けをマスターして、管釣りでの釣果アップを狙いましょう。きっと「あと一匹が出せない…」というジレンマを解決してくれるはずです。
ノリーズ鱒玄人ティーチ体験談
私がティーチを試すきっかけは、トーナメントに出場している友人から「これで救われることがあるから、タックルボックスに一本入れておくといいよ」と勧められたことでした。もらったカラシ色と自分で購入した3色を引っ提げ、神奈川県の開成水辺フォレストスプリングスで試してみたところ、完全に見切りモードのトラウト相手にもデッドスローリトリーブで口を使わせることに成功したのです。
また、BerryPark in FISH ON!王禅寺のサブロー池で夕方にサイトで大物を狙った際、他のスプーンだと着水音で逃げられてしまうところ、ティーチ0.5gの極めて静かな着水が奏功し、超スローに引いてバイトを得ることができました。飛距離は限定的ですが、こうした低活性やプレッシャーMAXの状況ではまさに切り札。その反面、普段のメインルアーにはなりにくいものの、“ここぞ”という場面の破壊力は抜群です。
山梨県小菅トラウトガーデンでも大物相手に結果を出せたのは驚きでした。フックが小さい分バラシのリスクはありますが、バイトを得られないよりは断然マシ。「最後の一匹をどうしても釣りたい」時、ティーチの存在は非常に大きいと感じます。トーナメント志向の方はもちろん、一般アングラーでも「極度に波動を嫌う魚」に悩んでいるなら試してみる価値があります。
◆ あとがき
この記事を書いたきっかけは、管釣りを始めたばかりの頃にマイクロスプーンの扱い方が分からず苦戦した経験と、トーナメントに出場している友人からのアドバイスでした。管釣りは放流直後こそ爆釣モードになりますが、時間が経つと魚がスレて「どうすればもう一匹を引き出せるのか…」と行き詰まることが多いものです。そんなときに教わったのが「ラインを極力細くする」「狙うレンジを意識する」「巻き速度やアクションを細かく変える」というテクニックであり、それが一番活かしやすいのがマイクロスプーンだったのです。
神奈川県のBerryPark in FISH ON!王禅寺や開成水辺フォレストスプリングス、山梨県小菅トラウトガーデンなど、プレッシャーの高い人気釣り場でもマイクロスプーンの威力を痛感しました。今回紹介したダイワのマイクロルミオン、ロデオクラフトのノアJr、ベルベットアーツのフォルテ0.9g、ティモンのチビティアロ、ノリーズの鱒玄人ティーチは、いずれもシチュエーション次第で最強の1本になり得るルアーです。
「なぜ釣れなくなってしまうのか」「どうすればあと1匹を引き出せるのか」。そんな疑問を持つ方に少しでもヒントになればと思い、体験談や仲間の話を交えながらまとめました。ぜひ皆さんもマイクロスプーンを活用して、スレきった時間帯に粘り強く探ってみてください。きっと今まで諦めていた時間帯に連発する喜びを味わえるはずです。これからも管釣りを巡り、新しいローテーションやラインセッティングを試し続けます。皆さんの釣りがもっと楽しく、もっと奥深いものになりますように!
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