釣って楽しい、食べておいしいアジのサビキ釣りですが、隣では釣れているのに、自分の仕掛けにはアタリがない。そんなこともあります。
まず見直したいのは、魚の大きさに合ったハリと、魚がいる深さに仕掛けを届けられているかです。魚が足元にいないときは、少し沖を探る方法もあります。
私は仕掛けを見直してから、釣果がかなり安定するようになりました。ただ、小さいハリに交換すれば何でも解決するわけではありません。釣れないときに何を見て、どこから変えるかをお話しします。
アジが釣れないときは、仕掛けを替える前にここを見る
周囲でアジが釣れているかを、まず見てください。周りも釣れていないのなら、まだ群れが回ってきていないこともあります。一方、近くで同じくらいのアジが続けて釣れているなら、自分のタナやハリを見直す価値があります。
タナとは、魚がいる水中の深さのことです。水面近くに小魚が見えていても、狙っているアジまで同じ深さにいるとは限りません。
判断の順番
- 周囲でも釣れていない:直近の釣果、時間帯、釣り座を見直す。
- 周囲では釣れている:まずタナを合わせ、コマセが出ているか確かめる。
- 魚が寄るのに掛からない:ハリの大きさを下げてみる。
- 足元は無反応で沖だけ釣れる:竿の届く範囲やウキサビキを検討する。
一度にハリも色もタナも変えてしまうと、何が違ったのか分からなくなります。まず深さ、次にハリ、必要なら投入位置。私はこの順で考えるようにしています。
アジの釣れる時期と時間帯は?
堤防のサビキ釣りなら、6月〜11月をひとつの目安にすると計画を立てやすいです。夏は豆アジや小アジ、秋は成長したアジを狙う楽しみがあります。
ただし、同じ月でも地域や港によって回遊は違います。冬に釣れる場所もあれば、夏でも群れが入らない日はあります。カレンダーだけで決めず、行く釣り場でアジが釣れているかを見るほうが確実です。
時間帯は朝夕のマズメが候補になりますが、施設なら開場時間の範囲で狙います。昼間も回遊があれば釣れるので、明るい時間は無理と決めつける必要はありません。
また、満潮・干潮から何時間後なら必ず釣れる、という決め方はしません。潮見表は予定を立てる材料にし、現場では仕掛けの流れ方と周囲の釣れ始めを見ます。
サビキの釣れる時期解説!6、7、8月から11月までが1番釣れる
釣れる場所は、潮通しと仕掛けの入れやすさで考える
堤防の先端や潮の流れが変わる場所は候補ですが、先端に入れなければ釣れないわけではありません。港内でもアジが回遊し、足元で釣れることがあります。
海面の泡や波立ちは流れを見る手掛かりにはなるものの、それだけで魚の居場所は決まりません。カゴから出たコマセがどちらへ流れるか、道糸がどれくらい斜めになるかも見てください。
足元へ落とす釣りでは、潮が速すぎると狙った深さを保ちにくく、隣の仕掛けへ寄ってしまいます。潮通しのよさと、自分の前で仕掛けを扱えることを両方見て釣り座を選びましょう。
堤防の継ぎ目や障害物の近くは、底まで探ると根掛かりすることもあります。初めての場所なら、周囲の釣り方を見てから落とすほうが無駄がありません。
⚠ 注意:釣り座は安全に入れる場所から選ぶ
立入禁止区域や消波ブロックへ入って釣り座を確保しないでください。釣りが認められた足場を選び、ライフジャケットを着用します。混雑時は隣へ流れる前に仕掛けを回収しましょう。
釣れるサビキ仕掛けは、まずハリの大きさを合わせる
豆アジが掛からないなら、小さいハリを試す
みなさんは、サビキのハリを何号ぐらいで選んでいるでしょうか。売り場で迷って、とりあえず中くらいのものを買っている人も多いと思います。
小さなアジが相手なら、魚の口に入りやすい小さなハリを使うのが基本です。ハリだけでなく、スキンなどの飾りを含めた大きさも見てください。
たとえば豆アジ向けには、0.5〜2号の小バリを使う製品もあります。同じ号数でも形状が違うため、号数だけを絶対の基準にせず、パッケージの対象魚と実物を見て選ぶのがおすすめです。
ハヤブサにも小型のアジに合わせた仕掛けがあります。豆アジ用のサイズについては、ハヤブサのサイズ案内が参考になります。
実釣で気になった、アタリと掛かり方の違い
夏の港内で、コマセの周りに小さなアジが見えているのに、竿先が細かく震えるだけでなかなか掛からないことがありました。私は最初、魚が触るたびに竿を上げていましたが、それでは空振りばかりでした。
そこで、使っていた6号のサビキから2号へ交換し、同じ深さで動かしすぎずに待ってみました。最初の投入は空振りでしたが、その後は竿先の震えが重みに変わり、小さなアジを取り込めました。
ハリと待ち方の両方を変えたので、ハリだけの効果とは言い切れません。それでも、小さなアタリを大きな合わせで拾おうとしていた自分の釣り方を見直すきっかけになりました。
魚が見えているのに釣れないと、色の違いが気になりがちです。私はまず大きさを合わせ、それでも反応が弱ければ皮やスキンの種類を変えるほうが、試す順番として分かりやすいと思います。
小さいハリの弱点は、糸の細さと取り込み方
小バリの仕掛けには細いハリスを組み合わせたものが多いですが、ハリの号数とハリスの号数は別に確認してください。小さいハリだから必ず同じ太さの糸、ということではありません。
アミエビの粒とサビキの飾りを見比べるのは、仕掛けの大きさを考えるよいきっかけです。ただ、アミエビの大きさを何mmと決め、それに合わせれば必ず釣れる、というほど単純でもありません。釣れているアジの口に無理なく入るかを優先します。
また、ハリス0.6号を、大型魚にも対応できる基準にはしません。アジのサイズ、サバが混じるか、足場の高さなどで必要な強さが違います。大きな魚を狙う日まで豆アジ用の細い仕掛けで通すと、取り込みで困ります。
釣れたら急に引き上げず、糸を緩めないよう一定の速さで巻きます。小バリで掛かったアジを勢いよく抜くと、口切れで外れることもあるためです。
⚠ 注意:重い魚が掛かったら、細いハリスで無理に抜き上げず、タモで取り込んでください。ハリスに傷や縮れが出た仕掛けは交換します。
タナとコマセを合わせると、仕掛けの違いが分かりやすい
ハリを選んでも、その上を魚が泳いでいたら食わせにくくなります。サビキのハリを、コマセと魚がいる層へ合わせることが大切です。
ここでは、仕掛けの下にオモリ付きのカゴを付ける、足元のサビキを例にします。根掛かりしにくい底なら底付近から探り、魚が見えている場合はその深さにハリが通るよう調整します。
カゴを振った後は、止めて待つ
コマセはカゴへ押し固めず、軽く詰めます。狙う深さへ落としたら、竿を小さく動かして出し、その後は仕掛けを止める時間を作ってください。
底から探る場合は、カゴが着底したら少し巻いて底を切ります。反応がなければ、止める深さを少しずつ上げます。どのハリに魚が掛かったかも、次の投入で深さを合わせる手掛かりになります。
秋の堤防で、私は表面に見える小魚を追いかけて、浅いところばかり探っていたことがあります。ところが、近くで上がるアジは、私が見ていた小魚よりひと回り大きいものでした。
そこで底付近まで落とし、カゴを少し持ち上げて待ちました。しばらくして下側のハリにアジが掛かり、次も同じ深さへ入れると反応がありました。水面が賑やかだと上ばかり見てしまいますが、狙うアジと見えている魚を分けて考える必要があったわけです。
エサを増やす前に、カゴの中を見る
回収したときにコマセが固まったまま残っていたら、量を増やす前に詰め方やカゴの穴を見直します。反対に、狙う深さへ着く前に空になるなら、開口を調整できるカゴでは穴の開き具合を調整します。
私は以前、アタリがないので何度も竿を振っていましたが、回収するとカゴは空でした。それでも同じ場所へ入れ直して強く振るので、エサを使う速さだけが増えていたのです。振る回数を減らして待つ時間を作ると、少なくともコマセの残り方は把握しやすくなりました。その日はアジの反応が戻らず、エサの出し方だけでは解決しませんでした。
釣れないから撒き続けるのではなく、コマセが出ているか、出し切っていないかを確かめましょう。基本操作はHonda釣り倶楽部のサビキ釣り解説でも図解されています。
足元で釣れないときは、少し沖を探ってみる
足元でタナを変えても反応がなく、沖へ入れている人にはアジが掛かる。そんなときは投入位置を変える価値があります。
ただし、魚が釣り人を学習して必ず沖へ離れる、とは決めつけません。回遊の通り道や潮、コマセの流れる位置でも釣れる場所は変わります。沖を探るのは、足元との釣れ方に違いがあるときです。
3m前後の竿は、少し前へ出したいときに使いやすい
短い竿は取り回しが楽です。一方、足元から少し離して仕掛けを落としたいときは、3〜3.3m程度の竿が候補になります。私は、長さと扱いやすさのバランスを考えると、このくらいを選びやすいと感じます。
5mの竿が必要な場面もありますが、足元のサビキのために最初から長い竿を用意する必要はありません。長さだけでなく、仕掛けを付けて持ったときの負担と、使うカゴ・オモリに合うかを見てください。
竿の「3号」は長さやオモリの号数とは別の表示です。適合オモリ負荷は竿ごとに確認しましょう。エサを詰めたカゴの重さも加わります。
子供が使うなら、大人に扱いやすい長さより、本人が仕掛けを持て余さないことを優先します。竿に対して長すぎない、短めのサビキも選択肢になります。
ウキサビキは、遠さより届かせる場所を決める
竿先の届く範囲より沖を探るなら、ウキを付けたサビキが使えます。私は足元の釣りで届かない場所を探るための選択肢と考えています。
ウキ付きの完成仕掛けから始めると組み合わせを把握しやすいです。ハリの部分だけ交換するときも、幹糸の強さや仕掛け全長が投げる釣りに合うかを確認してください。
ウキの浮力とカゴ・オモリの重さが合わないと、アタリを見る前に沈んでしまうことがあります。まずはセットの組み合わせを基準にし、ウキ止めでタナを調整します。ウキからカゴまでの深さと、ハリが並ぶ深さは同じではないことにも気をつけたいところです。
距離ばかり伸ばしても、アジがいる層から外れていれば釣れません。足元より少し前を狙い、同じ投入位置で深さを調整していくほうが、私は考えやすいと思います。
⚠ 注意:投げてよい場所と周囲の空間を確認する
投げ釣り禁止の場所や、隣と仕掛けが交差する混雑時には投げないでください。後方や周囲に人がいないことを確認し、ハリやカゴを大きく振り回さないようにします。
釣れないときほど、一つずつ見直しましょう
次の釣行では、いつもの仕掛けに加えて、魚が小さかったときに使う小バリの仕掛けを用意しておくと対応しやすくなります。
ただし、買い足す前にできることもあります。周囲の釣果を見て、タナを探り、カゴの中を確かめる。そのうえでハリや投入位置を変えると、何を試しているのかがはっきりします。
アジがいない時間まで仕掛けだけのせいにしなくてよいと思います。釣れたときには、どの深さで、どのハリに掛かったかを覚えておくと、次の一投が変わります。
あとがき
サビキ釣りで釣れないと、私はどうしても隣の竿が気になってしまいます。自分のカゴにはちゃんとエサが入っているし、同じ海へ仕掛けを入れている。それなのに向こうでは魚が上がる。この差が、思った以上に気になるのです。
以前はそうなると、手元の仕掛けを見るよりも、道具箱の中を探していました。別の色なら釣れるのではないか、もう少し高い仕掛けを使えば違うのではないか。次々と袋を開けて、まだ十分に使っていない仕掛けまで交換していたことがあります。
ところが、帰ってから道具を片付けていると、どの仕掛けで何を試したのかがうまく思い出せませんでした。ハリを替えたのと同時に投入位置も変え、釣れなければまたタナを変える。自分では工夫しているつもりでも、比較するための基準がなかったのです。
そのとき少しもったいないと思ったのは、仕掛け代よりも、釣り場で見ていたはずのことを覚えていなかったことでした。魚が釣れたかどうかだけを気にして、エサの残り方や、アタリが出た深さをほとんど気にしていませんでした。せっかく半日竿を持っていても、それでは次も同じところで迷ってしまいます。
それからは、釣れなかった日にも、何を試したか一つだけでも覚えて帰ろうと思うようになりました。浅いところでは反応がなかった、下げたら一度だけ当たった、ハリを小さくしても変わらなかった。きれいな答えになっていなくても、そのくらいなら覚えていられます。
もちろん、そう考えたから急に毎回釣れるようになったわけではありません。納得して選んだ仕掛けが空振りに終わることもあります。反対に、特に何も変えていないのに釣れ始めることもあり、あれだけ悩んでいたのは何だったのかと思うこともあります。
ただ、釣れなかった理由を一つに決めつけなくなったのは、自分にはよい変化でした。小さいハリで釣れた日があっても、次に同じものを使えば同じ結果になるとは限りません。仕掛けを信じることと、その日の海を見なくなることは、分けておきたいと思っています。
道具を片付けるときの気分も、少し変わりました。前は釣れなかった仕掛けを見ると、そのまま使わなくなりがちでした。今は、あの日は魚が小さかったから合わなかったのか、それとも群れがいなかっただけなのか、と考えます。傷んでいない仕掛けを見ながら、次はどんなときに使おうかと思えるほうが、買った道具にも納得できます。
食べる分のアジが釣れたら、もちろんうれしいです。私はそこを格好よく、釣れなくても同じくらい楽しいとは言えません。それでも、帰りに「今日は駄目だった」だけで終わる日と、「次はあの深さから試そう」と思える日では、次の釣行への気持ちが違います。
たくさん釣れた日のことは覚えていても、なぜ釣れたかは意外と忘れます。だからこそ、次にアジが掛かったときは、急いで次を投入する前に、どこに掛かったかだけは見ておこうと思います。サビキ釣りは手軽ですが、まだ自分が見落としていることがありそうです。その小さな違いを確かめるのも、私はこの釣りの楽しさだと感じています。





