釣りにおいては欠かせない存在のサルカンやスナップ。
スイベルやヨリモドシに関して、その違いや使い方、種類などをみていきましょう。
目次
サルカンとは?
サルカンは糸よれを解消するために使用する釣り用の小型連結金具のことです。
道糸とハリスのように素材や太さ固さの違う糸同士を繋ぎ合わせる役割があります。
サルカンといってもサイズや形状、強度や機能などものによってかなり違いがありますが、基本構造は同じになります。
連結構造+αで、スナップがついていたり、ワンタッチで止められる金具がついていたりしている商品もあります。
サルカンとスイベル、ヨリモドシの違い
サルカンと同じように使われる言葉に、スイベル またはヨリモドシがあります。
これらは基本的には同じものです。
スイベルとは?
スイベルは工業用の用品で使われる金具の意味もあります。
SWIVELと表記し、2つの接続点を持って互いに自由回転できるようにした接続パーツのことです。
ヨリモドシとは?
ヨリモドシは漢字では【撚り戻し】という意味で、仕掛けがよれて絡まるのを戻す→よれないようにするという意味でヨリモドシと呼ばれます。
サルカン、スイベル、ヨリモドシの意味
ヨリモドシで前述したように、サルカンとスイベルとヨリモドシは同じものを意味しており、これらは糸のよれをなくすために使います。
釣り糸がよれることで、仕掛けが絡まりやすくなったり、糸の強度が弱くなったりします。
また、糸がよれていると仕掛けのエサが糸よれに引っ張られて不自然な動きをするため、魚に違和感を与えてしまいます。
糸よれは釣りにおいてはデメリットしかありません。
糸よれを解消するためにもサルカンが必要になるのです。
ゆっくりと仕掛けを投入すれば大丈夫ではないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、仕掛けの沈下速度だけでは糸よれはコントロールできません。
それは使うエサがオキアミやミミズ、ゴカイなど複雑な形状をしていると水中で水の抵抗を受けて回転してしまうからです。
エサが回転してしまうことで、ハリスがよれてしまいます。
サルカンを接続していればこのときサルカン自体が回転してくれるので糸よれの解消につながり、仕掛けもスムーズに自然落下していきます。
ポイント
サルカン、スイベル、ヨリモドシは糸よれを防止するための釣り具
サルカンとスナップの違い
スナップとは?
サルカン・スイベルとよく混同されるのにスナップがあります。
スナップは主にルアー釣りや、鉛の交換に使われることの多い金具です。
ラウンドスナップなどといい、ステンレス製の金具が8の字に曲げてあり、引っ掛かりを外すだけで容易にルアー交換ができるようになっています。
サルカンとスナップ
これらの違いとしては、釣り糸の回転にたいしてサルカンはそれ自体が回転するのにたいして、スナップは回転運動をすることがありません。
そのため、スナップには糸よれを戻す効果はなく、フカセ釣りや投げ釣りなどのハリスを使う釣りには適していません。
スナップは、ルアーを結びなおすことなく瞬時に交換できるための金具になります。
ルアーに直接結ぶのでなくスナップを取り付けることで、ルアーの動きを妨げることなく、ルアーの結び目の自由度があがり、よりキビキビとしたルアーの動きが可能になります。
スナップ付きサルカン
サルカンとスナップの両者のいいところどりをしたのが、スナップ付きサルカンになります。
スナップのおかげで取り外しは簡単になり、サルカンで糸よれを防止します。
スナップ付きサルカンは非常に便利なのですが、デメリットもあります。
それは、サルカンとスナップが連結しているので存在感が大きく、ルアーなどに使用するとルアーの頭に大きな金具がついていることになり魚に対しても違和感を与えます。
釣れないこともないのですが、ルアーなどの疑似餌を使用する場合はできるだけ、シンプルに仕掛けを組み立てたほうが高確率で魚が食ってきます。
余計なものはないほうがいいかと思います。
使用するのであれば、サビキ釣りのカゴのとの連結部分やちょい投げ釣りの仕掛けと天秤の連結部分などが適しているでしょう。
サルカン・スイベルのデメリット
サルカン・スイベルの機能が分かれば取り付けたほうがいいかというとそれは状況にもよります。
サルカン・スイベルにもデメリットがあるからです。
それは、重さです。
サルカン・スイベルは金属製のものであることが多いのでそれ自体に重さがあります。
いうなればラインにガン玉をうっているのと同じことです。
シビアな世界の話ではありすが、スイベルの重さ一つで魚が違和感を感じることもあります。
特にフカセ釣りなどの仕掛けやエサを自然に海流にのせて釣る釣りでは、サルカンの重みがそれを邪魔してしまいます。
そのため、フカセ釣りなどでは極力重さを取り除いた小さなサルカンを使用するか、プラスチック製のサルカンを使用します。
パワーノットサルカンは回転部がないので糸よれを防止することはできませんが、ハリスと道糸との接続部に強度を持たせることができます。
サルカンのデメリットとしては他にも、竿に巻き込んでしまうことで竿が折れてしまったり、サルカン自体に糸が絡まることもあるということです。
極力シンプルに仕掛けを作ることが最善ではありますが、サルカンのメリットを生かしきれないとサルカン自体が悪者になってしまいますので、サルカンの効果を過信することのないようにしましょう。
あれば便利なパーツぐらいに考えておくとよいでしょう。
おすすめのサルカン・スイベル
サルカンのメリットデメリットを理解した上でどのようなサルカンを選べばいいのかわからない人のためにおすすめのサルカンをご紹介します。
それがこちらです。
NTパワースイベル
NTパワースイベル(NTスイベル社)
こちらは私が使ってきた中でも最も強度が強く不良品がなく使いやすいスイベルです。
樽型のスイベルの2倍近くの強度で小型のスイベルでも安心して使用できます。
以下、サイズ表となります。
サイズ | 5/0 | 4/0 | 3/0 | 2/0 | 1/0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
入数(個) | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 9 | 10 |
強度(kg) | 540 | 430 | 360 | 316 | 212 | 189 | 133 | 96 | 89 |
全長(mm) | 33.5 | 31.2 | 29.7 | 27.4 | 24.8 | 21.0 | 18.5 | 18.2 | 15.6 |
サイズ | 5 | 6 | 7 | 8 | 10 |
入数(個) | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
強度(kg) | 56 | 45 | 38 | 27 | 21 |
全長(mm) | 12.5 | 11.8 | 11.0 | 9.9 | 8.6 |
確認していただきたいのはその強度です。
使用する道糸よりも強い強度のサルカンを使えばサルカンが壊れて仕掛けをなくすということは理論上はありません。
使用する道糸がナイロンラインの2号の場合 断裂強度は一般に3.629kgです。
そうすると一番小さい番手の10号のサルカンでも強度は21kgなので壊れる心配はありません。
まとめ
ここではサルカン・スイベル・ヨリモドシが同じであるということや、スナップとの違いなどをみてきました。
サルカンを使用するかは釣りの種類によって変わってきます。
しかし固定観念にとらわれることなく、今使われていない場所でもサルカンを使うことで釣果を伸ばせる可能性もあります。
釣りは仕掛けを自分で考えて作るのも楽しい一面でありますので、サルカンの使い方を応用して使ってみてはいかがでしょうか。