遠投カゴ釣りの針は、まず狙う魚に合う種類を選び、サシエのオキアミに合わせて号数を決めると迷いにくくなります。
私ならアジ狙いは小アジ8号、真鯛狙いはケン付真鯛10号を出発点にします。大型のヒラマサやブリを狙うときは、強度を重視したヒラマサ針を選びます。
ただし、同じ8号でも小アジ針と真鯛針では大きさも軸の太さも違います。魚の体長と針の号数を一対一で決めず、魚種・エサ・強度の3つで選ぶのが基本です。
ここでは、おすすめの針と市販仕掛けに加え、エサだけ取られるときやバラシが続くときの見直し方を、私自身の経験も交えて紹介します。

遠投カゴ釣りの針の号数と大きさの基準
最初の針を決めるために、私が使い分ける目安をまとめました。下の号数はそれぞれの針での目安であり、種類の違う針を同じ大きさへ換算したものではありません。
針の大きさ
| 狙い | 最初に試す針 | 調整するときの見方 |
|---|---|---|
| 20〜30cmほどのアジ | 小アジ8号 | サシエが大きすぎないか、アタリがあっても掛からないか |
| オキアミで狙う真鯛 | ケン付真鯛10号(調整例8〜12号) | オキアミの大きさと、想定する魚に必要な強度 |
| 大型ヒラマサ・ブリ | ヒラマサ針13号を候補にする | 針の実寸・軸の太さ・ハリスや竿との釣り合い |
号数は同じ種類の針で比べる
針の号数は、異なる種類やメーカーを横断した共通の寸法ではありません。小アジ8号から真鯛8号に替えても、同じ大きさのまま強度だけが変わるわけではないのです。
袋の数字だけでなく、針の幅、軸の長さ、軸の太さも見てください。特に別の商品へ替えるときは、普段の針を横に並べると違いが分かりやすいです。
オキアミを無理なく刺せる大きさにする
サシエが小さいのに大きな針を使うと、刺している途中で身が裂けたり、針ばかりが目立ったりします。反対に、大きなオキアミへ小さすぎる針を埋め込むと、針先が身でふさがれることがあります。
実際にオキアミを刺し、身を壊さず、針先が働く状態になるかを見ると、号数を選びやすくなります。袋に書かれたエサのサイズだけで決めず、その日のオキアミの大きさや硬さも見ましょう。
また、針が小さければ必ず食うわけでも、大きければ必ず大物を取れるわけでもありません。食わせやすさと、掛けてから必要な強度を両方残すように選びます。
アジ狙いの針は小アジ8号を出発点にする
20〜30cmほどのアジをオキアミで狙うなら、私は小アジ8号を候補にします。豆アジまで同じ針で狙うという意味ではなく、カゴ釣りである程度の型を狙うときの出発点です。
がまかつ 小アジ
がまかつの小アジは、平打ちによる反射を生かした金針です。小アジの製品ページでも、空針での擬餌効果が紹介されています。
ただ、オキアミがなくても毎回そのまま釣れると考えるのは禁物です。オキアミを食わせる釣りなら、回収時にエサが残っているかも確認しながら使います。
チヌ針やグレ針も代用できますが、小アジ8号と同じ数字へ合わせる必要はありません。手元のオキアミを刺して、大きさと重さに無理のない針を選んでください。
青海島で針を替えて気付いたこと
釣行の経験:青海島のアジ
私が針の違いを強く意識したのは、青海島で本格的にアジ狙いの遠投カゴ釣りをしたときです。アタリが遠いうえに、掛けても途中で外れる。そこそこの強度があればよいと思っていたので、最初は針を疑っていませんでした。
その日は青海島の湾側で、横へゆっくり流れるウキを追いながら釣っていました。待っていてもはっきり沈み込まず、回収するとオキアミの一部だけが残ることがありました。アタリが少ないからといって、魚がいないとは言い切れない状態だったのです。
釣り場で教わったことをきっかけにグレ針3号へ替え、その後は尺アジを続けて掛けることができました。それまで針以外のことばかり気にしていたので、この変化は印象に残っています。
このときのグレ針3号は、青海島でその日にうまくいった選択です。どのアジ釣りにも3号が正解ということではありませんし、魚の回遊や食い気の変化も重なります。
私がこの経験から持ち帰ったのは、アタリがあるのに掛からないときは、針とサシエの大きさを見直すという判断です。太い針を持っているだけでは解決しない場面があります。
バラシは針の形だけで決まらない
アジは口の薄い部分に掛かると、強いアワセや取り込み時の負荷で外れることがあります。針先の鈍り、道糸のたるみ、やり取り中の糸の緩みも確認したいところです。
軸の短いグレ針なら必ず飲み込む、ヒネリのあるチヌ針なら必ず口元に掛かる、というものではありません。飲ませることをバラシ対策の基本にはせず、糸ふけを取り、魚の重みを受けながら竿を起こすことも意識します。
針の形やヒネリについては、こちらで詳しく紹介しています。
真鯛狙いはケン付真鯛10号を基準にする
真鯛狙いでは、私はケン付真鯛10号を基準に、8〜12号の範囲で調整します。サシエが小さいなら下げ、大きなオキアミを使うときや強度を重視したいときは上げる、という考え方です。
チヌ針にも太軸の製品がありますので、「チヌ針だから弱い」と一括りにはできません。大型真鯛を想定するときは、種類の名前よりも軸の太さや製品の用途まで見て選びましょう。
がまかつ ケン付真鯛
私がよく使うようになったのが、このケン付真鯛です。軸に付いたケンが、刺したオキアミのズレを抑える構造になっています。
ケン付真鯛の製品ページでは、遠投時のエサ保持を意識したケンと、太軸設計が紹介されています。
私も、遠くへ飛ばそうと力が入っていた日に、回収したオキアミが針の曲がりへ寄ってしまうことが続きました。魚につつかれたのか、投げたときにずれたのかは、回収した状態だけでは分かりません。
そこで、ケン付の針を使いながら、サシエをカゴに収めるときにハリスが引っ張られていないかを見直しました。すると、短く流して回収したときに、オキアミの形が残ることが増えました。針だけで解決しようとせず、エサの収め方も一緒に見るようになったきっかけです。
ケンがあっても柔らかい身が崩れることはあります。ケン付はエサのズレを抑える助けであり、エサ付けや投入の確認を省けるものではありません。それでも、遠投時のエサ持ちを考えると、私には使いやすい針です。
プロマダイは生産終了品として紹介
プロマダイは、オキアミカラーと、チモト切れを抑えるためのラインロックシステムを備えた針です。真鯛用の選択肢として挙げていましたが、現在は生産終了品です。プロマダイの製品ページも併せてご覧ください。
手持ちのものを使う場合も、結び目やハリスの傷は確認します。ラインロックが付いていても、結び方の不備や傷んだハリスによる切断まで防げるわけではありません。
エサだけ取られるときは8号、12号をどう使うか
私は真鯛針10号でエサだけ取られるとき、8号へ落として反応を見ることがあります。小さくするのは、針に掛からない相手を拾えるか試すためです。
ただし、8号でも掛からなかったからといって、必ず小魚とは限りません。投入時のエサ落ち、タナのずれ、気付けなかったアタリも考えられます。
12号へ上げるのは、大きなサシエを支えたいときや、大型魚を想定して針を見直すときです。針を大きくしても、小魚がオキアミをつつくこと自体は防げません。
エサ取りに悩むときは、針の号数だけを往復するより、まず短めに流してエサの残り方を確認し、次にタナや投入点を変えます。本命が来れば必ず小魚がいなくなると期待せず、サシエを残せる場所を探す方がよいでしょう。
大型青物狙いはヒラマサ針の強度を重視する
ヒラマサやブリを本命にするなら、大型青物向けの針を、ハリスや竿と組み合わせて選ぶことが大切です。13号は候補になりますが、50cmを超える魚なら全部ヒラマサ13号、という決め方はしません。
オーナー カットヒラマサ13号
カットヒラマサは、オーナー社が貫通性能を特徴としている針です。13号を含めて複数の号数があり、大型青物を想定した針選びの候補になります。
選ぶときは、オキアミを付けた状態の収まりも見てください。強度を求めて大きくしすぎると、今度はエサとの釣り合いが悪くなります。
がまかつ ヒラマサ・ブリ王 金13号
ヒラマサ・ブリ王も、大型青物狙いで検討したい針です。真鯛狙いの仕掛けをそのまま流用せず、針から見直したい場面で候補にします。
オキアミを2匹腹合わせで付ける場合も、エサを大きく見せることばかり考えず、針先を身でふさいでいないかを見ます。2匹掛けが常に有利というわけではないので、1匹掛けの収まりと比べて選びましょう。
九州の磯で針を伸ばされた失敗
九州の磯へヒラマサ狙いで遠征したときは、4〜5kg以上の青物を想定していたのに、針の選び方が追い付いていませんでした。それまで同じ道具で50cmほどの真鯛を釣っていたため、大丈夫だろうと考えていたのです。
ところが、掛けた魚とのやり取りで針が伸びたり、折れたりしてしまいました。取り込めていないので魚の正確な大きさは分かりませんが、想定していた相手に対して準備が足りなかったという悔しさは残っています。
当時は安価な針を選んだことを後悔しました。ただ、今は値段だけで強い針、弱い針を分けないようにしています。針の設計、掛かり方、ドラグの締め具合まで含めて考える必要があるからです。
大型青物狙いでは、食わせるための小ささだけを優先せず、掛けてから耐えられる仕掛けにする。これは、あの失敗から外せなくなった基準です。
⚠ 注意:針が開いたり曲がったりしたら交換してください。曲げ戻して使い続けず、ハリスの傷と結び目も一緒に点検します。
太軸で大きな針へ替えると、サシエの沈み方にも影響します。コマセとの同調は針の重さだけでは決まらないので、タナ、ハリス、潮の流れも見ながら、エサがなくなった仕掛けを長く流し続けないようにします。
市販のカゴ釣り仕掛けは長さと針数で選ぶ
針を結ぶことに慣れていなければ、市販仕掛けから始めるのもよいでしょう。まずは針の種類・号数、ハリスの号数、全長、針数を確認します。
2本針は食わせる機会を増やせますが、釣果が必ず増えるわけではありません。絡みを直している間は釣りができないので、扱いやすさまで含めて選びます。
オーナー 波止遠投カゴ ショート90cm
全長90cmの短い仕掛けで、ケン付グレ針の遠投ハヤテXと、フロロカーボンラインを使用しています。短い仕掛けから始めたい方や、長いハリスの扱いに慣れていない方に向いた選択肢です。製品仕様はこちらで見られます。
元記事で紹介している「2-1.5-1.5」は、針2号・ハリス1.5号・幹糸1.5号の組み合わせです。すべてが針の号数というわけではありません。
アジやグレを狙うときの候補になりますが、大型青物を想定した仕掛けとして選ぶものではありません。また、90cmだから真鯛が釣れないと決まるわけでもなく、狙う魚と潮に合わせて長さを判断します。
がまかつ 遠投万能カゴ仕掛 ケイムラスキン
オキアミのサシエに加えて、スキン針でも魚の反応を見たいときの候補です。メーカーのカタログには、グレ針を使った2本針仕掛けとして掲載されています。
スキン針は、オキアミが取られた後にも反応を得られる可能性があるのが利点です。ただし、エサ取り対策がこれだけで済むわけではありません。オキアミを付けた針も回収のたびに確認しましょう。
長い仕掛けを使うときは、カゴからサシエを離せる一方、取り回しや絡みにも気を使います。「長いほど警戒心の強い魚が釣れる」とは考えず、自分が絡ませずに投入できる長さを選んでください。
万能カゴ釣り五目
私も昔よく使っていた市販仕掛けです。2本針でアジなどを狙いたいときに、こうした仕掛けを使うのもよいでしょう。
ただ、私の場合はフグに片方の針をやられ、結局1本針と同じになってしまうことが何度もありました。その後は、2本針を使う機会が減りました。
針がなくなっていると、残った1本でそのまま投げ直したくなります。私もそうしていましたが、枝の付け根や残ったハリスを見直す手間が気になるようになりました。数を狙うつもりで選んでも、補修に気を取られていては落ち着きません。
今は、フグに切られることが続くなら、傷んだ部分を残さず交換し、必要に応じて1本針へ組み直します。2本針を否定するのではなく、その日に手返しよく使えるかで選ぶようにしています。
針を替える前に確認したいこと
アタリが少ないと針の号数を替えたくなりますが、先にエサと仕掛けを見ておくと、変更の意味が分かりやすくなります。
見直す順番
- エサが残るかを見る。丸ごとない場合は、魚に取られた可能性だけでなく、投入時の脱落も考えます。
- 針先とハリスを確認する。先が鈍った針、変形した針、傷のあるハリスは交換します。
- タナと糸ふけを確認する。狙う層へ届いているか、アタリを見落とすほど道糸がたるんでいないかを見ます。
- そのうえで、同じ種類の針を一段小さく、または大きくして反応を比べます。
一度に針・タナ・サシエを全部替えず、理由のある変更から試すと、次に何をすればよいかが見えやすくなります。強度が不足している仕掛けや傷んだ針は、比較のために使い続けず交換してください。
⚠ 注意:エサ付け中は針先と軸のケンに注意してください。仕掛けを投げる前には後方と周囲を確認し、人や荷物に針が掛かっていない状態で投入します。
まとめ
アジ狙いなら小アジ8号、真鯛狙いならケン付真鯛10号を一つの出発点にし、大型青物では専用針の強度を重視します。
大切なのは、号数だけで決めず、サシエを付けた形と、掛けてからの強度を確かめることです。次の釣行では基準の針と前後の号数を用意し、回収したエサや針の状態を見ながら試してみてください。
カゴやウキの選び方はこちらの記事でも紹介しています。
遠投カゴ釣り仕掛けのおすすめカゴ紹介。カゴの種類や自作カゴなどの選び方
カゴ釣りウキのおすすめと遠投できるウキ紹介。号数や夜釣り用のウキの選び方
あとがき
針について書いていると、青海島で釣り場の方に教わった日のことを思い出します。今ならエサの残り方や針の大きさも見ますが、当時の私は、大きなウキがどこまで飛んだか、きちんと立ったかということに気を取られていました。遠くへ投げられるようになると、それだけで一段上手くなったような気がしていたのです。
それなのにアタリは少ない。たまに掛かっても外れてしまう。そんなときは、もっと沖へ投げればよいのではないかと考えていました。手元へ戻ってきた仕掛けを見るより、次に投げる場所のことを先に考えていたのだと思います。針は小さな部品ですし、見たところ曲がっていなければ、そのまま使ってよいものだと受け止めていました。
針を替えて尺アジを続けて掛けたときは、もちろん嬉しかったです。ただ、今になって思うと、魚を釣れたことと同じくらい、自分が見ていなかった部分に気付けたことが大きかった気がします。カゴやウキを替えなくても、手元にある小さな針を見直す余地があった。そのことが、妙に頭に残りました。
一方で、あの日の針を使えば毎回同じように釣れる、という話にはしたくありません。魚が回ってきた時間と、針を替えた時間が重なったのかもしれませんし、サシエの付け方もいつもより丁寧になっていたかもしれません。釣れた後はつい理由を一つに決めたくなりますが、水中で何が起きたのかを全部見ていたわけではないのです。このあたりは、今でも簡単に答えが出ません。
だからといって、針を替えた意味がなかったとも思いません。少なくとも私は、それまで気にしていなかったエサの収まりを見るようになりました。釣れた魚の口のどこに針が掛かっているか、回収した針先に違和感がないか。そうした確認が増えただけでも、同じように投げているつもりの一投が少し変わりました。
釣り場で道具の話をするときも、以前は商品名や号数を聞けば、それで答えをもらった気になっていました。今は、その針にどんな大きさのオキアミを付けているのか、どんな魚を狙っているのかまで知りたくなります。同じ号数を用意しても、使っているエサや狙いが違えば、うまくいかないことがあるからです。教えていただいた数字をそのまま覚えるより、選んだ理由を聞けると、次の釣行でも考えやすくなります。
それでも、アタリが遠い時間が続くと焦ります。針を替えたばかりなのに、今度はタナも変えたくなり、その次はサシエが気になる。いくつも触ってから魚が釣れると、何がよかったのか分からなくなります。一つずつ試そうと思っていても、現場では待ちきれない。ここは今も自分の課題だと思っています。
最近は、次の一投で何を見たいのかを決めてから投げるようにしています。短く流してエサが残るかを見るのか、同じタナで針を小さくしてみるのか。それで釣れなくても、何も考えず投げ直していたときより、持ち帰れるものはあります。思ったとおりにならなかったことも、次に迷ったときの材料になります。
青海島で感じた驚きは、今も針を選ぶときの出発点です。ただ、あの日と同じものを使い続けたいというより、小さな違いを面倒がらずに確かめる釣りを続けたいと思っています。次もきっと迷うでしょうし、うまくいかない時間もあるでしょう。それでも、回収したオキアミと針を見て、もう一投だけ試したくなる。私にとっては、その時間もカゴ釣りの楽しさです。











