紀州釣り・ダンゴ釣りをする上で、ウキは魚のあたりをとるための重要な役割をしています。
様々な種類のある紀州釣りのウキについて選び方やおすすめのウキなどを見ていきましょう。
目次
紀州釣り・ダンゴ釣りのウキの種類
紀州釣り・ダンゴ釣りのウキの形状は主に3種類あります。
ダンゴウキの種類
・寝ウキ
・玉ウキ
・棒ウキ
それぞれによく使う場面があり、得意不得意とする釣り方があります。
ここからはさらに詳しく紀州釣りのウキについて見ていきましょう。
寝ウキ
普段、棒ウキを使用している人からするとウキが寝ている状態というのに違和感を感じるかもしれません。
寝ウキの特徴としては以下のようになります。
寝ウキの特徴
・高い浮力があり深い水深でも対応可能
・ウキが寝ているので、風の影響や潮の影響を受けにくい
・浮力はあるが軽量であるため、柄杓を使った遠投に対応している。
寝ウキを使うときには、遠くのポイントや深い場所、潮の流れや風のある場所などややシビアなコンディションの時に使われることが多いです。
おすすめの寝ウキ
TEAM 釣武者 超ねうき T-I
超ねうきはアタリの感度を極限まで高めた寝ウキで、シンプルながら万人に使いやすいウキとなっています。
風や波があってもうまく避けて受け流してくれるので、仕掛けが引っ張られている感じもありません。
サイズやカラーは好みになりますが、そこまで高いウキでもないので、サイズ別に2,3本持っておいてもいいかと思います。
釣り武者以外の寝ウキであれば、キザクラの寝ウキがあります。
キザクラ(kizakura) キザクラ寝ウキ 2
キザクラの寝ウキも高感度なウキでトップのオレンジが見やすく、ボディーはイエローでやや丸みがあり、アタリがあった時のウキの立ち上がりが早いのが特徴的です。
体積が大きいので風や波の影響を受けやすいので釣り場の天候を選ぶかと思います。
玉ウキ
玉ウキは余計なものを取り除いたベーシックなウキです。
糸がらみが少なく、小型で軽量のため、遠投が可能です。
ただし、小さいので遠投した際には見えにくくなる可能性があります。超遠投ではなく、竿2本分ぐらいのやや沖を攻めるときには使いやすいでしょう。
そこそこの浮力があり、トラブルも少なくどんな場所でも使いやすいウキの一つです。
紀州釣りやダンゴ釣りを始めるのであれば、まずは玉ウキを使ってみるのがおすすめです。
玉ウキはニジマスのエサ釣りで使われるようなゴム管に差し込むものではなく、スイベルや管がついたものを使用します。
これは、ウキ止めを使って深い水深の時にも対応できるようにするためです。
私はシモリ玉に穴をあけて、スイベルを差し込んで玉ウキを自作して使っています。
ナカジマ 蛍光シモリ 7号
蛍光シモリの7号か8号に千枚通しなどで穴を広げてマイナスドライバーで穴を大きくします。
底にスイベルを差し込んで瞬間接着剤を流して固めれば、300円ほどで玉ウキを作ることができます。
玉ウキは非常に万能で、よく飛んで深場でも使えるので、初心者にも扱いやすいウキです。
棒ウキ
棒ウキは感度に優れたウキで、小さなあたりをとりたいときに使います。
食いが渋い時や、遠投を必要としない、浅い場所などで使います。
居食いするような場合や、エサ食っても離してしまう場合など食い渋り時に最適です。
浮力は少なく、トップが水面に出ているので風に流されやすいというデメリットがあります。
おすすめの棒ウキ
個人的に一番おすすめしたいのは遠矢ウキのTD45というウキです。
見た目のわりに軽く、繊細なあたりをとることができ、遠投しても見やすいトップとなっています。
しかし、どこでも購入できるウキではなく、通販でもほとんど購入することができないので、そういうウキもあるのだと参考程度にしていただければと思います。
一般的に手に入る棒ウキのおすすめとしては、永易ウキもしくはヤマセウキでしょう。
永易ウキは永易氏考案の紀州釣り専用ウキで、肩部のソロバン状の発泡が波の動きを捉え波乗りを良くします。軽く適度な浮力で中級者から上級者向けのウキといえるでしょう。
値段がやや高価で3600円~4200円ほどの価格となっています。
さすがに少し高いという人であれば、同一の形状でヤマセウキという紀州釣り用のウキがあります。
こちらは3000円ほどで、やや永易ウキよりも安くなっています。
安いからと言ってウキが悪いかというと全くそんなこともなく、むしろ安いし使いやすいので、こっちの方がいいという人もいます。
発泡素材にしっかりとしたウレタン塗装がされており、手作りのウキです。
耐久性の面では永易ウキよりも丈夫という人もおり、棒ウキで迷ったら、まずはヤマセウキを使ってみるのもいいのではないかと思います。
私は内湾であれば、まず、このヤマセウキからスタートします。
餌取りの有無も把握しやすく、紀州釣りを始めようと思う人にも使いやすいウキだと言えます。
紀州ウキの選び方
それではどのようにしてウキを選んでいけばいいかを見ていきましょう。
私の中では、主に浮力によってウキを選択します。
水深が深いほど高浮力でしっかりとしたものを使い、浅いほど感度の高い細いウキを使います。
湾内や浅場所
波の影響があまりなく、水深5mほどの場所の場合は、棒ウキがおすすめです。
トップのメモリが見やすく抑え込むような小さなあたりを表現できます。
堤防周り
水深10mほどまでであれば玉ウキが万能で使いやすいでしょう。
ライン絡みなどのトラブルが少なくとても扱いやすいです。
ただし棒ウキに比べて感度が悪くなる傾向にありますので、エサ取りのあたりを消して大きなアタリに絞り込みたいときにおすすめです。
深場や磯周り
波の影響や風の影響を受けやすい釣り場であれば、寝ウキがおすすめです。
高い浮力で軽量なため遠投ができウキが寝ているので風の影響も最小限に抑えられます。
紀州釣りを釣る上では、バランスの取れたウキと言えるでしょう。
せっかくウキを使うのであれば、紀州釣りにはダンゴ柄杓があったほうがいいかと思います。
ダンゴ柄杓があるだけで、30m以上遠投することができ、楽に釣りをすることができます。
おすすめのダンゴ柄杓
釣武者 永易 ダンプリングオウガ ダンゴ杓 900
チタンカップで先端が計量で、ホールがあるのでヒシャクが転がらずに安定して置くことができます。
グリップの作りもしっかりとしており、余裕のある人はぜひ持っておきたいヒシャクの一つです。
全体的に軽く、シャフトもしっかりしているので、安定して使うことができます。
飛距離的には、30mほどは軽く投げても飛んでくれます。
さすがにこれは高すぎるという人であれば、第一精工のダンゴ柄杓があります。
第一精工のダンゴ柄杓
こちらでも遠投は可能です。
やや重く、取り回しが悪いところがありますが、非常に安く、それなりに使えて初心者から中級者まで使えるダンゴ柄杓です。
ダンゴ柄杓を使ったことがない人は、まずはこちらのダンゴ柄杓を使ってみて、もっといいものが欲しくなれば、ダンプリングオウガのような柄杓を使うものいいでしょう。
まとめ
ここでは紀州釣り・ウキダンゴ釣りのウキについてご紹介してきました。
釣り場やその日の魚の状況を考慮して、使いやすいウキを選んでみてください。
自分の釣りのスタイルができれば、ウキ選び自体も楽しくなることでしょう。
ダンゴ柄杓を使ったことがない人は、是非ともダンゴ柄杓も使ってみることをおすすめします。
【あとがき】
今回の記事では、紀州釣り・ダンゴ釣りにおいてウキの選び方や活用方法についてまとめてきました。書き終えた今、改めて「ウキ」という存在がいかに奥深く、釣りの結果を左右するキーポイントであるかを再認識しています。最初は「紀州釣りをはじめる人へ向けて、基本的なウキの種類を知ってほしい」というシンプルな意図で執筆を始めたのですが、実際に書き進めるうちに、自分自身がウキ選びによって釣果の差を体感してきた過去の経験や、釣りにおける状況判断の面白さを思い返す場面が多々ありました。ウキはただ浮いているだけではなく、使用する方にあわせて自由に組み合わせができるツールであり、そこに釣りの醍醐味と奥深さが詰まっているのだと感じています。
さて、ここからは今回の記事執筆に至った背景や、私自身が実際に釣行で得たエピソードなどを共有させていただきたいと思います。文章量は多くなりますが、なるべくリアルにお伝えすることで、読者のみなさんが“次はどんなウキを試してみようかな?”とワクワクするきっかけになれば幸いです。
まず、私が紀州釣りに深くハマった一つのきっかけは、家島の真浦一文字への遠征でした。兵庫県の姫路市から渡船で向かう必要があるその場所は、波止の規模も広く、初心者からベテランまで楽しめると噂で聞いていたのです。シーズンまっただ中の時期だったこともあり、私自身も「ここでしっかりダンゴ釣りを習得したい」という気持ちが高まっていました。特に初めての遠征ということもあり、現地の渡船屋の船長から「朝イチの潮のタイミングを逃したら、チヌの活性が下がるから気をつけや」というアドバイスを受け、眠気と戦いながら日の出前に準備を整えたのをよく覚えています。
真浦一文字に着くと、まずはその開放的な景色に圧倒されました。周囲を海に囲まれ、遠くにはほかの家島諸島が見えます。堤防からの眺めがとても気持ちよく、「これだけの広さがあればウキを自由に投げ込めるぞ」と胸が高鳴りました。当時は棒ウキと寝ウキをメインに使っていたのですが、深めのポイントを狙うために寝ウキを多用しました。船長が言っていたように、朝イチは確かに魚の活性が高く、やや遠投したポイントに落としたダンゴが割れた瞬間、寝ウキがスッと立ち上がる小さな動きを見逃さずに合わせると、良型のチヌが釣れたのです。
あのとき実感したのは、寝ウキは遠投性に優れているだけでなく、潮や風の影響を最小限に抑えてくれるという点でした。真浦一文字は想像以上に潮流が速いときもあり、潮の角度によっては仕掛けが大きく持っていかれてしまいます。しかし、寝ウキは常に倒れた状態で水面に接しているため、風にあおられたり、不要な抵抗を受けたりするリスクが低く、結果的に違和感の少ない自然な誘いを演出できるのだと、体感をもって理解できました。逆に、比較的浅い場所をピンポイントで狙うときには玉ウキや棒ウキも活躍します。真浦一文字でも、時間帯やポイントによっては浅場にチヌが回遊してきて、ダンゴに素早くアタックしてくることもあります。そんなとき、棒ウキの繊細な動きでアタリを捉えられると、釣り人としては大きな快感を得られます。
また、この遠征の際、同じ堤防にいらした釣り仲間との何気ない会話も印象的でした。私より年配の方だったのですが、棒ウキの選び方について尋ねると「昔は永易ウキばっかり使っていたけど、最近はヤマセウキの浮力や耐久性が自分の釣りスタイルに合うんだよね。値段も手ごろだし」という情報を教えてくださいました。さらに、その方が「真浦一文字は、釣りやすいように見えて実は潮が裏切りやすい場所だから、とにかくウキの浮力選びは慎重にね」と笑いながら助言してくれたのを覚えています。実際、ウキ選び一つで仕掛けの馴染み方やダンゴの沈み方が変わり、ターゲットとなるチヌの反応がガラリと変化するため、現場ならではのリアルな声は本当に参考になりました。
さらに付け加えると、真浦一文字での遠征後、私は自分の釣りにより一層バリエーションを持たせたいと考えるようになりました。例えば、感度を最優先にするなら棒ウキ、遠投や風対策を重視するなら寝ウキ、そしてどんな状況でも安定感が欲しいなら玉ウキ。それぞれの特徴を改めて整理してみると、その日の状況や釣り場、魚の活性に合わせて使い分ける重要性を痛感するばかりです。今になって思えば、あのとき出会った釣り仲間の方や渡船屋の船長、そしてこの真浦一文字の潮の変化が、私の釣りスタイルを大きく広げてくれたのだと思います。
今回、この記事を書くにあたって当時の体験を振り返るうちに、改めて「釣りは情報収集と実践の積み重ね」だと感じました。いくら事前にネットや雑誌でウキの知識を勉強していても、現場に行くと想定外の風や潮、そして何よりも魚の気分に翻弄されます。その中でも自分なりの工夫をし、ウキの選択やタナ調整、餌の使い分けをひとつひとつ試していく時間こそが、何物にも代えがたい醍醐味です。記事の中でおすすめしたウキやダンゴ柄杓も、実際に試してみるときっと新しい発見があるはずです。
最後に、この記事を読んでくださった皆さんへ。もしまだ紀州釣りを経験したことがない方がいらっしゃったら、ぜひ次のお休みに、海へ足を運んでみてください。まずはご自身が使いやすいウキを一つ選び、気軽にチャレンジしてみるのがいいと思います。ダンゴ釣りは誰でも楽しめる釣りスタイルですが、海の状況は日々変化します。安全に気を配りつつも、その日その場でしか味わえないドラマが必ず待っています。この記事が、新しい道具を手に取るきっかけになったり、いつもと違う釣り場へ遠征する背中を押したりする一助になれば、本当にうれしく思います。
私自身、まだまだ挑戦してみたい釣りの方法や行ってみたいフィールドが山ほどありますが、その旅路で出会う人や経験が、きっとまた次の記事のネタになるでしょう。これからも実践を重ねながら得た情報をリアルにお伝えし、皆さんの釣りが少しでも充実するような記事を書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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