ダンゴ釣りをウキなしにすることにより、今まで取れなかったアタリがとれるようになったり、足元を狙うことができたりとウキを付けないことによるメリットがいくつかあります。
しかし、ウキなしのダンゴ釣りの効果を最大限にするためには、いくつか抑えておくべきポイントがあります。
ここでは、ウキなしのダンゴ釣りのタックルやエサ、テクニックなどを見ていきましょう。
目次
ダンゴ釣り(紀州釣り)とは何か?
ダンゴ釣りというのは、オキアミなどの刺しエサを集魚剤やヌカなどを混ぜ合わせたエサで包み込み、ダンゴを作ることで、エサ取りから刺しエサを守り、同時に大きな魚を寄せる釣り方のことを意味します。
この釣り方では、通常ウキを使うので、ウキダンゴ釣りや紀州釣りなどと言われることが多いです。
今回はそのウキダンゴ釣りのウキなしのダンゴ釣りについてみていきます。
ウキなしのダンゴ釣りのメリット
ウキなしでダンゴ釣りをするのには大きなメリットがあります。
それは、アタリが竿の穂先やラインにダイレクトに伝わるので、厳寒期や食い渋り時の小さなアタリをとることができることです。
ウキがスパッと沈むのも魅力的ですが、竿先がググゥっと沈み込むアタリも気持ちがいいものです。
また、ウキにラインが絡むことがないので、ライントラブルが少なくなります。
仕掛けもシンプルなので、初心者でも取り組みやすい釣り方と言えるでしょう。
ウキなしのダンゴ釣りに最適なタックル
まずは大まかに必要なタックルを見ていきます。
ウキダンゴ釣りのタックル
竿: 1.5号 5m 磯竿が理想
リール: 2000~2500番
道糸: 高比重PEライン
ハリス: フロロ1.5号
針: チヌ針2号
ウキダンゴ釣りと違い、ウキなしのダンゴ釣りをする場合に、釣果アップするために揃えておきたい釣具が2つあります。
ウキなしのダンゴ釣りで釣果アップする2つの釣具
ウキなしのダンゴ釣りでたくさん釣るために、そろえておきたい釣具は
高比重PEライン
ウキなしのダンゴ釣りでは、ウキがないので魚のアタリを竿先かラインで取ります。
そこで、魚のあたりが分かりやすく、伸びの少ないPEラインが活躍します。
しかし、通常のPEラインだと水面に浮いてしまったり、風にあおられてしまったりすることが多く、とてもとても使いにくいです。
それを解決してくれるのが高比重のPEラインです。
近年ではチヌやグレのフカセ釣りの大会トーナメントで競技者が使っていることが多く、実績の高いラインです。
具体的におすすめな高比重PEラインはシマノのPEラインです。
少々値段はしますが、PEはナイロンラインよりも長持ちします。
根がかりの少ない堤防周りであれば0.6号
岩場があったり、根が多い場所では0.8号を基準に選べばいいかと思います。
PEラインを使用するのは、繊細なあたりが取りやすいだけでなく、ナイロンラインに比べて細い号数を使うことができるので、風や潮の影響を受けにくくなります。
小型スイベル
ダンゴ釣りではスイベルがあったほうがいいでしょう。
ダンゴを握る際に、ダンゴを回転させます。
回転させることによってハリス、道糸がねじれてきます。
ラインのねじれは、トラブルのもとになりやすく、アタリがうまくでなかったり、糸切れの原因にもなります。
それを防ぐためにもスイベルを取り付けます。
ただし、大きいスイベルだとそれ自体に重さがあり、ガン玉を打っているのと同じになってしまいます。
できるだけ、竿先からダンゴまでは一直線にしておきたいので、軽くて邪魔にならない小型のスイベルをとりつけましょう。
圧倒的におすすめのスイベルはダイワのスイベルです。
小型ながら潤滑に回転し、余計な糸ヨレを取り除いてくれます。
ダイワ (DAIWA) DスイベルSS ローリングスイベル
サイズは12の一番小さいものを使用します。
他のスイベルよりも2,3倍の価格となっていますが、それだけの回転力と滑らかさがあります。
再利用も可能なので、持っておいて損はないスイベルだと思います。
ウキなしのダンゴでは使用しませんが、ウキを付ける場合におすすめのウキスイベルがあります。
以下の記事もご参照いただければ幸いです。
ウキスイベルのおすすめと遊動スイベル。SiCスイベルは間違いない。
ウキなしダンゴ釣りの配合エサ
エサの選別も釣果に影響してきます。
私が最もおすすめしているダンゴ餌はウキダンゴXというダンゴ釣り用のエサです。
手の圧力やダンゴを握る回数で、割れ時間が比較的簡単に調整できるので、初心者でも扱いやすい配合エサになっています。
エサについて、さらに詳しくは以下の記事をご参照ください。
紀州釣りやダンゴ釣りの最強の配合レシピ。おすすめの集魚剤紹介
ウキなしダンゴ釣りの釣り方
ウキなしのダンゴ釣りでは、遠投もできますが、足元にダンゴを落とすか、竿先の真下にダンゴを落として釣りをするのが釣りやすいです。
ラインをフリーにして、竿先の真下あたりにダンゴを投入します。
この時、予め道糸を余分に垂らしておいてダンゴがスムーズに落ちるようにします。
底までダンゴが落ちたら、ラインがたるむので、余計な糸ふけをとって竿先とラインが90°になるようにして、やや竿先でテンションをかけてあげます。
少しでも重さを感じたらダンゴがまだ割れていない証拠です。
握り加減でダンゴの割れ時間を調整し、30秒ほどでダンゴが割れて竿先にかかっているテンションが抜けるようにします。
テンションが抜けたら竿先を少し下げてエサが底を這うようにしてアタリを待ちます。
魚がエサに食いつけば、ラインが走ったり竿先にアタリがコツッ!とでます。
アタリの感じ方と合わせのタイミング
基本的にはラインを少したるませてあげたほうが、エサが自然に底に落ち着くので魚が食いやすくなります。
しかし、小魚やエサ取りが多い場合には、餌は取られるけれどもアタリがないという状況になりがちです。
その場合は、適度にラインに張りを持たせてあげることで、エサ取りのアタリや本命のアタリを探ることもできます。
状況に応じてラインの張り具合を調整するのがポイントになります。
合わせるライミングに関して、食い気があれば、ファーストバイトで即アワセでもしっかりとフッキングしてくれますし、食い渋り時には、、ラインが走るまで待ってからしっかりとアワセを入れてあげるのもよいでしょう。
ウキなしのダンゴ釣りのまとめ
ウキなしでダンゴ釣りをするのは、魚の小さなアタリをとりやすく、エサがウキに引っ張られてしまうことがないので、自然にエサを魚に食わせることができるメリットがあります。
余計な仕掛けがないため、糸がらみやライントラブルも少なくなり、シンプルな釣りを楽しむことができます。
アタリをとりやすくするために、高比重のPEラインや小さなスイベルをうまく組み合わせて、今までウキがムズムズと動くけれども釣れなかったような、小さなアタリをとらえて釣果アップに役立て頂ければ幸いです。
やっぱりダンゴ釣りにはウキを付けたいという人に向けて
おすすめのダンゴ釣り用のウキをご紹介していますので、以下の記事もご参照いただければ幸いです。
あとがき
今回の記事「ウキなしのダンゴ釣り」について書き上げた今、改めてこの釣り方の魅力や深みについて考えを巡らせると、私自身も釣りの奥深さを再認識する良いきっかけになったと感じています。なぜなら、普段何気なく使っていた「ウキ」というパーツをあえて取り除き、その分、竿先やラインに集中してアタリをとるスタイルに変えるだけで、まるで新たな世界が広がるように釣果にも変化が現れるからです。ウキがないことによるメリットとしては、小さなアタリを明確に感じ取れる点や、仕掛け自体がシンプルになり、足元へ正確にエサを落としやすくなる点などがあります。これらは、特に厳寒期の食い渋りや、活性の低い魚をターゲットにする際に大きなアドバンテージになると実感しました。
そもそも今回の記事でこのテーマを取り上げようと思ったのは、以前釣り仲間と議論した時に「ウキを外したらどうなるのかな?」という純粋な疑問が出たのがきっかけでした。ウキを使わない釣り方はフカセやルアーにはあるものの、ダンゴ釣りではあまり注目されていなかったように思います。そこから私自身が試行錯誤しながら、足元での小さなアタリをとらえる爽快感と、ダンゴ釣り本来の魅力を両立させる方法を探り続けてきました。最初は慣れない仕掛けに戸惑いもありましたが、高比重PEラインを使ったり、小型スイベルを導入したりすることで、ウキなしのセッティングでも十分にアタリをキャッチできるようになっていったのです。
特に印象的だったエピソードがあります。ある日、夕方の満潮に合わせてチヌ狙いのダンゴ釣りをしていたときのことです。仕掛けを投入しながら「いつも通りにウキを付けていると、小さなアタリを拾いきれていないのでは?」と、ふと疑問を抱いて思い切ってウキを外してみました。最初は竿先が小刻みに震えても、その反応がエサ取りによるものなのか本命チヌのアタリなのか、判別が難しく、合せのタイミングをつかむのが大変でした。しかし試行を重ねるうちに、竿先に伝わる独特のアタリの“重み”を感覚的に覚えるようになったんです。すると急に手応えが出始め、最終的にはいいサイズのチヌを複数枚釣り上げることができました。この体験は「ウキなしのダンゴ釣りも面白いかも」と私を大いに奮い立たせるきっかけになり、そこからさまざまなシチュエーションで試すようになりました。
また、この記事を書くにあたっては、釣りフェスに足を運んで各メーカーの担当者から直接話を聞いたり、いつも行く堤防で出会う常連の方々の意見も参考にさせてもらいました。特に、ダイワやシマノといった大手メーカーのブースで、トーナメントで活用される高比重PEラインの開発秘話などを伺った際、最新技術がいかにアングラーの目には見えない部分をサポートしてくれるのかを知ることができ、非常に刺激を受けました。実際に「高比重PEラインを導入すると、どうしても風に悩まされるようなポイントでもラインが安定し、小さなアタリを取りやすくなる」という話は、私が実釣で感じていた疑問とぴったり一致していたんです。
さらに、執筆中には家で飼っている猫と戯れながら筆を進めることもしばしばありました。パソコンに向かっていると、いつの間にか猫が膝の上にちょこんと乗ってきて邪魔をしてくるのですが、その温もりがなんとも愛おしくて、ふと疲れが癒されます。「猫の手も借りたい」なんて言葉をよく耳にしますが、実際に書き物をしている横でゴロゴロ甘える姿を見ると、猫の手どころか、癒やしのパワーを存分に借りている気がします。そんな日常のひとコマも私にとっては大切で、せわしない毎日のなかでも、こうして記事を書く時間があるからこそ落ち着いて物事を見つめ直せるのだと感じました。
今回の「ウキなしダンゴ釣り」記事をまとめるにあたって、私が特に伝えたいと思ったのは、釣りは常に新しい発見と挑戦の連続だということです。普段慣れ親しんだ仕掛けを少し変えるだけで、今まで見逃していた細かなアタリが明確に分かるようになったり、エサがより自然に魚へアピールできたりと、思いがけない成果が得られます。これは、初心者の方からベテランの方まで、どのレベルのアングラーにとっても共通する魅力だと思います。「ウキを外してみる」という一見小さな工夫が、大きな釣果につながる可能性を秘めている。そのダイナミズムが、やはり釣りの醍醐味ですよね。
読者の方々には、ぜひこの記事を読んで、ウキなしダンゴ釣りに限らず、いろいろな仕掛けや釣法にチャレンジしてみるきっかけにしていただければ嬉しいです。たとえば、普段は遠投を主体としたウキダンゴ釣りしかしない方でも、足元のポイントを丹念に探るだけで思わぬ大物に出会えるかもしれません。あるいは、ウキなしダンゴ釣りを試したくても抵抗があったという方は、ぜひ高比重PEラインや小型スイベルをそろえ、記事で紹介したテクニックを活用してみてください。最初は違和感を覚えるかもしれませんが、慣れてくるとダイレクトに伝わるアタリに病みつきになるはずです。
私自身、このスタイルを始めた当初は「ウキがないとアタリが見えなくて釣りにくいんじゃないか」と先入観がありました。しかし、実際にやってみるとむしろ「見えないからこそアタリに集中できる」という発見があり、竿先やラインの変化をじっくり観察することで、“魚と対話している”ような気持ちにすらなります。これは、まさに釣りのロマンであり、釣り人が自然と向き合う特有の楽しみの一つだと言えるでしょう。さらに、仕掛けがシンプルになることによって生まれるメリットや、ライントラブルが減ることによるストレス軽減など、経験を重ねるほどに「ウキなしでダンゴを操作する」という新しい視点が加わり、釣りに対する幅広いアプローチを得ることができると感じています。
最後になりますが、この記事を読んでくださった皆さんが、次回の釣行でちょっとした工夫を加えてみるきっかけになれば幸いです。釣りはどこまでいっても答えが一つではないからこそ面白い世界です。今回ご紹介したウキなしダンゴ釣りは、その多彩な世界のほんの一端に過ぎません。しかし、こうした小さなチャレンジから新たな扉が開き、これまで見えなかった魚の顔や、大きな達成感に出会うこともあると思います。もし記事の内容を実践して釣果が伸びた、あるいは新たな課題が見つかったという方がいらっしゃいましたら、ぜひその体験談も共有していただけると嬉しいです。
釣り場にはいつも新鮮な風景と、時に予想外のドラマが待っています。ウキを取り外したことで生まれるダイレクトな手応えに心を躍らせつつ、自然との対話を楽しんでみてくださいね。皆さんがこれからも安全で楽しい釣りライフを送れるよう願っています。そして、このあとがきが、ほんの少しでも皆さんの次の一投を後押しする存在となれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。皆さんの竿先に、最高のアタリが訪れますように──そんな願いを込めて、この記事を締めくくらせていただきます。