チヌ釣りでオキアミがすぐになくなると、次にどのエサを使うか迷います。そんなときに試したいのが、マルキユーの「荒食いブラウン」です。
サナギ成分とアミエビを配合した茶色の練りエサで、エサ取りが多い場面でのハリ持ちを特徴としています。使うときの軸は、単品の状態を確かめ、回収したエサを見ながら大きさや硬さを変えること。最初から水や別のエサを混ぜ込む必要はありません。
私も、エサが残るようになっただけで安心してしまい、アタリのないまま流し続けたことがあります。荒食いブラウンの特徴と合わせて、残すところから食わせるところへ、どう調整していくかをお話しします。
荒食いブラウンの特徴と使いたい場面
荒食いブラウンは、チヌのウキフカセ釣り、ウキダンゴ釣り、筏・カセのかかり釣りなどに使える練りエサです。内容量は100g。サナギとアミエビを組み合わせた、付けエサの選択肢になります。
私がこれに期待するのは、魚を一気に寄せることより、狙うタナまで付けエサを届けて待てることです。オキアミが途中で取られる場面では、その違いが釣りを続けるうえで助けになります。
ただし、エサ取りを避けきれるわけではありません。練りエサもかじられますし、投入時に外れることもあります。「残ったからチヌが食うはず」と待ち続けず、回収するたびに状態を見るようにしています。
原材料や製品の詳しい説明は、マルキユーの荒食いブラウン製品ページでも確認できます。
夏の波止で、エサが残っても釣れなかったとき
夏の波止でウキフカセ釣りをしたとき、足元のマキエには小魚が集まり、オキアミは仕掛けがなじむ前になくなっていました。そこでブラウンへ替えたのですが、今度は回収しても丸い形がほとんど残ったまま。ウキにもはっきりした反応が出ません。
実釣で感じた違い
その日は風が弱く、ウキがゆっくり横へ流れる程度でした。エサ取りを意識しすぎて大きく付けていたので、まず量を減らし、同じ投入点とタナで流し直しました。すると表面が削れた状態で戻るようになりましたが、それでもすぐにチヌが釣れたわけではありません。
私には、この段階の違いが大事でした。エサが残ることと、魚に触ってもらえることは別です。持たせるための調整ができたら、次は食わせやすい大きさを探す。ブラウンを使うときは、この順番で考えるようになりました。
荒食いブラウンの使い方|まず単品でハリに付ける
解凍時間より、指でつぶせる状態を目安にする
冷凍したエサを使う場合は、取り分けられる状態になってから少量を指で押し、ハリを包めるか確かめます。気温や持ち運び方で戻り方が違うので、「室温で20分」と時間を決めるより、実際の硬さを見た方が扱いやすいです。
手で軽くまとめて使えるなら、そのまま始めます。海水温と同じ温度にすることを目標にせず、付けやすさと投入後のエサ持ちを見てください。使わない分まで日なたに出して温める必要はありません。
米粒大に固定せず、ハリを包める量から始める
最初はハリ全体を包み、丸くまとめられる量から始めます。ハリの大きさが違うのに、エサだけを米粒大にそろえると、十分に包めないことがあります。針先の位置を意識しながら、ハリの周りに隙間ができないように付けてください。
エサ取りに早く削られるなら、少し大きくして残り方を比較します。逆に、ほとんど触られずに戻るなら、小さくして反応を見る。大きく付けたときは、小さなウキの動きだけで急いで合わせると、まだ食い込んでいないこともあります。
形は初めから凝らず、丸く付けるところからで十分です。形状による違いを試す際は、マルキユーの練りエサの付け方も参考になります。
水を加える前に、取り分けた分だけで試す
硬くてまとまりにくい場合も、まず少量を指で押し練りします。それでも調整したいときに、指先を湿らせる程度の水で変化を見ます。水をまとめて注ぐと元に戻しにくいので、袋全体を一度に調整しない方が楽です。
私も以前、エサ箱に出したブラウンへ水を足しすぎて、指には付くのにハリの周りでは形が決まらなくなりました。練れば何とかなると思って触り続けても、狙っていた硬さには戻りません。
結局、別に残していた未調整のエサを少しずつ合わせて使いましたが、釣りを止める時間が長くなりました。それ以来、元の状態を残し、調整するのは数投分だけにしています。少しの手間ですが、失敗したときにやり直せるのが気に入っています。
調整の注意
チヌパワーなどの粉を足す方法もありますが、硬さだけでなく、まとまり方や水中での崩れ方まで変わります。初めてなら粉の追加を急がず、未調整のエサに戻して比べた方が、何が変わったのか分かりやすいと思います。
エサ取り対策と、アタリがないときの調整
荒食いブラウンの調整は、「戻ってきたエサ」と「仕掛けの入り方」を組み合わせて考えます。エサがないという結果だけでは、魚に取られたのか、投げたときに落ちたのかは分かりません。
| 回収時の様子 | 先に見るところ | 次に試すこと |
|---|---|---|
| 毎回ハリだけになる | 付け方、投入の強さ、エサ取りの反応 | 近い投入点で持つか確認し、大きさや硬さを一つずつ変える |
| 形がほぼそのまま残る | タナ、マキエと付けエサの位置 | 狙いに届いているかを見てから、小さめを試す |
| 表面が削られて戻る | どの流しで、どの程度削られるか | 本命を待つ分が残るなら維持し、途中でなくなるなら量を増やす |
| ウキが動くが掛からない | アタリの続き方、エサの大きさ、針先 | 早合わせを見直し、付ける量やハリとの釣り合いを調整する |
判断のポイント
一度に色、硬さ、タナを変えてしまうと、何に反応したのか分からなくなります。まず一つ変え、同じ条件で流せる範囲で比べてください。潮が変わったときは、その変化も含めて考えます。
硬くすれば解決するとは限らない
エサ持ちを優先すると、つい硬くしたくなります。ただ、硬いまま戻ってくるエサをさらに硬くしても、食わせる方向の調整にはなりません。エサ取りが少なくなった場面では、取り分けた分をやや小さく、口に入れやすい状態にして試します。
また、掛けた後に外れる「バラシ」と、合わせても掛からない「空振り」は分けて考えたいところです。バラシをエサの柔らかさだけのせいにせず、針先の傷み、掛かり方、やり取り中の糸の緩みも見直します。
色の使い分けとブレンドの考え方
ブラウン、食い渋りイエロー、高集魚レッド、アピールホワイトは、単純な色違いとして順位を付けるより、それぞれを試して反応を比べる方が使いやすいです。配合や扱ったときの感触も違うので、色だけで釣れた理由を決めつけないようにしています。
最初は単色で使い、反応が続かなければ別の色へ替える。混ぜるのは、その後でも遅くありません。秋だからブラウン7:イエロー3、波止だからブラウン6:ホワイト4という固定比率にする必要はないと思います。
混ぜすぎると、戻して比較しにくい
私が秋の波止で試したときは、ブラウンを流しても小さく削られるだけで、食い込むアタリがありませんでした。そこでイエローを少量合わせたのですが、気になってさらに足しているうちに、色も硬さも最初とかなり違う状態になってしまいました。
ウキの反応は増えたものの、チヌは掛かりませんでした。潮も少し動き始めていたため、エサの変更がよかったのか判断できず、正直、混ぜたことより比較できなくなったことが気になりました。
今なら単色を手元に残し、混ぜた分と交互に使います。二色を合わせるときも、いきなり全部を均一に練らず、少量から。マーブル状に合わせる使い方もありますが、それだけで釣果が決まるとは考えていません。
ほかの練りエサとの使い分けは、こちらでも紹介しています。
チヌの練り餌おすすめの実績ランキング。何色が一番釣れるのか?
季節と釣り場に合わせるときの見方
夏なら硬く、冬なら柔らかくと決める前に、その日にエサがどこまで残っているかを見ます。同じ季節でも、足元の小魚が多い場所と、付けエサがそのまま戻る場所では、必要な調整が違います。
夏から秋は、エサ取りの変化とエサ箱の状態を見る
エサ取りが多いときは、狙う層まで残すことを優先します。ただ、朝夕だから小さくする、秋になったから硬くする、と季節や時間だけで決めません。ブラウンでも取られ続けるなら、付けエサの調整と合わせて、投入位置やマキエとの位置関係を見直します。
日が当たるエサ箱では、表面の乾燥にも気をつけたいところです。使う分を小分けにして、残りはふたを閉め、クーラーなどで直射日光を避けておきます。保存については購入した製品の包装表示に従い、何度も温めたり冷やしたりしない扱いを心がけてください。
港・波止のウキフカセでは、タナへ入っているかを確かめる
潮が速いときは、エサを硬くするだけでは狙うタナに入りません。ウキが先に走っていないか、道糸が風に引かれていないかを見て、必要に応じてガン玉や流し方を調整します。
また、港の濁りを一律に生活排水のせいにしたり、濁っているから匂いだけで食わせると決めたりはしません。ブラウンと明るい色を試す場合も、タナとエサの残り方をそろえて比べる方が判断しやすいです。
筏・カセでは、ダンゴが割れた後の反応を分けて見る
ダンゴに包んで落とす釣りでは、付けエサだけを考える前に、着底とダンゴの割れを捉えたいところです。ダンゴが割れた後、付けエサがどの程度残るかを見て、ブラウンの量や硬さを調整します。
穂先の小さな動きが減ったからといって、本命が寄ったとは言い切れません。潮が変わったり、エサがなくなったりしていることもあります。一度回収して状態を見てから、食わせるための柔らかさを試す方が、判断を間違えにくいと思います。
ハリとハリスは、釣り方とエサの大きさに合わせる
荒食いブラウン専用の仕掛けにする必要はありません。普段のチヌ仕掛けを基準に、ハリに付ける量と、掛けた魚を取り込める強さを合わせます。
仕掛けを組む目安として、波止のウキフカセなら道糸2号、ハリス1.2~1.5号、チヌ針2~3号という組み合わせがあります。これは障害物が少なく、タモで取り込める場所を想定した一例です。根が荒い場所や大型を狙う場面まで、この号数にそろえる必要はありません。
エサを大きく付けたいのにハリだけが小さすぎる場合は、ハリとの釣り合いも見直します。逆に、食い渋り対策で小さく付けるときは、その量で無理なく包めるハリかを確認してください。水温の数字だけでハリスを細くするより、障害物と魚の大きさを優先したいです。
ハリの候補としては、「かかりすぎチヌ」もあります。号数を選ぶときは、使いたいエサの量と合わせて見てください。
まずは単品を残して、一つずつ調整する
荒食いブラウンは、付けエサを残して本命を待ちたいときに試せるエサです。最初は単品でハリに付け、回収した状態を見て、大きさ、硬さ、色の順に必要なものだけ変えてみてください。
私なら、未調整のブラウンと、調整した数投分を分けて置きます。うまくいかなければ戻せる状態にしておくと、迷ったときにも次の一手を決めやすくなります。
マキエの選び方も考えたい方は、チヌの集魚剤のおすすめランキング3選。単品で釣るためのマキエ選別もご参照ください。
あとがき
荒食いブラウンについて考えていると、真夏の波止でアピールホワイトを使い、エサ取りに困っていた日のことを思い出します。付け直してもすぐになくなり、同行した釣り仲間からサナギ入りのエサの話を聞いたものの、その日は手元にありませんでした。いい結果にはつながらず、帰ってからも、違うエサを持っていればどうだったのだろうと気になっていました。
そのときの私は、持っていなかったエサに、ずいぶん期待を乗せていたように思います。釣れない時間が続くと、どうしても自分の手元にないものがよく見えるんです。あの色なら、あの配合なら、と考えるうちに、実際に使っているエサがどう取られているかを見る余裕がなくなっていました。
今振り返って少し悔しいのは、釣れなかったことより、途中の様子をあまり覚えていないことです。エサがなくなったことは覚えていますが、投入してすぐだったのか、しばらく流してからだったのか。表面にかじられた跡が残ることはなかったのか。その違いを言葉にできないまま、エサ取りが多かった一日として片付けていました。
関西で参加したマルキユーの釣り教室や、MFGの皆さんとの交流も、エサの扱いを考えるきっかけになりました。温度や硬さを意識するようになったのは、そうした時間があったからです。ただ、教わったことを釣り場で試すとき、私は正しい形を再現することばかりに気を取られていたところもありました。魚の反応より、手元のエサが教わった通りになっているかを気にしていたのだと思います。
今は、同じように準備しても同じ反応が出ないところを、以前より面白く感じています。昨日よかった状態へ合わせたのに今日は触られない。それなら何を見直そうかと考えられる日は、釣れない時間にもやることがあります。反対に、理由を考えず次々に混ぜてしまった日は、釣りが終わっても、何を試した一日だったのか自分で説明できません。
一時は、持ち込むエサの種類を増やせば安心できると思っていました。ところが種類が増えるほど、アタリがないと次へ替えたくなります。まだ今のエサで確かめられることがあるのに、別の袋を開けてしまう。選択肢があることは心強いのですが、自分の場合は、それを全部使おうとするとかえって落ち着かなくなるようです。
そこで最近は、よかったか悪かったかだけでなく、何を変えたかを一つは覚えて帰ろうと考えています。水を足しすぎたなら、その失敗で構いません。小さくしたら表面に変化が出たけれど掛からなかった、というところで終わっても、次は同じところから考えられます。釣れた一投だけが、次の釣りに役立つわけではないんですよね。
荒食いブラウンにも、あの日持っていれば必ず釣れたはずだとは、今は思っていません。それでも、エサ取りに困ったときに試せるものを一つ持っているのは、やはり心強いです。次に同じような場面になったら、まずは落ち着いて一投ごとの違いを見たい。道具を片付けるときに、今日はこれが分かったと言えるような釣りを、少しずつ増やしていければと思っています。




