トラウトのルアーフィッシングを始めようと思って釣具店へ行くと、スプーンもクランクもずらりと並んでいます。どれも釣れそうに見えて、最初に何を買えばいいのか迷ってしまいますよね。
管理釣り場でニジマスを狙うなら、私のおすすめは同じ形・同じ重さのスプーン3枚と、クランク2個から揃えることです。まずはこの5個を基本にして、使ってみて足りない重さや種類を追加すると選びやすくなります。
ここでは、池タイプの管理釣り場で使うルアーを、自分で組むセットとして紹介します。渓流や本流のセットとは分けて考えてください。
初心者のトラウトルアーセットは何を揃える?
いきなり全種類を買う必要はありません。最初のスプーンは1.2〜1.6gの範囲から、ひとつのモデル・重量を選びます。1.2g、1.5g、1.6gを1枚ずつ買うという意味ではありません。
クランクは同じモデルで、目立つ色と落ち着いた色を1個ずつ。下の数は始めるための目安で、これだけあればどんな池でも対応できるという数ではありません。
| 揃える順番 | 内容と役割 |
|---|---|
| 最初に:スプーン3枚 | 同じ形・重さの3色。色や泳がせる深さを比べる。 |
| 一緒に:クランク2個 | 同じモデルの派手な色と地味な色。ゆっくり巻く釣りを試す。 |
| 次に:予備や別の重さ | 使いやすかったルアーの予備。届かない・沈みすぎる場面への追加。 |
| 慣れてから:ミノーなど | 巻くだけとは違う誘い方を楽しむための追加。 |
予算を抑えるなら、スプーン3枚とクランク1個から始めてもよいでしょう。無理に種類を増やすより、行く釣り場で使えるものを揃える方が先です。
私も加賀フィッシングエリアへ通い始めた頃は、かわいい色や勧められたルアーを買い足すばかりでした。ところが池を前にすると、どれから投げるか決められない。道具は増えているのに、釣り方は分からないままだったんです。
それから釣具店で同じ形・重さのスプーンを色違いで揃える考え方を教わり、少しずつ選ぶ基準ができました。最初のセットは、数の多さより「何を変えて試すか」が分かる組み合わせがおすすめです。
スプーンは同じ形・重さの3色を1セットにする
スプーンは金属の板にフックが付いたシンプルなルアーですが、形や厚みが違えば泳ぎ方も変わります。最初から形も重さも色も違うものを使うと、反応が変わった理由を絞りにくくなります。
重さは1.2〜1.6gを出発点にする
この範囲は、小型スプーンを扱えるエリア用タックルで、投げる・沈める・巻くという基本を試すための目安です。ロッドの適合ルアー重量と釣り場の条件を合わせて選んでください。
加賀フィッシングエリアは広いポンドが特徴の釣り場です。私が始めた頃は、その広さを見ると沖へ投げたくなり、力んでばかりいました。横風で糸が膨らむ日は、着水しても糸ふけを取るのに手間取り、巻き始めるまでの間が毎回ばらばらになっていました。
そこで遠投をいったん諦め、無理なく届く範囲で着水後の糸ふけを取ってから巻くようにしました。すぐに連発したわけではありませんが、どのあたりでアタリが出たかを追いやすくなったのは大きかったです。
沖へ届かせたいときや風で扱いにくいときは、次の候補として2.0g前後。浅いところをゆっくり引きたいのに沈みすぎるなら、0.6gなどの軽いものを考えます。ただし、軽いスプーンほど初心者向け、重いほど上級者向けという区分ではありません。
まず同じ重さを使い、必要を感じたところで買い足す。この順番なら、追加した1枚の役割も分かりやすいと思います。池の広さや施設の案内は加賀フィッシングエリアの公式サイトでも見られます。
色はアピール色・中間色・食わせ色から1枚ずつ
最初の3色は、見た目の違いがはっきりしたものを選びましょう。私は金系、カラシ系、こげ茶系のように分けると整理しやすいと思います。
アピール色は金や赤など。まず魚にルアーを見つけてもらいたいときの候補です。金の反射と赤の色味では見せ方が違いますが、最初は派手な側の1枚として考えると分かりやすいでしょう。
中間色はカラシやライトブラウンなど。派手な色と暗い色の間を試すために入れます。
食わせ色はこげ茶や黒など。落ち着いた色を試すときの候補ですが、黒は背景によって輪郭が目立つこともあります。「暗い色なら必ず弱いアピール」と決め付けなくて大丈夫です。
この分け方は、色を選ぶための整理です。魚の活性だけで正解の色が決まるわけではありません。まずは同じ形・同じ重さのまま、色だけを替えて反応を見ると、違いをつかみやすくなります。
複雑な柄より単色に近いものの方が、最初は比較しやすいでしょう。ただ、赤金などの配色を避ける必要はありません。見分けやすい3色を揃えたら、自分が使いたい色を足すのも楽しみです。
釣れないときは色だけでなく、巻く深さも見直す
ルアーを通す深さをレンジと呼びます。同じスプーンでも、着水してすぐ巻くか、少し沈めてから巻くかで探る範囲が変わります。
試す順番
- 近くで泳ぎを見て、横倒しや回転をせず泳ぐ巻き速度をつかむ。
- その速度を基準に、着水後すぐ、少し待ってから、と巻き始めを変える。
- アタリや追尾が出たら、同じ投げる方向・待ち時間・速度をもう一度試す。
- その条件をなるべく揃えたまま色を替え、違いを見る。
沈めるカウントは比較のための目印で、秒数がそのまま水深を表すものではありません。巻く速さや竿先の高さでも通る深さは変わります。
朝霞ガーデンでの経験
朝霞ガーデンへ初めて行ったときは、朝に出ていたアタリが日中に止まりました。赤いスプーンへ替え、巻く速度を少し落としたところ、続けてヒットしたことがあります。
当時は「やっぱり赤がよかった」と思ったのですが、色と速度を一緒に変えているんですよね。今振り返ると、赤だけの効果だったとは言い切れません。それ以来、反応が出たら、色だけでなく巻き方も覚えるようになりました。
数投で反応がなくなっても、すべてを「魚が色を見飽きた」と考えず、同じところを通せているかも見直してみてください。
最初のセットに入れたいスプーン
ここでは元の候補から2種類を紹介します。両方を1枚ずつ買うより、まずはどちらかを同じ重さで3色揃えると、セットの狙いがはっきりします。
プレッソ アダム 1.5g
ダイワのプレッソ アダム1.5gは、この記事で基本の重さとして挙げているスプーンのひとつです。選ぶときは1.5gの色違いで揃え、まず一定速度のただ巻きから試してみてください。
ただ巻きは、竿で大きく動かさずリールを巻いて泳がせる方法です。どの速度でも同じ動きになるわけではないので、足元で泳ぎを見てから少しずつ投げる距離を延ばすと、巻き方の基準を作りやすくなります。
鱒玄人 ソフィア 1.6g
ノリーズのスプーンで、1.6gは25mm。表層から中層を探るモデルで、左右へ振れるウォブリングを軸にした動きが特徴です。サイズや色は鱒玄人ソフィアの製品ページで比較できます。
私なら、中層をただ巻きで探る1枚としてセットを組みます。1.2gもありますが、最初の3色は1.6gなら1.6gに揃えましょう。アダムとは別の形になるため、色の比較中に入れ替えるときは泳ぎの違いも含めて考えます。
ゆっくり巻く釣りにおすすめのクランク
スプーンと一緒に持っておきたいのがクランクです。最初はひとつのモデルで派手な色と地味な色を1個ずつ。色違いと、潜る深さが違うモデルは分けて考えます。
カーディフ ふわとろ 35F
ふわとろ35Fは、ゆっくり巻いて誘うジョイントクランクです。全長35mm、重さ2.5gのフローティングで、ボディが分かれているため、低速でも揺れる動きを出しやすい作りになっています。
使い始めはルアーの動きが続く範囲で、ゆっくり巻くことを意識します。リールの種類で1回転あたりの巻き取り量が違うので、ハンドルの回転数だけをまねるより、近くで泳ぎを見てみましょう。
朝霞ガーデンでスプーンへの反応が止まったとき、ふわとろに助けられたことがありました。そのとき最初に試した巻き方では、魚が後ろに付いても途中で離れてしまいます。追ってくるのを見ると、私の方が焦って巻きを速めていたんです。
そこで、魚を追い掛けさせようとする手を止め、ゆっくりした速度を保つことに集中しました。追尾がすべてアタリになるわけではありませんでしたが、巻いている途中で竿先に重みが乗り、ようやく掛けることができました。
私にとってよかったのは、細かな竿の操作を増やさず、巻く速度に集中できるところです。反対に、魚がいる深さと合わなければ、ゆっくり巻くだけでは届きません。
もう少し深い層を探る候補に35D-Fがあります。こちらは35mm・2.7gのフローティングです。モデルの違いやカラーはシマノのふわとろ製品ページで見比べられます。
ムカイ ザンム35 IDO
ザンム35 IDOも、クランクを揃える際の候補です。内部のウェイトが移動する仕組みを持ち、もう少し沖へ届けたい場面を考えて作られています。基本の設計はムカイのZANMU IDO製品案内に掲載されています。
選ぶときはパッケージの浮沈タイプまで確認してください。モデルや仕様を取り違えると、止めたときの浮き沈みを使った釣りが変わります。
こちらも、まずはただ巻きからでよいでしょう。ふわとろより必ず速く巻く、と決める必要はありません。近くで泳ぎを確認し、速度を変えたときに動きが崩れない範囲を探します。
最初からふわとろとザンムを両方何色も揃えるより、気になる方を2色。使ってみて「もう少し違う動きが欲しい」と感じたときに、もう一方を追加すると無駄が少なくなります。
違う誘い方を楽しむならミノーを追加する
スプーンとクランクを使って、もうひとつ違う種類が欲しくなったらミノーを考えてみましょう。最初の必須品にせず、操作の違いを楽しむ追加の1個として選ぶのがおすすめです。
プレッソ ダブルクラッチ 60F1 tuned by HMKL
60mm・2.9gのハイフローティングミノーです。巻いて潜らせる動きと、止めて浮上させる動きを組み合わせる釣りを試せます。特徴や装備フックはダイワのダブルクラッチ60F1製品ページに載っています。
このルアーを選ぶなら、私は飛距離だけでなく止めたときの浮上を使うことを目的にします。巻き続けるクランクとは、魚に見せる間の作り方が違うからです。
まず近くで、巻いたときの潜り方と止めたときの浮き方を見てみてください。大きく竿をあおる前に、小さな操作でどう動くかをつかむ方が試しやすいと思います。
セニョールトルネードは使用ルールを確認して選ぶ
いわゆる「反則系」と呼ばれるルアーもあります。ただし、この呼び方は釣れそうな印象を表す俗称で、どの釣り場でも使えるという意味ではありません。
セニョールトルネード
ワイヤーの形を整えて使い、水中でくるくる回転するルアーです。ザクトクラフトの製品案内でも、魚を釣ってワイヤーが伸びたら形を戻して使う方法が紹介されています。
反応がないときは色だけを替える前に、形が崩れていないか、狙った速度で回転しているかを見てみてください。形と巻く速度を両方大きく変えるより、一つずつ調整すると変化を追いやすくなります。
私が最初の色として挙げるなら赤です。好みでピンクを追加するのもよいでしょう。ただ、赤なら必ず釣れるということではなく、ほかのルアーと同じように泳がせる深さや速度も関わります。
⚠ 注意:購入前に釣り場へ確認
セニョールトルネードは、行く施設で使用できると分かってから購入するようにしてください。禁止ルアーの分類が分かりにくければ、商品名を伝えて確認するのが確実です。
また、フックの数や形、バーブレス指定も合わせます。例えば加賀フィッシングエリアのルールでは、かえしのある針やトリプルフックなどは禁止です。釣り場に合わせたフックでセットを完成させましょう。
⚠ 注意:ワイヤーの形を直すときは、フックの先を指に向けず、必要なら成形用の器具を使ってください。針を握り込んで曲げ直すのは避けます。
買い足す前に、基本のセットで試してみよう
最初の買い物では、スプーン3色とクランク2色を目安にします。釣り場で試してから、よく使うものの予備や、足りなかった重さ・深さを補うルアーを追加してみてください。
釣れた色だけでなく、沈めた間と巻く速度も一緒に覚える。これができると、次に同じルアーを結んだときの迷いが減ります。
ルアーが増えてきたら、重さや種類ごとに取り出しやすく収納しておくと便利です。
トラウトのおすすめタックルボックス紹介。ロッドスタンドカスタム
あとがき
加賀フィッシングエリアへ通い始めた頃を思い出すと、釣り場で迷っていた時間と同じくらい、釣具店でも迷っていました。スプーンを数枚買うつもりで入ったのに、隣に並んだクランクが気になってしまう。手に取って眺めているうちに、これなら釣れるかもしれないと思ってしまうんですよね。
当時の私は、持っていないルアーの中に答えがあるような気がしていました。周りの人が釣っているのに自分にはアタリがないと、まずボックスを開ける。次はこれ、その次はこっちと替えて、帰る頃には何をどのように使ったのか分からなくなっていました。
家でルアーを並べ直しても、覚えているのは釣れたものばかりです。使ったけれど釣れなかったスプーンについては、深く沈めたのか、速く巻いたのか、ほとんど思い出せない。釣れなかったという結果だけで、そのルアーを苦手な側へ片付けていました。今なら、ずいぶんもったいない使い方だったと思います。
釣具店で同じ形と重さの色違いを勧めてもらったとき、正直なところ、買い物としては少し地味に感じました。せっかくなら違う形を試したいし、まだ持っていない種類を増やしたい。ところが、似たスプーンを並べてみると、釣り場で次に何をするかは決めやすくなったんです。
それでも、色を揃えたら急に何でも分かるようになったわけではありません。朝霞ガーデンで赤いスプーンと遅い巻き方が合った日も、嬉しさの方が先に来ました。何がよかったのかをきちんと考えたのは、ずっと後です。釣れたことと、釣れた理由が分かったことは、私の中では別でした。
この違いを意識するようになってからは、うまくいかなかったルアーにも、もう一度出番を作ろうと思えるようになりました。前と同じように投げるだけで終わらせず、巻き始めるまで少し待ってみる。逆に、前は沈めすぎていたのかと考えて、着水後すぐに巻いてみる。反応がないまま終わることもありますが、少なくとも前回とは別の使い方を試したとは言えます。
一方で、気に入った色を買う楽しさは、今もなくしたくありません。釣りフェスで新しいスプーンを眺めていると、つい足が止まります。釣れそうかどうかとは別に、きれいだな、これを投げてみたいなと思う色があるんです。記事では3色を基本にしていますが、ボックスの中まできっちり3色だけにしたいわけではありません。
友人が自分で選んだピンクのクランクで初めてトラウトを釣ったときも、その喜び方が印象に残っています。こちらが考えた最適な組み合わせより、本人が気に入って選んだルアーで釣れたことが嬉しかったのだと思います。使いたいルアーがあるから次も釣りへ行きたい、という気持ちも大事ですよね。
だから今は、基本として比べやすい組み合わせを用意して、その横に好きな1個を入れるくらいが、自分にはちょうどよいと感じています。全部を理屈だけで選ぶと買い物の楽しみが減りますし、全部を見た目で選ぶと、昔のように釣り場で迷ってしまいます。
次に釣具店へ行っても、たぶんまた新しい色の前で悩むでしょう。そのときは、今のボックスで何を試せて、どこが足りないのかを一度思い出してから手に取りたいと思っています。そして買った1個を、釣れなかった数投だけで片付けず、もう少し使ってみたいですね。








