エリアトラウトにおいてクランクベイトは持っておきたいルアーの一つです。
ここではトラウトに使えるクランクベイトを厳選いたしましたので、おすすめの使い方とともにご紹介します。
定番のスプーンとの違いやクランクベイトの使い方やあわせ方、選び方などをみていきましょう。
目次
クランクベイトはトラウトフィッシングでは必須
もともとバスフィッシングにおいてルアーを潜らせながらもしっかり浮力を持たせて、浮き沈みができるルアーとして使われていましたが、バスであれトラウトであれ魚を誘うことには変わりなく、いつしか管理釣り場では必須アイテムとなりました。
クランクベイトの特徴
クランクベイトは大きなリップというルアーの前面にある水を受けるパーツにより、水の中で深く潜ることができるのが特徴です。
このリップの長さや角度によって潜る速度や水深が変わってきます。初心者にとって最適なリップの長さは後述します。
クランクベイト自体は、プラスチック樹脂でできています。これがスプーンと大きく違うところで、ルアーの中に空気を含ませることで巻くのを止めると浮き上がります。
スプーンは巻くのを止めると沈んでしまうため、トラウトに異なったアプローチができます。
クランクベイトは透ける
さらにクランクの特徴としてはボディー自体がクリアでそこに塗装が施されているため、水中で魚がルアーを見上げると太陽光を透過して透けて見えたり、ぼんやりと色付いて見えたりします。
一方でスプーンは金属でできているため、水中で魚が下から見上げると光を透過せず、影により黒くシルエットがしっかりと表現されます。
クランクベイトの種類
クランクベイトはリップの長さによって大まかに3種類に分けられます。
浅場を泳がせるシャロークランク、中層を泳ぐミディアムクランク、深場を泳ぐディープクランクです。
初心者が選ぶならこれ
初心者の方であれば、とりあえずミディアムでといいたいところですが、どれかひとつ選ぶのであれば、ディープクランクをおすすめします。
なぜなら、ディープクランクは、巻く速度をゆっくりにしてやると比較的浅い水深を探ることも可能です。
シャロークランクではどんなに早く巻いても深く潜らせることは困難です。
使い方次第で幅広い層を狙えるのはディープクランクなのです。
また、トラウトフィッシングにおいて、必ず訪れるほとんど釣れない時間帯...
そんなときにトラウトはボトムでじっとしていることも多いです。
そんなときに底付近を泳がせるためには、ボトム系のルアーかディープクランクが必要になります。
クランクの使い方 *ボトムを攻めるとき
ロッドの竿先を水につけて巻いてくればさらに深い場所やボトムをズルズルとコンタクトさせながら巻くことも可能になります。
あたりが取りづらくなるデメリットはありますが、テクニックとして覚えておくとよいでしょう。
おすすめのクランクベイト
PaniCra DR / パニクラDR
歴史を変えた名作ともいわれています。名前の由来はボトムノックをした際の激しい「パニックアクション」から来ています。ルアー内部にプリズムスケールを搭載し、背中側より腹側の断面積を大きくし、より低重心化をはかるなど、いろいろな工夫が満載です。潜行深度はMRが1.5m前後、DRが2m前後。カラーはなんと全26色、プリズムスケールを活かしつつそれぞれカラーの特長がでるよう、背中側はしっかりと、腹側はうっすらとグラデーションをつけています。
攻略できる水深としは、各モデル
・SR:80センチ程度まで
・MR:1.5メートル程度まで
・DR:2メートル程度まで
・SR-HF:30センチ程度まで
・MR-HF:30~50センチ程度
・DR-HF:50~80センチ程度
ハンクル inch Crank DR
ハンクルのインチクランクDRは、HMKLフィールドテスターたちからの強い要望によって生み出されたディープレンジ攻略用スーパーレスポンスマイクロクランクです。
タフな状況で最も効果を発揮するデッドスローリトリーブにおいて、しっかりとしたウォブリングアクションを出せるリップ形状と、喰わせやすい虫型のボディにこだわって設計しました。
扁平な形状は空気抵抗を受けにくくキャストはスムーズで、マイクロクランクでありながら広範囲の魚を狙うことが可能です。
ミディアムクランク
ラッシュベル33MR /RUSH BELL33MR
朝イチや放流などで活性が良くスプーンに好反応だった魚が、時間の経過と共に活性が落ち反応が悪くなるのは、どんなエリアでも常に起こることです。その原因のひとつがスプーンの泳ぐ速度に喰い渋ることにあります。そんな状況下でもっとも効果的なルアーが「ラッシュベル」。特徴的なリップ形状がパワフルにウォブリングしながらイージーなレンジキープを可能にし、通常速度はもちろん、デットスローな領域の中でさらに緩急をつけて誘い巻いても、レンジを外さず誘い続けることができます。乱反射&乱透過で視覚アピールを狙った異形モールディングボディに、バランスよく配置された2フックが高確率でフッキングへと持ち込みます。スプーンの次のセカンドルアーとして、効率よく的確に、ベルを鳴らすようにトラウトを呼び集め、バイトラッシュをスタートさせるそんなルアーです。
カーディフ ふわとろ 35F
思いっきり、ゆ~っくりゆ~っくり巻いてみてください。リールが止まるほどにゆっくり巻いてみてください。ルアーの泳ぎを止められますか??止まりませんよね??その位にこのジョイントはごく僅かな流れの変化でもユラユラと動いて、まるでフライの様に妖艶に誘い続けます。もし、ルアーの泳ぎを止めることが出来る位にゆっくり巻けていれば、そのスピードこそが、このクランクの最大の能力を発揮できるデッドスロースピードです。とにかくトロトロトロトロ巻いてみてください。するとあなたのロッドは急激に水面に引き込まれるはずです。
そんなうたい文句のルアーですが、確かにスローの巻き取りで釣れてしまうルアーです。
シャロークランク
バルケイン クーガ
シャロークランクに欠かせない3大要素。それは低速でもしっかりとトラウトを引きつけるワイドウォブリングと、高速リトリーブ時でも安定した泳ぎを生み出すボディーバランス、そして狙いたいレンジを細かく操ることが可能な操作性。この3大要素を最大限まで引き出しながら、アングラーの思い通りにコントロールができるシャロークランク・クーガ。ミノーを基にしたハイブリットボディーにより、低速での食わせ重視のパターンや、高速でのリアクションバイトの誘発も意のままに。
速度問わずに使えるシャロークランクですので非常に使いやすいです。
まとめ
エリアトラウト ではスプーンだけでなくクランクのようなルアーの方が初心者はよく釣れたりもします。
管理釣り場で釣りをするなら、クランクベイトは持っておいた方がいいでしょう。
【あとがき】
今回の記事を書き終えて、改めて「エリアトラウトにおいてクランクベイトを侮るなかれ」という思いが強くなりました。特に大芦川の大会で優勝者が紹介していたクランクベイトを私自身が実際に使ってみて、その実力を肌で感じたからこそ、読者の皆さんに詳しくお伝えしたいと考えたのがこの記事の背景です。スプーンでは攻略しきれないレンジをしっかり探れること、止めれば浮く特性を活かしてアピールの仕方を変えられることなど、クランクベイトならではの強みを再確認できました。また、友人に「とりあえずクランクを一本忍ばせておくと良いよ!」とおすすめしたくなるほど、初心者でも扱いやすい点があるのが魅力の一つだと思います。
そもそもエリアトラウトでクランクベイトを多用し始めたのは、大芦川の大会を見に行ったときの衝撃がきっかけでした。大会の雰囲気に酔いしれていた私でしたが、優勝者がクランクベイトを使って連発している姿を見て、「スプーンだけじゃない釣りの可能性がここにあるんだな」と、まるで目から鱗が落ちるような思いだったのを今でも覚えています。そのとき彼が使っていたのが、記事の中でもおすすめしているクランクの一つでした。私も早速真似して購入し、何度か試すうちにすっかりハマってしまいました。
具体的には、その優勝者の方が試合中に行っていたテクニックが非常に印象的だったんです。最初はスプーンでスタートし、魚の活性が落ち始めた瞬間にパッとクランクに切り替える。その切り替えのタイミングとスピード、さらに巻きを止めて自然に浮かせてやる動作が実にスムーズで、見ていて「これは真似する価値がある!」と強く感じました。彼いわく、「水面まで浮いてくる瞬間にバイトしてくる魚が結構いる」ということで、ボトムだけでなく広い層を探りたいときこそクランクの出番だというのです。シンプルだけれど奥深いこの戦略には、本当に感心しました。
私自身、クランクベイトはバス釣りの道具というイメージが強かった時期があり、トラウトフィッシングにはスプーンさえあれば十分では?と思っていたところがありました。しかし、あるとき加賀フィッシングに出かけた際、スプーンではどうしても反応が得られない渋い状況に遭遇。何を投げても反応が薄く、「今日はダメか……」と半ば諦めかけていたのですが、そのときふと思い出したのが大会で見た優勝者のクランクテクニックでした。まさに背に腹は代えられないとばかりにクランクベイトを投げてみたところ、スプーンでは見向きもしなかったトラウトが突然アタックを始めたんです。最初はまぐれかと思いましたが、その後もクランクに対してだけ明確なバイトが得られ、「ああ、これがクランクの力なのか」と一気に魅了されました。
さらに、エリア仲間と釣行した際にも面白いエピソードがありました。釣り場で知り合った人から「クランクは初心者だと扱いが難しいんじゃない?」と聞かれたことがあります。確かにリップの長さや泳がせるレンジの把握など、スプーンにはない要素が多いことは事実です。でも、私が実際に初心者の友人にクランクを勧め、使い方を簡単にレクチャーしてみたところ、「スプーンよりも一定のリトリーブ速度で巻きやすいから意外とやりやすいかも!」という反応が返ってきました。要は、リールを回す速度をきちんと一定に保てれば、クランクは安定したアクションをしてくれるし、使い方によっては浮かせて誘うテクニックも試すことができる。こうした融通の利く幅の広さが、実は初心者にもハマる理由の一つだと思うのです。
今回の記事を書くにあたっては、私自身の経験はもちろん、大芦川の大会優勝者の話、そして釣り場やSNSで見聞きしたさまざまなクランクの活用術を総合し、できるだけ分かりやすくまとめようと心がけました。特に注目してほしいのは、リップの長さや形状の違いがもたらすレンジコントロール能力です。初心者だからこそ、ディープクランクのように幅広いレンジを攻められるタイプを持っておくと、ポイントや状況に合わせて柔軟に対応できるという点を強調したかったのです。また、クランク本体が透けるクリアボディであることによるアピール方法や、浮く特性を利用した誘いのテクニックも、ぜひ体験してほしいところ。単純に巻くだけでなく、状況に合わせて浮かせたり、わざとボトムにコンタクトさせたりすることで、まったく新しいトラウトの反応を得られる喜びを味わっていただきたいです。
そういえば、大芦川の大会のあとで、優勝者のタックルボックスの中身をチラッと見せてもらったことがあるんですが、驚くほど多くのクランクが入っていました。スプーンと同じぐらい、あるいはそれ以上にいろいろな色やリップ形状、ボディサイズを揃えていたんです。「どれだけクランクに自信を持ってるんだ!」と微笑ましく思うと同時に、これだけのバリエーションを試すことができるのもクランクの面白さなんだろうと感じました。これは例えば、白河フォレストなど他の管理釣り場でもきっと有効だろうな、と想像したりもしました。
記事中でも触れましたが、クランクベイトによっては「超スローリトリーブでもしっかり泳いでくれる」「高速リトリーブでリアクションバイトを狙いやすい」など、メーカーやモデルごとに狙い所が違うのも魅力の一つです。だからこそ、ぜひ友人にも勧めたくなるし、自分自身が「どのクランクを信頼して投げ続けるか」を見つける過程が釣りの醍醐味になるのだと思います。私の場合は、PaniCra DRでボトム近くを舐めるように探り、ラッシュベルやクーガなどで中層・浅場をじっくり探る、みたいな組み合わせがいまのところお気に入りです。もちろん、釣り人が増えてくると、すぐにスレてしまうトラウトも多いので、カラーや動きの変化など小技を駆使していく必要がありますが、そこがまたクランクを使う上での大きな楽しみでもあります。
こうした情報をまとめて発信するのは、自分自身の備忘録的な意味合いもありますが、何より読者の方々が「クランクベイトを使ってみたい」「スプーンだけじゃなく新しい可能性を探りたい」と思ってくだされば嬉しいからです。私自身、最初はクランクってちょっと大袈裟で難しそうだな、という先入観を抱いていました。しかし実際には、シンプルに巻くだけでも十分に成果が期待できるし、逆に奥深いテクニックにも無限に挑戦できる存在。まさにエリアトラウトをやるなら、スプーンと同じくらい大事な相棒だと言えます。これは初心者に限らず、上級者の方でも日によって「今日はクランクが大当たり」ということがよくあるので、ボックスに1~2本あると安心感が違うんですよね。
この記事を通じて、クランクベイトの持つ多彩なポテンシャルや、実際の使用感に興味を持っていただければ幸いです。そして、もし周りの友人でクランクに興味を持っている方がいれば、ぜひ教えてあげてください。「こんなルアーでこんな風に釣れるんだよ」と、実際の釣果やエピソードを共有すれば、きっと釣り仲間同士の話題も盛り上がると思います。私も今では、釣り場で会った人には「クランクベイト試してみました?」と軽く声をかけることが多くなりました。皆さんが釣果を伸ばして笑顔で帰っていく姿を見ると、それだけでなんだかこちらまで嬉しくなってしまうのです。
最後になりますが、この記事を読んで「クランクベイトに挑戦してみようかな」「スプーンだけじゃなく、もっと道具を拡充してみたい」という想いが少しでも芽生えていただけたら幸いです。エリアトラウトの世界は本当に広く、クランク一つで釣りの景色がガラリと変わることも珍しくありません。ぜひ一度、道具箱にクランクベイトを加えてみてください。そして自分なりのカラーローテーションやリトリーブパターンを見つけていく過程を、思いきり楽しんでいただければと思います。
釣りは誰もが気軽に始められる一方で、奥深い探究をすればするほど新しい発見がある素敵な趣味です。クランクベイトに興味を持ってくれた友人と一緒に釣り場に足を運んで、ぜひその魅力を体感してみてください