クロダイ(チヌ)釣りにはかかり釣り、フカセ釣り、ヘチ釣り、投げ釣りなど多くの方法があります。
釣り方を選ぶことも大切ですが、共通して言えるのは餌選びです。
餌選びを間違わなければ、釣り方問わず釣れてしまうほど餌選びは重要になります。
この記事では、特に効果が高いとされる餌を5つ、その特徴や使い方などをご紹介します。
1. オキアミ 王道の餌はオキアミ
オキアミはエビではなく、動物性プランクトンの一種です。
クロダイ(チヌ)は、オキアミが大好物で、最も使われている餌のひとつのため、これを食わなければ、仕掛けや釣り方に間違いがあると言わざるを得ません。
ただし、オキアミは他の魚にとっても大好物であるため、エサ取りといわれる小魚などにすぐに食われてしまい、クロダイ(チヌ)の目の前まで、エサが持たないことがしばしばです。
クロダイ釣りではそれを避けるために、オキアミをダンゴで包んでエサ取りを回避したり、フカセ釣りのように、もっとたくさんのオキアミと集魚剤を撒いて小魚を寄せて、チヌと分離して釣り込んだりする方法が主流になっています。
エサ取りが少なく、クロダイ(チヌ)の反応が薄い時期には、着色したオキアミも人気です。
おすすめなのが、マルキユーの食い込みイエローです。
黄色に着色され、ややハード加工されているので、エサ持ちもよく、実績も備えた優秀な餌です。
通常のオキアミとのローテーションで、クロダイ(チヌ)を振り向かせるのにも最適です。
2. 練りエサ エサ取り対策の王道
練りエサはエサ取りの多い時期や、食い渋っているチヌに最適な餌です。
練りエサ自体が水中で溶けだして集魚成分を放出するので、小さくなっても使うことができ、形を状況に応じて変えられるので、応用しやすい餌となっています。
また、色のラインナップもあり、硬さも変えることができ、エサ取りの量やクロダイ(チヌ)の活性にあわせてエサ自体を変えられるというメリットもあります。
練りエサ自体もたくさんの種類があるので、さらに詳しくは別記事をご参照いただければ幸いです。
チヌの練り餌おすすめの実績ランキング。何色が一番釣れるのか?
3. 活きエビ 動きをプラスした万能餌
活きエビは、その動きでクロダイを引き寄せます。
クロダイ(チヌ)は警戒心の強い魚ですが、同時に好奇心旺盛です。
貝や小魚を食うこともあり、比較的獰猛な食性があります。
そのため、海底にいるエビはチヌにとっても日常の主食であり、活きたエビであればなおさら食ってくる確率も高くなります。
モエビ・スジエビ・シラサエビと呼ばれ方は様々ですが、3㎝ほどの淡水エビは釣りエサとしても最適です。
画像のような小さな手長エビもよく釣れます。
ただし、オキアミ同様に活きエビを捕食するのはクロダイ(チヌ)だけでなく、カサゴやアジ、ベラやフグなどエサ取りを含めて、多くの魚に人気の餌ですので、エサ取りの活性の低い厳寒期に使用するか、エサ取りに食わせる分も含めてたくさんエビを撒いて、釣り分けるのがいいでしょう。
エビをたくさん撒くとコスト的にやや割高になるため、ダンゴ餌で包み込むのもおすすめです。
4. 青イソメ
青イソメはクロダイ(チヌ)に限らず、釣りの万能な餌の一つです。
房掛けで3~5本の青イソメを付けて、動きのアピールを強くすると魚の反応がよくなります。
1本掛けだと食いちぎられて小さくなってしまい、本アタリにつながりにくいので数本の房掛けがおすすめです。
ウキ釣りや足元の釣りでも釣れなくはないのですが、青イソメも活きエビ同様にエサ取りに人気の餌ですので、小魚の少ない沖を攻めるときに使うといいでしょう。
釣具店でエサコーナーの水の中を泳いでいるのが売られているか、パックに入って500円ほどで売られています。
1パックで、2,3時間使うことができます。
イソメを使えば他の魚も釣ることができるので、クロダイ釣りメインで考えるのでなく、他魚種も含めた釣りを考えて使うのがいいでしょう。
5. サナギ
クロダイ(チヌ)釣りの定番餌の一つのサナギは、冷凍品のサナギが実績が高いです。
特に激荒と言われる荒引きさなぎの中から、綺麗な身を取り出して使うと効果的です。
サナギは、エサ取りに強く、クロダイのアタリに絞って釣りをするのに使います。
もちろん、ベラやフグなどに食われることもありますが、オキアミやイソメと違い針に残る確率が高く、しっかりとしたアタリがでるまで待つことができます。
また、一度投入したサナギを餌交換であげた際に、サナギの食われ方をみて魚種の判断をすることができます。
サナギ全体がつぶされているような形状になっていればクロダイがいる可能性が高く、穴が開いていたり、歯形がついていたりするとフグやベラの可能性があります。
水中の様子をサーチする目的で、サナギを使ってみるのもいいかと思います。
夏場や秋口などエサ取りの活発な時期に活躍してくれます。
さらに詳しくは以下の記事もご参照ください。
チヌ(黒鯛)をサナギで釣る方法と餌のつけ方や時期。さなぎミンチの効果
まとめ
以上が、クロダイ(チヌ)が絶対に釣れるとされる餌5選です。
それぞれの餌には特有の使い方とポイントがありますので、釣りの方法やその日の状況に応じて選んでみてください。
餌はできれば一つに絞らず、少量でも複数用意して様々な餌を試してみることでその日の正解が見えてくるかと思います。
チヌの棒ウキのおすすめ3選。棒ウキの号数の選び方とメリット紹介
あとがき・感想
今回のブログでは、クロダイ(チヌ)の釣り方を問わずに効果が期待できる“絶対に釣れる”エサを5種類、ご紹介しました。改めて読み返してみると、オキアミや練りエサ、活きエビ、青イソメ、そしてサナギまで、それぞれが持つ強みや活用シチュエーションの幅広さに感心します。私自身、かかり釣りやフカセ釣り、さらには紀州釣りといったさまざまなスタイルでチヌに挑戦してきましたが、「やっぱり最後にものを言うのは餌選びなんだな」と再認識しました。
実は先日、私の友人と一緒に東京湾の堤防へチヌ釣りに行ったばかりです。
そんな彼と今回挑んだチヌ釣りで、まず用意したのがオキアミと練りエサ。それに“ダンゴ釣りでもイケるかな?”という発想でサナギを少量だけ持ち込みました。先にご紹介した5つのエサを少しずつ組み合わせてみようと思い、あえていろいろ持っていったんです。
結果はというと、最初にヒットしたのは青イソメを房掛けにした仕掛けでした。やはり青イソメの動きに引き寄せられたのか、食ってきたのは30cmちょっとのチヌでしたが、引きがなかなか良くて楽しませてもらいました。その一方、穏やかな友人は小まめにオキアミや練りエサをローテーションしていたのですが、小魚に先に食われてしまい苦戦続き。彼いわく、「オキアミはやっぱり魅力的だけど、餌取りの反応が良すぎる…」とのこと。そこでサナギを投入したところ、今度ははっきりとしたアタリが出たものの、なぜか針掛かりがあまくバラシ。その瞬間に「今の、たぶんクロダイだよね…」と、二人で悔しい声をあげながら盛り上がりました。
最終的には、私は活きエビで小型のチヌを追加でき、彼は再びオキアミに戻してようやく1枚釣り上げるという結果に。どちらもサイズはそれほど伸びませんでしたが、二人とも違うエサを試すことで状況を探りながら釣りを進められたので、これもまた良い経験でした。一緒に釣りに行くときは大抵エサの種類を分担することが多いのですが、今回も「エサの持ち味の違いで、ここまで釣り方や釣果が変わるんだな」と再認識し、改めて餌選びの大切さを痛感しました。
記事内でも触れられていたように、エサ取りが多いときにはダンゴや練りエサ、サナギが有効だったり、活性が低いときに目先の変化を与えるための着色オキアミや活きエビが活躍したりと、チヌ釣りは本当に奥が深いですよね。個人的には、ただ単に“釣れる、釣れない”以上に、「どういう考え方で複数の餌を組み合わせ、ローテーションしていくか」が一番面白い部分だと思います。理系的な視点でエサの成分や食い込みのメカニズムを意識することもできますし、実際に海で試すと真逆の結果になったりするからこそ、やめられない魅力があります。
今回のブログを読んで、新たな餌の組み合わせを試してみたくなった方も多いのではないかと思います。もし「どれを試そうか迷ってしまう」という場合は、まずは定番のオキアミと青イソメ、そして保険として練りエサかサナギを少しだけ用意してみるのがおすすめです。持っていない時に限って「コイツがあれば釣れたかも…」なんてことはよくある話ですし、少量ずつ試してみるだけでも気づくことがいっぱいあると思います。
何よりも大切なのは、安全第一で楽しむこと。近頃は暑い季節も多いですし、海辺や堤防、テトラポッドといった足場の悪い場所では事故が起こりやすいので、十分に注意したいですね。私も釣り中はいつの間にか時間を忘れてしまいがちですが、祐介と一緒のときは穏やかな彼の声掛けで「そろそろ水分補給しよう」とか「一旦休憩入れよう」と気づかされたりしています。
最後に、今回の餌5選を踏まえて、ぜひ色々な状況でクロダイ(チヌ)にアプローチしてみてください。道具や釣り方も大事ですが、餌を変えるだけで釣りがガラリと変わるというのは、本当にこの魚の面白いところだと感じました。