クロダイ・チヌ

フカセ釣りのエサ取り対策を解説|フグ・こっぱグレへの対処法と見切り方

フカセ釣りで釣り人を悩ませるエサ取りですが、対策は一つではありません。相手の魚と食ってくる層を見て、クワセエサや仕掛けの入り方を変えていくのが基本です。

先に結論

エサ取り対策は、何でも重くする、エサを変えるだけで終わりではありません。

  • まず何の魚が取っているかを見る
  • 次にどの層で取られているかを見る
  • そのうえでクワセ・オモリ・投入点を変えていく

この順で考えると、エサが残る場所や通る筋が見えやすくなります。

エサ取りが多い日に釣りが難しくなるのは確かですが、何でもかんでも重くする、あるいはエサを変えるだけでは噛み合わないことがよくあります。

フグが相手なのか、こっぱグレのように表層で反応の速い魚なのかで、やるべきことはかなり変わってきます。

まずは何の魚に取られているのか、どの層で取られているのかを見ることが大事です。そのうえで、クワセの種類や大きさ、オモリの打ち方、投入点を変えていくと、エサが残る場所や通る筋が見えてくることがあります。

エサ取り対策は裏技を一つ知って終わりではなく、状況を見ながら切り替えていく釣りだと思っています。

エサ取りの代表フグ

この見出しの要点

フグ対策は「軽く入れる」か「重くして一気に通す」かの使い分けが基本です。さらに、投入点や針サイズを変えてもだめなら、移動まで含めて考えます。

写真はハコフグですが、毒をもつフグは釣っても一般の人は食べることができません。

フグの毒について
自然毒のリスクプロファイル:魚類:フグ毒

フグは歯が鋭く、針がかりしないままエサだけを取られたり、ハリスを傷つけられたりしやすい、代表的なエサ取りです。エサが残らないだけでなく、仕掛けそのものを乱されるのでやっかいです。

ただ、フグ対策も何でも重くすればよいというものではありません。まずは目立たせない工夫でかわすのか、それとも一気に底まで通すのかを見極めることが大事です。

フグが目立つものに反応しているようなら、まずはエサを小さくしたり、あえてオモリを打たずにゆっくり落としてみたりするのが有効なことがあります。余計なガン玉を打つと、沈下の姿勢や動きが不自然になって、かえって途中でフグに見つかりやすいことがあります。そういうときは、できるだけ自然に落として、目立たせすぎないほうがよいです。

逆に、表層から中層までフグが多くて、ゆっくり入れても途中で毎回取られるようなら話は変わってきます。そういう場面では、大きめのオモリを打って一気に海底まで沈め、クワセエサを這わせるように入れたほうがよいでしょう。表層で見つかっているときは、まずその層を素早く抜けることを優先したいです。

状況 考え方 対処
不自然な動きで見つかっている 目立たせない エサを小さくする・オモリを打たずに落とす
表層〜中層で毎回取られる 一気に通す 大きめのオモリで底まで入れる
それでも残らない 筋を変える 投入点変更・針サイズ変更・移動判断

要するに、フグ対策では「軽く入れるほうがよい場面」と「重くして一気に通したほうがよい場面」があります。不自然さで食われているなら軽くする、途中で見つかって毎回取られるなら重く通す、という見方が基本になります。

それでもかわせないときは、次の手も必要です。針のサイズを4号、5号と上げていくと、エサだけ取られる回数が減ることがありますし、マキエを一点に集中して撒いて、そこからクワセエサの投入地点を少しずつずらしていくと、エサが残る筋が見つかることがあります。

地形の変化がある場所や、テトラ際をタイトに攻めるのも有効です。どこに入れても同じように取られる日でも、少し角度や落としどころを変えると残る場所が見つかることがあります。

注意点

フグ対策でありがちなのは、最初から重くしすぎることと、移動判断を遅らせることです。軽くかわしたほうがよい場面もあるので、最初から一つの型に決めないほうがよいです。

ただし、フグが多い日でも粘る価値がある場面と、そうでない場面はあります。チヌの活性が低かったり、数が少なかったりして、フグばかりが前に出ていることもありますが、マキエで寄せて状況が変わることもあります。

一方で、経験上、10センチ以下の小さなフグが広く大量にいるときは、それをかわしたところでチヌが釣れたということは滅多にありません。少し混じる程度のフグならまだしも、足元から先までフグが見えて、どこに入れてもエサが残らないような日は、粘りすぎないほうがよいでしょう。

私の実感

ハリスがざらつく、底まで持たない、投入点を変えても反応が変わらない。こういうサインが続く日は、フグが少し混じる日ではなく、場全体がフグ優勢になっていることが多いです。

その場で無理に答えを出そうとせず、移動まで含めて考えるほうが、結果的に釣りが早いこともあります。

フグ対策は、まず目立たせない工夫を試し、それでだめなら一気に通し、それでも変わらなければ投入点や針を変え、最後は見切る。この順で考えると整理しやすいです。

こっぱグレ(小メジナ)が多い場合の対処法

この見出しの要点

こっぱグレが多いときは、同調しすぎず、クワセの大きさ・硬さ・入り方を変えて本命の層まで通すのが基本です。

こっぱグレは、マキエをまいた瞬間に突っ込んでくるほど元気があります。反応が速く、ふわふわと漂うものにもよく食ってくるので、いつものようにコマセとクワセエサを同調させているだけでは、すぐにやられてしまうことが多いです。

こういうときは、まずクワセエサを見直したほうがよいでしょう。オキアミで持たないなら、コーンやサナギ、大きめの練りエサに変えるだけでも反応が変わることがあります。

クワセ 向く場面 見方
オキアミ まだ持つ場面 まずは基準として使う
コーン・サナギ オキアミがすぐ取られる場面 サイズや硬さで差を出しやすい
大きめの練りエサ 表層の反応が速い場面 形や固さを変えやすい

特に練りエサは、大きさや固さを少し調整できるので、エサ取りが多い場面では使いやすいです。柔らかすぎると途中で取られやすいですが、少ししっかり付けると、表層の小魚やこっぱグレに奪われる回数が減ることがあります。

クワセを変えてもまだ途中で取られるなら、次は仕掛けの入り方を見直します。軽い仕掛けでふわふわ入れていると途中でやられやすいため、必要に応じてオモリを打って、だんだん重たくしていく考え方も必要になってきます。大きなエビや練りエサの重さで、そのまま入れていくのも効果的です。

コツ

こっぱグレ対策は、クワセだけオモリだけで考えないほうがよいです。クワセの種類と、仕掛けの入り方をセットで変えると、エサが通る筋が見えやすくなります。

ただ、ここでも何でも重くすれば終わりではありません。こっぱグレが足元に濃くても、沖合までは追ってこないことがあります。沖が砂地なら、どこまで堤防際やテトラから離れたところまで追ってくるかを見て、あまり沖まで出てこないようなら遠投して沖を攻めるのがよいでしょう。

逆に、沖もだめで、際や障害物の近くにだけエサが残るようなら、地形変化のある場所やテトラ際をタイトに攻めたほうがよいです。足元がだめだからといって、毎回沖だけが正解というわけでもありません。足元で消えるのか、沖まで追うのか、際に残るのかを見て攻め分けることが大事です。

  • 足元だけ反応が濃いなら、沖を見てみる
  • 沖まで追うなら、クワセや入り方をさらに見直す
  • 際に残るなら、テトラや地形変化をタイトに攻める

実際、江之浦港でグレをフカセ釣りで狙っていたときも、夏から秋にかけてはスズメダイやこっぱグレの反応がかなり速く、普通に同調させるだけではクワセが本命まで通りませんでした。最初はオモリを打って一気に入れる方法も試しましたが、それだけでは今度は下の別のエサ取りに悩まされる場面もありました。

私の実感

そこで、ハリのサイズやクワセエサの種類を変えながら見ていくと、大きめの練りエサを使ったときに、表層の猛攻を受けにくくなり、仕掛けが深場まで入りやすくなりました。コマセの撒き方も少し集中気味にすると、ようやく釣りが組み立てやすくなったのを覚えています。

その日の最後に38cmのチヌが釣れましたが、印象に残っているのはサイズよりも、エサ取りが多い日はクワセだけ、仕掛けだけで考えるのではなく、クワセと入り方をセットで変えないとだめだ、ということでした。

エサ取りは必ずしも敵ではない

この見出しの要点

エサ取りは邪魔なだけではなく、本命を寄せる呼び水になる場面もあります。ただし、多すぎてクワセが残らない状況は別です。

エサ取りというと悪いイメージが強いかと思いますが、必ずしも邪魔なだけとは限りません。使い方によっては、チヌ(黒鯛)を寄せるきっかけになることもあります。

マキエを撒くと、まずエサ取りが集まってきます。これを見て大型のチヌが、あそこは安全だと感じて寄ってくることがあります。

エサ取りがおいしそうにエサを食べているのを見て、チヌも安心してエサを口にすることがあります。実際、何もいない静かな水面よりも、小魚が先に動いているほうが場ができていると感じることは多いです。

また、エサ取りの群れはマキエの煙幕よりも水中で目立ちます。そこに何かあると遠くの魚にも伝わりやすく、結果として魚を寄せる手助けになることがあります。

チヌ・グレ釣りの時合いを紹介。いつ、どんな時に釣れるのか?

注意点

ここは勘違いしないほうがよいところです。エサ取りがいればいるほどよい、という話ではありません。

クワセがまったく残らないほどではなく、ほどよく場をにぎやかにしてくれるエサ取りならプラスに働くことがありますが、多すぎてどこに入れても残らない状況では、やはり釣りが成立しにくいです。

以前はエサ取りが見えた時点で、今日は厳しいなと考えてしまうこともありました。ですが、実際に釣りをしていると、先に小魚が集まって場ができ、そのあとで本命の気配が出てくることもあります。こういう経験をすると、エサ取りは敵か味方かで切るのではなく、量と出方を見て考えるものだと感じます。

迷ったときの判断の順番

先に見る順番

エサ取り対策で迷ったときは、手当たり次第に変えるのではなく、順番を決めて見直すと釣りが組み立てやすいです。

まず見るべきなのは、何のエサ取りが出ているのかということです。フグなのか、こっぱグレなのか、あるいは別の小魚なのかで、クワセの残し方は変わってきます。

次に、その魚がどの層で食っているかを見ます。表層ですぐ取られているのか、中層で止まっているのか、底付近まで入ってからやられているのかで、軽く入れるか、重く通すかの判断が変わります。

そのうえで、クワセエサの種類や大きさ、仕掛けの入り方を変えていきます。オキアミでだめならコーンやサナギ、練りエサを試し、軽すぎて持たないならオモリを足す、といった順で見直していくと迷いにくいです。

それでも変化がないなら、投入点やマキエの打ち方を変えてみます。足元に寄せて、そこからクワセだけずらすのか。逆に沖へ遠投して、エサ取りの薄い筋を探すのか。こうした調整で残る場所が見つかることがあります。

それでもどこに入れても反応が変わらず、エサも残らないようなら、移動も立派な対策です。その場で粘ることが正解の日もありますが、見切って次の場所へ行ったほうが早い日もあります。

順番 見ること 考えること
1 何のエサ取りか フグか、こっぱグレか、別の小魚か
2 どの層で取られるか 軽く入れるか、重く通すか
3 クワセの残り方 オキアミ以外も試すか
4 投入点とマキエ 足元・沖・際のどこを攻めるか
5 変化があるか なければ移動も考える

エサ取り対策で大事なのは、何か一つの技を覚えることではなく、魚の出方を見て打ち手を切り替えていくことです。相手の魚、食ってくる層、クワセの残り方。この3つを見ながら組み立てていくと、エサ取りが多い日でも釣りはかなり変わってきます。

持ち帰るポイント

  • エサ取り対策は魚種と層を見て変える
  • フグは軽くかわすか、一気に通すかを使い分ける
  • こっぱグレはクワセと入り方をセットで変える
  • 多すぎる日は移動も対策になる

あとがき

今回の記事を書き終えて、まず率直に感じたのは「フカセ釣りの奥深さを改めて思い知った」ということです。エサ取り対策という、釣り人が誰しも一度は直面する問題をテーマに選んだのは、自分自身がこれまで何度もエサ取りに悩まされ、そのたびに工夫や試行錯誤を重ねてきたからに他なりません。特にフグのように歯が鋭く、仕掛けやハリス、場合によっては浮力調整のための小さなガン玉までも切り取ってしまうような存在とどう向き合うかは、フカセ釣りの醍醐味でありながら、その難しさを象徴していると感じています。だからこそ、対策を考察することであらためてこの釣りの本質や面白さに触れることができました。

しかし、本記事では「エサ取り=邪魔者」という一面的な捉え方だけで終わりたくありませんでした。フグやスズメダイ、あるいはこっぱグレのような小型の魚たちは、私たち釣り人にとっては時に頭を抱えさせる存在ですが、実は大物を寄せるための“呼び水”になっている場合もあるのです。これに気づけたのは、自分の経験則や周囲のアドバイス、そして何より実際の釣り場で観察を続けてきたからこそだと思います。エサ取りの動きをどう捉えて戦略を練るかは、フカセ釣りをさらに深く楽しむための大切な要素です。

じつは、このテーマを深掘りしようと思ったきっかけは、かつて江之浦港でグレをフカセ釣りで狙っていたときに、スズメダイの猛攻にまったく太刀打ちできずに悩まされた経験があったからです。夏から秋にかけて水温が上がる時期、堤防から竿を出すとすぐに集まってくるスズメダイの群れ。どうしても先にエサを食べられてしまうため、マキエとクワセエサを同調させてもグレらしきアタリは一向に得られない。あまりの勢いに「今日はもうダメかな」と半ばあきらめてしまいそうになったことも、一度や二度ではありませんでした。

その日は何度も仕掛けを変えながら粘ったのを覚えています。オモリを打って一気に仕掛けを沈める方法では表層のスズメダイからは逃れられても、今度は海底付近で別のエサ取りに悩まされる展開になりました。そこでハリのサイズやクワセエサの種類を変えながら見ていくと、大きめの練りエサが効き、エサを奪われる回数が減って仕掛けが深場まで入りやすくなりました。途中でコマセの撒き方も集中気味にしながら、その日はようやく38㎝のチヌを仕留めることができました。

印象に残っているのは、釣れたことそのものより、「エサ取りとの付き合い方次第で釣果は大きく変わる」ということでした。あのとき、もし早い段階であきらめて竿をたたんでしまっていたら、この感覚はわからなかったと思います。たとえ手強い相手でも、どこかに必ず突破口がある。その試行錯誤のプロセスこそが、フカセ釣りの面白さだと改めて感じています。

エサ取りに悩まされる場面は多いですが、そのたびに釣りをやめてしまうのではなく、「次はこういう対策を試してみよう」と考えるだけでも釣りはかなり変わります。エサ取りが多い状況こそ、新しい仕掛けや流し方を試すきっかけになることもあります。

また、釣り場には経験豊富な常連さんや店員さんがいて、思わぬヒントをくれることがあります。私も江之浦港で、潮が速い日はもう少し重い仕掛けがよいことや、スズメダイが多い日は足元を捨てて沖へ遠投したほうがよいことを教わり、実際に助けられたことが何度もありました。こうした周囲の言葉も、釣りを組み立てるうえで大きな助けになると感じています。

最後に、この記事を読んでくださった方が、自分なりの工夫でエサ取り対策を試し、新しい気づきに出会えることを願っています。

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