チヌ釣りでオキアミが底まで持たないとき、私が試したい付けエサが練りエサです。ハリ持ちを調整でき、自重を使って底付近へ送り込めるので、全遊動のフカセ釣りでも頼りになります。
ただ、練りエサを大きく付けて沈めれば釣れるわけではありません。狙うタナまでエサを残し、そこで食わせられる大きさと軟らかさに整える。この二つを両立させるのが大切だと感じています。
今回は、私が使っている練りエサと仕掛け、付け方の調整、全遊動で底付近を探る手順をご紹介します。広島で使い方を教わった経験や、オキアミの方がよかった釣行も交えながらまとめます。
練りエサの強みは、ハリ持ちと形を自分で調整できること
練りエサは、魚粉やアミエビなどを配合した、粘土のように形を変えられる人工エサです。製品によって原料、粘り、色は異なります。チヌ釣りではハリに包み付ける付けエサとして使います。
私が助かるのは、オキアミでは途中で取られる場面でも、エサを残す方向へ調整できることです。硬さや量を変えれば、同じ商品でも使い心地が変わります。魚が触った跡や回収時の残り方を見て、次の一投を考えられるのも面白いところです。
一方で、練りエサでもフグなどには取られますし、軟らかすぎれば投入時に落ちます。エサ取りに絶対取られないエサではなく、持たせ方を変えられるエサと考えた方が使いこなしやすいと思います。
大型のチヌにも実績がありますが、練りエサだけが大物を選んでくれるわけではありません。まずは魚のいる所へ付けエサを届けられること。そのうえで、食い込みとハリ掛かりを調整します。
私が使う練りエサは、イエロー・レッド・ブラウン
最初からすべてを混ぜず、一つのエサを基準にして違いを見るようにします。私は食い渋りイエローを中心に、高集魚レッドや荒食いブラウンを使い分けています。
食い渋りイエロー:最初の一投の基準にする
私が使い慣れている黄色の練りエサです。メーカーは解凍後、そのまま使える軟らかさと粘りを特徴として紹介しています。袋から出したら必ず練り直す、というものではありません。まず手で状態を確かめ、ハリに付けて試します。
詳しい仕様はマルキユー公式「食い渋りイエロー」で確認できます。
高集魚レッド:色と配合の違いを試す
高集魚レッドは、アミエビやニンニクを配合した赤い練りエサです。黄色で反応が出ないときの比較や、黄色を残したマーブル状の付け方に使います。製品の特徴はマルキユー公式「高集魚レッド」を参照してください。
私もイエローと混ぜて使いますが、赤に替えた直後に食っても、色だけの効果とは決めつけません。大きさや硬さも一緒に変えると、何がよかったのか分からなくなるためです。
荒食いブラウン:さなぎ系の選択肢を加える
荒食いブラウンは、さなぎ成分とアミエビを配合した練りエサです。黄色や赤とは色と原料の両方が違う選択肢として使います。詳細はマルキユー公式「荒食いブラウン」で確認できます。
色を替えるときは、できるだけ大きさと流すコースを揃える。この比べ方なら、エサを替えてからの反応を見やすくなります。
練りエサの付け方は、小さめの涙型から始める
私の出発点は直径1cm前後の量です。これは固定の正解ではなく、ハリを包める大きさから始める目安。釣れる魚のサイズだけで決めず、エサ取り、狙うタナ、回収したエサを見て変えます。
- 使う分を取り分ける。指で軽く押し、硬さと粘りを確かめます。
- ハリを包み込む。エサの外側へハリ先が大きく飛び出さないようにし、厚く包みすぎないよう整えます。
- チモト側を押さえる。ハリの軸に沿わせ、投入でずれにくい涙型にします。
- 近い距離で状態を確認する。振り込みで落ちないか、水中でどのようになじむかを見てから狙点へ投げます。
チモトはしっかり留め、食わせる部分まで必要以上に固めないのが私の目安です。詳しい形の使い分けはマルキユーのチヌ用エサの付け方も参考になります。
硬さ:まずそのまま使い、必要な分だけ調整する
食わせやすさを考えると軟らかくしたくなりますが、途中でなくなっては意味がありません。投入と沈下に耐える範囲で軟らかくするのが基本です。製品ごとの元の硬さを確認し、調整は一回に使う分で試します。
硬すぎると感じたら、解凍状態を確認したうえで、指先に少量の水を付けて練る方法があります。一度に水を注ぐと戻しにくいので、手水程度から。練り込むことで粘りも変わるため、軟らかさだけで判断しません。
夏場にだれた場合は、使う分以外をクーラーへ戻して温度を抑えます。ただし、水を加えすぎたエサが冷却だけで元へ戻るとは限りません。少量ずつ出して使う方が状態を保ちやすいです。
大きさ:大きくすれば食い込みやすいとは限らない
エサ取りに外側を削られるときや、量を増やして反応を見たいときは、1.5〜2cmほどにすることもあります。ただ、大きいほどハリのない部分だけをかじられたり、食い込みに時間がかかったりします。
触った跡があるのに掛からないときは、まず一回り小さくすることを試します。遠投でも、小さくすれば必ず飛ぶわけではありません。エサの重さと空気抵抗、硬さ、竿の振り方を合わせて考えます。
形:同じ量で丸型と平たい形を比べる
コンパクトに丸めるか、少し平たくするかでも水の受け方が変わります。沈下の違いを見たいときは、量を揃えて形だけ変えると比較しやすくなります。薄くしすぎると外れやすくなるので、チモトの固定は残します。
色:単色を試してからマーブルにする
黄色と赤を混ぜるなら、全体が一色になるまで練らず、両方の色が残るようにまとめる方法もあります。私は単色での反応を見てから混ぜる方が、使い分けを考えやすいと感じています。
濁っているから黄色、澄んでいるから茶色と固定する必要はありません。海中での見え方は光や背景でも変わります。食紅で着色する方法もありますが、まずは市販の色をそのまま使い、硬さや量の比較を優先すれば十分だと思います。
全遊動でチヌを狙う仕掛けと私のタックル
全遊動は、上側のウキ止めでタナを固定せず、道糸がウキを通るようにした仕掛けです。ウキ止めがないことと、何もしなくても底へ届くことは別。道糸が風に引かれたり、糸の通りが悪かったりすれば、練りエサでも思ったように沈みません。
仕掛けの基本的な区別はシマノの仕掛け解説でも確認できます。
仕掛けの並びの一例
道糸 → 中通しウキ → ウキの落下を止めるストッパー・保護パーツ → ハリス → ハリ。道糸とハリスの接続方法に合うパーツを使い、必要に応じてガン玉で沈み方を調整します。
以下は私が使っていたタックルの一例です。同じ製品を揃えることが必須ではありません。旧モデルを含むため、購入時は型番・号数を確認してください。
竿とリール
竿はシマノの鱗海スペシャル アートレータ0.6号、リールはBB-Xテクニウム C3000 XGを使用。練りエサを急加速させずに運べる振り方と、魚を掛けてから糸を管理しやすい組み合わせを大切にしています。
道糸とウキ
道糸はリミテッドプロ PE G5の0.8号、ウキは大知ウキL00です。PEを使うときは風でできる糸ふけをよく見ます。細い道糸に替えるだけで仕掛けがなじむわけではありません。
00表記のウキでも、製品や水の条件、組み合わせるパーツで沈み方は変わります。エサを付けた実際の仕掛けで確認し、ウキが沈んだだけでアタリと判断しないようにします。
ハリスとハリ
ハリスはフロロ1.2号を5m、ハリは掛かりすぎチヌ2号が使用例です。根の荒さや魚のサイズによってはハリスを太くします。長いハリスは絡みも見落としやすいため、投入後のなじみがおかしければ回収して確認します。
⚠ 注意:長いハリスを振り込む前に周囲を確認
後方の人や荷物にハリを近づけず、力任せに振り切らないようにします。エサ切れが続く場合も、まず硬さと振り方を見直します。
全遊動の流し方:底へ送り、張りすぎずに反応を見る
最初は底の様子を把握しやすい距離から始めます。タナ取り用のオモリなどで狙点のおおよその水深と起伏を調べ、流す範囲の目安を作っておくと、沈下を待つ時間も考えやすくなります。
糸を出す量だけで水深を判断せず、底の目安と回収したエサを合わせて見るのが大切です。潮で斜めに流れれば、出した糸の長さと実際の深さは一致しません。
投入後は、糸ふけを直してから少しずつ送る
マキエが沈んでいく先を考え、付けエサがそこへ入る位置に投入します。着水後は大きく膨らんだ道糸を直し、仕掛けを引き上げない範囲で必要な糸を送ります。
張り続けるとエサが手前へ寄ったり、沈みにくくなったりします。反対に出し放題にすると、魚が触っても変化を拾いにくくなります。ウキや道糸の動きを見ながら、余分な糸を溜めないようにします。
沈まないときは、道糸・エサ・ガン玉の順で見直す
いつまでもなじまないなら、まず風に取られた道糸と仕掛けの絡みを確認します。そこに問題がなければ、練りエサの量や形を見直し、必要なら小さなガン玉から試します。
ガン玉を付ければ万能というわけでもありません。沈みすぎて底へ引っ掛かるなら軽くするか、流すコースを変えます。全遊動はノーガン玉を守るための釣りではなく、その日の流れに仕掛けを合わせる方法だと考えています。
底付近では、待つ時間と回収時の変化を比べる
底付近へ入ったと考えられるところでは、引っ張り続けずに反応を待ちます。反応がなければ小さく持ち上げて置き直す方法もありますが、根の荒い所で長く引きずるのは避けます。
回収時にエサへ砂や泥が付けば底に触れた手掛かりになります。ただし、汚れていないから未着底とは限りません。底質、流す時間、糸の動きも合わせて考えます。
アタリは、道糸が走る、送り出される速度が変わる、穂先へ重さが乗るなどの変化として現れます。ウキがゆっくり沈む通常の動きと区別し、余分な糸を取りながら魚の重みを捉えます。大きな練りエサで触るだけなら、小さくして食い込みを比べます。
練りエサと合わせるマキエは、底付近へ届くことを優先する
私が練りエサを中心に組み立てるとき、軸にする配合エサは爆寄せチヌです。ムギやタブレットなど粒のある配合を使い、付けエサを流す範囲で魚にエサを探してもらいたいと考えています。
粒子の構成などはマルキユー公式「爆寄せチヌ」で確認できます。粒のあるマキエを使ったから魚が安心するとまでは分かりませんが、私は底付近を意識した釣りに組み合わせています。
深場や流れの速い所で、マキエを狙う範囲へ届けにくい場合はチヌパワー激重も選択肢です。「水深5mなら不要」とは決めず、沈んでいる間にどれだけ流されるか、必要な距離までまとまって飛ぶかを見ます。
チヌパワー激重は2026年7月に更新され、公式掲載の新製品は2,400gです。旧製品の4,000gとは内容量が違うので、従来の一袋をそのまま置き換えず、袋の作り方を確認します。最新仕様はマルキユー公式「チヌパワー激重」をご覧ください。
マキエの着水点ではなく、沈んだ先へ付けエサを合わせる。重いマキエでも流されますし、練りエサと同じ速さで沈むわけではありません。投入位置と時間差を調整して、狙う範囲を揃えます。
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広島・韓国・東北で感じた、練りエサの使いどころ
広島の堤防で、エサの整え方を教わった
広島では、釣具店のイベントをきっかけに、大知アドバイザーから練りエサの使い方を教わる機会がありました。それまで私にも、人工エサをどこまで信用してよいのかという迷いがありました。
その日は朝の海面が穏やかで、堤防から底付近を意識して釣りました。食い渋りイエローを中心に高集魚レッドも混ぜ、色や硬さ、大きさを試していくと、36cm、続いて38cmのチヌが釣れました。練りエサがなじむ感触と、実際に魚が食ってきたことが結び付いた釣行でした。
広島で得た手応え
私にとって大きかったのは、商品名だけでなく、ハリへ付ける前の状態も釣りの一部だと実感できたことです。同じ練りエサでも、どう整えるかまで見て使うようになりました。
韓国の堤防でも、練りエサでチヌが釣れた
韓国や離島に練りエサを持って行ったときにも、チヌを釣ることができました。韓国の堤防では30cmを超えるチヌが複数釣れ、国内で使い慣れたエサを持っていった意味があったと感じました。
現地でその商品が販売されていなくても、魚が過去に似たエサを食べたことがないとまでは分かりません。それでも、この経験から私は、初めての釣り場だからという理由だけで練りエサを外すことはなくなりました。
養殖の生け簀周辺も、魚に与えられるエサを意識して選びたくなる場所です。ただ、ペレットと練りエサを魚が同じように食べるかは、その日の反応次第。釣りが認められている場所で、管理者の指示に従って試します。
低水温の東北では、オキアミの方がアタリが多かった
反対に、海水温の低い東北で釣ったときは、練りエサよりオキアミの方がアタリ数は多くなりました。えさ取りが少なければ、ハリ持ちを強くする利点も小さくなります。
この経験を「東北では練りエサが効かない」とは考えていません。その日の条件ではオキアミの方が合った、という受け止め方です。練りエサを軸にしていても、反応がよいエサへ戻れるようにすることが大切だと思います。
練りエサが残る・なくなる・掛からないときの見直し方
次の一投を決める材料は、回収したハリにあります。エサの状態を見て、一度に変える要素を絞ると、原因を探しやすくなります。
砂や泥が付く・根掛かりする底への接触を考え、沈めすぎと流すコースを見直す。
| 回収時の状態 | 最初に見直すこと | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 形がほぼそのまま | タナとコースを確認。届いているなら小さくする、オキアミと比べる。 | ||||||
| 表面が削られている | 魚が触った可能性を考え、待つ時間や大きさを変える。 | ||||||
| 毎回なくなっている | 短時間で回収し、投入時のエサ切れとえさ取りを切り分ける。 | ||||||
| アタリはあるが掛からない | エサを小さくし、ハリ周りの厚みと糸ふけを確認する。 | ||||||
エサの傷だけで、チヌが食ったと断定することはできません。ウキや道糸に出た変化と合わせて判断します。硬くして持たせる方向と、小さく軟らかくして食わせる方向を使い分けます。
まとめ:練りエサを底へ届け、食わせる状態に整える
全遊動で練りエサを使うなら、最初は小さめの付け方から始め、道糸を張りすぎずに底付近へ送ります。反応がなければ、色を増やす前にタナ、エサの残り方、大きさを確認したいところです。
ハリ持ちのよさを生かしつつ、食わないときはオキアミとも比べる。広島で練りエサのよさを実感し、東北では別のエサがよかった経験をして、私は両方を用意する意味を感じています。
製品情報はマルキユー、タックル情報はシマノの公式サイトでも確認できます。
あとがき
練りエサについて振り返ると、私の中ではやはり広島で教わった日のことが大きいです。それまでも練りエサの存在は知っていましたし、釣れるという話を疑い切っていたわけではありません。ただ、自分で仕掛けを入れて待つとなると、いつものオキアミに戻りたくなる気持ちがありました。慣れたエサの方が、釣れなくても自分なりに理由を考えやすかったのだと思います。
大知アドバイザーに教わる機会ができて、色や大きさだけでなく、手元で整える硬さにも目が向きました。商品を選んだところで準備が終わるのではなく、そこから付ける量を決めて、形を作って、ハリに収める。その一連の作業まで含めてエサを使うのだと、実際に教わってみて意識が変わりました。
36cm、38cmのチヌが釣れたときは、素直にうれしかったです。大きさももちろんですが、自分がまだ半信半疑だったエサに、目の前で答えが返ってきた感じがありました。魚を釣って初めて信用するのは少し現金な話ですが、頭で説明を聞いているときと、自分の仕掛けで掛けた後とでは、そのエサを付けて待つ気持ちが違いました。
ただ、いま振り返ると、あの日の釣果をそのまま毎回の基準にしてはいけないとも思います。教わった場所と別の場所では、潮も底の状態も違います。同じ黄色を付けていても、同じように流せているとは限りません。エサを信用することと、釣り方を見直さなくなることは分けたい。よく釣れた経験があるからこそ、そこは気をつけておきたいところです。
韓国の堤防で試したときも、使い慣れた練りエサが手元にあることは心強く感じました。初めての場所では分からないことが多いので、せめてエサの感触は知っているものを使いたい。国内で使ったときと同じようにハリへ付けられるだけでも、余計な迷いが一つ減ります。そこで実際にチヌが釣れたことが、また次の釣行で持っていこうと思う理由になりました。
一方で、東北でオキアミの方がよかった経験も、私には必要だったと思います。練りエサでうまくいった記憶があると、次もそれで釣りたくなります。硬さが悪いのか、色を替えればよいのかと、練りエサの中だけで考え続けたくなる。でも、別のエサを入れてアタリが増えるなら、その日の釣りではそちらを使えばよいのですよね。
こうした違いがあるので、記事でおすすめを書くときも、自分がよかったと思った理由と、合わなかった条件を一緒に残しておきたいです。どこでも使えると言うのは簡単ですが、実際の釣りではエサが残り続ける時間もあります。その時間に何を確かめるかが分かる方が、読んだ方にも役立つのではないかと思います。
私自身、まだ硬さの加減で迷うことはあります。持ちをよくしたい気持ちと、食い込みをよくしたい気持ちの間で、手元の一粒を作り直します。その小さな作業で次の一投を変えられるところが、練りエサを使っていて面白い部分です。よかった一投だけでなく、合わなかった一投も覚えておく。これからもその積み重ねで、自分なりの使い方を少しずつ増やしていきたいと思います。
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