エリアトラウトで、小型のスプーンやクランクとは違う反応を見たいときに使いたいのが、Valkeinのハイドラムです。70mmの細長いボディが連なって泳ぐ姿は、手に取ったときの大きさ以上に印象に残ります。
使い方の基本は、狙う深さに合うモデルを選んで、ゆっくりただ巻きすること。大型魚狙いで気になるルアーですが、大きな魚がいる池へ投げれば、それだけで釣れるわけではありません。
私自身、ハイドラムでレインボーを釣った経験に加え、追ってきた魚を小型スプーンへの交換で食わせた経験があります。魅力を感じるのは、釣果だけでなく、魚がどこから追い、どこで離れるかを見ながら次の一手を考えられるところです。
ここでは、元祖70mmモデルのフローティングとシンキングを中心に、使い分けと釣れないときの見直し方をご紹介します。
ハイドラムの特徴とF・Sの違い
4連ジョイントならではの泳ぎ
ハイドラムは、4つのボディが連なる70mmのジョイントルアーです。メーカーが「ライブウォブリング」と呼ぶアクションは、遅く巻くと大きくゆったり、速く巻くと細かく締まった動きへ変わります。
横浜の釣りフェスで泳ぎを見たときも、印象に残ったのはスローで動かしたときの姿でした。大きなルアーなので強く引いて動かすものだと思っていましたが、ゆっくりでもボディが連動する。その様子を見て、ただ大きさで目立たせるルアーではないと感じたんです。
大きさに加え、巻く速さで泳ぎの印象を変えられることが、ハイドラムを使う面白さだと思います。
フローティングとシンキングの選び方
選ぶ基準は、魚に見せたい深さです。フローティングのFは止めると浮き、シンキングのSは沈むため、同じように巻いていても扱い方が変わります。
| 項目 | ハイドラムF | ハイドラムS |
|---|---|---|
| 全長 | 70mm | 70mm |
| 重量 | 3.7g | 4.0g |
| タイプ | フローティング | シンキング |
| 標準フック | ジャイロフック #5 | ジャイロフック #5 |
| 公式掲載価格 | 2,200円(税込) | 2,200円(税込) |
仕様・価格は2026年10月2日に確認したハイドラムF公式製品ページ、ハイドラムS公式製品ページによります。別サイズや限定カラーを購入する場合は、商品ごとの仕様と価格を確認してください。
Fは浮くルアーですが、巻けばリップが水を受けて潜ります。「フローティング=水面だけ」と考えない方が使い分けやすいです。メーカーが示す実用的な潜行深度はFが80cm、Sが100cm。Sは沈めて、さらに深い層も探れます。これらは目安で、ラインや巻き方によって通る深さは変わります。
私なら、浅い層をゆっくり見せるならF、沈めて下の層を探りたいならSを選びます。魚が見える深さと、ルアーが通る位置を合わせて考えると迷いにくくなります。
ハイドラムの使い方は、ただ巻きから
最初に足元で泳ぐ速さを確かめる
初めはロッドで大きく動かさず、一定の速さで巻くところから始めます。水中が見える場所なら、少し離れた足元でボディの動き方を確認しておくと、その後の操作が分かりやすいです。
メーカーの高島の泉での実釣解説では、ハンドル1回転に2〜3秒ほどかけるゆっくりしたただ巻きを目安にしています。ただし、リールによって1回転の巻き取り量は違います。秒数に合わせることより、ルアーがどんな姿で泳いでいるかを見てください。
私も、ゆっくり巻こうと意識しすぎて、ハンドルを回す手が止まりかけたことがありました。岸寄りまで追ってきた魚を見て、食わせようとさらに遅くすると、Fが浮き上がって魚との位置がずれてしまったんです。
次のキャストでは速さを極端に落とさず、同じリズムで巻きました。追ってくる魚はいましたが、結局その場では食わせ切れませんでした。それでも、「遅く巻く」と「途中で止まりそうになる」は違うと分かったのは収穫でした。
巻き方のポイント
まず一定速度を基準にして、魚の反応を見て少しずつ変えると、何が違ったのかを判断しやすくなります。
Sは沈める時間もそろえて比較する
Sを使うときは、着水してから巻き始めるまでの時間も調整できます。最初は短く待って巻き、反応がなければ、次のキャストで少し長く沈めてみます。
このとき、沈める時間と巻く速さを同時に大きく変えないのがコツです。同じ方向へ投げ、まず沈める時間だけを変えると、反応した深さを絞り込みやすくなります。カウント数をそのまま水深の数値に置き換えることはできません。
底や障害物に触れるなら沈めすぎです。Sだから底まで落とさなければいけないわけではなく、狙う魚の位置へ通すために使います。
ハイドラムで釣れないときに見直すこと
釣れない原因を、魚が小さいことだけで決めてしまうのはもったいないです。「追わない」「追うけれど食わない」「触るのに掛からない」を分けて考えると、変更する場所が見えてきます。
追ってこないなら、まず通す深さと方向
水中が見えるのに魚がまったく反応しないときは、カラー交換の前に魚のいる層を通せているかを確認します。魚が下にいるのに上ばかり引いているなら、Sへ替えて沈めるのも一つの方法です。
反応が見えない場合も、一方向へ同じキャストを繰り返すだけでなく、自分の釣り座から無理なく狙える範囲でコースを変えてみます。ただし、水が濁っていると「追っていない」のか「見えていない」のかは区別できません。目視できることだけを前提に判断しないようにします。
追うけれど食わないなら、速度を一段変える
魚が後ろについてくるなら、そのルアーに反応はしています。私はここで、すぐ別の色へ替える前に巻く速さを少し変えてみたいです。
ゆっくり見せて追わせたのに距離が詰まらないなら、わずかに速める。逆に、魚がついてこられないようなら落とす。どちらも大きく変えるより、魚とルアーの間隔がどう変わるかを見ながら試します。
それでも食わないときは、サイズを落とす選択肢を残します。「大きいルアーで反応したのだから、最後までこれで釣らなければ」と粘りすぎる必要はありません。
魚が小さいことと、食べているエサの大きさは別
70mmのシルエットが合わず、小型スプーンの方が食わせやすい場面はあります。ただ、魚の体長だけでルアーの適性は決められません。
「マッチ・ザ・ベイト」は魚自身の大きさに合わせるという意味ではなく、その魚が食べているエサにルアーの大きさや姿などを近づける考え方です。エリアでは、それに加えて魚の反応を見ながら選びます。
小型スプーンも用意しておけば、ハイドラムに追いがあるのに食わせ切れないとき、別の見せ方を試せます。
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触るのに掛からないなら、フックも確認
何度も触っているのに掛からないときは、魚のサイズを疑うだけでなく、フックポイントの鈍りやライン絡みも見ます。ジョイント部分にラインが絡んでいれば、泳ぎも変わってしまいます。
フックやリングを交換すると、重さによって浮き方や沈み方が変わることがあります。まず標準仕様を基準にし、交換後は足元で姿勢と泳ぎを確かめると安心です。「純正以外は使えない」という意味ではありません。
大型トラウト狙いと、小型スプーンへのつなぎ方
大物狙いの管理釣り場でハイドラムを投げていたとき、釣り仲間に、その大きさで本当に釣れるのかと驚かれたことがあります。ところが数投後にレインボーがヒットし、無事にキャッチ。後から試した仲間にも大型のブラウンが釣れました。
こういう経験があるので、大きなルアーを投げる面白さはよく分かります。ただ、大型魚だけを選んで釣れるルアーとは考えていません。イトウが放流されているから必ず有効、とも言い切れないでしょう。その日の魚が、この大きさと泳ぎにどう反応するかが先です。
私がもう一つよく試すのが、ハイドラムを追ってきた魚に、小型スプーンを見せる釣り方です。
実釣で印象に残ったこと
派手な色のハイドラムを引いてきたとき、追ってきた魚が岸寄りで止まり、ルアーのあった方を向いていました。もう一度同じように通しても、距離を詰めるだけで口を使いません。
そこで小型スプーンへ替え、魚の真上に落とさず、少し先へ投げてその付近を通しました。ハイドラムでは最後の一口につながらなかった魚が、今度はスプーンにアタックしてきたんです。
この経験は印象的でしたが、「魚が近くに残っている」と確認できたときの交換として考えています。ハイドラムを投げれば池全体の活性が上がる、魚を自由に集められる、という意味ではありません。
追ってきた魚がそのまま沖へ戻ってしまうなら、同じ手順を繰り返しても狙いは定まりません。ハイドラムでそのまま食わせるか、小さくして見せ直すか。魚の残り方を見ながら選ぶのが、この釣り方の面白いところです。
おすすめカラーは、まず自分が見やすい色
私が選びたいのは、チャート、イエロー、ピンクなど、水中で位置を追いやすい色です。単純に派手な色ほど釣れるからではなく、ルアーと魚の距離を見やすいことが理由です。
ハイドラムを見ているつもりでも、魚が近づくと、ついそちらへ目が移ります。私も追ってくる魚に気を取られ、ルアーが浮き始めたことに気付くのが遅れたことがありました。見やすい色なら、魚だけでなくルアー自身の位置も追い直しやすいです。
ただし、濁りや光の反射が強いと、明るい色でも見えなくなります。遠くまで必ず見えるわけではありませんし、人に見やすい色が、その日の魚に最も好まれるとも限りません。
最初の1個は見やすさを優先し、追いはあるのに見切られるなら、手持ちの落ち着いた色も試す。この順番なら、人気色を何個も買う前に、自分の釣り場で必要な色を考えられます。
価格と、購入前に確認しておきたいこと
70mmのF・Sは、確認時点の公式掲載価格がどちらも税込2,200円です。実売価格や限定カラーの価格は販売店の商品表示で確認してください。
スプーンと比べれば、1個の金額はやはり気になります。私としては、色を一度にそろえるよりも、使いたい深さに合うモデルを1個選び、泳ぎを覚えるところからでよいと思います。
人気色だからといって、割高な転売品にすぐ手を出したくはありません。まず通常販売の価格と在庫を確認し、自分が見やすい色から選びたいところです。
もう一つ、購入前に確認したいのは釣り場のルールです。使用できるルアーのサイズやフックの条件は施設ごとに違うため、70mmモデルを持ち込めるかを確認してください。
⚠ 注意:手持ちのロッドの適合ルアー重量も確認します。適合範囲を超えるルアーを無理に振り抜かず、Fの3.7g、Sの4.0gを扱えるタックルで使いましょう。
まずは泳ぎと魚の追い方を見てみよう
ハイドラムを初めて使うなら、足元で泳ぎを見てから、一定速度のただ巻きで反応を探してみてください。浅い層ならF、沈めて探るならSが選択の出発点です。
釣れないときは、深さ、速度、サイズや色を一つずつ変えると、次に何を試すかが見えやすくなります。追ってきた魚を見られる状況なら、離れる位置まで観察すると面白いですよ。
あとがき
ハイドラムに興味を持ったきっかけを振り返ると、秋口にイトウが放流された管理釣り場へ出かけたときのことを思い出します。その日は小型ルアーでアタックを得てもバラシが続き、思うように釣果を伸ばせませんでした。もっと違う見せ方はないのか。そんな気持ちで道具を探していたときに、釣り仲間からジョイント系のルアーを教えてもらったんです。
ただ、今考えると、小さなルアーでうまくいかなかった理由と、大きなルアーを使いたくなった理由を、少し急いで結び付けていた気もします。バラした原因がサイズだったのか、掛かり方だったのか、その場ではきちんと整理できていませんでした。それでも新しいルアーなら何かを変えてくれる気がして、つい期待が大きくなる。道具を探しているときの自分には、そういうところがあります。
横浜の釣りフェスでハイドラムの動きを見た時間は、その期待を少し具体的にしてくれました。写真で見ていたときは連結された長いボディに目が向いていましたが、水の中では各部が別々に暴れるのではなく、一つにつながった動きに見える。その姿を見ていると、どんな魚が後ろにつくのか、自分の行く池ならどこを通したいのかと考えてしまいました。
もちろん、展示の小さなプールで見る泳ぎと、実際の池でラインを伸ばして引く泳ぎは同じ条件ではありません。それでも、自分の目で動きを確かめると、試したいことがはっきりするのは確かです。売り場で色を選んでいるだけでは、そこまでは考えられていなかったと思います。
釣り仲間と出かけた日にレインボーが釣れ、その後に仲間がブラウンを釣ったことも、ハイドラムを使う楽しさとして残っています。自分だけが釣ったなら、たまたまだったのかなと思って終わったかもしれません。隣で別の人が使って魚を掛けると、自分の巻き方と何が違うのかまで気になってきます。同じルアーを使っていても、人の釣りを見ると、自分が見落としていた操作があるように感じるんです。
一方で、魚がついてくる様子を見られるようになると、それはそれでもどかしさがあります。もう少しで食いそうだと思い、巻く速さを変えたり、もう一度投げたりする。それで食わなければ、小型スプーンへ替えるか迷います。何も見えていなければ早く交換していた場面でも、魚の姿が見えた分だけ粘ってしまいます。
その迷いをなくしたいというより、今は、何に期待して投げ続けているのかを自分で分かっていたいです。まだ魚が距離を詰めているのか、同じところで離れるだけなのか。釣れそうという気持ちと、実際に見えた反応を分けて考えることは、ハイドラム以外のルアーを使うときにも役立つと思っています。
次に持っていくときも、まずは魚が追う様子を落ち着いて見たいです。釣れた1投だけでなく、追ったのに離れた1投も覚えておく。その違いを少しずつ説明できるようになる方が、人気の色を増やすより、自分には面白い使い込み方だと感じています。




