釣りをする中で出てくるオモリに関して、何号がどれぐらいの重さでガン玉のBはどれぐらいの重さといった重さの基準が非常に複雑に感じている人もいるのではないでしょうか。
ここではガン玉や割りビシ、オモリに関してみていきましょう。
目次
ガン玉の号数と重さの換算表
今釣りをしていてどのオモリを使えばよいかわからないという人のために換算表を作りました。
ウキの浮力を見てG3と表記されていれば、G3のオモリを1つ打つか、G6を2つ打ってウキが浮いている重さになります。
ウキに表記されている重さは、ウキの種類や素材によってもばらつきはありますが、表記されている重さに耐えて浮いている重さになります。
指定号数と同じオモリを打っていたとしても、スイベルや針の重さによってウキの耐えうる重さを超えてしまい、ウキが沈んでしまうこともあります。
指定の号数よりも少し重量の軽いオモリを打ってみて重さを調整していく必要があります。
また、前回使ったオモリであれば大丈夫かというとそうでもありません。
ウキを浮かべるのが海水であれば、その塩分濃度によっても浮力が変わってくるため、ウキの浮力が毎回変わっているように感じることもあります。
これをうまくオモリで調整していかなければなりません。
ポイント
・状況に応じてガン玉のサイズやオモリ負荷を変える。
オモリの種類
オモリにも様々な種類があり使い分けが必要です。
ガン玉とは
ガン玉は、釣りの仕掛けを狙ったタナに沈めるために使うオモリの一種で、海や川などで流れがある場所でも釣りをしやすくするために使います。
名前の由来は、ガン玉≒銃(GUN)玉からきており、もともと散弾銃に使われていた鉛の粒に割れ目を付けて糸に挟めるようにしたことから始まっています。
大きさは比較的小さなものが多く、色付きやゴム製のものなどがあります。
韓国では鉛製品に規制があり鉛だけのオモリを使用することができないため、表面に色をコーティングしたものや、ゴムが挟まっているものなどが主流になっています。
日本では鉛のガン玉が主流ではありますが、
カラーガン玉や、割れ目にゴムが挟まっておりラインを傷つけないように工夫してあるガン玉もあります。
ガン玉はラインに挟み込むのに力がいるためプライヤーなどを使って止めます。
一度付けたガン玉を外すことができる器具も販売されていますので、こちらの記事もご参照ください。
プライヤーなどを使わずにガン玉を打ちたい人には柔らかいガン玉も売られています。
鉛のガン玉よりも少し値段は高くなりますが、それでも数百円と安い金額ですので、こちらを使ってみてもいいでしょう。
ヨーヅリのガン玉は比較的柔らかいです。
割りビシとは
ガン玉と同じように糸に挟み込んで使うオモリのことで、最大の特徴は楕円形をしているところです。
形状が楕円形のため糸との接地面積が広く抵抗になるため、ずれにくいことがあげられます。
大型のウキや電気ウキなどで使われることが多く、重さの表記方法が違います。
割りビシには、極小、小小、小、中、大、大大、特大と言った独特の表示方法があり、上に示した表の重量になっています。
ウキの浮力に合わせてガン玉か割りビシを使い分けていくのがよいでしょう。
古い電気ウキなどでは、小や中と表記されたものもあり、これはウキのサイズを表しているだけでなく割りビシの重さを示しています。
詳しくはこちらをご参照ください。
中通しオモリとは
円錐状や丸形の鉛球に穴が開いており、オモリの中心に糸を通すことができるオモリのことです。
テトラ釣りの穴釣りや投げ釣りなどに使われます。
糸に固定しているわけでなく、オモリの中を通しているだけであるため、魚が食ったときに糸が抵抗なく抜けてアタリが明確になります。
また、オモリ自体が海底で左右に転がることができるので、潮に乗せて広範囲を探ったりする投げ釣りや、テトラなどでコロコロをオモリを転がしながらテトラの奥底まで探りを入れる探り釣り(穴釣り)などに適しています。
これをうまく利用したのが、ブラクリという仕掛けです。
穴釣りをする際は、これを利用するのもいいでしょう。
ウキを使って中通しオモリを使う場合は、中通しオモリの穴につまようじなどを差し込んで、はみ出た部分を付け根で折り、オモリを糸に固定して使います。
板オモリとは
もっともよく使われるのが淡水のヘラブナ釣りでしょう。
薄い鉛の板で0.25㎜などの厚みがあります。
0.1gのオモリ負荷を細かに調整する際に使われるオモリです。
ウキのトップ1メモリだけ沈めたいなどの微調整が可能で、板オモリをオモリ負荷に合わせてハサミで切りながら、糸に巻き付けて使います。
棒ウキで使われるのが一般的です。
非自立性のウキの足に板オモリを巻いて自立ウキにしたり、両面テープを張り付けて小さく刻み、円錐ウキの下に張り付けたりすることで細かな微調整が可能になります。
ほんのわずかなオモリ調整をするプロの釣り師が使うようなオモリです。
もしくはほとんど浮力のないタナゴウキや小物釣りのウキなどの浮力調整に使われることもあります。
ガン玉の役割
ガン玉は仕掛けをうまく狙ったタナに入れるために使います。
そのため水面に魚がいる場合などでは、ガン玉を打つ必要はありません。
すばやくタナに入れていきたいゆえに重たいガン玉を打つというのは間違いです。
あくまでもハリの付いたクワセエサが自然に落下するようにしていかなければならないため、魚に違和感を与えないような最小限のオモリを打つことをおすすめします。
魚は自然に流れてきたエサを捕食します。
そのため、エサを潮の流れや川の流れにうまく乗せて流していく必要があります。
ガン玉は1か所にうつのでなく、仕掛け全体が自然に沈んでいくように分散してオモリを打つことが推奨されます。
ガン玉の付け方
ガン玉を付けるときには外れないようにしっかりを糸に挟んで潰さなければなりませんが、力を加えすぎると糸に負荷が掛かり、切れやすくなったり、弱くなったりしてしまいます。
糸にガン玉を付けてギリギリ動かすことができる程度の力加減でガン玉を打つようにしましょう。
プライヤーで挟み込む時は、少しずつ力を入れてガン玉が動かないか確認しながらつぶしていくようにします。
ハリにオモリを打つ
通常だと仕掛けにガン玉を打って投入すると、オモリのある場所から沈んでいきます。
自然に落下してくるエサを演出して釣りたい場合など、エサよりもオモリが先行して落下してきては魚にとって違和感となります。
その場合は、ハリに直接ガン玉を打ち付ける方法があります。
ハリのフトコロ部分やハリのチモトの部分にガン玉を打ってもいいでしょう。
ルアー釣りのジグヘッドのようになります。
ハリにガン玉がついているとそこが支点になり針がたちやすくなるのでわずかにフッキング性能はよくなります。
ケースに入れて保管する
ガン玉は通常袋に入って販売されています。
しかし釣り場で使うときには、そこから一粒取り出して…といった面倒さがあります。
そこで号数や重さごとに区分けしたケースに入れておくと非常に便利です。
私はメイホウのWG-9を使っています。
これに両面のお名前シールなどで号数を記載しておきます。
安物の入れ物だとライフジャケットなどのポケットの中でふたが開いてしまいガン玉がぐちゃぐちゃに散乱する可能性があります。(経験談)
しっかりとフタのできるケースに入れるようにしておきましょう。
すべてがセットになったガン玉セットも売られていますので、まずはこれから使うのがいいかと思います。
どのガン玉をそろえるべきか?
それぞれの釣りスタイルがあるので一概には言えませんが、
G8、G7、G6、G5、G4、G3、G2、G1と8サイズとB、2B、3B とんで1号 1.5号 を私は持ち運ぶようにしています。
G8~G2までは偶数の号数だけでもいいかと思います。
私の場合は釣り具の消耗品は惜しみなく購入したいのですべて揃えますが、毎回すべて使うわけではありません。
ただし、あーこの番手あってよかったといったことはよくあるので、そろえておいて損はないかと思います。
B、2B、3Bはチヌウキなどの棒ウキの調整に使ったり、餌を底に這わせたいときに使います。
1号、1.5号は、電気ウキやそこまでの深さを調べるタナ取り用として使用します。
水深の深い場所に行く時や夜釣りなどでウキが大きい場合には、2号3号を持っていくこともあります。
ガン玉製造中止
私も愛用していた第一精工のガン玉は現在製造終了となってしまいました。
安価で使いやすいガン玉であったので非常に残念です。
そのため、今はヨーヅリのガン玉を使っています。
ヨーヅリのガン玉はむらなく、割れ目もしっかりとしているので十分に満足しています。
まとめ
オモリには様々な種類があることがわかります。
どれを使うのが正解というのはなく、あなたの釣りのスタイルにあったオモリを見つけて使っていくことで、オモリの打ち方や重さの決め方などが分かってくるかと思います。
例えばジグヘッドを使用しており少し重さが欲しい時にガン玉を打ってみたり、中通しオモリの動きを固定するときにガン玉を打ってみたりと使い方は様々です。
ウキを使用する場合は、海の塩分濃度や流れの有無によって適切なオモリの重さは変化します。
BのウキにはBのガン玉を打つというように決めつけてはいけません。
このウキにはこの重さと固定観念にとらわれず、釣り場の状況や魚にあわせてオモリ調整をしていくことで、さらに釣果アップをすることができるでしょう。
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実は、このブログ記事をまとめるきっかけになった出来事が二つあります。ひとつ目は、フカセ釣りのプロとして知られる平和氏の講演会に参加した際のお話です。私はずっとフカセ釣りの理論やテクニックを独学で学んできたのですが、やはりプロの目線から聞く話には新しい気づきが多くありました。特に平和氏が力説していたのが、「ウキのなじみ方は決して運任せではなく、仕掛け全体をどう重さ配分するかでコントロールできる」という点です。私自身、磯釣りのフカセ釣りで、風や潮の流れが強い場所だとなかなかウキが思うように立たず、もたもたと手を焼いた経験が幾度となくありました。ウキがうまくなじんでくれないと、当たりが出にくくなり、エサ取りの魚に横取りされることもしばしば。そのたびに仕掛けを変えて試行錯誤しても成果が出ず、「今日は難しい日だな」と諦めモードになってしまうこともありました。
しかし平和氏は「潮に逆らわず、むしろ潮の流れを仕掛けづくりに生かせばよい」と話し、具体的な例として「道糸に打つガン玉の位置を数センチ単位で動かし、狙うタナに合わせて段階的に沈めていく調整法」を紹介していました。それは私にとって、単純なようでいて盲点でもある視点だったんです。ウキやオモリの“号数選び”は単なる数字合わせではなく、潮流や魚がいるタナに寄り添ってこそ意味があるんだと実感しました。
もうひとつのきっかけは、2025年の横浜釣りフェスに足を運んだときのことです。その日は磯釣りのプロスタッフの方々が多数ブースにいて、新製品のウキやリールなどを紹介していました。その中の一人に、ふと自分の悩みをぶつけてみたんです。「フカセ釣りで使うオモリの選び方が難しくて、どのガン玉をどの位置に打つべきか日々悩んでいます。ウキがBならBのガン玉をまず打って、そこから微調整していますが、潮の速さや波の高さで毎回違う結果が出るんです」と。すると、そのプロスタッフの方が笑いながら「そこが面白いんですよね」と切り返してくれました。さらに「ウキの性能や表記が同じでも、メーカーや素材によって若干の浮力差があるし、道糸やハリスの太さや材質も少しずつ違います。自分が使う道具をどれだけ知り尽くせるかで釣果は変わりますよ」と続けました。その言葉にハッとさせられました。結局は、どの道具や仕掛けにもクセがあり、それを“自分のもの”として使いこなすためには、現場での試行錯誤が不可欠なのです。
これらの話を思い出しながら記事を執筆していると、私が初めて磯に立ってフカセ釣りを練習した頃のことも鮮明に甦ってきました。まだ右も左も分からない初心者で、イメージ通りに仕掛けを流せず、先輩釣り仲間から「もう少しオモリを軽くして流れに合わせてみろ」とアドバイスされた記憶があります。最初はせっかくのチャンスを逃したくなくて、ついついオモリを重くして一気にタナまで沈めようと焦ってしまったんですね。でもそのせいでエサの沈下スピードが速くなり、魚が見向きもしないこともしばしば。そんな苦い経験を何度も繰り返すうちに、徐々に「自然に落とす」感覚を掴むようになっていきました。
その頃から、「オモリって単なる重りじゃない。魚にエサを自然に見せるための“演出道具”なのかもしれない」と考えるようになりました。演出という観点でみると、ガン玉の位置を変えるタイミングや配分、割りビシを使うかどうかなどがすべて“舞台演出”に近いんですよね。ウキに表示される号数を鵜呑みにするのではなく、あくまで“目安”と捉え、当日の潮の流れや風、海水の濁り具合などと対話しながら微妙に調整していく行為そのものが面白い。一連の作業を通して、自分が海に対してより深く集中し、魚の気持ちを想像し、自然のリズムを感じながら仕掛けを組み立てていく——そういう醍醐味をこの記事で伝えたかったのです。
私は、このブログ記事を通じて、釣りを始めたばかりの方や、オモリの号数選びに戸惑っている方が「釣りって、こんなに考える要素がたくさんあるんだ!」と新たな一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいと思っています。ときには、自分なりのオモリ選びの“セオリー”を破ってみる勇気も必要です。先に挙げたように、Bのウキだからといって常にBのガン玉だけを使うとは限りません。状況に応じて少し軽くしてみたり、逆に重くしてみたり、あるいは分散して付けたりすることで、意外な釣果が得られることが多々あります。まさに、この記事で取り上げた“オモリの世界”は自由度が高く、そしてその自由度はあなたの個性を釣りに反映させる大事な要素になるのです。
どうか次の釣行では、ぜひオモリの種類や号数、打つ位置を普段より意識してみてください。「いつもG2しか使わない」という方なら、G3やG5に変えてみるだけで、沈み方やアタリの出方がガラッと変わるかもしれません。小さい変化を加えた結果、ウキの挙動が今までと違って新鮮に見えてくる——そんな瞬間に遭遇したら、釣りの魅力がさらに増して感じられるはずです。
釣りは経験がものを言う部分もありますが、それ以上に「試してみる」姿勢が大切な趣味だと私は思います。未知への挑戦や試行錯誤は、ときに大きな失敗を伴うかもしれませんが、そこから得られる学びや感覚は何にも代えがたい財産になります。実際、私もこれまで数え切れないほどの失敗を重ねてきましたが、その一つ一つが今の釣りスタイルを作り上げる糧になっています。もしこの記事が、読者の皆さんが新しい釣りの挑戦に一歩踏み出すきっかけになってくれたら、これほど嬉しいことはありません。
これからも、海や川、湖といったフィールドは季節や気候によってさまざまに表情を変えていきます。オモリの重さ一つを変えるだけでも、風景やアタリの出方がまるで別のものに感じられる瞬間があるでしょう。その面白さを、ぜひ皆さんにも体感していただきたいと思います。そして、もし釣り場で私を見かけたら、ぜひ声をかけてください。釣り仲間同士で情報交換をすれば、新しい発見や感動がきっと生まれます。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を読んだら、ぜひ釣り道具を準備して、週末には実践してみてください。次はどんなセッティングが最適なのか? どんな重さでウキを気持ちよく馴染ませられるのか? そんな小さな実験と発見を繰り返しているうちに、気づけば釣りの世界にますますハマっている自分に出会えるはずです。皆さんの豊かな釣りライフに、少しでもお役に立てれば幸いです。