夏から秋にかけて、日本の池や水路では赤いアメリカザリガニがよく動きます。子供と一緒に水辺をのぞき込んで、石の陰から赤いハサミが見えた瞬間のあの感じ。大人になってからでも、ちょっと胸が高鳴ります。
ザリガニ釣りは、小さな子どもでも楽しみやすい身近な釣り遊びです。ただ、実際にやってみると釣果を左右するのはエサ選びです。ザリガニは雑食性ですが、特に匂いが強い動物質の餌にはよく反応します。
結論から言うと、初めてならさきイカが一番使いやすいです。匂いが出やすく、糸にも結びやすく、ザリガニの鋏にも絡みやすいからです。子供と一緒に遊ぶときも、準備が簡単で失敗が少ない餌だと感じました。
本記事では、実際の釣り体験をもとに、ザリガニ釣りでよく使われる餌とその理由、餌の付け方のコツ、さらに子供と遊ぶときに気をつけたい安全面までまとめます。

目次
ザリガニの食性と餌選びのポイント
ザリガニは雑食ですが、釣り餌として考えるなら、動物質で匂いが出るものが有利です。さきイカ、スルメ、煮干し、魚肉ソーセージ、カニカマ、鶏肉などは、どれもザリガニが反応しやすい餌です。
ただし、匂いが強ければ何でもよいわけではありません。ザリガニ釣りでは、ザリガニが両方の鋏でしっかり掴めるサイズであることも大切です。小さすぎる餌はつまむだけで外れやすく、柔らかすぎる餌は引き上げる途中で崩れやすくなります。
また、とある幼稚園のザリガニ釣り体験では、タコ糸の先にダブルクリップを付けてスルメイカを挟んだ仕掛けが使用されていました。ゼムクリップでは浮いてしまったため、おもりの役目を兼ねるダブルクリップが採用されたとのことです。
この話は、実際にやってみるとよく分かります。子供はどうしても「早く入れたい」「早く上げたい」となりますが、餌が水中でふわふわ浮いてしまうと、ザリガニがうまく掴めません。餌が沈んで安定すること、ザリガニが掴みやすいこと。この2つが餌選びと仕掛け作りの大きなポイントです。
細かなところですが、意外と餌の重さも重要です。軽すぎる餌は水の流れで動き、重すぎる餌は子供が扱いにくくなります。家庭で遊ぶなら、まずはさきイカやスルメをダブルクリップで挟むくらいがちょうどよいです。
続いて、釣れるおすすめの餌を見ていきましょう。
よく使われる餌一覧と特徴
| 餌の種類 | ポイント | 使って感じたこと |
|---|---|---|
| さきイカ(裂きイカ) | 柔らかく裂けやすい。匂いが出やすく、糸にも結び付けやすい。 | 子供でも扱いやすく、室内・屋外ともに一番安定しました。 |
| あたりめ(スルメ) | 乾燥していて硬いが、耐久性が高い。 | 長時間遊ぶなら便利。匂いはさきイカより少し出にくい印象です。 |
| カニカマ・ニボシ | 冷蔵庫にある手軽な食材。匂いで寄せやすい。 | カニカマは食いが良い反面、取られやすいです。煮干しは束ねると使いやすくなります。 |
| フィッシュソーセージ・イカの塩辛 | 自宅やコンビニで手に入る。塩辛は特に匂いが強い。 | 短時間で反応を見たいときに面白いですが、柔らかいものは崩れやすいです。 |
| 皮付きの鶏肉(かしわ) | 脂身と皮から匂いが出る。大きめに切れば掴みやすい。 | 匂いと耐久性は期待できますが、子供と気軽に遊ぶならイカ系のほうが扱いやすいです。 |
| 魚の切り身や刺身 | 動物性で匂いが強く、ザリガニが寄りやすい。 | 夕食の残りを使えますが、水が汚れやすいので少量がおすすめです。 |
1. さきイカ・スルメ
さきイカは、ザリガニ釣りの餌としてかなり使いやすいです。柔らかく、細く裂けるためタコ糸に結び付けやすく、繊維がザリガニの鋏に絡みます。水に入れると匂いも出やすく、ザリガニが寄ってくるまでの反応が早い印象です。
子供と遊ぶときも、さきイカは扱いやすいです。少し長めに裂いておくと、「ここをクリップで挟んでね」と説明しやすく、子供自身も自分で準備した気分になります。釣れたときの喜びも、そのぶん大きいです。
スルメ(あたりめ)は乾燥して硬いですが、耐久性があります。何度もザリガニに挟まれても残りやすいので、長時間遊びたいときに向いています。ただし硬いぶん、匂いの出方はさきイカよりゆっくりです。
私の感覚では、短時間で子供に「釣れた!」を味わわせたいならさきイカ、長く遊ぶならスルメという使い分けがしっくりきます。
2. カニカマ・ニボシ・魚肉ソーセージ
台所に常備してあるカニカマやニボシ(煮干し)も、ザリガニが好む餌です。さきイカがないときの代用品として十分使えます。
カニカマは柔らかく、匂いも出るため反応は良いです。ただ、柔らかいぶん餌だけ取られやすく、子供が勢いよく引き上げると途中で落ちることがあります。子供が悔しそうに「いたのに!」と言う場面が増える餌でもあります。
ニボシは小魚の匂いでザリガニを寄せやすいですが、単体だと小さくて掴みにくいことがあります。使うなら2〜3本を束ねてクリップで挟むと、ザリガニが両方の鋏で抱えやすくなります。
冷蔵庫にあるフィッシュソーセージや、コンビニで買えるイカの塩辛、乾燥したスルメや貝柱などを餌にするのもおすすめです。これらの餌は匂いが強く、クリップで挟んで沈めるとすぐにザリガニが寄ってくることがあります。ただし柔らかい餌は崩れやすいので、短時間勝負向きです。
3. 皮付き鶏肉・カエルの肉
ザリガニは雑食ですが、魚や小動物の肉を特に好みます。地元のおじいさんから「ザリガニはカエルの肉が大好きで、それに近い皮付きの鶏肉が最高の餌になる」と教わったことがあります。
実際にカエルの肉を使ったことはありませんが、ザリガニの食性を考えると、皮付き鶏肉に反応しても不思議ではありません。脂や皮から匂いが出ますし、適度な弾力があるので鋏で掴みやすいはずです。
ただ、子供と気軽に遊ぶザリガニ釣りでは、扱いやすさも大切です。手が汚れにくく、準備と片付けが楽なさきイカやスルメのほうが、親としては使いやすいと感じます。魚肉や刺身の切れ端も効果は期待できますが、水を汚しやすいため少量で試すのがおすすめです。
餌の付け方のコツ
- ダブルクリップや洗濯ばさみを使う – タコ糸の先にダブルクリップや洗濯ばさみを付け、そこへ餌を挟むのが簡単です。ゼムクリップだと浮いてしまうので、おもりにもなるダブルクリップが便利です。
- 大きめに切る – ザリガニが両方の鋏でがっちり掴めるサイズに切りましょう。小さすぎると掴みにくく、引き上げる途中で落とされます。
- 匂いを活かす – 餌は匂いが強いほど効果的です。乾燥したスルメや貝柱は5 cmほどに切って使うと良いでしょう。
- ゆっくり引き上げる – ザリガニが餌に夢中になって鋏でしっかり掴むまで待ち、糸をゆっくり引き上げるのがコツです。浅い場所であればザリガニの姿を確認しながら引き上げると成功率が上がります。
この中で、子供に一番伝えたいのは「ゆっくり」です。ザリガニが餌を触った瞬間、子供はどうしても反射的に引き上げます。私も横で何度も「まだ、まだ、もう少し」と声をかけました。釣り歴が長くても、子供の横で待つ時間はなかなか難しいものです。
ザリガニが餌を鋏で挟み、体ごと少し後ろに引くような動きを見せたらチャンスです。そこで一気に上げず、糸を張ったままゆっくり持ち上げると落ちにくくなります。水面近くまで来たら、最後は網や小さなバケツで受けると安心です。
釣果を伸ばすためのワンポイント
- 時間帯 – 朝の時間帯は人が少なく警戒心が低いためよく釣れるとされています。釣り場が混雑するとザリガニが餌に慣れて警戒心を持つので、早めに出かけましょう。
- ポイント選び – 大きなザリガニは岩の隙間や草陰、泥の中に隠れていることが多いので、そのような場所を狙います。
- 安全対策 – ザリガニ釣りは浅い水辺ですが、子どもが水に落ちないよう注意が必要です。ザリガニの鋏に指を挟まれないよう持ち方を工夫し、日差しや蚊対策も忘れないでください。
33年ほど釣りをしてきて思うのは、子供との釣りでは釣果よりも「怖くない」「また行きたい」と思えることが大切だということです。ザリガニは身近な生き物ですが、鋏で挟まれると子供はかなり驚きます。持つときは背中側から甲羅をつまむ、無理に触らせない、足元が濡れている場所では走らせない。このあたりは最初に約束しておくと安心です。
埼玉の室内施設でのザリガニ釣り体験
筆者がザリガニ釣りにはまったきっかけは、埼玉県にある室内アミューズメント施設「生き物探検隊」へ家族と遊びに行ったことでした。 この施設は、池を模した水槽が並び、ザリガニやカニなど身近な生き物を観察・捕獲できる室内テーマパークです。
スタッフが用意してくれるタコ糸とクリップ、そして餌は主にスルメでした。施設では、捕獲したザリガニはその場で観察したら必ず水槽に戻すよう指導されます。これはアメリカザリガニが2023年6月から「条件付特定外来生物」となり、法律により野外への放出が禁止されているためで、飼育目的で持ち帰ることはできないからです。ルールを守りながら、小さな子どもでも室内で安全にザリガニ釣りを体験できるのが魅力でした。
実際に試してみると、室内の水槽では匂いの強い餌に対するザリガニの反応がはっきり分かります。餌をクリップに挟んで沈めると、数匹のザリガニがじわじわと寄ってきて、鋏でがっちり掴みます。
子供は最初、ザリガニが近づくだけで「来た!来た!」と大騒ぎでした。ところが、慌てて引き上げると水面でポトンと落ちます。そのたびに悔しそうな顔をするのですが、何回か失敗するうちに、ザリガニがしっかり餌を抱えるまで待てるようになりました。こういう小さな上達が見えるのも、親子のザリガニ釣りの面白いところです。
何度も釣り上げても餌が残るので、室内施設では長時間遊べました。ただし、ザリガニ釣りは非常に人気のため、混雑すると釣りをする隙間のないほどに子供たちが集まってきます。落ち着いて楽しみたいなら、夕方や平日など人の少ない時間帯のほうがよいと思います。
室内でのザリガニ釣りに味をしめた筆者は、「本物のフィールドではどうなのか?」と気になり、埼玉県北部の田園地帯へ足を延ばしました。田んぼの脇に走る側溝や灌漑用水路はアメリカザリガニの宝庫で、水草の茂みや石の隙間から真っ赤なザリガニが顔を覗かせます。ここでも室内と同じようにタコ糸とダブルクリップを使い、さまざまな餌を試してみました。
実験の結果、さきイカが屋外でも最も安定した釣果を出しました。水に浸すと柔らかくなり、繊維がほどけることでザリガニの鋏に絡みやすく、途中で外れにくいからです。
次に良かったのは冷凍のイカリングです。白さが目立ったのか、ザリガニが見つけやすく、しっかり挟んでくれることが多かったです。子供も水の中で餌の位置を見つけやすいので、「今つかんだ!」と分かりやすい餌でした。
意外にも苦戦したのがフィッシュソーセージで、水に浸けるとボロボロになりやすく、短時間で釣果を出したいときに限って有効でした。煮干し(ニボシ)は香りは強いのですがサイズが小さく、ザリガニが鋏でつまむ前に流されてしまうことが多かったため、複数本を束ねて使うと効果的でした。
| 餌 | 釣果の印象 | 補足 |
|---|---|---|
| さきイカ | ◎ 食いつきが良く糸にも絡みやすい | 室内・屋外ともに安定して釣れる |
| あたりめ(スルメ) | ◯ 長時間遊べるが匂いが弱い | 硬いので巻き付けて使うと効果UP |
| フィッシュソーセージ | △ 砕けやすく短時間向き | 夏の暑い日はすぐに崩れる |
| 生イカリング | ◎ 大物が寄ってくる | 道端に置いておくと猫など他の動物が寄ることも |
| 煮干し | △ 小さくて掴みにくい | 複数本を束ねると良い |
屋外では水の深さや流れが場所によって異なるため、餌の重さや形状を工夫することが重要でした。流れが速い側溝では、クリップだけでは軽すぎることがあります。そんなときは、クリップに小さな重りを付けるか、なければナットなどを巻き付けると餌が底まで沈みます。
また、ザリガニは植生の陰や石の隙間に潜んでいることが多く、糸をゆっくり入れた後は焦らず待つことが大切です。持ち帰る場合は、再び野外へ放すことが法律で禁止されているので、自宅で終生飼育できる数に留め、飼えない個体はその場でリリースするのがマナーです。
感じたこととまとめ
ザリガニ釣りは、手軽な道具と身近な餌で楽しめるアウトドア遊びです。けれど同時に、自然環境への配慮や法令遵守も求められます。室内施設では安全に、屋外では自然の風景の中で冒険心を刺激されながら、餌による反応の違いやザリガニの生態を観察できました。
特に、さきイカの効果は目を見張るものがありました。実際に複数の餌を試してみると、子どもたちも科学実験のように楽しめます。「なんでこっちは来るのに、こっちは来ないんだろう」と子供が言い出すと、ただの遊びが観察の時間に変わります。釣れた数だけでなく、そういう会話が残るのも良いところです。
釣りに出かける際は、匂いが強くザリガニが掴みやすい餌を選び、ダブルクリップや洗濯ばさみでしっかり固定することが基本です。早朝や夕方の静かな時間帯を狙い、岩陰や草むらなどザリガニが潜むポイントを丁寧に探せば、初心者でも多くのザリガニに出会えるはずです。
まとめ
ザリガニ釣りでは、匂いが強く耐久性のある餌を選ぶと釣果が上がります。コンビニで買えるさきイカやスルメはもちろん、冷蔵庫にあるカニカマやフィッシュソーセージ、皮付き鶏肉なども効果的です。
餌はザリガニが両方の鋏で掴めるサイズに切り、ダブルクリップなどで糸に付けて沈めるのがポイントです。焦らず待ち、ゆっくり引き上げるだけで成功率は変わります。安全に気を付けながら、家族や友人と楽しいザリガニ釣りを体験してみてください。
まとめ
- ザリガニは匂いの強い動物質の餌を好み、特にさきイカやイカリングが効果的。
- タコ糸にダブルクリップを付けて餌を挟み、ゆっくりと引き上げるのが基本の釣り方。
- 子供と遊ぶときは、釣果よりも足元、安全、待つ練習を大切にする。
- 室内施設では安全に楽しめ、屋外では流れや深さに応じて餌の重さを調整する。
- 2023年からアメリカザリガニは条件付特定外来生物に指定され、放流は禁止。
- ルールを守り、環境に配慮しながら家族で楽しくザリガニ釣りを楽しむ。
記事には関係ないですが、ザリガニ釣りの日からアイリスオーヤマ エアリー 丸ごと洗えるマットレス使っているのですが、すこぶる体調がいいのでご紹介しておきます。
マットレスの蒸れが気になる人にはいいかと思います。





