たくさんある集魚剤の中でどれが1番釣れるのかと迷われる方も多いかと思います。
私もかれこれ10年以上さまざまな集魚剤を試してきましたが、それぞれの集魚剤に特徴はあるもののベースとして必要なものはある程度決まってきます。
ここでは、実際に使って良かったグレ・メジナの集魚剤をご紹介します。
目次
集魚剤の役割
前提として集魚剤はグレを集めるだけでなく状況に応じてグレをエサ取りから分離したりサシエに誘導したりする役割があります。
トップブランドとしてはマルキユー、ほかにはヒロキューやダイワなどからも集魚剤が出ていたりします。
集魚剤ランキング ベスト3
実際に使ってみて釣れた集魚剤のベスト3は以下のようになります。
グレパワーV9
圧倒的に人気の製品で、フカセ釣りを長くしている人からすれば説明も必要ないかと思いますが、どんな状況にも対応可能なフカセ釣りに不可欠な集魚剤になります。
麦や糖蜜、貝殻、青のりなどが配合されておりオキアミと混ぜて使用します。
集魚剤の中でもまとまり感もあり遠投が可能です。
しかも、水面に着水してから横方向にふわふわと拡散するので仕掛けの投入地点もわかりやすいです。
グレもV9を使うことで深場からあがってくるので数を釣るのにも適しています。
内容量が1700gですのでオキアミ3kgに対して一袋から二袋入れて使います。
一日釣りをするのであればグレパワーV9を3〜4袋使うことになりますので、それよりもグレパワーV9徳用サイズ(内容量3000g)を買うとコスパの良い集魚剤を作ることができます。
グレパワーV9徳用
グレ釣りの競技などで短時間で他の人よりもたくさん釣りたいとなると少し集魚性能が足りないかなと感じることもありますので、そのときには次に紹介する爆寄せグレなどをブレンドしてみるのも良いでしょう。
爆寄せグレ
短時間で寄せたい!集魚力を高めたい。そういった集魚剤として優秀なのが爆寄せグレです。
特徴としては、麦やペレット、オキアミエキスの染み付いたパン粉など特に粒子の大きな粒が多く配合されていることです。
少し褐色の色をしており、緑のペレットが入っているのも特徴的です。
爆寄せグレはオキアミを入れなくてもグレを釣ることができるほどの集魚力がありますが、爆寄せグレだけで釣りをするとまとまりが悪く足元しか狙えない餌になります。
また、サシエがオキアミのため少なくとも1kgはオキアミと混ぜて使うことをおすすめします。
ベースとなるグレパワーV9に集魚力を高めるために爆寄せグレを半袋入れて使うのも良いでしょう。
爆寄せグレのデメリットとしては、粒が多く含まれているのでそれぞれに比重があり、ヒラヒラと海中を落下し、魚にアピールできますが、それを魚が追いかけてしまうので
グレパワーV10
お店に行ってもすぐ見つけられる白色の集魚剤です。
私の中ではベースとなる餌はV9かV10のどちらにしようかといった選び方です。
特徴としては白色の配合エサのため、潮の流れや仕掛けの投入地点が確認しやすく酵母による集魚成分も配合されています。 若干ですが、V9よりも魚の寄りが早いように感じます。
ただしV9と比べると遠投性能はやや怠るようにも感じます。少し軽いのでまとまりが悪いイメージです。
グレパワーV9とグレパワーV10の違い
釣り場がどのようなところかによって集魚剤のベースを決めています。
例えばサラシの多い場所ですと海が気泡で白く濁るのでV9の赤色の方が見やすいです。暗い色の海であればV10の方が視野性がよく、魚にも人間にも餌がどこかわかりやすい集魚剤です。
海がどのような状態かわからないときには、V9とV10を半分ずつ混ぜるのも有効です。
ピンク色のエサに仕上がりますが、海に入れると拡散してV9の赤色も見やすい色になります。
余力があれば揃えたいおすすめエサ
せっかく釣りに行くのであれば無理にとは言いませんが、こちらの餌もあった方が格段に攻める範囲が広がるのでおすすめです。
それは、超遠投グレです。
超遠投グレ
まとまり感を高めて遠投するのに活躍します。
全て入れてしまうのではなく、4分1程度から始めて必要に応じて添加していくとよいでしょう。
グレパワーV9、グレパワーV10とも相性がよくトーナメントでもよく使われる優れた集魚剤となります。
まとめ
ここではグレのフカセ釣りのおすすめの集魚剤をご紹介してきました。
それぞれのエサに自分との相性があるかと思いますので、パッケージやネーミングにこだわらず一度使ってみて使い心地を感じてみるのが一番だと思います。
たくさんエサがある中でどれを選べばいいのかわからないと迷っていらっしゃる方がいれば、参考にしていただければ幸いです。
【あとがき】
この記事を書き終えた今、改めてグレ(メジナ)のフカセ釣りが奥深い世界だということを強く感じました。実際に多種多様な集魚剤を試してきた中で、マルキュー製品をはじめとするトップブランドの特徴を整理する作業は、自分自身の釣りの経験を振り返る良い機会にもなりました。
特に、記事中で触れた遠投性能や状況に応じた配合の工夫は、私が長年釣りを続けてきた中で最も重要視しているポイントです。今回の記事を通じて、その思いや経験を少しでも深く共有できれば幸いです。
そもそも私が今回のテーマを選んだきっかけは、過去に南伊豆の横根という釣り場で釣り仲間と一緒に大量の集魚剤を比較してみた出来事にさかのぼります。横根といえば、磯釣りファンにとってはグレが良く釣れることで有名な場所ですが、潮の流れや風の影響を受けやすく、集魚剤の種類や配合によって釣果が激変する場所でもあります。その日は4人であらゆる集魚剤を持ち込み、マルキュー社のグレパワーシリーズやヒロキュー社の製品、さらには手作りのぬかパンまで用意して、どれが最も魚を寄せるかを比較してみました。比較はかなり徹底して行い、朝まずめから夕方まで交代で同じポイントに打ち返すという方法で、周囲の釣況や自分たちの仕掛けの差もできるだけ公平になるよう工夫しました。試行錯誤を繰り返すうちに、最終的に圧倒的な結果を出したのがマルキューの集魚剤でした。それ以前からマルキュー製品を愛用してはいたものの、ここまで決定的に差が出るとは正直驚きでした。粒子の大きさやベースとなる素材の配合、さらには水に溶け出すタイミングまでが計算され尽くされており、フカセ釣りの現場での使い勝手の良さに感嘆したのを今でもよく覚えています。
その日は比較の結果が余りにもはっきりと出たため、「じゃあ、どのマルキューの集魚剤が一番釣れるのか、もっと細かく比べてみよう」という話になり、その場で4人の意見をまとめて独自のランキングを作成しました。ちょっとした研究会のようになったのですが、「V9は遠投性能が高い」「爆寄せグレは短時間で魚を寄せるのに長けている」「V10は潮や投入地点の確認がしやすい」など、実釣ならではの様々な視点で評価が集まりました。釣りの仲間と集まると、こうした実験的なことをするのも楽しいものです。さらには、その成果を次の釣行に持ち込むと、どんなタイミングでどの配合を選ぶべきかの判断がより的確になっていき、結果として釣果が上向くという好循環が生まれました。
また、この記事を執筆するにあたり思い出したのが、横浜で開催された釣りフェスでの体験です。あのとき、たまたまマルキューのブースに研究員の方がいらっしゃって、集魚剤の研究や開発秘話をうかがうことができました。私のような釣り人は、「なぜこれほど集魚力に差が出るのか」「どうやって配合を決めているのか」という興味が尽きないのですが、その方は「素材の違いはもちろん、潮の動きや魚の習性まで視野に入れた試験を繰り返し行っている」と教えてくださいました。例えば、海水温が高いシーズンにはエビや麦類のエキスを重視し、遠投や拡散性を求めるシーンでは特殊な酵母や魚粉成分をプラスするなど、細部にわたって計算されているそうです。こうした背景を知ると、実際のフィールドで商品を使う時にも「ここはV9単体でいくか、いや、爆寄せグレをプラスしたほうが手返しが良いかもしれない」などと、配合を選ぶ楽しみが深まります。釣りは自然と向き合う遊びであり、ある意味で予測不可能な世界だからこそ、メーカーや研究員が注ぎ込んだ技術がどれだけ心強い存在かを改めて痛感した瞬間でした。
そして、釣具店の店員さんとの何気ない会話から得られる情報も、意外と馬鹿にできません。ある日、私が地元の釣具店で「次はどんな配合にチャレンジしようか」とV9や爆寄せグレを手に取って迷っていた時のことです。そこにいた店員さんが「南伊豆方面に行くなら、V10をベースに超遠投グレをブレンドするのがおすすめですよ。最近は潮が速くて魚のタナが深いんで、まとまりの良い配合を使わないと仕掛けが流されちゃうことが多いみたいです」とアドバイスをくれました。私にとっては盲点だった組み合わせでしたが、実際にそのアドバイスどおり使ってみると、餌が想像以上に遠くまで飛び、狙いたいポイントにきちんと落とすことができました。実釣中にも「これを薦めてくれた店員さんに感謝だな」とひしひしと感じ、さらに釣り場で出会った人とも配合の話題で盛り上がり、お互いの経験談を交換し合うなど、コミュニケーションのきっかけにもなりました。
こうしたエピソードの数々は、結局のところ「実際に使ってみないとわからない」という一言に集約されます。メーカーのカタログやパッケージを眺めているだけでは、どうしてもイメージが先行してしまいがちです。しかし、実際にフィールドで試し、その時々の魚の反応や潮の動き、さらには仲間との情報交換を通じて、“自分に合った配合”や“自分の釣りのスタイル”が見えてくる。そうした奥深さこそが、グレのフカセ釣りを何年続けても飽きさせない魅力だと改めて感じています。この記事ではあくまで私自身が「釣りやすい」「魚が寄りやすい」と感じた集魚剤をご紹介しましたが、その背景にはこれまでに積み重ねてきた数多くの試行錯誤や仲間とのやりとりがあります。
最後に、この記事を読んでくださった皆さんには、「ぜひ、この記事をきっかけに新しい釣り方やエサの配合にチャレンジしてみてほしい」という気持ちをお伝えしたいです。初めての集魚剤選びで戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、一度試してみると、自分なりの発見や工夫が必ず出てきます。小さな気づきから生まれる成長こそが釣りの楽しさですし、一匹のグレが釣れた時の喜びは何ものにも代えがたいものがあります。どうか皆さんがそれぞれのスタイルで、そしてそれぞれのペースで、グレ釣りの魅力を味わっていただければ幸いです。この記事がそのきっかけや後押しになれば、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。ぜひ今後も色々な集魚剤や釣り場を試して、自分だけの「最強の配合」を見つけてみてください。皆さんの釣りライフが、さらに実りある時間になっていくことを心より願っています。