かかり釣りや紀州釣りを始めたいけれど、何種類もの配合エサをそろえたり、水加減を調整したりするのが難しそう。そんな方に使いやすいのが、マルキユーの「速釣ダンゴ」です。
水を加えず、袋を開けてそのまま握れるので、釣り場に着いてからのエサ作りを減らせます。私も、短い時間だけ竿を出したいときには、この手軽さがありがたいと感じました。
ただし、ダンゴの握り方や、付けエサを海底付近へ届けるためのタナ合わせは必要です。使って感じた便利なところと、最初に押さえておきたい使い方を紹介します。
速釣ダンゴとは
速釣ダンゴは、マルキユーの水分を含んだダンゴエサです。波止からのウキダンゴ釣りや紀州釣り、筏・カセからのかかり釣りに使えます。

何種類もの粉エサを配合しなくても、単品でダンゴを作れるのが特徴です。ハリに付けるオキアミやコーンなどの付けエサは別に用意し、それを包んで使います。
内容量は4,000g。酒粕、ヌカ、海砂、オキアミエキス、麦、トウモロコシなどが配合されています。詳しい原材料や使い方は、マルキユーの製品ページでも紹介されています。
この4,000gには水分も含まれます。乾いた粉エサ4kgと同じ出来上がり量だと考えて買うと、見込みが違ってしまいます。また、重量だけで集魚力の強弱を判断することもできません。
開封してすぐ使えるところが便利
水加減に迷わず、釣りを始められる
速釣ダンゴはウエットタイプなので、使い始めに海水をくんで混ぜる必要がありません。最初は何も足さず、そのまま握って試すと、元のまとまり方が分かりやすいです。
私が便利だと感じたのは、釣り場に着いてから「少し水を足すか、粉を足すか」と迷う時間が減ったことでした。仕掛けを用意したら、エサの配合より先にタナを測る作業へ移れる。短時間の釣りでは、この違いが助かります。
もちろん、握る力まで毎回同じでよいわけではありません。投入したときに崩れないか、底へ届いてから付けエサが出るかを見て、握り方を変えていきます。
スタンドパックをそのまま容器にできる
袋は自立するスタンドパックです。そのまま中身を取り出して使えるため、ダンゴを入れるためだけのバッカンを省けます。
切り口は2段階あり、使い始めは上の切り口、中身が半分ほどになったら下の切り口を使う作りになっています。
私は中身が減ってからも上の口へ手を入れていましたが、袋が深くて取り出しにくく感じました。そこで下の切り口から開け直すと、残ったエサへ手を伸ばしやすくなりました。中身に合わせて袋を低くできるのは、使ってみると便利なところです。
袋は平らな場所へ置き、風で倒れそうなら容器に収めるなどして安定させます。自立する袋でも、どんな足場で使ってもこぼれないというものではありません。
速釣ダンゴの使い方と、割れ方の調整
基本は、付けエサを包み、底まで届けてからダンゴを割る使い方です。ここでは堤防からのウキダンゴ釣りを中心に説明します。
使い始めの手順
- 釣る場所の水深を測り、付けエサが底付近に来るようにウキ下を合わせます。
- ハリに付けエサを付け、速釣ダンゴで包みます。
- まずは無理なく握れる大きさで作り、同じあたりへ投入します。
- 着水後の崩れ方や、着底後のウキの変化を見ながら握り方を調整します。
大きさと握り方を一度に変えない方が、何が効いたのかをつかみやすくなります。最初は大きさをそろえ、握り込む強さや回数を少しずつ変えてみてください。
すぐ崩れるときと、なかなか割れないとき
着水した瞬間に大きく崩れてしまうなら、まずは包み合わせた部分に割れ目がないかを見て、少ししっかり握ります。反対に、底へ着いた後も付けエサが出ていないようなら、握り込みを弱めて様子を見ます。
ただ、ウキが沈んだままになる原因は、ダンゴの硬さだけではありません。ウキ下が浅すぎたり、道糸が引っ張られたりしていないかも合わせて見たいところです。
足保港で覚えた、握りすぎへの迷い
以前、足保港で自分で配合したダンゴを使っていたころは、途中で崩れるのが嫌で、つい強く握り込んでいました。堤防から沖へ入れるときも、底まで持たせることばかり気にしていたのです。
ウキ下を測り直しても、沈んだウキがなかなか戻らない。そこで大きさと投入する距離をそろえ、握り込みだけを弱めていきました。すると、待っている間にウキが浮き戻る変化を追いやすくなり、付けエサが出た後を意識して待てるようになりました。
このころ足保港で釣った42cmのチヌは、今でも印象に残っています。ただ、これは自分で配合したダンゴでの経験です。速釣ダンゴでも、まずは途中で崩れず、底で付けエサが出る握り方を探す、という順番は同じだと考えています。
握る回数や割れるまでの秒数を、初めから一つに決める必要はありません。自分の握る力、ダンゴの大きさ、その日の釣り場に合わせて、扱いやすいところを探します。
⚠ 注意:ダンゴを握るときはハリ先の位置を確かめ、指へ押し込まないようにしてください。投入前には後方と周囲の人も確認します。
沈みは速いが、投入点はそろえたい
速釣ダンゴは沈下が速く、付けエサを底へ運ぶために使いやすいエサです。ただし、潮の流れがあれば沈む途中でも流されます。
沈みが速くても、毎回同じ場所へたまるとは限りません。ダンゴを握るたびに大きさや投げる距離が変わると、割れる場所もばらつきやすくなります。
私は、まず無理なく繰り返し投げられる距離に絞ります。遠くへ飛ばすことより、同じあたりへ落としてウキの動きを比べられる方が、次に変えることを決めやすいからです。
流れが変わってウキの移動が大きくなったら、投入位置やウキ下も見直します。沈みの速さに任せて投げ続けるより、付けエサをどこで待たせているかを意識したいところです。
速釣ダンゴで狙える魚
中心になるのはチヌ(黒鯛)です。キビレ、マダイのほか、メジナ・グレ、ベラ、カサゴなども対象になります。
ただ、いろいろな魚が寄ることと、チヌだけを釣り分けられることは別です。付けエサに何を使うか、底へ届いているかで、釣りの展開は変わります。
アタリがなくても、回収した付けエサを見て次を決めると、手掛かりが増えます。エサがそのまま残るのか、短い待ち時間でなくなるのか。チヌがいると決め付けず、まずその違いを見ます。
アミ姫を組み合わせるなら少量から
アミエビを加えたいときには、常温保存できるアミ姫を組み合わせる方法があります。本来はサビキ釣り用ですが、ダンゴの中心へ入れる「アンコ」としても使われています。アミ姫の製品ページでも、この使い方が紹介されています。
ここで気を付けたいのは、最初から袋全体へ混ぜ込まないことです。水分を含むエサを追加すると、握った感触や割れ方も変わります。まずは取り分けた少量か、ダンゴ一つの中心で試す方が戻しやすいでしょう。
以前、重寺港で速釣ダンゴにアミ姫を合わせたときも、私は反応を増やしたくて、少し多めに中心へ入れました。ところが包み終わりの部分から汁がにじみ、握り直すことになりました。
次から量を控え、周りをダンゴでしっかり包めるようにすると、投入までの扱いは楽になりました。ただ、ウキの小さな動きが増えても、それがチヌとは限りません。回収するとオキアミがなくなっていることもあり、アミ姫を増やせばよいとばかりは考えなくなりました。
エサ取りが増えたようなら追加を止め、元のダンゴへ戻して比べます。足した分だけ本命が近づくとは限らないので、単品のまま使う分も残しておくと判断しやすいです。
エサ取りが多いときは付けエサも替える
フグやカワハギなどが気になるときは、ダンゴへ何かを足す前に、ハリに付けるエサの残り方を見ます。オキアミがすぐになくなるなら、サナギやコーンへ替えてみる選択肢があります。
私も重寺港では、上州屋新沼津店で聞いたサナギやコーンの話を参考にして、チヌにつながった経験がありました。それでも、これらを使えばエサ取りを避け切れるというわけではありません。
集魚用に混ぜるエサと、ハリに付けるエサを分けて考えると整理しやすいです。ダンゴへ麦やコーンを加える工夫と、付けエサをオキアミから替える工夫は、それぞれ役割が違います。
配合に使うエサでは、ムギコーンも以前の記事で紹介しています。追加エサを試す場合も、初めは少量を取り分けて、握りやすさが変わらないかを見てください。
1袋の量と保存で気を付けたいこと
4,000g入りでも、使える時間はダンゴの大きさや投入する間隔で変わります。「1袋で必ず半日もつ」とは考えず、大きめのダンゴを頻繁に入れる予定なら不足しないように用意したいところです。
私なら、短い釣行でまず1袋を使い、自分のペースでどれくらい減るかをつかみます。一日通して打ち返す釣りや、配合を細かく変える釣りでは、普段の粉エサから作る方法も選びます。
常温で保管できても、車内への積みっぱなしは避けます。保存場所は直射日光や高温多湿を避ける必要があります。予備のエサにする場合も、釣行後は車から降ろして保管してください。
開封後は袋の口を開けたまま放置せず、海水や別のエサを加えたものは未使用分と分けます。余った分を長く保管する前提で一度に全部混ぜるより、その日に使う分から扱う方が無駄を減らせます。
まとめ
速釣ダンゴは、エサの配合や水加減に迷う方、釣り場ですぐに竿を出したい方に使いやすいエサです。
最初の釣行では、単品のまま使い、底へ届けて割る感覚を覚えるところから始めてみてください。そのうえで、付けエサの残り方を見ながら、アミ姫やサナギ、コーンを足すかどうかを決めると分かりやすいでしょう。
あとがき
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。私がダンゴ釣りを始めたころに難しく感じたのは、エサを混ぜる作業そのものより、「これで合っているのか」が分からないことでした。手の中ではきれいに丸くなっていても、海に入れた後は見えません。握ったダンゴを眺めているだけでは、次に何を変えればよいのか決められませんでした。
足保港で自分の配合をあれこれ試していたころも、うまく握れた日は、それだけで少し安心していました。反対に、手にまとわりついたり、表面にひびが入ったりすると、釣りを始める前からエサ作りを失敗したような気持ちになったものです。今思うと、見た目をそろえることに気を取られ、投入してからの様子を見る余裕が少なかったのだと思います。
42cmのチヌを釣ったことは、そんな試行錯誤の中でよく覚えている出来事です。帰ってから写真を何度も見返すくらいうれしかったのですが、魚の大きさと同じくらい、自分のダンゴで釣りを組み立てたことがうれしかったのでしょう。買ったエサをそのまま使うより、自分で混ぜた方が釣った実感がある。しばらくは、そんな気持ちも持っていました。
ただ、その一匹が釣れたときの配合だけを覚えていても、次の釣りが同じように進むわけではありませんでした。握る力も違えば、エサを待つ時間も違います。うまくいかなかった日に、配合のせいなのか、自分の釣り方のせいなのか分からなくなる。その迷いまで含めて楽しめる日はよいのですが、時間がない日に同じことをしていると、少しもったいなく感じるようになりました。
仕事の合間に短い時間だけ釣りをしたいときは、準備を簡単にできる方がありがたいです。速釣ダンゴを使ったときに感じたのも、まさにそこでした。エサ作りで悩まなかった分、最初の何投かを落ち着いて見られる。ウキがどこまで流れたか、戻ってきた付けエサはどうなっていたか。手元の配合から海の方へ意識を向けやすいことが、自分には合っていたのだと思います。
重寺港で釣りをしたときや、上州屋新沼津店でエサの使い方を教わったときも、持っていく種類を増やせば安心という気持ちがありました。サナギもコーンもアミエビも用意しておきたい。ところが、いろいろ替えた後で、何をしたときに反応が変わったのか思い出せないこともありました。選択肢があることと、それを使いこなせることには、少し違いがあるのですね。
今は、追加するエサがあっても、まず元の状態を見ておきたいと思っています。足さずに続けるのは、何もしないことのようで少し落ち着かないときもあります。それでも、比べる相手が残っていれば、次の一手を考えやすくなります。これは便利なエサを使うようになってから、かえって意識するようになったことでした。
自分で配合する楽しさは、これからも残しておきたいです。その一方で、短い時間を惜しんで竿を出す日には、準備を任せられるエサを選びたい。私にとって速釣ダンゴは、そういう日に手に取りやすい一袋です。次に使うときも、最初からあれこれ足すより、まずは同じくらいのダンゴを作って、目の前のウキをゆっくり見るところから始めようと思います。







