反則級の釣れ具合！エリアトラウトのチート系ルアー活用ガイド

【あとがき】

今回の記事を執筆し終えて、改めて感じたのは、エリアトラウトの世界がいかに奥深く、そして誰もが楽しめるものであるかということです。チート系ルアーという少し刺激的な呼び名に反応して、「本当にそんな魔法のようなルアーがあるのか？」と疑問を持たれた方も多いでしょう。ですが、「チート」という言葉が悪い意味ではなく、あくまで「手軽に釣果を上げられる工夫がされたルアーの総称」なのだ、という点を強調したかったのです。特に、初心者の方が最初の一尾を釣り上げ、釣りの楽しさを肌で感じるための道具としては、非常に有効ではないかと思います。実際、今回取り上げた縦釣り用スプーンやフェザージグ、セニョールトルネードなどは、私自身も初心者の頃から頼りにしてきたアイテムばかり。そういった意味で、今回の記事は初心に返るような思いで書き上げました。

そもそもこの記事を書こうと決めた背景には、私自身の過去の釣行体験があります。会社の後輩が「休日をもっとアクティブに過ごしたい」と話していたので、真っ先に勧めたのが釣りでした。なかでも管理釣り場でのトラウト釣りは、比較的ハードルが低く、また自然と触れ合える絶好の機会。「ルアーを投げて魚を釣る」という一連の動作の中で、何が起こっているのか目で追いやすいのも、エリアトラウトの魅力だと思います。後輩に「とにかく釣って、釣りの楽しさを味わってほしい！」という気持ちが強かったので、最初に教えたのが縦釣り用の小さなスプーンでした。普通のスプーンの横方向のリトリーブよりも比較的シンプルで、ただ落として反応を待つだけでも釣果が出やすい。実際、後輩は緊張気味に竿を握っていましたが、最初のアタリを取った瞬間の驚いた顔は、今でもはっきりと覚えています。「本当に釣れるんですね！」と無邪気に喜ぶ姿を見て、私まで初心に返り、釣りの原点はこういうワクワク感なんだと再認識しました。

また、近所に住む方が同じ管理釣り場によく通っていたのですが、なかなか釣れなくて悔しい思いをしていたようで、私のところに「何かコツはありませんか？」と相談に来られたことがあります。私が伝えたアドバイスのひとつが、フェザージグなどの小さくてアピール力があり、かつアクションを強く加えなくても釣れるルアーを試してみてはどうかということでした。特にフライの要素を取り入れたフェザージグは、魚にナチュラルにアピールできる利点があります。飛距離こそスプーンに劣るかもしれませんが、縦に誘う使い方やボトムをトントンと探る釣り方など、状況に応じてアレンジできるのが魅力です。その方は最初、「自分の腕前では無理かも……」と消極的だったのですが、実際に使ってみると釣れるようになったと嬉しそうに報告してくれました。やはり初心者の方にとっては、まず一匹を釣り上げる体験こそが何よりの大きな一歩になるのだ、と強く感じたエピソードです。

実は私もエリアトラウトに熱中し始めた当初は、ルアーの種類にそこまでこだわりを持っていませんでした。どのメーカーの何gがいいのか、どんな色がいいのかも分からず、釣具店に行って店員さんのおすすめをそのまま購入することが多かったのを覚えています。ある日、常連らしき釣り人と話す機会があり、「セニョールトルネードっていうルアー、面白い動きで釣れるよ」と言われて試してみたところ、予想以上に反応が良くてびっくりしたものです。まるでワームやミミズのような、水中でくねるような動きが、警戒心の強いトラウトの興味を引いていたのでしょう。その時の店員さんも「そういうルアーこそ初心者におすすめしたいんだけど、名前がマニアックでなかなか手に取ってもらえないんですよね」と、ちょっと嘆いていたのが印象に残っています。それからというもの、私自身もチート系ルアーと呼ばれるアイテムを積極的に試すようになり、記事を書く中でも思い出しながらこれらのアイテムを紹介するに至りました。

私が個人的に一番推したいのは「初心者にこそ試してもらいたい」という点です。というのも、釣りは往々にして「難しそう」「経験がないと釣れなさそう」という先入観を持たれがちだからです。確かに、熟練者向けのハイレベルなアクションや、特殊なテクニックを要する釣り方は存在します。しかし、まずは安定して釣果を上げられるチート系ルアーを使いながら、釣りへの興味を深めてもらうことが大切ではないでしょうか。最初に小さな成功体験を得られれば、次はもう少し難しいスプーンを使ってみようとか、ロッドワークを研究してみようというモチベーションが湧いてきます。何より、釣れた瞬間の喜びが次の挑戦を後押しするのです。

今回の記事が、そんな新たな一歩を踏み出す方々の背中を少しでも押せるものであれば、これほど嬉しいことはありません。実際に管理釣り場やプールフィッシングなどでルアーを投げてみれば、チート系ルアーがいかに効率的に釣りの本質—魚との駆け引きと自然との触れ合い—を体感させてくれるか、実感していただけるはずです。もちろん、釣りには釣れる日と釣れない日があり、時には準備万端でも結果が出ないこともあります。でも、だからこそ釣れた時の喜びは一入であり、その積み重ねが釣りの醍醐味をより深く感じさせてくれるものだと信じています。

読者の皆様には、この記事をきっかけにぜひ気軽に釣りに挑戦してみてほしいと思います。チート系ルアーが「絶対に釣れる」魔法の道具だと誤解してしまうと、上手くいかないときに「なんで釣れないんだ！」とつい焦ってしまうかもしれません。しかし、その試行錯誤こそが、釣りを長く楽しむための大切なプロセスでもあります。まずはルアーの種類を変えてみたり、リトリーブスピードを調整してみたり、釣り場で出会った人や店員さんのアドバイスを参考にしたりしながら、自分なりの「釣り方」を見つけていくのは本当に楽しいです。

最後に、この記事をお読みの方々へ一つだけお伝えしたいのは、「興味を持ったら、まずは気軽に始めてみませんか」ということです。初心者の頃は誰だって緊張しますし、ルアーの名前や使い方を一度に全部覚える必要もありません。むしろ、実際にキャストしながら「これってどういうルアーなんだろう？」と疑問を持つことが、知識を深める第一歩だと思っています。ぜひ次の週末には、管理釣り場やエリアフィッシングのフィールドへ足を運んでみてください。チート系ルアーと呼ばれる心強い味方を手に、皆さんの新しい挑戦が、楽しい思い出へとつながっていくよう願っています。