エリアトラウトの釣りは寒い時期の釣りのイメージを持たれている方も多いかと思います。
実際にトラウトのプールフィッシングなどは5月上旬までだったりしますし、夏場にトラウトを釣るというイメージをしにくい人もいらっしゃるかと思います。
ここでは、春や夏におけるエリアトラウトの攻略法をみていきましょう。
目次
春のトラウト釣り
春の時期。
冬を終えて1桁だった水温が2桁に突入するとトラウトも活性を取り戻します。
トラウトの釣り場は標高の高いところに多くあるため、季節は春でも水温は低いままということもありますが、釣り人が釣りをしやすい気温になればトラウトにとっても春の釣りと言えるでしょう。
春の釣りのポイント
春のトラウトの特徴としては、表層を意識しだすという点です。
特に自然に囲まれたポンドやストリームなどでは、水生昆虫が羽化するため表層近くに上がってきます。
このタイミングで、冬の間 底でじっとしていたトラウトも活発にエサを追いかけるようになります。
そのため、スプーンだけでなく、ミノーやクランク、トップウォーターをいろいろなルアーを追いやすくなるので、初心者の人にとっても釣りやすくなります。
水の落ち込みや、インレット、浅場などいろいろなポイントで釣りやすくなるのも春の特徴と言えるでしょう。
気温変化に注意
春先の釣りは三寒四温となりやすく、釣りが難しくなることもあります。
三寒四温とは、3日間寒い日が続いたら、4日間暖かい日が続くという気温周期のことですが、実際には今日は暖かいなと思ったら急激に寒くなるというように日によって気温の変化が激しいことをさしたりします。
これにより、トラウトの活性も急に落ちたり上がったりとなります。
また、春先は雪解け水が入ってくることもあり、天気が良いのに活性が低いなといった時には、雪が溶けて冷たい水が池に流れ込んでいることも考えられます。
標高の高い釣り場
標高の高い場所のトラウトは、寒さに慣れていることもあり、水温一桁でも春モードの釣り場もあります。
ただし、高水温の平地に比べては動きはスローになりますので釣り場の魚がどのような状態なのかを把握しながら釣りをすることが大切です。
地下水の影響
地下水が流入している釣り場では、比較的水温が安定しており、気温による影響を受けにくくなっています。
夏は涼しく、冬は暖かい といった魚にとって優しい環境です。
水温の変動は少ないとはいえ、1℃から2℃水温が高くなることで、魚の活性はよくなり、活発にルアーを追いますので、地下水の流入のある釣り場も少なからず気温の影響は受けています。
動きのいいルアーを追う
魚の動きが活発になると、ボトム系のバイブレーションやミノーなども追うようになります。
ブラウントラウトなどのトラウトは、カラーの派手なルアーやトリッキーな動きをするルアーによく反応します。
そんな時は、ダートマジックというルアーが活躍してくれます。
大型のトラウトや、イロモノを狙うには春の早い釣りがおすすめです。
ボトムでのダートだけでなく、ルアーが底に着かないうちにダートさせる方法も有効です。
かなり早いテンポで巻き取ることになります。
ロッドは立てて穂先だけをちょんちょんと動かしながら巻いてきます。
強くロッドをあおりすぎるとスレ掛かりになってしまう可能性がありますので、ルアーが少しダートするぐらいの振れ幅がおすすめです。
春先のボーっとしていたトラウトも目を覚まして反応しれくれることでしょう。
さらに詳しくはこちらの記事もご参照いただければ幸いです。
トラウトの爆釣ルアーと反則ルアー紹介。管釣りで最強になるなら必須なルアー3選!
夏の釣り
適正水温を上回り、釣り人もトラウトもバテ気味になる夏の季節は魚は、見えているのに全く反応しないということもあります。
夏のトラウト釣りの攻略法をみていきましょう。
釣り座を選ぶ
夏場は釣り座をしっかりと見極めるようにします。比較的涼しい高原エリアの釣り場でも釣り座による魚の魚影はかなり違います。
管理釣り場のオーナーに話を伺ったところ、トラウトも太陽の直射日光は嫌う傾向にあり、日陰となっている場所や、水面が波打っていて直射日光の当たりにくい場所を好むようです。
インレットや水車まわりなど、水流のある場所が酸素濃度も濃く、魚が集まりやすくなります。
森の中や山間部の釣り場であれば、木々で影になっているところや、太陽が昇った時に影になるであろうエリアなどを選ぶように意識しましょう。
酸素濃度の低下
夏場の低活性の理由として、水中の溶存酸素濃度が低下することが挙げられます。
酸素の溶解度 すなわち酸素の水への溶けやすさは水温が上昇すると少なくなります。
同じ水分量でも水温が違うと酸素の溶解度が違ってきます。
すなわち、夏場の水温が高い池は、水中に溶けている酸素の濃度が少なく、魚が酸欠になりやすい状態と言えます。
夏場に魚が水面まで浮いてきてパクパクしているの見たことがある人も多いのではないでしょうか。
これも酸欠の証拠です。
動くと酸素を消費しやすく、活発にルアーを追いかけることができなくなります。
そんな時に活躍するのがクランクベイトです。
クランクベイトはゆっくりと巻くことができるため、魚に体力を使わせずに追いかけさせることができ、ボリュームのあるボディでアピールもできます。
リップの長さによって深場から浅場まで攻略できるため、夏場には強いルアーとなります。
おすすめなのはラッシュベル33MRです。
スローで巻くことも可能で、ここぞというところでアタックしてこなかった渋いトラウトもバイトさせてくれるルアーです。
朝イチや放流などで活性が良くスプーンに好反応だった魚が、時間の経過と共に活性が落ち反応が悪くなるのは、どんなエリアでも常に起こること。その原因のひとつがスプーンの泳ぐ速度に喰い渋ることにあります。そんな状況下でもっとも効果的なルアーが「ラッシュベル」。特徴的なリップ形状がパワフルにウォブリングしながらイージーなレンジキープを可能にし、通常速度はもちろん、デットスローな領域の中でさらに緩急をつけて誘い巻いても、レンジを外さず誘い続けることができます。加えて高浮力ボディは動かしながら浮上させる高等テクニックにも対応し、クランクでの喰わせワザの幅を拡げます。その高浮力の源でもあるタングステンウエイトは飛距離にも貢献し、風に負けないロングキャストが可能。乱反射&乱透過で視覚アピールを狙った異形モールディングボディに、バランスよく配置された2フックが高確率でフッキングへと持ち込みます。スプーンの次のセカンドルアーとして、効率よく的確に、ベルを鳴らすようにトラウトを呼び集め、バイトラッシュをスタートさせる「ラッシュベル」。使い込むほどに強力になるスーパーウエポンです。そして2019年より「33MR」が登場。オリジナル譲りのパワフルなウォブリングとレンジキープ力でありながら、軽快な使用感で1レンジ下まで潜行。さらに深い魚を呼び上げて喰わせる、よりスピーディーなクランキングを可能にしてくれます。 NORIESサイトより
もっとスローに攻めたいときは
シマノ カーディフ ふわとろがおすすめです。
表層も欠かせない
夏になると小さな虫も活発に行動します。
キモとなるのはその大きさです。
セミなどのトラウトからしては少し大きめの虫をイメージするより、カメムシやてんとう虫などの少し小さな虫をイメージして水面を攻めると効果的です。
表層も横に巻いてきながら攻めるのか、一点シェイクで魚を寄せるのか、その日の状況を見極めるようにしましょう。
おすすめのルアーは ティムコ ばったろう
池でも渓流でも使いやすいルアーです。
ただしトリプルフックが標準装備されているため、管理釣り場ではシングルフックに変えてご使用ください。
まとめ
ここでは、春と夏のトラウト攻略をご紹介してきました。
トラウトは季節によって釣りのスタイルも変わるため、さまざまな釣り方をマスターしてその日の状況に適応できるようにしていきましょう。
管釣り最強のトラウトスプーン3選!初心者でも釣れるトラウトルアー厳選
【あとがき】
今回の記事を書き終えて、まずはほっとした気持ちと同時に、エリアトラウトという釣りの奥深さを改めて実感しています。春や夏という一見「寒い時期のイメージから離れた」タイミングであっても、実はシビアでありながら奥の深い釣りができることをお伝えしたく、今回のテーマを選びました。私自身も、冬場だけがエリアトラウトのシーズンではないのだと再認識し、四季それぞれの特徴を掴むことで新たな発見や釣果の伸びしろがあると強く感じています。特に、春先の活性変化や夏の酸素濃度の低下に対する対策は、多くの方にとって「なるほど」と感じていただけるポイントに仕上がったのではないでしょうか。
そもそも、私がエリアトラウトの記事を書くきっかけとなったのは、数年前に友人から「春先でも案外トラウトは表層を意識するよ」と教えてもらったことでした。当時はまだ寒さが残る3月末頃、フィッシングリゾート上永野に釣行したときのことです。その日は雪解け水も入り、気温こそ徐々に上がり始めていたものの、朝方はまだ肌寒く、ポンドを見渡すと水面に漂うゴミや枯れ葉が目立っていました。正直「こんな状況で本当に活性は上がるのか?」と半信半疑でしたが、友人に勧められるがまま表層でミノーやクランクを試してみたところ、思いのほか反応が良かったのを鮮明に覚えています。実際にダート系のルアーを表層近くでちょんちょんと躍らせると、冬の間底に沈んでいたはずのトラウトが追いかけてきて、派手にバイトしてくれました。まさに「春になると水生昆虫が動き始め、それに誘われてトラウトも浮いてくる」という定石を、肌で感じ取ることのできた経験でした。
その後、別の機会に朝霞ガーデンにも足を運びました。朝霞ガーデンは街中に位置していることもあり、魚の活性や水温変化に関しては自然の釣り場とはまた異なる面白さがあります。とりわけ春の三寒四温が続くタイミングでは、水温が予想以上に安定せず、低活性な状態と高活性な状態が日替わりでやってきたことを今でもよく覚えています。地元の常連さんに話を伺ったところ、「気温だけを見ていたら釣れない日もある。実は地下水の流入量や、雪解け水の影響があるかどうかをチェックしないとダメだよ」とアドバイスをいただきました。なるほどと思い、釣具店でプロスタッフをされている方にも訊ねてみると「春の管理釣り場は気温よりも水温変化、そして天候の移り変わりで激しく活性が上下する。必ず現地で少しルアーを通して、トラウトの気分を探ってからスタートしてほしい」と念を押されました。
さらに、トラウトのトーナメントに出場している友人から教わったエピソードも非常に印象深いものがあります。彼は普段から各地の管理釣り場を巡り、腕試しを兼ねて試合に参戦しているのですが、特に春先は重めのスプーンを駆使してボトム付近まで落としてからテンポよく巻き上げる「ボトム・シェイク」をよく使うというのです。そこにちょっとしたダートやアクションを加えながら表層近くまで急浮上させることで、活性の上がりかけたトラウトに反応を引き出すテクニックだとか。なるほど、やはりエリアトラウトは春の季節になると水温上昇に伴って中層から上層へと移動しやすくなるため、一つのレンジだけでなく複数のレンジを縦に探ることが重要なのだと感じました。
一方、夏場の釣りに関しては、フィッシングリゾート上永野でも経験があります。夏の暑い日に現地へ行った際、直射日光の影響で水温が上がり、トラウトたちは水面近くでパクパクと空気を吸う光景が見られました。スタッフの方が「この時期は魚もバテ気味だから、速いルアーにはなかなか反応しないんだよね。クランクか、思い切って水面をゆっくり攻めるトップウォーター系が意外と良いよ」とアドバイスをくださり、実際にクランクを試してみたところ、低速リトリーブで誘ったときにだけバイトがあったのは非常に興味深かったです。そのとき使ったのが友人に借りたラッシュベルシリーズで、深めのレンジからフワッと浮上させたり、逆に浅場をゆっくり巻いたりといった自由度の高さが魅力的でした。特に夏場は酸素濃度が下がりがちで、魚が無駄な体力を使いたくない状況にあるため、ゆったりとした動きでしっかりとアピールできるルアーが効果的なのだと実感しました。
また、別の日には朝霞ガーデンで「表層攻略」をテーマに釣りをしたことがあります。真夏の管理釣り場ということで相当厳しいだろうと覚悟していましたが、軽量ルアーを一点シェイクさせて水面をわずかに波紋立てるイメージで攻めると、意外にも口を使ってくれる場面がありました。そのとき隣にいた方から「実際に落ちてくる虫って意外に小さいから、大型のセミをイメージするよりも、もう少し小さな昆虫のサイズであげたほうがいいよ」といった生々しいアドバイスをもらったのをよく覚えています。今までは夏=派手な波動や大きめの虫ルアーというイメージだったのですが、むしろ『ばったろう』のようなコンパクトなトップウォーターや小型のクランクが効くこともあるのだと学ばされました。
こうした釣り仲間や釣り場スタッフ、さらにはプロスタッフの方々とのやり取りを通して、今回の記事の中で書いた「春と夏のエリアトラウト攻略」は、私自身が実体験やアドバイスをもとに構築したものです。あらためて振り返ると、春は表層を意識するトラウトや急激な気温変化による活性の乱高下、夏は酸素濃度が低く、魚が動きにくい環境という正反対の難しさがあります。でも、その分だけ春夏のエリアトラウトには攻略しがいがあり、まるでパズルを解いているような楽しさがあるのです。この記事で紹介したルアーも、その楽しさを最大化するために実際に活躍してくれた相棒たちなので、皆さんもぜひ一度手に取って試してみてほしいと心から思います。
最後に、このあとがきを読んでくださった方、そして記事に目を通してくださった方々に、私からひとつお伝えしたいことがあります。エリアトラウトは「寒い時期だけ」の釣りという先入観を持たれることが多いかもしれませんが、実は春や夏のシーズンこそ、ルアーの選択肢やアプローチの幅が増え、より多彩な釣りを楽しむことができます。もし「もう少し暖かい季節なら釣りに行きたいな」と思っていた方がいれば、ぜひ春や夏の管釣りに挑戦して、新しい魅力を発見してもらえたら嬉しいです。この記事が、そんな新しい一歩を踏み出すきっかけになればこれ以上の喜びはありません。自然と向き合いながら自分なりのスタイルを磨き、季節ごとの変化を肌で感じつつ、トラウトとの駆け引きを存分に楽しんでいただければ幸いです。