フカセ釣りなどでシモリ玉やからまん棒などを一瞬で道糸に通すことができる便利なアイテムにパーツスレッダーというのがあります。
そこまで高いものではないのですが、自作すればさらに安く、長さも自分で決められるため自由度の高いスレッダーを作ることができます。
ここでは、100円ショップのダイソーやセリアなどに売られている製品でパーツスレッダーを自作する方法と使い方を見ていきましょう。
パーツスレッダーとは
シモリ玉やからまん棒などに先に差し込んでおくことで、釣りの現場で道糸を簡単に通しやすくすることができる釣り用のアイテムのことです。
裁縫の針の糸通しの釣りバージョンといったイメージです。
パーツスレッダーまたは、クイックセッターなどと呼ばれており、手がかじかむ冬場や夜釣りなど糸が見えにくい状況でも簡単に糸を穴に通すことができます。
有名なところではキザクラのパーツスレッダーがあります。
しかし市販品はそれなりの値段がしますし、意外とワイヤーが切れてしまったりすることもあり、コストパフォーマンスがよくありません。
パーツスレッダーは100円ショップにあるもので簡単に自作することができますので、パーツスレッダーの作り方を見ていきましょう。
パーツスレッダーの自作方法
パーツスレッダーを自作するのに必要なものはこれ一つです。
それがこの手芸用の細ワイヤーです。
ダイソーやセリアなどの手芸用品コーナーにある0.2㎜~0.3㎜のビーズ用ワイヤーを使います。
手芸専門店のユザワヤなどにも売られています。
細くしなやかなワイヤーでパーツスレッダーを自作するにはぴったりのワイヤーです。
このワイヤーを作りたいスレッダーの長さの2倍の長さで切り取ります。
今回は70mmにしたかったので140mmでカットしました。
70㎜サイズで潮受け2つ分ぐらいセット可能です。
それを半分に折り返しスリーブで留めていきます。
後述しますが、スリーブは必ず必要なわけではありません。
私の場合は、石鯛釣りなどでも使用するAmazonに売られているワイヤースリーブセットがあったので、そのスリーブでワイヤーをカシメています。
ハンドプレッサー付きで1000円ぐらいだったかと思います。
しっかりスリーブ留めすれば完成です。
スリーブなんてないという人であれば、ワイヤーの切れ端を合わせてプライヤーで挟みねじるだけでも大丈夫です。
見た目まできれいにしたい人はスリーブを使った方が、すっぽ抜けもなく安心して使えます。
パーツスレッダーの使い方
使い方の例として完成したパーツスレッダーに潮受けを通していきます。
スリーブ留めした場所と反対側にチチワ結びにしたラインを通します。
ラインが通ればいいので、結んでしまってもかまいません。
ラインは1.5号のハリスを使っています。太すぎず切れなければ大丈夫です。
ラインに潮受けのゴムだけを通して、ワイヤー側にスライドさせていきます。
ラインとワイヤーの連結部分が少し動かしづらいかと思いますが、水で濡らすと少し動かしやすくなります。
無理に結び目を超えようとするとゴムが割けてしまうので、加減しながら移動してみてください。
スリーブ部分まで動かせたら、ラインを外して完成です。
私はズレ落ち防止と、釣りの現場でラインを通しやすくするためにパーツスレッダーの先端を開いてセットしています。
潮受けやシモリ玉などをセットする場合には道糸に通す順番の逆方向にセットしていくのを間違えないようにお気を付けください。
完成したパーツスレッダーは、スナップサルカンなどに取り付けてもいいですし、ピンオンリールなどに取り付けておいてもいいでしょう。
専用のものだとパーツホルダーというのが売られています。
ダイワのパーツホルダー
キザクラパーツホルダー
釣研のパーツホルダー
などがあります。
パーツスレッダーやクイックセッターの市販品
手作りでパーツスレッダーを作ることもできますが、自作するのは面倒だと思われる方は、市販品を買ってしまうのもいいかとおもいます。
おすすめのパーツスレッダーはキザクラのパーツスレッダーです。
細穴の70 が無難に使いやすいサイズで、パーツホルダーにあわせてもかっこよくセットできます。
ダイワで揃えるのであれば
ダイワパーツスレッダーがあります。
パーツスレッダーは、小さな釣りのアイテムですが、あれば非常に釣りが楽になります。
特に朝一からすぐに釣りをしたいときなど、パーツスレッダーに仕掛けをセットしておくことで瞬時に仕掛けを作ることができ、気分もいいものです。
自作してみてもいいですし、市販品もありますので、気になる方は一度使ってみてはいかがでしょうか。
あとがき
この記事を書き終えて、改めてパーツスレッダーという小さな道具の奥深さや、その先に広がる釣りの世界を思い返すと、なんとも不思議な感慨が湧いてきます。そもそもフカセ釣りのように、繊細な仕掛けを組み立てて魚の反応を探る釣り方は、手間がかかるからこそ得られる達成感があり、その分だけ奥行きの深い楽しみを与えてくれます。今回の記事では「パーツスレッダーを自作する方法と使い方」にフォーカスし、細部をつなぎ合わせることで、釣りという趣味が持つ“道具を活かす楽しみ”を共有できればと考えて執筆しました。書いている間に改めて気づいたのは、道糸に小さなパーツを通すという行為が、実はフィールドでの時間をどれほど節約し、精神的にもどれほど余裕を与えてくれるかということです。まさに「小さいことの積み重ねが、大きな違いを生む」――その意味を強く再認識するきっかけになりました。
私自身、フカセ釣りにのめり込む中で、仕掛けを素早くセットしたい場面を何度も経験しています。特に印象深いのは、西伊豆で行われたシマノジャパンカップのグレ釣り予選会に初めて参加したときのことです。トーナメントという限られた時間と競技という緊迫感の中で、魚の活性や潮の流れに合わせて仕掛けを頻繁に交換したい場面が多々ありました。しかし、焦っているときほど不思議なくらい手がかじかむし、道糸もどこにあるか分からなくなる。しかも、磯の上で時間をかけて小さなシモリ玉やからまん棒を通そうと奮闘しているうちに、「今この瞬間にタナを変えておけば釣果が大きく変わったかもしれないのに」というもどかしさに苛まれることも少なくありませんでした。
あのとき、同じ磯に乗ったベテラン選手の方から「焦るときこそ仕掛けの段取りをスムーズにしておくべきだ。特にフカセ釣りはワンテンポ遅れると潮の変化に乗り遅れてしまう」と言われたことが、いまだに印象に残っています。実際、きちんと準備した仕掛けを素早く取り出せるかどうかは大きな差を生み、釣果はもちろん、精神的な余裕にも関わってくるものです。そのとき私は、市販のパーツスレッダーの存在を知りつつも、「こんな道具で変わるものかな」と半信半疑でした。ところが、実際に使ってみるとフィールドでの仕掛け交換のストレスが驚くほど軽減され、まさに「思い立ったときにすぐ仕掛けが変えられる」状態を手にできたのです。
とはいえ、メーカー品のパーツスレッダーは決して高額ではないものの、ワイヤーが切れたりすると買い直さねばならず、コストパフォーマンスの面で「もう少し手ごろにどうにかできないかな」と気になっていました。そんな経緯もあって、「ダイソーやセリアなど100円ショップの材料で作れないか?」と工夫し始めたのが、今回の記事の執筆につながっています。素材選びや作り方を試行錯誤するうちに、ワイヤーの太さや長さ次第で実に自由にカスタマイズできることがわかり、「これなら自分の釣りスタイルに合ったスレッダーを用意できる」という確信に変わりました。実際、短めのものなら予備を複数作って道具箱に常備しておいても邪魔になりませんし、長めに作れば潮受けやシモリ玉を複数個まとめてセットすることも可能です。
今回紹介した方法では、必要なものが手芸用ワイヤーとスリーブ(ない場合はねじり留めでもOK)くらいですから、コスト面でも非常に優れています。そして何より、準備を自分で施す過程が面白いんですよね。釣りという趣味は、実は現地で竿を振る前から始まっていると私は思っています。タックルボックスの中身を考えたり、アイテムを自作したりする時間が、釣りへのモチベーションをゆっくりと高めてくれるのです。そのプロセスはたしかに地味かもしれませんが、だからこそ完成品をフィールドで使ったときの満足感がひとしお大きいとも感じます。
また、自作パーツスレッダーを使ってみると、たとえワイヤーが切れてしまったとしても「また作ればいいか」と気軽に思えるところも嬉しいポイントです。市販品だと、壊れるたびに買い直すか修理するかで少々気を遣うこともあるかもしれませんが、自作なら手芸コーナーで材料を補充し、好きな長さで再度カスタマイズできます。実際に私の周りにも、この自作スレッダーにハマってしまい、「もう市販のものに戻れない」と言っている仲間がちらほら出てきました。釣り友達同士でスレッダーの作り方を共有し合ったり、自分なりの小さな工夫を盛り込んで差をつけたりするのも、道具いじりの楽しさのひとつです。
この記事を通じて、少しでも「おっ、自分でも作れそうだな」「このパーツスレッダーを実際に使ってみたいな」と思っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。釣りの現場ではいつ何が起きるかわかりませんが、だからこそ事前のちょっとした準備が生きてきます。特に朝イチや夕まずめの限られた時間帯、あるいはトーナメントのように一瞬の判断が釣果を大きく変えるシビアなシーンでは、仕掛けを素早く再構築できるのが大きな武器になります。自作パーツスレッダーや市販品をうまく活用すれば、フィールドでの選択肢が一気に広がるはずです。
そして何より、釣りにはまだまだ数え切れないほどのアイデアや小ワザが潜んでいるように感じます。「これだけは必要不可欠」という道具があれば、たったひとつのアイテムが新しい釣りの扉を開くケースもある。私はこれまでも、多くの人や書籍、そしてブログから新しい釣りの手法や発見を得てきました。だからこそ、今回の記事が読者の皆さんにとって、新たな挑戦へ踏み出すきっかけになればと心から願っています。釣りの楽しみ方は人それぞれで、のんびりと竿先を眺めるのが好きな方もいれば、私のように仕掛けを組み立てる作業や、道具をカスタマイズする時間に喜びを見いだすタイプもいます。いずれにしても、そこに「発見」があることが釣りの醍醐味なのではないでしょうか。
もし釣りへの興味が湧いたり、自作パーツスレッダーにチャレンジしてみようという気持ちが生まれたなら、ぜひ次の週末にでも釣り場に足を運んでみてください。海でも川でも湖でも、きっと新たな景色や出会いがあなたを待っています。実際に試してみて、「ああ、こうやって用意しておいて良かったな」と思える瞬間がきっとあるはずです。そうした実体験を積み重ねるうちに、釣りの世界がぐんと広がり、より深く、より豊かになっていくことでしょう。
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