グレ・メジナ釣りのウキは種類が多く、色や浮力の表示を見ているだけでも悩ましいものです。
迷ったら、まずは流す距離で見える円錐ウキを選び、色と浮力を釣り場で合わせるところから始めると分かりやすいでしょう。オレンジを基準に、見づらいときのイエローやグリーン系を用意すると、色の違いもつかみやすくなります。
私も神子元島でウキの見え方に悩み、色だけでなく、道糸の取られ方や仕掛けの入り方を見るようになりました。ここではカラーの使い分けと、元々使ってきたグレウキの選びどころをみていきましょう。
グレウキは色・大きさ・浮力を分けて選ぶ
グレウキを選ぶときは、見えるか、届くか、仕掛けがなじむかを分けて考えると整理できます。色が見やすくても、狙った場所まで届かなければ使いづらいですし、大きくて見えても仕掛けの浮力が合わなければアタリを読みづらくなります。
| 選ぶ項目 | 最初に見るところ |
|---|---|
| 色 | 海面の背景と区別できる色。オレンジを基準に別色を比較 |
| 大きさ・自重 | 流す距離で追え、狙う場所へ仕掛けを届けられるもの |
| 浮力 | 使うガン玉と仕掛け全体の重さに合わせて調整 |
初めてウキを浮かせて釣るなら、B〜3B程度を候補にして、使うガン玉に合うものから始めると調整を覚えやすいと思います。0号や00号は、軽い仕掛けや沈める釣りを試す段階で加えても遅くありません。
ただし、Bや3Bはウキ本体の重さではなく、オモリ負荷を示す表示です。遠くへ投げたいからといって、浮力の大きい号数に替えればよいわけではありません。遠投では自重と形状も見ます。
同じ号数でも、ハリ・ハリス・サルカンなどを付けた状態で浮き方を確認するのが基本です。表示どおりのガン玉を付けることだけにこだわらず、実際に使う仕掛けで合わせてください。浮力の考え方は釣研のウキ選びの解説も参考になります。
グレウキのカラーは海面での見やすさを優先する
円錐ウキには、トップが蛍光色で、下側が黒や紺などの落ち着いた色になっているものが多くあります。釣り人が見る部分と、水中に入る部分で色を分けた作りです。
ただ、下側が暗ければグレから見えなくなる、とまでは考えない方がよいでしょう。ウキの影や動き、仕掛けの引っ張られ方もあります。浅いタナで食わないときに、原因を色だけに絞ってしまうと、サシエの流れ方を見落としてしまいます。
釣り人側では、一瞬見える色より、流している間に位置と動きを追える色を選びたいところです。店内で鮮やかに見えた色でも、海面の反射に入ると輪郭が分からなくなることがあります。
赤・オレンジとイエロー・グリーンの使い分け
最初の基準にはオレンジが使いやすく、朝夕や曇天で暗く感じるときにはイエローやグリーン系が候補になります。逆光では赤系が見やすい場合もありますが、空の明るさだけでなく、ウキの背景になる海面の色も見て選びます。
同じ曇り空でも、白く光る海面と、磯の影が落ちた暗い海面では見え方が違います。偏光グラスを掛けたときの見え方や、自分の目の慣れもあるので、「晴れは必ず赤、曇りは必ず緑」と固定しなくても大丈夫です。
シマノのグレ釣りのウキ選びの解説でも、初心者にはその状況で見やすいカラーを選ぶ考え方が紹介されています。
実釣で感じたこと
神子元島で韓国人の友人、平和プロと釣りをしたときにも、ウキが潮筋を流れる途中で見え方が変わりました。沖へ出るにつれて海面の反射に紛れ、沈んだのか、波の裏へ隠れただけなのか迷う場面がありました。
そこで私はグリーン系を試しました。暗く見える水面では位置を追いやすくなりましたが、白く光る場所ではやはり見失います。見つけ直したときには、横風でふくらんだ道糸に引かれ、ウキだけがマキエの筋から外れていました。
色を替えたうえで道糸を置き直すと、流れる方向を追いやすくなりました。見えるようになって初めて、仕掛けがずれていることに気付けたのです。色替えは、魚に食わせる操作を続けるためにも役立つと感じました。
沈め釣りでは色だけを頼りにしない
水中に入れたウキは、水の透明度や光の当たり方、沈める深さで見え方が変わります。グリーン系が追いやすい場面はありますが、「何メートルならこの色」と一律には決められません。
また、全遊動はウキ止めでタナを固定せず仕掛けを送る釣り方で、必ずウキを深く沈めるという意味ではありません。水面付近でウキを見ながら釣る場合と、ウキごと沈めて探る場合を分けて考えます。
ウキを沈めて見えなくなったら、道糸の走りや張り、穂先に出る変化も手掛かりになります。無理にウキを探し続けて糸ふけを増やすより、仕掛けとのつながりを保っておきたいところです。
艶消しトップと2色のウキ
艶消しのトップは、表面の強い反射を抑えたいときの候補です。元記事で紹介しているTGウェーブマスターやTGピースマスター遠投にも艶消しの蛍光色が使われています。ただ、艶消しでも海面そのものの反射は消せません。
イエローとオレンジなど、2色に塗り分けたウキは、色の境目を目安に浮き方の変化を見られます。姿勢を読み取りやすくする目的の製品もあり、単色とは違った情報が得られるのが面白いところです。
ただし、横に傾いたら必ずグレのアタリ、というわけではありません。道糸の張りや波でも姿勢は変わります。なじんだときの普段の姿勢を先に覚えておくと、いつもと違う動きを拾いやすくなるでしょう。
円錐ウキと棒ウキは見る角度で使い分ける
グレ釣りでも棒ウキは使えます。特に穏やかな湾内などで、横からトップの出入りを見たいときには選択肢になります。低い位置から遠くを見るならトップの高さ、上から見るなら見える面積も比較してみてください。
円錐ウキは上から位置を確認しやすく、棒ウキは水面から出たトップの動きが分かりやすいのが使い分けの入口です。ただし、感度や飛距離は形だけで決まりません。残っている浮力や自重、仕掛けとの組み合わせで変わります。
穏やかな湾内で棒ウキを使ったとき、トップが少し押さえられて戻る動きは見やすく感じました。ところが風が出ると、トップが傾いたまま流れ、同じ動きをアタリと判断しにくくなりました。
道糸を張り直しても落ち着かなかったので円錐ウキへ替えると、上下の細かな動きは小さくなったものの、流す位置は追いやすくなりました。小さな動きが見えることと、釣りを続けやすいことは別だと感じた場面です。
棒ウキでは、投入時にハリスがトップや接続部へ絡まないようにも気を配ります。風や波がある日は形だけでなく、回収した仕掛けが絡まずに戻ってくるかも見てください。
棒ウキの種類や選び方はこちらの記事でも紹介しています。
グレが釣れる棒ウキ紹介。おすすめの最強ウキで好釣果間違いなし!
おすすめのグレウキと選びどころ
ここでは、汎用性、遠投、浮力の微調整という使い方から4種類を紹介します。今のウキで困っていることに合う機能を選ぶと、似たものばかり買い足さずに済むと思います。
釣研 ゼクトシリーズ
ゼクトは、私がグレ釣りの候補に挙げたい円錐ウキの一つです。まずは普段流す距離で見えるサイズを選び、同じモデルの浮力違いで釣りを組み立てたいときに考えます。
私の場合、違う形のウキへ次々と替えるより、見慣れた形で浮力を変えた方が、なじみ方の違いをつかみやすく感じます。ゼクトを選ぶときも、競技で使われることより、手元の仕掛けで浮き方を覚えられるかを重視したいところです。
シリーズ名が似ていても、サイズやモデルが違えば使い心地は変わります。近場で使うものと遠投用を同じ感覚で選ばず、釣研の製品一覧や商品名のサイズ表記を見比べてください。
デュエル TGウェーブマスター
TGウェーブマスターは、中ぶくれの形状と低重心設計を採用したウキです。トップは艶消しオレンジで、S・M・ML・Lのサイズがあります。仕様はデュエルの製品ページで見比べられます。
私なら、まずは基本のウキを一つ決めて使い込みたいときに候補にします。機能の多さを追うより、普段の浮き方と、仕掛けを張ったときの動きを覚えるために選びたいウキです。
一方、小さいサイズを選べば遠くでもよく見えるわけではありません。ウキを見失ってから慌てて糸を張るようなら、浮力だけでなくサイズの選び直しも必要でしょう。
デュエル TGピースマスター遠投
平和卓也氏の考えを反映し、投げることと潮に乗せて流すことに重点を置いたモデルです。M・Lがあり、ピースグリーンとシャイニングオレンジの設定があります。蛍光色部分は艶消しです。
狙いが沖の潮筋なら、仕掛けを届けた後まで追えるかを重視して選びたいと思います。遠くへ届くことばかり気にして、投入後のウキを見失っては流し方を直せません。
神子元島で感じたように、沖へ流すほど手前の道糸が受ける影響も気になります。このウキを使うときも、マキエの届く範囲と糸を操作できる距離を考えたいところです。近い磯際だけを探る日なら、遠投性能を優先する必要はありません。
カラーごとの浮力設定などはTGピースマスター遠投の製品ページで選べます。
シマノ ファイアブラッド ゼロピット DVC TYPE-A
私がこのウキで便利だと感じたのは、シリンダーを回して浮力を微調整できることです。DVCは気室の大きさを変えて浮力を調整する仕組みで、細かな沈み加減を詰めたい場面に向いています。
磯で使ったとき、仕掛けがなじんでもトップが思ったより残り、もう少し落ち着かせたい場面がありました。回収して少しずつ調整すると、ウキの沈み始めを追いやすくなり、細かなアタリに合わせられたのを覚えています。
ただ、一度に浮力を落としすぎたときは、仕掛けの入り方を見る前にウキを見失いました。それからは、少し回しては一投流すようにしています。微調整できるだけに、回せば回すほどよくなると思わない方が使いやすいです。
DVCはウキ側の浮力を変えますが、ガン玉は付ける位置によってハリスの張りや沈み方にも関わります。DVCの調整だけで、ガン玉の役割をすべて置き換えられるわけではありません。調整幅を超える変更では、ウキの号数や仕掛け全体を見直します。
TYPE-Aを買い足す場合は、手持ちと同じ型番・サイズかを見てください。DVC付きでも別モデルの仕様をそのまま当てはめず、シマノのDVC構造解説で仕組みをつかんでおくと調整の意味が分かりやすいでしょう。
ウキを替える前に確認したいこと
ウキが見えない、アタリが分からないというときは、見え方、道糸、浮力の順に原因を絞ると次の手を決めやすくなります。
確認する順番
- 色が背景に紛れるなら、別の色や見える面積の大きいサイズを試す。
- ウキがマキエの筋から外れるなら、道糸が風や手前の潮に引かれていないか見る。
- 仕掛けがなじんでもトップが出すぎる、またはすぐ沈むなら、ガン玉と浮力のバランスを見直す。
私は色と号数とタナを一度に変えて、何がよかったのか分からなくなったことがあります。まず一つ変え、同じ流し方で違いを見る方が、次の釣りでも判断しやすくなりました。
ウキを替えてすぐ釣れなくても、仕掛けを追えるようになったかは確認できます。回収したサシエの残り方も見ながら、次にタナや投入位置を調整していきます。
⚠ 注意:ウキを追って足場を移動しない
見やすい角度を求めて、波をかぶる場所や磯の先端へ出ないでください。安全な釣り座のまま、色・サイズ・流す範囲を変えるようにします。磯ではフローティングベストと磯靴を着用し、渡船の船長の指示に従ってください。神子元島の渡船でも装備と出船前の相談について案内されています。
まとめ
グレウキは、見やすい色を選び、狙う距離に合う大きさと、仕掛けに合う浮力を組み合わせると使いやすくなります。
最初から種類を増やしすぎず、基準にするウキを決めて、困った場面に合わせて買い足すのがおすすめです。色替えで解決することと、道糸やガン玉を直すべきことを分けてみると、手持ちのウキにも使いどころが見つかると思います。
あとがき
ウキを選ぶとき、今でも釣具店の棚の前で迷います。同じように見える形でも、色が少し違うと使ってみたくなりますし、いつも使っているものの隣に別の浮力が並んでいると、これがあれば困らなかった日があったような気もしてきます。
ただ、以前より考えるようになったのは、その日の何に困ったのかを覚えて帰ることです。釣れなかったという記憶だけで買い物をすると、どのウキもよく見えてしまいます。見えなかったのか、届かなかったのか、仕掛けをなじませられなかったのか。それを言葉にできると、次に買う理由がはっきりしてきます。
平和卓也プロの話を釣具店の講演会で直接聞いたことも、道具の見方を考えるきっかけになりました。色や使い分けの話を聞いたときは、知っていることが増えただけで、少し釣りが上手になったような気分になったものです。けれど海へ出ると、話を理解していることと、自分の仕掛けで判断できることには、まだ距離がありました。
韓国人の友人と平和プロと一緒に行った神子元島でも、友人とウキの見え方について話したことを覚えています。同じ海面を見ていても、自分が見失ったものを友人は追えている。私は色のせいだと思いたくなりましたが、見ている位置や、流している距離まで同じだったわけではありません。
そのとき少し悔しかったのは、ウキをいくつも用意していたのに、替える理由をうまく整理できなかったことです。持ってきた道具を試したい気持ちもあり、気付けばウキケースを見る時間が増えていました。沖の潮が気になるのに、手元の道具にも気を取られる。せっかくの神子元島で、自分から釣りを忙しくしていたと思います。
今になって振り返ると、あの場で欲しかったのは別の一個だけではありませんでした。今使っているウキが普段とどう違うのかを見る余裕も足りなかったのです。浮き方を覚えているつもりでも、見失ってから探し始めていたのでは、小さな変化を比べることができません。
ポイント釣具店で店員さんにウキの話を聞いた経験もあります。以前ならおすすめの商品名を覚えることに気持ちが向いていましたが、今は自分が見づらかった海面や、使っていた仕掛けも伝えたいと思うようになりました。こちらの困り方が曖昧なままでは、せっかく教えてもらっても、持ち帰った道具を同じように使って終わってしまうからです。
もちろん、慣れたウキならいつも釣れるわけではありません。見やすくなったのにサシエが残ったまま戻ることもありますし、浮力を詰めたつもりが扱いづらくなることもあります。そういう日は、道具を替えたことと魚が食ったことを、簡単に一つの理由に結び付けないようにしています。
それでも、ウキがいつもと違う沈み方をして、それに気付いて合わせられたときはうれしいものです。魚の大きさとは別に、自分が見て判断したことが一つつながった感じがあります。浮力を少しずつ調整できるウキが好きなのも、その違いを自分の目で確かめたいからなのだと思います。
次の釣りでは、替える前の一投をもう少し丁寧に見るつもりです。新しいウキを試す楽しみは残しながら、今使っている一個で何が分かるのかも覚えていきたい。ウキケースを開けたときに、名前や値段より先に、あの日の海面と使いどころが浮かぶようになるといいですね。






