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フカセ釣りのタナの取り方。グレやチヌに最適なタナの見つけ方

フカセ釣りではウキ下の深さ、すなわちタナをどれぐらいの深さに決めるのかということが非常に重要になります。

 

タナが数十cm違うだけで魚が食ってこなかったり、潮の受け方が変わったりとタナ次第で釣果が変わるといっても過言ではありません。

 

ここではフカセ釣りのタナの取り方とチヌやグレ釣りに最適なタナの見つけ方をみていきましょう。

 

タナとはなんなのか?

タナとはフカセ釣りにおいてはウキ下の深さを意味することが多いですが、一般には魚がエサを食ってくる水中の層を意味します

 

ヘラブナ釣りでは浅ダナというと浅いタナのことで水面から1mぐらいまでの深さを指します。

 

船釣りなどでタナ20mというと、水面から20mほど沈めた意味を指します。

 

タナは変化する

 

魚がエサを捕食する層がタナという意味ですが、これは1日のうちに何度も変わります。

 

気圧の変化や潮の変化、水温の変化などで魚の遊泳層も変わり、エサの捕食しやすい層も変わってくるからです。

 

トラウトの釣りなどでは、このタナの意識が数cm単位で考える必要があるほどです。

 

ルアーの泳がせるタナを1投ごとに5cm下げていくなどの変化をつけることもあります。

フカセ釣りではそこまでの繊細さは必要ありませんが、意識しておくことは大切です。

 

タナを『ヒロ』という人もいる

フカセ釣りのベテランに多いですが、タナ=ウキ下の長さ=ハリスの長さ=ヒロ としてタナ3ヒロなどと表現する人もいます。

『ヒロ』というのは、人が両手を左右に目一杯広げた長さのことで、その人の身長にもよりますが、おおよそ160cmぐらいを指します。

 

3ヒロの水深というと3×160≒4.8m のことです。

 

タナの取り方

タナをとるというと水深を測るということを意味する場合が多いです。

フカセ釣りでは、自分の釣り場がどれぐらいの水深があるのかを把握することで釣り方も変わってきます。

 

タナの取り方としては、ゴム管のついたオモリを使います。

 

ゴム管オモリは1号から2号ぐらいの重めのオモリを使います。

まず、ウキ止め糸をつけないでフカセ釣りの仕掛けを作り、ハリをゴム管のオモリのゴムの部分に差し込みます。

この時、針先がゴム管の中に隠れるように刺します。

そうすることで根がかりのリスクが少なくなります。

 

次に、おおよその水深をイメージしてウキ止めゴムを水深と同じぐらいの長さに結びます。

 

ここではまだ水深がわからないので、適当で構いません。

 

一度狙うポイントに仕掛けをゴム管オモリ付で投入します。

 

仮にウキ止めをつけた位置が水深より短い場合は、ウキはオモリの負荷がかかり海中に沈んでいきます。

 

逆にウキが浮いているようであれば、ウキ止めの位置が水深よりも深い長さとなります。

 

 

一度、仕掛けを回収してウキ止めの位置をずらしていきます。

30〜50cmずつウキ止めの位置を変えて、何度か仕掛けを再投入し、ウキが波によって沈んだり浮いたりしている位置にウキ止め糸が調整できれば、針に刺したオモリからウキまでの距離が水深になります。

 

海底は真っ平らではないので、仕掛けを投入するポイントによってウキが沈んだり浮いたりすることもあります。

 

底を這わせたり、底トントン(底ピッタリ)を狙うのであれば、仕掛け投入のポイントの潮上、潮下、左右など数カ所のタナをとって釣り場の状況を把握します。

右に行くにつれてウキが沈むようであれば、底が右下にかけて傾斜になっていることもわかります。

 

 

完全に把握するのは難しいのでおおよそどうなっているかを把握する程度で構いません。

釣りをする時間がなくなってしまいますし、水深は、潮の満ち引きによっても変わってくるからです。

より素早く正確に水深を知りたい方は現代のテクノロジーに頼りましょう。

私がお勧めするのはDEEPERです。

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タナ取りができたら。

タナが取れたら、水深が分かります。

使用している竿の長さを基準にして、5mの竿であれば、針先からウキ止め糸までの距離がおおよそどれぐらいなのかで検討が付きます。

 

竿一本分で5mになります。

釣り場の水深がわかれば、次にその水深を3分割します。

水深9mであれば、3m、3m、3m、で表層、中層、低層と分けます。

 

次に狙う魚がどの遊泳層を好んでいるのかを考えます。

例えば、グレであれば、表層、チヌであれば低層などです。

 

対象魚が定まっていない場合は、持っている仕掛けを基準に考えれば良いでしょう。

 

オモリ負荷1号のウキがあれば底から探っていっても構いませんし、00号のウキで表層から全誘導で探っていく方法もあります。

 

グレのタナの見つけ方。

グレ釣りのタナは表層から探っていくと良いでしょう。

グレはエサを加えて反転します。深い場所から浅い場所にエサを食いにきて、エサを加えて深場に潜ろうとするときにウキにアタリが明確にでます。

 

グレ釣りではコマセを撒いて、魚を上層に引き上げて食い気のある魚から引き抜いていくようにすると数釣りもできるでしょう。

 

タナは表層に魚が見えていない場合は、4mほどからスタートします。ハリス2ヒロぐらいが目安になります。

 

そこから30cmずつタナを深くしてオキアミのとられるタナを見つけます。

 

オキアミが取られるようになったらそれがグレなのか餌取りなのかを確認します。

 

ハリのサイズや付けエサの大きさを変えて様子をみてみましょう。

変化が見られなければさらにタナを深くしてアタリを探ります。

 

アタリが出ずにオキアミだけ取られている場合は、ハリスが張る前にオキアミを取られている可能性があり、タナが深すぎることを意味しますので、一度タナを浅くしてみると良いでしょう。

 

タナの調整は30cmぐらいを目安に行います。

たった30cmでも魚にとっては大きな差になります。

 

10cmタナを下げたら食ってきたといったこともあるほどですので、タナの調整は小まめに繊細に行うと良いでしょう。

 

タナ調整がよく分からなくなったら、一度浅いタナに戻して再度深くしていくと良いでしょう。

 

チヌのタナの見つけ方。

グレと異なりチヌ釣りにおいては、タナは深場を基本とします。

チヌはそこ付近や障害物周りを回遊しエサを探していることが多い魚です。

もちろん、岸壁沿いなどで極端に浅いところでも釣れることもありますが、セオリー通りに行くならば、やはり底を狙います。

 

タナの取り方で前述したように、ゴム管オモリをつけて水深を測ります。

 

つけエサを海底から20cmほど浮かせた位置になるようにウキ止めを調整し、チヌを狙ってみます。

 

底から少し浮かせたタナであれば、ウキにアタリが現れやすくなります。

雨水や冷たい潮が流れ込んでいる時などは、底から少し浮いたタナにチヌがいることもありますので、まずは浮かせて様子を見るのも良いでしょう。

 

アタリがない場合は、ハリスを底に這わせて完全につけエサを底に置いた状態で釣りをします。

チヌが底のエサをついばんでいる場合に有効です。

 

基本的には10〜20cmほど底を這わせます。

あまりにアタリがない場合は、さらにハリスを這わせる長さを長くします。

 

ハリスが底を這う長さが長くなるとそれだけハリスの存在感がなくなり、チヌに警戒心を与えにくくなります。

 

ただし這わせすぎるとウキにアタリが現れないので、魚がつけエサを飲み込んで泳ぎ出すのを待つ釣りになってしまいます。

 

この釣りでも釣れなくはないのですが、飲み込まれるとチヌの歯でハリスが切れる場合もあるので、できれば口元でハリを掛けるためにも、這わせる長さは30cmほどまでにしておくとよいでしょう。

チヌ釣りではグレ釣りほど繊細なタナの取り方をしなくても釣れることは多いです。

 

しかし、チヌ釣りにおいても細かなタナの取りなおしや、這わせる長さの調整は必要になります。

エサや道具も大切ですが、タナも意識して釣りをするとよいでしう。

 

まとめ

フカセ釣りのタナの取り方や、グレやチヌのタナについて見てきました。

タナを意識することは同時に水中での魚の行動をイメージすることにつながります。

トーナメンターやプロの釣り人などのように、魚の動きがわかるようになるのは、日頃の釣りから魚の行動を意識して、パターンを把握する必要があります。

それができれば、タナの設定や釣り方など臨機応変に対応できるようになってきます。

 

簡単に釣れることがある一方で、ベテランにしかわからない奥深さがあるのも釣りの魅力ではないでしょうか。

次の釣行では、魚のタナを意識して釣りに挑んでみてはいかがでしょうか。

 

 

夜のフカセ釣りでチヌやグレを狙う仕掛け。夜釣りの撒き餌や釣り方解説

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【あとがき】

今回の記事では、フカセ釣りにおけるタナの取り方や、その重要性について詳しく掘り下げてきました。自分でも改めて書き進めてみて、タナの設定がどれほど奥深いものなのかを再認識できたことが、とても大きな収穫でした。フカセ釣りにおいて「ウキ下を何メートルにするのか」というのは、初心者からベテランまで多くの釣り人が直面するテーマでありながら、実際のところ「これだ」という絶対的な答えがない難しさがあります。その日その場所、その時の潮や天気に応じて柔軟に変化していかなければいけないからこそ、実に奥が深い。だからこそ、それを探っていく過程がフカセ釣りの醍醐味だと、改めて感じました。

この記事を書こうと思った背景には、自分が昔から「なぜタナが大切なのか」をずっと考えてきたという経緯があります。釣りを始めたばかりの頃は、ウキや仕掛けのセッティング、あるいはエサの付け方ばかりに目が行きがちでした。でも、経験を積むうちにタナの違いによって釣果が劇的に変わる場面が何度もあり、「同じ場所・同じ道具・同じエサでも、わずか数十cmのタナの違いでガラッと結果が変わる」という事実に何度も驚かされてきたのです。

この記事を執筆するにあたって、これまでの自分の釣行体験を振り返ったとき、特に印象的だったのが初島周辺でのスキューバダイビングの経験でした。実は、釣りに加えて海の生態系そのものに興味があり、ダイビングを通じて「実際に魚はどのあたりを泳いでいるのだろう?」と見る機会を持ったのです。海中に潜ってみると、魚は時に表層近くで群れを成したかと思えば、急に底付近の岩陰に隠れたり、潮が変わると中層を動き回ったりと、本当にめまぐるしく行動を変えているのがはっきりわかりました。当初は「このあたりにグレがいるかもしれない」「チヌが底付近を回遊しているかもしれない」といった想像しかできませんでしたが、実際の映像を目の当たりにすると、それが単なる推測ではなく確信に変わったのを今でもはっきりと覚えています。

また、水深の浅い西伊豆のビーチで見かけたチヌの稚魚たちも、非常に興味深い存在でした。まだ小さいながらも、しっかりと自分が泳ぐ層を意識しているように見え、海底に沿うように動いている個体もいれば、水面近くをすいすいと泳ぎ回っている個体もいました。稚魚レベルからして既に「自分の居心地の良いタナ」を見つけているかのようで、「魚はタナで生きている」という言葉を身をもって感じる瞬間でした。こうしたダイビングでの体験は、フカセ釣りだけでなく釣り全般の考え方を広げる上で本当に貴重だったと思います。

さらに、この記事に書いたタナの測り方については、自分の釣りの師匠や仲間からのアドバイスが大きかったです。最初は、「ウキ止めをどの位置につけるのが正解なんだろう?」と試行錯誤を繰り返していましたが、ベテラン釣り師は口をそろえて「タナ取りこそ釣りの基本。そこが曖昧だと狙いどころが定まらない」と言います。実際に、水深を正確に把握するだけでなく「底はどうなっているのか」「海底が砂地なのか、岩場なのか」でタナの取り方やアプローチがまるで違うのです。ゴム管オモリで海底の形状をイメージできるようになると、釣りが一気に面白くなりました。これは自分が釣りを続けるうちにようやく「なるほど」と納得できるようになった大切なポイントです。

今回の記事を読んでくださった皆さんには、ぜひこの「タナを意識する釣りの世界」に挑戦していただきたいと思っています。フカセ釣りに限らず、ルアー釣りでもエサ釣りでも、「魚がどこを泳いでいるか」をイメージできるだけでアプローチが変わるはずです。もちろん最初は難しく感じるかもしれません。ウキ下を数十cm変えるだけで「本当に結果が変わるの?」と半信半疑になることもあるでしょう。それでも、実際にタナを小まめに変化させているうちに、思いもよらぬタイミングでヒットに持ち込める瞬間が必ずあります。そのときの喜びは格別で、「あ、魚は今このあたりにいたんだ」とわかる快感が、次の釣りへのモチベーションをぐっと高めてくれるのです。

また、タナを意識し始めると、海や魚たちをより深く観察するようになるのも大きなメリットです。海岸線や潮の流れ、風向きや天候、さらには時間帯によって魚の居場所が変化していくことに気づくと、釣りそのものがまるで宝探しのように楽しくなります。「ここにはどんな地形があって、どの魚がどんな風に泳いでいるだろう?」という想像力が刺激され、釣りから帰った後も「次はこうしてみよう」と考える時間が続きます。こうした探究心が、さらに釣りの技術を磨いてくれるきっかけになるのだと実感しています。

今後も私は、釣りを通じて得られた体験や気づきを記事にまとめていきたいと思っています。実際に海に足を運んで竿を握ってみないとわからないことが多い一方で、こうして言語化することで「初心を思い出す」機会にもなりますし、「釣りって本当に幅広くて奥深いな」と改めて感心させられるのです。特にフカセ釣りにおいては「ウキの動き一つでここまで想像力をかき立ててくれるのか」と驚かされることばかりですし、チヌやグレの行動パターンを追いかけるうちにますますのめり込んでしまいます。

この記事が、これからフカセ釣りを始めてみたいと思っている方や、すでにやっているけれど「もう一歩ステップアップしたい」と考えている方の助けになれば、とても嬉しいです。次の釣行の際は、ぜひタナ調整をちょっとだけ細かく意識してみてください。ウキ止めの位置を30cm単位で変えてみる、あるいは一度浅いタナに戻してから再度深める、といった小さな工夫だけでも思わぬ釣果につながるかもしれません。もし魚の活性が低い日でも、「なぜここで当たらないのか?」と考えるきっかけになり、そのプロセス自体が釣りの面白さを教えてくれます。

最後になりますが、この記事を読んでくださった皆さんに心から感謝いたします。フカセ釣りはもちろんのこと、海の世界は知れば知るほど発見があり、魚の命の営みを感じられる素晴らしい遊びです。タナを考えるということは、単に仕掛けの長さを調整するだけではなく、「海と魚の現実」に目を向けることにほかなりません。次の週末、あるいは近い将来に釣りに行かれる際は、ぜひ今回の記事で触れたポイントを思い出して、フィールドで試してみてください。

 

 

 

 

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