サビキ釣りといえば初心者でも簡単に取り組むことのできる釣りだと思われるかもしれません。
しかし、釣りの時期を間違えれば、全く当たりがなく1日を終える可能性もあります。
ここではサビキの釣れる時期に関して見ていきましょう。
目次
サビキ釣りの釣れる時期
結論:サビキ釣りで最もたくさん釣れる時期は7月から9月になります。
特に対象魚となるアジや、サバ、イワシなど小魚が多くなる時期です。
地域によっても時期はずれたりもしますが、安定して釣れるのは7月から10月となります。
ポイント
サビキで一番釣れるのは7月から9月!
4月以降の春のサビキは釣れない?
春の時期は日差しも柔らかく釣り日和となることも多いです。
しかし、それは人間にとって釣りがしやすいというだけで、海の中はまだまだ冬モードです。
一般に海の中の水温は気温変化から1、2か月遅れて変動します。
そのため、カンカン照りの日が数日続いたとしても膨大な水量の海においては、海表面の温度しか変化しません。
一方で、ニジマスや、ヘラブナなどの管理釣り場のように浅場の釣り場であれば天気の影響を受けやすいです。
大型の魚が狙える時期
サビキ釣りで大型を狙うのであれば 10月から11月が最適です。
春に生まれた魚も夏の間に大きくなり、秋口にはいいサイズになっています。
特にアジやサバなどは20cmを超えるサイズに成長していたりします。
餌を求めて、群れで岸まで接岸するため、少し沖合いを攻めるといい型の魚を釣ることができるでしょう。
ポイント
サビキ釣りで大型を狙うなら10月以降
サビキで釣れない時期
一方でサビキ釣りで魚が釣れない時期もあります。
特に釣れないのが1月から3月までです。
この時期になると水温が低いため、安定した水温の場所を求めて、魚が沖の深い場所に群れで移動します。
そのため、冬の間にサビキ釣りで魚を釣るのはなかなか難しい釣りになります。
どうしても釣りたいというのであれば、居付きの魚を狙います。
居付きの魚は、水温が低下しても同じ場所から動かずにじっとしています。
条件としては、比較的水温が安定しており、魚礁や消波ブロックなど隠れ家があり、エサとなるプランクトンなどが多いことがあげられます。
海水温が安定するのは底付近ですので、サビキのカゴは一度底まで落としてから、徐々にタナを上げていき、釣れる深さを見つける必要があります。
海釣り施設など毎日のように人が入ってエサを撒いているような場所や工場などの温排水が流れ出ている場所などは、低水温の時期でも魚が居つくポイントになります。
サビキで釣れる魚種別の適正水温
サビキで釣りやすい温度は魚によって異なります。
適正水温
アジ・・・19〜23℃
サバ・・・20〜24℃
イワシ・・・15〜25℃
この範囲での水温が最も活発に活動する水温です。
ただし、暖流が入ってきて暖かくなり適正水温になったからすぐに釣れだすというわけではありません。
適正水温が数日続くと活発になるというおおよその水温になります。
地域によってもこの今度は前後するため、あくまで目安として考えていただければと思います。
サビキで釣れる時間帯
サビキでたくさん釣るためには時期も大切ですが、時間帯も非常に重要になります。
効率よく魚を釣るためにもよく釣れる時間帯を覚えておくよ良いでしょう。
よく釣れる時間帯は
朝マズメと夕マズメです。
夜が明けて明るくなり始めた時間と太陽の落ちる時間帯のことでこの時間帯は魚にとっての食事時になります。
朝マズメ、夕マズメというのは、プランクトンが活発に動く時間帯です。
それを捕食するアジやイワシにとって食事の時間となります。
同時に、アジやイワシなどを捕食するシーバスやヒラメなどの大型の魚にとっても食事時となるため、釣りをする時間帯としては最も適している時間帯になります。
回遊の方向を知る
サビキ釣りで釣れる魚のアジやイワシ、サバなどは、群れを作って回遊しています。
そのため、釣れる時間帯であっても群れが遠くを回遊していたり、群れに当たらなければ何も釣れないということもあり得ます。
その逆に、真昼間のあまり釣れない時間帯であっても群れにあたれば大量に釣ることができるということもあります。
宝くじの当選場所が人口の多い場所に集中するように、魚の多い場所は自ずと釣れてくるわけです。
群れで回遊しているということは、釣り場の剪定ににおいて、右回りで魚が沖から入ってくるのか、左から入ってくるのかということがわかれば、好釣果に恵まれる可能性が高まります。
特にサビキ釣りの人が多く並ぶ釣り場ほど、右の端の人もしくは左の端の人から順番に釣れているといったことがありえます。
魚の回遊ルートを見つけることは容易ではありませんが、何度か同じ釣り場に通っていると釣り場の傾向が掴めてきます。
自分の釣りだけでなく、周りの状況を観察しておくと次の釣りに生かすことができるでしょう。
ポイントは探りながら釣る
時期、時間、場所どれも悪くないのになぜか釣れないという時には、探るタナ(深さ)を変えてみましょう。
それでも釣れない場合には、沖を攻めてみましょう。
魚のいるポイントを見つけられれば釣れる可能性も高くなります。
魚が海の中のどこを回遊しているのかを探りながら釣りをすることで釣れなかった魚も釣ることができるようになるでしょう。
【あとがき】
今回の記事をすべて書き終えてみて、改めてサビキ釣りという手軽さの裏には、時期の見極めや潮回り、魚の行動パターンなど、実は奥深い世界が広がっているのだと実感しました。初心者の方でも始めやすい釣りだからこそ、しっかりとした情報を得てから臨むことで釣果や楽しさが大きく変わる――そんな想いを込めて執筆したつもりです。特に、年間を通しての魚の動きや水温の影響については個人的にも重要なテーマだと考えており、この記事で強調したいポイントのひとつでした。
この文章を書くに至った背景には、私自身の長年にわたるサビキ釣りの経験と、釣り仲間との情報交換があります。とりわけ、サビキ釣りを始めたばかりの頃に、まったく当たりのない時期を延々と粘って過ごしたことや、その一方で入れ食い状態を堪能した記憶が強く心に残っています。当時はどうして同じ釣りなのにこんなにも釣果に差が出るのか、釣れなかった日は何が原因だったのかを不思議に思っていました。しかし、釣りを続けていくうちに「魚は水温や季節、時間帯によって活発度が大きく変わる」という当たり前に思えるような真理に改めて気づかされたのです。そこで、私を含む釣り仲間数名で「本当に時期と水温が大事なのか」を証明するため、実に5年ものあいだ釣果と条件を細かく記録してきました。毎回、釣りに行くたびに「場所(海釣り施設か、堤防か)」「日付と時期」「天候」「水温」「釣れた魚の種類と数」「釣れた時間帯」といった情報をメモし、それを後から集計し直して傾向を算出したのです。
そこから得られた知見は、サビキ釣りに限らずあらゆるジャンルの釣りに役立つものでした。やはり夏から秋にかけての水温上昇期や、群れが接岸するタイミングになると釣果数が一気に跳ね上がり、逆に真冬から春先にかけてはアタリすらない日が続くというデータが明確に出ました。雑誌や書籍などで「7月〜9月はサビキのハイシーズン」と紹介されることが多いのも、こうした調査を続けることで自分自身の実感として腑に落ちたのです。さらに、友人のひとりは行きつけの釣具店でプロスタッフの方から情報を仕入れるのが上手く、「今週は水温がまだ十分に上がっていないから夕マズメ一本狙いでいくべき」などのアドバイスを常に織り交ぜていました。そうした生の声を聞くたびに、プロスタッフの経験や目利きには学ぶところが多いと痛感しました。
また、私自身の身近な研究テーマとしては、自宅での小さな水槽を使った魚の飼育実験があります。以前、フナや金魚を飼っていたことがあり、そのときは単純に鑑賞を楽しむだけでなく、「餌を投入したときにどれだけアグレッシブに食いつくのか」「水中の温度変化や匂いに対してどのような反応をするのか」を細かく観察するようにしていました。何気ない習慣でしたが、餌の匂いや成分に少し変化を加えるだけで反応が違ってくることが分かり、思いのほか興味深かったのです。たとえば、ほんの少しアミノ酸の含有量が増えた餌には普段よりも活発に食いつく金魚がいたり、練り餌においをプラスすると底に沈んでも探し回る動きが見られたりといった違いに驚かされました。これをサビキのカゴの中に使う寄せ餌に応用できないかと考え、実際に海の堤防へ持ち込んだこともあります。そのときはサバやイワシが群れで寄ってきたタイミングと重なったこともあり、期待以上の釣果に恵まれました。もちろん、必ずしもこうした研究の成果がすべての釣りに直結するわけではありませんが、少なくとも「魚は嗅覚にも敏感である」「好む匂いの傾向がある」という事実を身をもって体験し、サビキ釣りにおいても匂い付きの集魚剤を活用する重要性を再認識しました。
さらに、釣り場で出会った人たちから得られた情報も大きいです。ある海釣り公園の常連さんは、「冬のサビキはほとんど釣れないけど、温排水のある工場の近くなら意外と釣れたりするんだよ」と教えてくれました。実際に試してみると、海全体が冷え込む時期でも温排水周辺は若干水温が高く、魚がとどまりやすいことが分かりました。こうした生きた情報は書籍やウェブで調べるだけでは限界があり、現場の人との何気ない会話や経験談が釣果に直結してくるのだなと感じます。釣りというのは、どうしても技術や装備だけに注目しがちですが、仲間や現地の人との交流がまさに“宝の山”と言えるのではないでしょうか。
総じて、サビキ釣りは「エサをカゴに詰めて仕掛けを落とすだけ」と思われがちですが、そのシンプルさの中に多くの要素が詰まっています。ターゲットとなる魚の種類ごとの適正水温や活性が高まるタイミング、群れが回遊してくるルート、そして時合(朝マズメ・夕マズメ)の短時間に集中して狙うコツ――すべてを自分なりに分析していく過程が非常に奥深いのです。だからこそ初心者の方には、「釣れなかった日ほど次回のために学ぶチャンス」と考えてほしいと思います。魚がいまどこにいるのか、何を求めているのかを考えながら工夫を重ねることで、釣りの面白さは何倍にも膨れあがるはずです。自分や仲間たちがコツコツと蓄積してきた5年分の釣果データ、そして自宅の水槽での小さな発見は、その実例と言えるかもしれません。
こうして書き綴ってみると、一見単純そうに見えるサビキ釣りがいかに奥深く、そして季節や環境の変化と密接に結びついているかをあらためて感じます。経験を積むごとに、まだ知らない世界が広がっていると思うとワクワクが止まりません。読者の方々にも、ぜひこのワクワク感を共有していただきながら、サビキ釣りならではの楽しさや醍醐味を味わってもらいたいと願っています。初心者の方もベテランの方も、ちょっとした工夫一つで思いがけない好釣果に巡り合う可能性は十分にあります。釣れた瞬間のあの高揚感や、思わぬ大物がかかったときの緊張感は、一度味わうと病みつきになること間違いなしです。
最後になりますが、今回の記事が少しでも皆さんの参考になり、サビキ釣りへの興味をさらに高めるきっかけになれば幸いです。
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