トラウトのルアーフィッシングを初めて、さまざまなルアーが店頭には並んでおり、どれを買えばいいのかわからない人も多くいらっしゃるかと思います。
ここでは、ルアーを種類別にセットとして考えて、何を準備すればいいかをご紹介します。
目次
トラウト釣りに必要なルアー
最もベーシックなルアーとしてはスプーンが挙げられます。
スプーン
管理釣り場のトラウトフィッシングでは必ず必要なルアーです。
鉄板に針がついただけのようにも思えますが、使いこなすことができれば釣果は何十倍も変わってきます。
ウォブリング、ウォブンロール、ローリングなど少しの形状が違うだけでスプーンの動きというのはかなり変わってきます。
何も持っていない人がスプーンを選ぶのであれば、1.2g~1.6gのスプーンが投げやすく釣りやすい重さになります。
この重さはトラウトのいるレンジや飛距離にも影響します。
うまくなれば、食わせるための0.6g。ロングキャストで広範囲を探る2.0gなども使うようになりますが、まずは基本的な重さを数個もっておきましょう。
スプーンは同じ形状の色違いを最低でも3枚で1セットにしましょう。
形が違ったり重さが違ったりすると、ニジマスの好む色による違いがわかりにくく釣りが難しくなります。
最初は、複数の色が塗られたものやドット柄、グラデーションのスプーンを選ばすに赤なら全面赤といった単色を選びます。
色見はアピール色、中間色、食わせ色の3種類に絞りましょう。
アピール色は赤や金色などの派手な色です。
中間色はカラシやライトブラウンなど
食わせ系はペレットに近いようなこげ茶色やブラック系の色です。
この3色を1セットとして、お好みでプラスして、自分の使ってみたい色やきれいだなと思う色などを追加していくとおもしろいでしょう。
トラウト釣りではトラウトがルアーの色を見飽きてしまい数投すると釣れなくなることがあります。
カラーをローテーションしてトラウトを飽きさせずにすることがたくさん釣るコツになります。
色は3色を1セットにするとして、次はどんなスプーンがいいか具体的に見ていきましょう。
おすすめの爆釣スプーン
プレッソ アダム 1.5g
表層から中層まで探ることができ、ダイワのスプーンのなかでもベーシックなスプーンの一つです。
基本的な使い方の一定速度でのリトリーブ、すなわちただ巻きでイレギュラーなアクションを起こしにくい設計となっているため、一定のリズムで巻くのが難しい方にとっては最適なルアーです。
鱒玄人 ソフィア 1.6g
ノリーズのルアーで中層攻略をメインに考えて設計された板厚とボディデザインとなっており、キャスト時には飛距離を出す安定した飛行姿勢に貢献し、逆風でもストレス無く飛距離を確保できます。
巻いてきたときには動きの強さでトラウトの好奇心を煽ってバイトを誘発させることができます。
アクションは確実に水を掴んでラインにテンションを与えるので、誰にでもわかる明確なバイトが得られることも特長のひとつとなっています。
スプーンも数多くの種類がありますが、初心者でも爆釣してくれるルアーにクランクがあります。
トラウト用のクランクは持っていて損はないどころか必須といっても過言ではないアイテムです。
おすすめの爆釣クランク
カーディフ ふわとろ 35F
とにかくゆっくりと巻くことができるルアーです。
他のルアーであれば止まってしまうような速度でもしっかりと泳ぎ、お尻を振りながらゆっくりとトラウトを誘います。
あまりにもゆっくりと泳ぐので思わずトラウトがバイトしてくるルアーです。
本当にただ、投げて、着水したら、めちゃくちゃゆっくりと巻いてくるだけで釣れてしまう不思議なエリアクランクです。
もっと深いところを探りたいときにはカーディフ ふわとろ 35D-Fというのもあります。
こちらも同様ゆっくり巻くだけで釣れるルアーです。
カラーも様々なものがありますが、まずは派手な色の物を1つと、地味な色の物を1つもっておくとよいでしょう。
ムカイ(Mukai) クランクベイト ザンム35 IDO 35mm
こちらもただ投げて巻いてくるだけで釣れてしまうルアーとして定番のルアーです。
カーディフ ふわとろ よりも早く巻くことで広範囲を探ることができます。
釣り場に着いてまず状況を探りたいときなどは一投目で投げても面白いでしょう。
カラーラインナップも豊富にありどれを選んでいいか難しいかと思いますが、ほかのルアー同様にまずは目立つ派手な色を1つ、そして地味なもの1つ、できれば釣れそうだなと感じる色を1つ追加するとよいでしょう。
案外自分のお気に入りの色がよく釣れたりしますし、自分好みの色のルアーでトラウトが釣れると嬉しいものです。
おすすめのミノー
クランクとスプーンは買ったけどもう一つ違う種類が欲しいといった方にはミノーをおすすめします。
細身でありながら、アピール力もあり、巻いていておもしろいルアーのひとつです。
ダイワ(DAIWA) エリア トラウト プレッソ ダブルクラッチ 60F1
エリアトラウトのプロスタッフがこだわりぬいた作品のプレッソ ダブルクラッチはルアー内部のウェイトが重心移動することで圧倒的な飛距離を出すことができ、広範囲を探ることができます。
6cmという大きめのルアーであるため、大きさでアピールでき高活性な魚が飛びついてくるルアーです。
ちょっと試してみたいという方は持っていても楽しいルアーかと思います。
いろいろルアー買ったけどやっぱり思うように釣れない…もっと人よりも釣りたいという方には次のルアーをおすすめします。
釣れちゃうルアー反則系
釣り場では禁止されていないけれども、それは釣れちゃうよねというルアーがこちらです。
セニョールトルネード
変わった形状のルアーですが、巻いてくるとくるくると回転して勝手に釣れてくれる不思議なルアーです。
スナップ部分とフックを一本の軸として針金のような素材を指に巻き付けて形を整えて使います。
巻き付ける大きさや形状によって釣れるかどうかが決まりますので、これを投げても釣れないじゃないかという方は、巻き付ける形状を変えて使ってみてください。
カラーもいろいろありますが、定番色は赤色で間違いありません。
赤に近いピンクなどもあるといいでしょう。
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【あとがき】
今回の記事を書き終えて、改めて「トラウト用のルアーをセットで考える」という発想は、初心者の方にとっても経験者の方にとっても大きなヒントになると感じました。記事ではスプーン、クランク、ミノー、そしていわゆる反則級ともいわれるセニョールトルネードなど多彩なルアーを紹介しましたが、振り返ってみると、どれも私自身の釣行経験で何度も助けられてきたルアーたちばかりです。特に、スプーンは「同じ形状の色違いを3枚1セットにする」というアイデアを強調しましたが、これは私自身がフィールドで試行錯誤を繰り返した末にたどり着いた一つの答えでもあります。今回の記事を通じて、読者の皆さんがルアー選びに迷ったときや、自分なりにセットを組むときの「軸」になるような情報を少しでも届けられたなら幸いです。
実はこの記事を執筆しようと思ったきっかけは、加賀フィッシングエリアに通い始めた頃の自分の苦い思い出にさかのぼります。あれはまだトラウトフィッシングを始めて間もない頃でした。釣具店で目についた可愛い色のスプーンや、店員さんに「よく釣れますよ」と勧められたクランクをついつい衝動買いしてしまい、実際にフィールドへ行ったはいいものの、「一体どのルアーを使えばいいんだ…?」と途方に暮れたことを今でもはっきりと覚えています。さらに、何とかルアーを投げてみても、飛距離は出ないし、レンジが合っているのかどうかもわからない。周囲の人がポンポン釣り上げているのを見て「どうして自分だけ…」と悔しい思いをしたのも、そのころですね。
そんなとき、トラウト釣りで有名な釣具店の店主さんに相談してみたところ、思いがけず「まずはスプーンを揃えてみるといい。クランクやミノーはあとだよ」と教わったんです。確かに、当時の私はクランクのかわいらしいデザインや派手な色に惹かれすぎて、一番基本であるはずのスプーンについてあまり深く考えていませんでした。店主さんはさらに、「同じ形、同じ重さの色違いを最初に3枚は揃えるといい」と助言してくださいました。理由を尋ねると「形や重さがバラバラだと、色の差でアタリがあるかどうか判断しづらいからね。まずはスプーンの動きをしっかり把握して、色の違いだけを検証できる状況を作らないと釣りが上手くならない」とのこと。その日から意識してスプーンを選ぶようになった結果、少しずつ釣果が伸び始めたんです。
さらに印象深いのは、初めて朝霞ガーデンへ行ったときの体験でした。管理釣り場の特性上、釣れる時間帯と全く釣れなくなる時間帯の差が激しく、まるで地獄と天国を味わうような日もあります。当時、友人と一緒に行ったのですが、朝イチはそこそこヒットがあったにもかかわらず、日が高くなるにつれてまったくアタリがなくなってしまい、仲間と「今日はもう終わったかな…」なんて弱音を吐いていました。そんなとき、ふと思い出してローテーションの一環として赤いスプーン(いわゆるアピール色)に変え、リトリーブの速度を少し落としたら、ほぼ連続でヒットが出たことがありました。まさに記事にも書いた「スプーンのカラーをこまめにローテーションする」ことで救われた瞬間でしたね。この経験があったからこそ、この記事で「スプーンのカラーローテーションは重要」という点を強調したかったのです。
また、今回の執筆中に思い出したのが、釣りフェスで大量に展示されているスプーンを眺めてワクワクしたあの光景です。毎年のように新色や新作が並び、一見すると小さな金属の板のようでも、塗装や形状によってまったく異なるアクションを生み出すんだと、改めて感動したのを覚えています。実際にブースを回りながら、「あの形は水をしっかり掴んでくれそうだな」「この色は活性が低いときに効きそう」と想像を膨らませては、買いすぎないよう必死に自制したのもいい思い出です。しかし結局、気づけば散財してしまっていることもしばしば…それでも、ルアーをコレクションする楽しさは釣りの大きな醍醐味でもありますよね。
記事内でも紹介したスプーンだけでなく、クランクも私にとっては無くてはならない存在です。とくに、朝霞ガーデンなどで一日中粘るとき、最初はスプーンで反応がよかったのに、途中からまったく口を使わなくなる場面を何度も経験しました。そんなときは、ふわとろやザンム35のような「ゆっくり動きで誘えるクランク」を投入すると、突然また釣れ始めるから不思議なんです。店頭で「このクランク、ほんとにただ巻きだけでいいの?」と半信半疑に思っていた頃が懐かしいですが、何度も助けられている今となっては、手放せない必須のアイテムになりました。
友人がトラウトにはまったきっかけの一つも、実はこの「クランクの魔法」を目の当たりにしたことでした。彼はそれまで「ルアーなんて全部同じじゃないの?」と、ロッドを握ったこともほとんどないような人だったんです。でも、私がクランクで簡単にニジマスを釣り上げるのを見て、「それはちょっと面白そうだな」と興味を持ったそうです。後日、彼自身が釣具屋で派手なピンクのクランクを買い、初挑戦ながら見事に数匹のトラウトを釣り上げたときのはしゃぎぶりは、今でも忘れられません。まさに「釣りがきっかけで広がる世界って、やっぱり最高だ」と感じた瞬間でした。
そして記事でも触れたセニョールトルネード、あれは実におもしろい存在ですよね。釣り仲間の間でも「ちょっとズルいルアーなんじゃない?」と冗談交じりに話題になることが多いです。ただ巻きしているのにクルクルと回転して、トラウトが勝手に食いついてくる様子を見ると、トラウトフィッシングの奥深さと気軽さの両方を感じます。もちろん、ただ投げれば必ず釣れるわけではなく、軸の巻き付け方やスピードの調整が大きく影響する点に気づくと、また新たな技術への興味が湧いてくるのも釣りの醍醐味の一つです。
こうした自分自身の体験や、釣具店の店主、釣り仲間との会話、釣りフェスでのワクワク感などを思い返しながら記事をまとめることで、ただ製品を並べるだけではない「生きた情報」を伝えられればと思いました。私自身、初心者の頃に「どれを買えばいいのかわからない」「どういう考え方でルアーを選べばいいの?」と悩んだ経験があります。今回の記事はそんな悩みを少しでも解決するヒントになればいいという想いをこめて書き上げました。初心者の方はもちろん、すでに経験を重ねている方でも、改めてルアー選びの基本を振り返り、そして自分なりのセットを組み立てるきっかけになってもらえたら嬉しいです。
最後に、この記事を読んでくださった皆さんへ。ルアーの種類や色、そして重さの組み合わせは本当に奥が深いものです。とはいえ、最初から完璧に揃えようと考える必要はありません。まずは基本となる「1.2g~1.6gのスプーン3色セット」から始めてみるだけでも、釣りの見え方がガラッと変わるはずです。そして、その先にあるクランクやミノー、あるいは反則系ルアーへの挑戦はきっと釣果だけでなく、釣りの楽しみ方そのものを豊かにしてくれるでしょう。ぜひ一歩踏み出して、新しいルアーを手に取り、フィールドでの感動を味わっていただければと思います。この記事が、そんな「次の一歩」を踏み出すきっかけになれば幸いです。